長崎五島の旅18 巡礼は今日でおしまい


10月21日 民宿あらた
夜中の1時頃に目が覚めてしまってから目が冴えて眠くならない。寝不足は昼の活動に差し障りがあるので睡眠導入剤を半欠け飲んだら朝の6時半までスッキリ寝られた。睡眠導入剤とても便利。

7時から朝御飯。昨日から宿のお婆さんと話すようになったら、今朝は自分のご飯と箸を持って私のテーブルに引っ越してきた。まぁ土地の人と話せるのは貴重だし面白い。最後にお勝手から私用の弁当を持ってきてくれたので、今日のお昼の心配がなくなった。ありがたや。


今日はのんびり歩けば良いので民宿を8時頃出発。途中にお洒落なバス停があったので中に座って小休止。ついでに戻るためのバスの時間もチェックしておきます。今までと違って、中通島のバスは何処も生きてます。


今日、最初の教会は高井旅教会。3キロほどなので鼻唄歌いながら着いてしまいます。赤いとんがりボウシがアクセントらしいです(勝手な想像)。入り口でキリスト様がカモーンと言ってます(これも想像です)。ここでも無事にスタンプゲットだぜ。


二つ目は福見教会。開けた海岸にあって、公共施設が近くにあるので、ここが村の中心地になるのだろうか?それにしてはかなり寂しい。今度の教会はさっきのモダンなのとは真逆で重厚感がありました。レンガ作りで歴史を感じさせる建物。私の地元群馬の世界遺産「富岡製糸」みたい。行ったことないけど写真では見てます。往々にして近くに有名な所があると地元の人は行かないよね。


中に入らせてもらってスタンプを頂きます。少々薄暗い所がまた重厚さを醸し出してますね。天井の作りも和洋折衷のようなそうでもないような独創性が感じられます。


ちょっと離れた公共施設にバス停があったので、ここでも帰りの時間をチェックしときましょう。私が出発してきた奈良尾行きは 8:34 10:06 11:09 12:54 13:55 14:35 で、最終が 15:47らしい。思ったよりずっとバスの便はあるようで安心した。この辺りで1時間に一本なら上出来だろう。

あれ、待てよ?このバス停の最終が15:47なら浜串教会辺りじゃそれより先の15:30位かな。だったら浜串まで呑気に歩いている内に最終バスがやってくる可能性がなきにしもあらずだ。それなら安全策を取ろうかね。それに次の浜串教会で巡礼は終わりにするので、最後は呑気にしちゃえばいいか。と言うことで、浜串までバスで往復しちゃうことに決定。易きに流れるは坂道を転がるがごとしです。一人旅なので反対する人いないし。


10:37 いとも簡単に浜串バス停到着 410円。今まで頑張って来たけど最後はあっけなかったな。って、自分がズルしたんだけど。教会はバス停の目の前だった。無事に最後のスタンプをゲットできる。この教会も来る前にネットで良く見ていて、入り口に大きな庇があるのであの下で寝られるなと思ってました。現実的にはそんなことは滅多になかったですが。


今回初めてセルフタイマーを使って自撮りをしてみました。慌てて座ったのが丸出しで腰が浮いてます。


帰りの時刻表を見ると12:25 が具合良さそうだ。2時間もあるので海岸にあると言う希望の聖母像を見に行ってみるか。希望のマリア像ってネーミング、何か曰くがありそうだな。聖母像は漁業組合の横を通り過ぎた岸壁の高台に立っていた。ビュービューと風が吹きまくっているので、マリア像に行く途中で海の中に落とされる危険を感じたので離れたところからパチリ。漁港にマリア像って珍しいなと思ったら、ここには唯一、カトリックの船団があるそうです。どうりで。


バス路線の最終地点がこの漁港の近くです。そこには小綺麗なバス停があったので、中に入ってお婆ちゃんが持たせてくれた弁当を食べることにしましょう。色んなおかずに混じって砂肝らしいのがコロコロ入っていたが、1個だけかじって後は止めといた。旅先で歯でも欠けたら偉いこっちゃだ。実際、私は過去のサンチャゴ巡礼で3度も歯を欠いてます。うち二回は前歯の差し歯が取れてしまったので、長い期間を前歯が抜けた間抜け面で過ごさなくてはなりませんでした。最初は巡礼後にパリを9日間観光したのですが、その間ずっと前歯が抜けた状態で花のパリを過ごさなくてはならなかったので情けなかった。二度目は前歯が取れてから一ヶ月もの間スペインを放浪してました。写真を撮るときに口を開けないようにするのが面倒だったが、ついうっかり歯抜け状態で写っているのが何枚もあります。なのでリンゴの丸かじりは止めるように歯医者さんから厳命されてます。硬いのも注意が必要。トホホです。

風が強い日だけどバス停の中はポカポカと暖かいので居眠りがでそう。呑気で良い1日だなーと実感できる。バスで奈良尾に戻ったら、またフェリー乗り場の二階ででビールを飲んでやろうと妄想する。

浜串の始発バス停から乗って奈良尾まで乗降客が私一人だけだった。土曜日なのにすんごい赤字路線なんだね。こういう公共交通機関は住民の足を守るための物なので自治体からの補助がなければやってけないよね。


さて、奈良尾に到着したけど2キロ歩いてフェリーターミナル迄行くのが面倒になったし、買い物もしたいので奈良尾唯一のスーパー「ナイスデイ」に寄ることにする。T字カミソリ6本入り、大きなミカン1個、つまみ用にイカみりんだけど100円のもの。それと飲みたかった缶ビール350mlで合計590円なり。缶ビールはご覧の店先に座り込んですぐ飲ませて貰いました。もうホームレスと余り変わりません。


民宿に戻ると玄関から見えるところに部屋の鍵が並べてありました。連泊の人はここから自分の部屋の鍵を取って自由に入って良いとのことです。部屋に鍵を掛けて出掛ける意味がどこに?


いつでも宿に入って最初にやることはシャワーです。今日は余り汗をかかなかったので洗濯はいいかなと思ったけど、脱いでみるとじっとりしてるので、やっぱり洗濯しました。浴槽にまだお湯は張られてなかったので、お湯を少し溜めた浴槽で洗濯せんたく。多めに洗濯したので脱衣場に積まれているバスタオルを3枚使わせて貰っていつもの要領で絞りました。部屋にはエアコンもあるし、完璧に乾くでしょう。

もうビールは飲んじゃったし再度スーパーまで歩くのはうんざりなので持ち歩いているココアの出番です。自宅から持ってきてずっと飲まずに持ち歩いてました。もう1本あるのでまた後で楽しめます。


6時半から夕飯の始まり。いつも言われた時間になると食堂に突撃です。今日も定番の煮魚が出たが、塩が効いててこれは旨かった。嬉しいのはでっかいハンバーグも出てきたこと。日本人全てが魚好きでもないので、一緒にこういうのを出してくれると嬉しい。今日は涼しいのでビールは良いかと思ったが、やっぱり夕飯に酒がないのは寂しいので一本お願いする。ここんちのビールは大瓶なので、これは特に嬉しい。いつから店や宿で提供するビールって中瓶に成り下がったんだ!?

初めての料理はクジラの何か!婆ちゃんに教えて貰いました。それと納豆にイカ刺しがあえてあって、食材的には珍しくはないけど、この二つをあえるの初めて見たことあるよ。何故か汁物がでなかったけど、婆ちゃん忘れたかと思ったけど面倒なので言わないでおく。

今日も婆ちゃんが一緒のテーブルにやってきてお喋りしてくれ、自分のおかずを自分の箸で摘まんで「これも食べて」と恵んでくれました。普通の客にはやらないだろうから、よっぽど私を身近に感じてくれてるのかも知れない。色んな話の中で、キリスト教が許された時に、みんな自分達の教会堂が欲しかったのでお金を工面して出しあったそうだけど、ひと家族の負担金が150万円だったそうだ。明治の150万じゃあり得ないので、きっと現在の金銭に換算した額だろうけど、それにしても貧乏な潜伏キリシタンが出せる額じゃないだろう。3度の食事を2度に減らして資金を工面した話が真実味を帯びました。そんだけ苦労して建てた教会だもの、大切に大切に維持してるんだよね。

明日はここ奈良尾港からフェリーで長崎に戻るので、さっさと長崎市内のドミトリーを検索です。都市で泊まるのは楽チンだねー、ネットで幾らでも探すことが出きるし予約もネットで出きるので、今までの宿が取れない電話難民が嘘のようです。予約取るときはいつもHotes.comとbookingom の二つから探すんだけど、安宿の場合はbookingom に軍配があがります。


長崎観光に適した立地と安さを兼ね備えた宿と言うことで、M先輩も泊まったドミトリー「カサブランカ」で2泊取りました。2泊で朝食付き8,000円と格安です。2日間で長崎の有名所を巡る積もりですが、その後は未定です。どうしよ?

さてさて家を出発してから今日で18日間の巡礼だったが初志貫徹できなくて途中離脱になりましたが、五島巡礼の要領が分かったので、もし気が向いて続きをやるのなら今回よりずっと楽に始められます。飛行機はジェットスターで安く往復できるし長崎からのフェリーも今回巡礼最終地の奈良尾港、その上には鯛ノ浦港、更にその上に有川港まであって巡礼再スタートするには好立地です。どの港も全部長崎からフェリーがあります。携帯電話さえあれば宿の予約も取りやすくなるのでハードルはぐっと下がると思います。ただ最後の難関は中通島の最北部。宿が殆どないので教会を巡ってバスで戻りたいけどバス路線がありません。加えて島の先端なので道が険しいらしいので体力も心配。うまく先端まで達したらその上の小根賀島に渡るのですが、定期船はないので前日までに電話予約しないとフェリーは出ないとのこと。まぁ携帯電話があれば問題クリアですが今回はなかったので、ずっとこれも心配の種でした。と言うことで言い訳おわり。汗


本日の歩数 12,412歩

長崎五島の旅19へつづく