長崎五島の旅15 善きサマリア人あらわる 10月18日(水) 土井の浦教会 昨晩は土井の浦教会の信徒会館に泊めて貰いました。畳の部屋で快適だったけど、目覚めたら「えっ!」寝袋の上に5、6センチのムカデがいました!?死んでるのかなと裏から指で弾いたらサササッと逃げていく。ゲゲッだ。寝袋や荷物の下に潜り込ませないように座敷に広げといた荷物を全てテーブルに上げてから殺虫スプレーを探したけどなかったのでガムテープで捕らえてやろうとしてたら消えていなくなりました。ムカデも暖かい所が良かったんだな。 土井の浦のミサに二度与りましたが、男性はみなヨボヨボなので、過酷な弾圧を生き抜いた子孫のこの人達にとってはミサに与れることが無情の喜びなんかなーと思って見てました。きっと二代か三代前は死ぬスレスレで信仰を守った筈。私みたいな不良信者は普段のミサでもボーっと与って、帰りは図書館に寄ろうとか早く終わらないかななんて考えてる始末なので、ちょっぴり恥ずかしいようだった。 ちゃんとミサに与ったご褒美に(でもないけど)、神父さんが朝飯を食べさせてくれました。昨夜は五島名物「五島うどん地獄炊き」だったけど今朝は生卵と納豆。地元と変わらない朝御飯で旨かったです。残ったご飯で大きい塩むすびを作らせて貰いました。食堂も店もないと言う今日のルートでは貴重なお弁当になります。出掛けに神父さんが小さいおむすびを1個くれました。少しばかりご飯を残しても仕方ないのでとのこと。 神父さんにお礼を言って、7時過ぎに土井ノ浦教会を出発。最初から上ったり下ったりです。足を痛めないように小さく小さく歩きます。少ししたら後ろから近づいてきた軽自動車が止まって、どうやら昨晩の暗闇の中で宿の相談に乗ってくれてた人の一人のようです。暗かったので顔は覚えてなかったけどすぐ分かりました。頑張ってくださいと言い残して過ぎ去って行きました。朝からちょっと気分が良くなりました。 暫く歩いた所にこの道唯一の自販機があったので靴下まで脱いで大休止。昨日から持ち歩いているアンパンを食べました。昨晩、神父さんから夕飯を食べさせて貰えなかったら、このアンパンが夕飯になってた所でした。自販機からはお馴染みになったQuuのオレンジジュース。あれ?リンゴジュースだったかな? 隣の島へ渡れる赤い橋が見えてきた。あの橋を渡って次の小さな島に渡れるようだ。こうして橋で渡らしてくれるとフェリーに乗らなくても済むのでありがたい。 赤い橋の上までやって来たら遠くに白い建物が見えるので、あれが有福教会かも知れない。あと2時間ほどで到着しそうだ。私のカメラはコンパクトデジカメなので一眼レフのような綺麗な写真は撮れないが、超望遠で撮るときはいつも何かに固定して手ぶれしないように撮ってます。この時は橋の欄干に乗せてシャッターを切りました。こうすればほぼ(ほぼ)綺麗に撮ることができます。 有福教会のある地域はまた離れ小島になっていて、モーゼの海割れみたいな細い道を渡るものだった。橋ではなく道路です。道の端には太いパイプがあって、島のライフラインらしい。きっと水道水や電気・電話線などが送られてるんだろなと想像しました。 10時40、教会は漁村を通り越した村外れにあった。30度位の急坂の上にあって、登るのは大変だけど上からの眺めは抜群です。お参りしてスタンプも無事にゲット。五島の教会はどこも開け放たれているので有り難い。 外にベンチがあったので、ここで神父さんに頂いた小さいおむすびを食べていると誰か階段を上がってやって来ました。あれ?この人は確か、暗闇の中で宿を紹介してもらってたときに一緒にいたおじさんだよね。やっぱりそうでした。昨晩、宿を紹介してくれた方のご主人らしい。今日のルートで食べ物が手に入らないことを心配してくれて、有福教会までレジ袋一杯の飲食物を持ってきてくれました。もうビックリ。 おむすびを外のベンチで食べてたので、それらは全て担ぐことになりました。有り難いけど、これ重いよーっ!大きな弁当1、おむすび2、パン2に飲み物2。咄嗟にリュックが重くなると思わざるを得ませんやね。でも、リュックの重さは愛の重さと頑張りましょう。きっと弁当は今日の昼飯で、おむすび2個は晩飯、パン2個は明日朝のごはんと考えてくれたんだと思います。今はおむすびを食べたので、こんだけあれば明日のお昼まで食べられるよ。なんて優しい人なんだろう。土肥ノ浦から車なら数十分で来られると思うけど、有福教会は初めて来たそうです。 じゃぁ頑張ってくださいと名前も告げずにさっさと帰ろうとしたので、一緒に写真を撮ってマリアカードを進呈しました。まことにありがたい。善きサマリア人そのものに出会った気になりました。 大量の食料を貰ったので、少しでもバックパックを軽くしたいから自分で作った大きめのおむすびもここで食べることにしました。こっちのおむすびは帰りの道中で食べようと取っておいた物だけど、こんなに食料があるなら今食べちゃいましょう。腹の中に入れるのと背中で担ぐのとでは同じ重さだろけど、腹に入れた方が肩への負担が少ないので絶対に軽く感じる筈です。それに歩いてる間にエネルギーに変わって重さも減る筈(そうかな?)。ペットボトルの水も捨てて貰ったお茶を運ぶことにしました。少しでも軽くすることばかり考えてます。 さてこれからは帰り道です。ハプニングがあったので11時40のスタートとなりましたが、今日は時間がたっぷりあるのでのんびりと歩くことが出来ます。でもやっぱりバックパックがずしりと重たいな。 予約した宿を目掛けているときに地元の婦人三人が山の横道から降りてきました。どうやら仲良し三人組で日課の散歩をしてたようです。暫しの間一緒に歩きながらお喋りできたので気分転換ができました。みなさん道沿いの農家の方で一人、また一人と家に帰りましたが、最後の方が家に帰ったと思ったら車で追いかけてきて「うちで取れたの」と大きなミカン5個とアミノバイタルみたいのを二つくれました。「頑張ってねー」と言い残して走り去って行きました。とても有り難いけど少しでも軽くするためにアミノバイタルみたいのはその場で一個いただき、残りはまたバックパックに詰め込みました。更にリュックが重くなることなることなること。腰にズシンと来ましたが断る訳には行きません。でも、宿まで2キロ手前で貰ったのでまだ良かった。 眼下に昨日泊めて貰った土肥ノ浦教会が見えている三叉路で宿方面に直進。25分ほどで今晩の宿がある漁村に到着~。何しろ担いでいる荷物が重たいので、少しでも余計に歩きたくないからタブレットを出してGPSで宿を確認すると、目の前の建物が予約した民泊だった。おばちゃんが一人で運営していて、道路を跨いだゲストハウスも経営しているそうだ。奈留のフェリーターミナルから電話したとき同じ電話番号だったのはそれだったのか、不思議だった謎が解けた。電話したときはフルと言われたが、知人の紹介だったので渋々オーケーになったらしい。 人生初の民泊5000円×2で1万円。通された部屋は二部屋ぶっこ抜きで広いけど、寝るだけで5000円は高いなぁ。泊めて貰って有り難いけど3000円位で丁度良さそうだった。早速シャワーと行きたい所だが、シャワーは壊れてて出ないってよ。お風呂も今からお湯を溜めるので待ってと言われるが、洗濯もしたいので湯船に溜まりだしたお湯を桶でかいだしながらの利用となりました。体も同様に洗いかなり不便。 風呂から上がると古めのバスタオルみたいの(みたいの!)が洗濯機の上にあるので、これ使えば良いのかな?なんだか薄汚れてるんですけどね。5000円の割に寝間着はおろかハンドタオルも歯ブラシも何も用意してないし、そもそもお金貰って客をもてなしていると言う意識が欠落してるようだ。民泊ってこんなもんなのかな?泊めて貰ってなんだけど。 重たい思いして民泊まで運んだ大きいミカンだけど、おばちゃんに3個お裾分けしました。自販機も店もない漁村だったので喉の乾きにミカンが丁度良かったので、おばちゃんには2個やりゃ良かったなと後で思いました。せこい ここんちにwi-fiはあったけど、接続が難しくて何度やっても繋がらない。おばちゃんは勿論詳しくはなくて不思議がってるだけで何の対応もしてくれません。5000円も宿代払っているんだから業者に電話するなりして接続させてくれないかな。そんな積もりは丸切りなさそうなので諦める。でも、道路の向こう側のゲストハウスにもwi-fiがあると聞いたので宿の外に出てチェックすると、こちらはパスワード無しで繋がりました。だったら5000円の方もパスワード無しにすりゃいいんじゃね? 昼間貰ったお弁当で夕食。今日は1日の終わりの楽しみのビールが飲めませんでした。そうそう民泊は二泊なので明日も泊まれます。それと、教会から2日後と3日後の民宿を連泊で確保できてるので暫く安心です。泊まれたのは良いとして、食堂も店もなんもない村だなー。お弁当貰ってなかったら悲しいことになってたなと今更思ったことであるよ。 本日の歩数 59,062歩←昨日万歩計をリセットするのを忘れたので二日分の合計です 長崎五島の旅16へつづく |