長崎五島の旅17 最後の島、中通島へ

10/20(金) 民泊椿荘
5時起床してパッキング開始。
今朝も道路を隔てたゲストハウスのwi-fiを使うために道端に出ております。いちいち面倒臭いけど使えない方がもっと嫌なので仕方ありませぬ。wi-fiを持ち歩けてる人が羨ましい。電話を持ち歩いている人はもっと羨ましい。

こっちに来て何人もの人から言われた言葉
「携帯がないんじゃ旅行は無理ですよ」
はい、今回ばかりは身に沁みました。と言うことで、今日と明日は宿が予約できてるので巡礼が続きますが、それ以降は身の振り方を再考します。予約できないのに加え、日本の宿はお金もじゃぶじゃぶ出ていくので、この点に関しても再考です。来年に計画してるサンチャゴ巡礼の資金が砂の棒倒しゲームのように減って行きます。

来るまえは節約のために教会に半分は泊まる積もりだったけど、汗だくで歩いた後はやっぱりシャワーは浴びたいし、まともな食事もしたいよ。若い頃はサイクリングで歩道橋の上、自転車置き場、駅、橋の上、バス停その他訳の分からない所での野宿をいっぱいしたけど、この歳になっての野宿は若い頃のような無鉄砲なことはできません。今後は使うことはないだろうと、マットとエマージェンシーシートはここに置いてきます。ゲストハウスに泊まる人なら使う人もいるだろうと思って。勿論、使う当ての無い物まで背負いたくないので重さ対策です。

さて、今日は3つの教会を(桐、若松大浦、中ノ浦)巡ってスタンプを集めます。中ノ浦教会は朝ドラ「舞い上がれ」でミサのあがった教会だそうです楽しみ。往復する区間があるけど、桐教会ルートにバスはないので復路も頑張って歩かなくてはです。

なので早めのスタート。呑気にネットしててはいけません。文字は寝てる間に布団の中で打って、ささっと道端発信です。


計画通り、マットとエマージェンシーシートは民泊に置いてくことにしました。「ゲストハウスに泊まるような人なら使うか知れないので」と言うと、お婆さん「いやー私が使いたいですわ」とな。砂浜なんかで敷いたら具合良さそうと言ってます。具体的な使い方を既に思い描いてるらしい。スポンジだから砂が入るんじゃないかな。そう言っても嬉しそうにしてるので使う気満々のようだ。

エマージェンシーシートは薄さがレジ袋レベルなので来る前に両端を厚手のテープで補強したのに加え、木と木の間に吊り下げられるようにハトメパンチで幾つも穴を空け細紐を通して工夫してきたので未使用のまま置いてくのは少々勿体なかったが、少しでも軽くしたいので捨てちゃいます。


婆ちゃんは私を見送るためか、一旦起きたがすぐ二度寝しに自室に行ってしまった。こんな呑気なことしてて一泊5000円になるなら良い商売だな。ゲストハウスは40日間ずっと貸しきりになってるそうで、掃除しなくて良いので楽だなんて言ってたしホント客商売に向いてない。


ここは山の影になっているので6時過ぎても朝日が差し込んでこないな。少し待って6時45に薄明かるくなってきた所で出発。今朝も潮流が橋方面に向かって流れているのが見えるが、昨日ほどは流れが強くないので時間的なものがあるらしい。


昨日遠くから見えていた橋の袂までやって来た。小雨が降っていて橋の上は強風が吹いているので怖い。風で体が持ってかれるほどではないが、落ちたら絶対に助からない高さなので脇目も降らずに一心不乱に向こう岸を目指す。大きな橋で向こうの中通島まで200mくらいありそうだった。


今日のルートは3つの教会を訪問するのだが、分岐からは2方向に分かれてしまうので作戦が必要だ。来る前は中ノ浦教会と大浦若松教会を訪れてから復路はバスで分岐まで戻って桐教会まで歩こうかと思ってたが、桐教会に先に行ってから二つの教会に行けば帰りは民宿までバスが使えることに気づいたので計画変更した。この方が合理的だし楽チン。


分岐の向こう側には自販機が見える。桐教会を訪問してここに戻ってきたらあの自販機でジュースを飲もうと心に決める(大げさ)。何か先に楽しみがあった方がやる気が出てくるので。

やっぱり島なので登り下りがあるけど、歩幅を小さくすればブツブツ言ってる間にてっぺんまで到達できる。肝心なのは大股で上らない一点だ。ずっとそれを励行しているので今回の旅では足を痛めることがなかった。これからもこれで行こう。


漁村に出たところに一風変わった船が浮かんでいた。どうやら生活できる船らしく、色んな生活用品が備わっていて洗濯機まであるようだ。すぐ近くに廃業になったバス停の小屋と自販機があったので靴下まで脱いで大休止。小雨がずっと続いているので小屋タイプのバス停は本当に助かる。


遠くに見えてるのは桐教会。まだ一時間は掛かると思ってたのでカーブを曲がったら突然教会が見えたので嬉しかった。昨日の大平教会が突然現れて感激したのを思い出す。


9時37、近づいたら大きな教会で、女子修道院も併設してるのかな?聖堂に入っていくとスタンプもあったのでニンマリする。すぐ若い女性とおばさま二人組もやってきた。みんな信者でもないようだし、教会巡りって何が面白いのかな?

復路は車に乗って良いルールなので、女性は自家用車で廻っているのかと早合点して奈留島で乗せて貰ったように二匹目のドジョウを狙ってみる。でもタクシーで廻っているそうだ。離れた所にタクシーは止まってて、女性は運転手に何か相談してるようだが運転手は突っぱねてる風に見えたので、もしかして私を乗せられないか交渉してたのかもと都合の良いように想像した。でも毎回そんな上手い話はないわいな。


教会を後に歩き始め、近くにあった廃バス停の中に入って休憩。付近の人達はバスが廃止になって困ってるんじゃないのかな?立派なバス停まで作ったのに。この往復路には廃バス停の小屋が3つもあったので私はお陰で助かってるけど。


往路でも休んだ漁村のバス停にまた入って大休止。ここでは持っていたウグイスパンを食べて、となりの自販機でQuu を買ってぐびぐび。多少なりとも果汁が入ってるそうなので、痛んだお肌にビタミン補給できて良さそう。

11時10、楽しみにしていた分岐にやって来たので、計画通りここでも自販機でジュースを買って大休止。バックパックを地面に投げ出し自身も地面にどっかり座ってグビグビ。靴下まで脱いだけど、天気が悪いし乾かすのは無理だ。厚手の靴下は薄くなってるので今日で終わりにしましょう、すり切れ出した五本指ももういいだろう。どちらもマツキヨで新しいの買ったし。


若松教会は標識がなければ通り過ぎてしまうような普通の民家然としていた。こじんまりと素朴で、さっきの桐教会とは真逆だったが、それだけに信仰がギュッと詰まってる感じがする。こんな(と言ったら失礼)地味な教会なのに、前の庭にはwi-fiの案内があったのでここで受信出来るらしい。意外~。


さて本日最後の教会は朝ドラに登場した中ノ浦教会。テレビのシーンを覚えてたのでちょっと感激。外も中も朝ドラとまったく同じだった。本物なんだからそりゃ当たり前。確認したくて朝ドラのシーンをタブレットに入れてきました。この教会の中で少女時代の主演だった舞ちゃんが初めてミサに与ってました。


さて今日の歩きはここでお仕舞い。これからはバスで戻ります。遠くに見えるバス停に調度バスがやって来て出発するところだった。途中でチェックしたバスの時間と違うので別方面行きのようだ。私の乗るバスだったらショックだよ、きっと次は2、3時間後だろから。

ここのバス停小屋は立派なサッシ作りだった。少し離れた所に自販機があったのでリアルゴールドを買ってバス停のベンチに座りチビチビ飲んでバスを待つ。あと40分、日記を書いて暇潰し。

時間通りにバスはやって来て予約した「民宿あらた」の目の前で降りられたがチェックインには時間があるので奈良尾港のフェリーターミナルまで様子を見に行く。ターミナルは町の端も端、大端なので歩いて20分以上掛かった。3日後にはこのターミナルから乗ることに決めてあるので民宿からの所要時間をしっかり覚えとこう。

ここは長崎から福江島に渡るときに寄った港だった。偶然ここから長崎に戻ることになったが、縁のある港だったとは驚いたね。それだけに福江島の次に大きなターミナルで、2階は土産の売店などが揃っていた。あると良いなと思ってた缶ビールを売ってたので冷蔵庫に突撃。スーパードライのロング缶を手に入れてご機嫌。大きなガラス窓の前に腰かけて極上の時間を過ごせました。やっぱり宿が決まってると安心して楽しい時間が過ごせるなー。これが宿無しならビール飲んでも半分しか楽しめないよ。

極上の時間は飲み終わると同時に終了です。次は長崎行きフェリーの調査。カウンターにフェリーの時刻表があるので貰っておきましょう。1番早いのは9時15発か。長崎には11時45着とのこと。念のため係の人に発券の時間を尋ねるとやっぱり当日の8時からでした。

民宿の受付時間になったので、また20分歩いて戻ります。予約したのが土井の浦教会からだったので、オーナーは自分からカトリックだと言ってきました。私のことを「プロテスタントじゃなくカトリック?」と念押ししてます。きっと五島にプロテスタントはなくてカトリックだけなんだろなと想像しました。なのでお互いに親近感を抱いたようです。ざっくばらんな民宿で好感が持てました。同じざっくばらんでもあの民泊みたいじゃなくて、そこは客としてちゃんと扱ってくれます。宿としての一通りの物を提供してくれ、タオル、歯ブラシ、カミソリは勿論、浴衣まで出てました。今更ながらあの民泊婆ちゃんのいい加減さが際立ってきます。


6時半から夕飯。やっぱり魚ずくしです。今日の煮付けはハタハタだそうです。煮魚なんてそう何度も食べた訳じゃないけど、この煮付けは身がポロポロとはがれました。新鮮だからでしょうか?お陰で魚下手食いの私でも苦労することなく食べることが出来ました。他にも色々出してくれるが、何れも素人ぽい家庭調理で民宿らしくて好感が持てました。何度も民宿に泊まって魚料理を食べたけど、一番あか抜けてたのは福江島大寳の民宿はまべだったな。料理もそうだけど、おかみさんの客あしらいが抜群だった。でも、ここも良いですよ、ジャンルが違うだけ。

部屋に戻って今後の作戦を練る。3日後に長崎に戻るならwi-fiがある内に宿を確保しなくちゃだ。ノートに今後2週間分の簡易カレンダーを書いて予約を間違えないようにします。臨機応変な旅をする時に良くやる方法です。まず2泊はここ民宿あらたで確定なので、3日後の宿をhotels.comと bookingcom で検索。安宿の場合は(いつも安宿だけど)多くの場合はbookingcom に軍配が上がります。M先輩も泊まったドミトリー、カサブランカ2泊に決定。決め手は観光しやすい立地に加えリーズナブルな宿はここしか無い気がした。2泊で8,019円って奇数なのはどゆことなんでしょう?1泊の末尾が50銭なの?

都市部の宿はこうやれば苦労することなく予約できますが、五島にはネットで予約できる宿なんてひとつもなかったんですよ。もしかして福江島いちの椿ホテルなら可能か知れないけど私には関係ないし。何しろ五島ではwi-fiがあっても宿予約では無いのと同じでした。この旅の最後は東京で泊まるか知れないけど、それこそwi-fiさえあれば心配御無用です。都市部は便利だなー。

長崎の後の身の振り方ですが、沖縄に行く案もちょっとだけ考えたけど却下。姫路城を再訪したいけど面倒なのでこれも却下。他にも広島、尾道案も考えただけで面倒になったのでみんな却下。ジェットスターで成田に戻ってしまおう、それが一番簡単なんで。ただ、幾らジェットスターが安いと言っても直前のチケットが安く買える筈もないのでちょっと様子をみましょう。


本日の歩数 34,044歩

長崎五島の旅18へつづく