フィステラの道2 Negreira - Vilaserio  ボロベルゲに二人

7月6日
 アルベルゲで簡単な朝飯を済ませる。愛想の悪い日本人は話してみたらそうでもなかった。緑茶を飲ませてくれる。やっぱり印象だけで決め付けるのは良くないな。私のタオルがまだ外に掛かっていると教えてくれる。日本語の書かれた白いタオルなので一発で持ち主が分かる。あと少し干しておけば乾くからと夕方ギリギリまで干して置くと忘れる可能性が高まる。半乾きでも取り込んでベッドの近くに干して置く方が賢明だ。タオルは夜露で濡れちゃってたし。

 おっちゃんの今日はサンチャゴまで戻り、23ユーロの個室セミナリオで1泊するそうだ。最後なので少し贅沢するんだと言っている。日本語なので何でも通じるのが有難い。私の定宿セミナリオ・メノールとは別にメノールと言うのがあるそうだ。カテドラルのすぐ近くにそんなような建物があるのを思い出すが、あれって泊まることができたのか。カテドラルのすぐ隣なのでライトアップが見られるのが魅力だがやっぱり高いのは御免だ。

 のんびりと8時10にスタートする。今日から4日間は20km以下のショートコースなので気楽に過ごせる。休みなく歩き続けて11時にビラセリオの公営アルベルゲに到着。この次にアルベルゲがあるのは昨年泊まったサンタ・マリーニャだ。時間的にはそこまで行った方が具合がいいのだが、そこは昨年1回泊まったら懲りたので今回は距離が短いここにした。


 扉は開いているが誰も人がいない。1階は広い部屋の床にマットだけがずらりと並んでいる。2階を探検しに行くと階段踊り場にマットがべったりと置かれているほか、廊下の片隅にもマットが1枚、狭い部屋にもマットが2枚べったりと敷かれている。2段ベッドが1台置かれている部屋が2つあったので候補に入れておく。2階にトイレはないので広い1階の部屋で寝ようかと思ったが、隅っこにはアリがぞろぞろ這って居たので止めとく。2階の個室ぽいのにする。このあとベッド上段に誰も来なければ完全に個室だ。

 ここは村はずれなので周りには何もない。10分ほど戻って2度利用したバルに行ってみる。生ビールを一杯飲んでWi-Fiを使わせてもらいフェイスブックとメールのチェックを行う。ここは小綺麗なアルベルゲも経営していて2年前に泊まったことがある。キッチンも充実していたのを覚えているので食料を持っていれば申し分ないアルベルゲだろう。でも今回はここから少し行った先にある公営アルベルゲに泊まりたかった。見たことはあっても泊まったことがないので興味津々だったが、まさかこんなだとは想像だにしていなかった。まぁ何でも後になればいい思い出に変わるだろう。

 アルベルゲには1時過ぎてから昨日のコリアンの子がやってきた。私より2時間遅れなのでネグレイラを何時に出たのか。今朝、ネグレイラの村の中で抜いた母子もやってきたがここには寄らずに素通りする。この人たちも2時間遅れなので、どんな歩き方をしているんだろう。バルで長居か?満員も困るがもっと人がやってこないかなー。ほかにも前の道を歩く巡礼はいても誰もここには入って来なかった。このアルベルゲは超おんぼろなので、その情報が広く行き渡っているような気がしてきた。

 コリアンの女の子は私の隣の個室を選んだ。結局この広くてぼろいアルベルゲに今晩は二人だけが決定したようだ。女の子はどう思ってるんだろう。中からバリケード築いてたりしてね?

 腹が寂しいのでやっぱりバルに食べに行く事にする。2年前に食べたのと同じベーコンと玉子焼きが載ったワンプレート料理が6ユーロちょっとと安いので頼んだら、夕飯は7時からだと言われたのでWi-Fiだけ使って食べずに戻ってくる。手持ちの食料はたいしたことなくて、何もないよりマシな程度。今晩は少しひもじい夜になった。

 銀の道でドナティーボのアルベルゲに泊まったとき、管理人が誰もやってこなかったので寄付を入れ忘れたことがあった。ここも夜になっても誰もやってこないのでまた入れ忘れるかも知れないと思い、早めに寄付箱に5ユーロ札を入れておく。寄付箱の上には「アルベルゲを維持するために寄付をして」と書かれている。実は明日はダンブリアと言う村のアルベルゲに泊まるのだが、そこは文句なしに5ツ星の凄いアルベルゲなのだが宿賃は5ユーロだった。ダンブリアと比較したらここは2ユーロで十分と言うところか。


フィステラの道3へつづく