長崎五島の旅16 唐突に現れた教会 10/19(木) 民泊(みんぱく)の朝 6時起床して歯磨き。今日は民泊にいらない荷物を預けて大平(「おおひら」じゃなく「おおびら」)教会を往復します。朝飯は昨日、善きサマリアおじさんがくれたおむすび2個。鮭とツナマヨだった。おじさんの差し入れが無かったらずっとピンチの連続だったよ~命の恩人だよ~。おばちゃんが「ごはんとオデン位ならある」と言ってくれたが、おむすびがあるのでノーサンキュー。宿泊代2泊分の1万円札を支払うと律儀に領収書をくれた。他はダメだけどここだけはちゃんとしてるんだな。善きサマリアおじさんの息子は神父になってると教えてくれる。どうりで。 小さいふかし芋を3本貰って7時50スタート。今日のリュックは軽いので芋はもっとくれても良いんだけどなと思うだけで口には出さない。おばちゃんは途中にある龍観山展望台と言うのが景色が良いからと勧めてくれるが生返事をしておく。五島はどこもかしこも良い景色だらけなので、わざわざ山の上の展望台なんか上がる必要ないあるよ。 はるか遠くに明日渡る予定の若松大橋が見えてきた。あの橋のお陰で隣の中通島にはフェリーを利用しないでも渡ることができる。ありがたいこってす。下に見えている川みたいのですが、海です。潮流があの橋を目がけて結構なスピードで流れています。流れに落ちたら絶対に何処までも流される。動画で撮りたいようだったが面倒なので止めとく。 この島で一番の賑わいがある若松地区にやってきた。ここにはフェリーターミナルもあります。まぁ小さい島なので一番賑わっていると言ってもこんな感じです。ここには民宿に旅館までありますが、一昨日電話した時はどこもフルで泊まることはできなかった。 大平教会を示す看板が現れて、こっからは山道になるようです。相変わらず猪の箱罠があちこちにあるし、道は狭くて藪の中からイノシシが飛び出しそうなので気持ちの良いルートではありません。森も藪も道のすぐ側まであるし車も滅多に通らないので野生の王国な感じがする。先を行った所の道端で鹿を二頭見ました。鹿は人間をみるととっとと居なくなるが、猪ってどうなんかな?猪突猛進されると叶わんな。 9時15、小さな漁村に小さなバス停があったので中に入って一休み。バス停だけはあるが、このルートのバスは既に廃止されたので中で休んでも文句を言われることはない。って言うか村人の一人も見えないんですけど。中で貰ったふかし芋をいただく。小さくてあちこち黒くなってるので取り除きながら食べさせて貰いました。こんなんでもエネルギーに変換されるだろうから有り難い。 時折、海が見えると疲れが少しだけ吹っ飛ぶ気がします。島を歩くのは登ったり下ったりの連続だけど、それだけに景色が良いのはご褒美だよね。ずんずん歩いていくと使われてない工事用の施設があった。イノシシの見えざる影に脅かされているので、鉄の門が閉ざされているが人工物があるだけで根拠もなく安心する。それだけ寂しい山道ってことです。 今日は単純な道だったのでGPS のお世話になるほどでなかった。上の写真の矢印の所、道があるように見えますよね?教会はまだあの山を巻いて行くんだと思ってたので大平教会まで1時間くらいかなと思ってたら、次のカーブを曲がったら、な、な、なんと眼下に白亜の教会が!もう到着したのか。こう言うのは嬉しいものです。逆はガチョンですが。GPSを見ないがためのサプライズでした。 大平地区は人家が幾つもあってホッとする。これ迄は人跡未踏の様相だったから尚更。教会の目の前には学校まであるので、この辺りではこの村が一番賑やかなんだろな。と言ってもこんな感じですが。 聖堂を訪問して無事にスタンプもゲットできる。外に出ると教会のお掃除ボランティアらしいおばちゃんとお喋りできました。群馬の前橋教会から来たと言うと皆さん感心してくれます。 さっき降りてきた坂の方を見ると、来るときには見えてなかった教会の墓地があって十字架がポツポツと立っている。きっと村の人は潜伏キリシタンの末裔が多いのかも知れないと思った。想像ですが、このお墓は元々、潜伏キリシタンが埋葬されていたが禁教時代に十字架はおろか少しでもキリシタンと分かる物があると命の危険があったので、単に石を乗せただけの墓が多かったそうです。でも、信仰が許されたのでこうやって大っぴらに墓を作り直したのかも知れないと想像しました。だからこの村は大っ平と言うそうです(嘘です)。 11時20、帰り道の始まり。往復同じ道を歩く場合は復路はバスを利用して良い自分ルールにしてありますが、こんな辺鄙な所にバスなんかありませぬ。当然、帰りも歩きます。途中で昨日貰ったミカンとバナナを食べました。食料を持ってると腹が減る前にエネルギー補給できます。歩いてる時のシャリバテは猪の次に怖いです。 12時53、来るときに芋食べたバス停があったので中に入って小休止。こういうのが雨の日にあると大助かりなんだが降ってなくても腰が下ろせるので有り難いです。 婆ちゃんお薦めの大観山展望台への分岐まで戻ってきました。そこそこの登りのようです。誰が好きこのんでこんな坂のぼるもんかい。 2時半に島で一番賑わっている若松地区に到着。ここから2キロ離れた宿の周辺に店は皆無なので、ここで今晩と明日の3食分を仕入れます。 暇人なので乗りもしないのにフェリーターミナルの中を探検します。出る船がないのか、だーれもいないし窓口も閉まっています。2階にはレストランがあるらしいので、腹ぺこならここで食べられたんかもな。上まで行かないのでやってるかどうかは不明ですが。 今日の楽しみは若松aコープでビールを飲むこととずっとそれを歩く原動力に頑張りました(半分ホント)。さっそくaコープを探して今晩の夕食にはトンカツ弁当をゲット。飲むヨーグルト3本セットにトロピカルビタミン330ml、明日の朝飯用にオカカのおむすび1個とメンチカツロール(パンです)、お昼用にはグリーンピースアンパンと昨日善きサマリアおじさんから貰ったアップルパンがあるので完璧だ。それに楽しみにしていた缶ビール2と缶チューハイ1本で合計1,707円。ここはカードでなく1万円札でお釣りを貰っておく。明日はバスに乗る計画があるので。 細々と買い物したのを紹介して済みませんが、これは自分への備忘録でもあるので勘弁してください。缶ビール1本は店の前で飲みました。ずっと楽しみにしていたので。既に分かっていると思いますが、私が缶ビールと言うのは全て発泡酒か第三のビールのことです。安さは正義です。 宿に向かっている時に撮った橋は、明日渡って次の中通島へ渡る橋です。天気がいまいちらしいので嫌だな。中通島は教会の場所が入り組んでるので周り順が面倒です。 この辺りの潮流ですが、朝見たときは橋方面に流れがあって、いまは逆に流れてます。海なし県の群馬からやって来ると珍しい光景に写ります。面白いもんだなーと眺めてました。 民泊に帰ってきました。色々問題のある宿だけど、連泊はありがたいや。おばちゃんは夕方帰るってことなので、無人の家に入ります。言われたとおり玄関は開けっぱなしでした。小さい漁村なので泥棒の心配なんかいらないんでしょう。飲み物を冷蔵庫に入れさせてもらってシャワーと行きたい所だが昨日同様シャワーは壊れたまんまなので風呂にお湯を溜めながら洗濯と体を洗います。バスタオルは昨日のがそのまんまあるけど、洗濯物を包んでギュッギュッと絞れば水分はあらかた飛びます飛びます。廊下に干したらお待ちかねの一人宴会。さっきaコープ前で350ml飲んできたので今回も350mlビールです。すぐ終わってしまいます。次は缶チューハイ飲みながら、数日前に青年から貰ったポッキー肴に飲みましょう。エアコンの風に当たりながら日記を書いて、1日の中で最良の時間と思います。おばちゃん6時に帰ると言ってたけど4時半に帰ってきたな。二胡の練習だったそうです。 飲み食いが終わったので、また道を隔てたゲストハウス前に出向いてwi-fiを捉える。いちいち面倒臭い。メッセンジャー開いたら親友のうぶちゃんがアクティブだったのでお喋りできました。 今日もたんまり疲れました。何が疲れるって、宿の予約ができないのが精神的に一番堪えます。昨年は四国遍路の真似事して、そこでもやっぱり携帯は持ってなかったけど、駅には公衆電話があるので何度か駅から宿の予約ができました。それにビジネスホテルからも電話は出きるので宿の予約もできた。あとは19日間も数人の遍路の人達と一緒に行動してたので、みんな携帯持ちだから宿の予約で困ることはなかった。でも、五島に鉄道は通ってないので駅はないんですよ~。駅がないイコール公衆電話もありません。電話できません~。ビジホと違って民宿の部屋からも電話できません~。こんな苦労してるんなら飛行機代が高くてもサンチャゴ巡礼に行った方がずっとマシだなと何度も思いました。マシってよりずっと遥かに丸切り比較にならない程良いです。今晩の素泊まり2泊で1万円。明日からの民宿2食ついて7,000円、ビール飲むから7,700円か。ユーロなら一泊50ユーロくらいだよ、もうビックリ。自慢にゃならんけど、スペイン・ポルトガルで50ユーロの宿って一度も泊まったことありませんぜ(そりゃ自慢にゃならんわな)。明日は五島列島最後の島、中通島に渡ります。橋が掛かってるのでフェリーいらずで歩いて渡れますが、そこには奈良尾港と言う長崎へ行けるフェリーがあるので本気で考えよう。長崎へ戻るようならマットとエマージェンシーシートは不要になるので捨ててしまえ。 最後は民泊の紹介です。民泊にwi-fiはあるのですが、どうやっても繋がらないので向かいのゲストハウスの前まで出ばってフリーwi-fiを利用してます。同じおばちゃんの経営ですが、こっちはフリーなのでタブレットを開くだけで繋がります。民泊もフリーwi-fiにしてくれ。 こんな感じで二部屋を使えますが、一泊5000円です。一見豪華ですが、奥のキッチンにはおばちゃんが普通にいます。民泊なんで。民泊、初めて利用しましたが、シャワーは壊れてるし風呂も自分でお湯を張ります。バスタオルは昨日のまんま。部屋のゴミ箱もまんまです。タオルがないんだから歯ブラシと剃刀なんかある訳ありません。余計な気を遣うので客扱いしてくれる本物の民宿やビジネスホテルの方が良いですね。今回は宿が見付からなかったので仕方ありませぬ。ホント、電話難民には宿探しが大変です。 本日の歩数 36,999歩 長崎五島の旅17へつづく |