フィステラの道9 Fisterra 3日目 スト回避 7月13日 フィステラの私営アルベルゲPOR FIN。夜中にすっごいイビキが離れたベッドから聞こえてくる。近くに寝ていた人は大変だったろう。このイビキの兄ちゃんは病気らしく、咳もしょっちゅうしている。隣のベッドで寝ているフランスおじいもイビキをかくが、向こうのイビキから比べたら可愛いもんだ。 このフランスおじいは(と言っても年下だった)ムシアから引き続き6泊も一緒だ。バスのストは続行中なので、明日もバスがないと盛んに心配してるからこっちも心配になってきた。おじいはスペイン語ゼロだし英語は片言なので情報が極端に不足しているようだ。 駄目元でスペインのバスストライキを日本語で検索したら意外なことに生の情報がヒットした。日本語のサイトによると、毎火曜水曜はストライキをするが他の曜日は運行していると言う情報を得られる。これが本当ならバッチグーだ。おじさんに変な英語でそのことを伝えてみるけど、お互いにあいまいな英語なので安心してないし信用もしてないらしい。 キッチンのインスタントコーヒーと、今朝は豪華にOIKOSのヨーグルト、ミニクロワッサンもどきを沢山食べる。フランスおじさんもキッチンへやって来て、明日もストだとまた心配している。こっちの言ったことがまったく伝わっていない。 今日は木曜日なのでバスが動いてる筈だからバス停に行ってみよう。バス停は公営アルベルゲの隣だ。離れたところにあるタクシー乗り場に旅支度した4人の巡礼がいたのでまた心配になり、バスはストライキかと聞いたら運行していると言っている。それなのにこの4人はタクシー利用だった。金持ちか。 バス停に行ってみるとフランスおじさんも心配顔でやってきた。果たして9時45発のバスが10分前にやって来た。ネットの情報どおり運行してんじゃんと安心する。火曜、水曜がストだったんだから2日間足止めされた人がいっぱい乗るのかと想像していたが、予想に反して乗る人はバス3分の1ほどしかいない。ストなのでフィステラを敬遠する人が多かったと言うことかな?ドライバーに「マニアーニャ アウトブス OK?」とハンドルを回す仕草で聞いてみたら、明日もオーケーだと確認できたので本当に安心する。フランスおじさんもバスがやって来たのを見たので安心したような顔をしている。最悪の場合、このおじさんとタクシーをシェアしようと思っていた。多分、向こうもそうだろう。 そうと決まればバスチケットを買っておこう。教わったインフォメーションでバスチケットも買えるそうだ。今まで入ったことがなかったが、インフォはバス停のすぐ近くで道路を挟んだ反対側だった。サンチャゴまで13ユーロ。スタンプもあったので一発押させてもらう。 フィステラ3日目なので、行った事のない方へ探検しに行ってみる。海岸に沿って歩いていくと海に向かって飛び出した砦みたいのがあった。入り口の柵は施錠されてるので中には入れないようだ。この向こう側にもアルベルゲがあるらしく、巡礼が歩いて行った。崖の下では数羽のカモメが縄張り争いみたいなことをやっているので上から写真を撮ってみる。 暇なので、町を通り越して離れた海岸まで貝殻を拾いに行ってみる。小さめなホタテ貝と濡れると赤い色が射してきれいなのを数個拾った。 また公営アルベルゲ近くの広場に戻っていたら、ムシアでお喋りしたアルゼンチン女性らしいのがやって来たので「あれー?この人は」なんて考えてると、いきなりハグしてきた。珍しい東洋人は向こうが覚えていてくれる便利さがある。会うのはこれで3回目になるが、ムシアを出るときに一緒に出発した男性はいないので、日程の違いで一人に戻ったようだ。この人は私より1日早くムシアを立っていたので、フィステラには既に4日目か。とても愛想がよく、また一緒に写真を撮ってからハグして別れる。 スーパーへ行って食料調達。細長いビンの赤ワインを1本。前に同じビンの白ワインを買ったことがあって美味かったから。細長いトマトとボタンキョウみたいのとナッツで4ユーロ弱。 アルベルゲに戻って明日サンチャゴで泊まる予定のメノールにHotels.comから2泊の予約を入れる。メノールは合計10回以上泊まっているが、予約が出来ることを初めて知った。予約しても直接行っても料金は同じで2泊なので28ユーロ。だったらHotels.comはポイントが溜まるので予約した方がお得だ。これからはWi-Fiがある時はなるべく予約して泊まることにしよう。 アルベルゲで隣のベッド上段にコリアン青年が入ってきた。サンチャゴからはバスで来ており、私のことを歩いてきたのかと聞いて感心している。こっちとしたらフィステラ、ムシアの爽快な道は歩き以外は考えられないのでバスでやってくる人は勿体ないと感じる。 咳といびきの兄ちゃんに薬を持っているのか聞いたら無いと言うので咳止めを2回分上げる。効いてくれるといいのだがな。聞いたらこの兄ちゃんはドイツだった。2年前、同じドイツのイーデンが咳が止まらなくて困っていたときに咳止めを上げたら一発で効いたので、同じドイツ人なので効くかも知れない。欧米人は日本人みたいにすぐ薬を飲まないと聞いたので、そういう人には効果抜群な気がする。 今日のお昼はキッチンでカット野菜の上にトマトとボタンキョウみたいのをサイコロ大に細かく切ったのを載せ、カットチーズにチョリソー添え。食事もだいぶヨーロッパぽくなってきた気がする。このスタイルは良くギャエレがやってたので真似してみた。フランスおじさんが近くに居たのでワインを一杯飲ませてあげる。私営アルベルゲはコップもお洒落なのが置いてあったので、ワインも一味違う気がするようなしないような。 暇なのでまたバス停のある広場へ遊びに行ってみる。ここに日本人が居た!フィステラで日本人に会うのは初めて。フランス人の道とフィステラの道を歩いて来たそうだ。歩き通すことに拘りを持っているようで、シンパシーを感じた。3時のバスがやって来たが、ここで降りる人は2人しか居ないし乗る人もまばらだった。火・水とバスが動かないんだから帰る人も少ないんだろう。明日はどうかな? 近くのスーパーで種類の違う缶ビールを2つとビスケットを買って帰る。ビールは冷凍庫へ、ビスケットは明日用にバックパックの外ポケットに突っ込んでおく。日記帳が見当たらないので少し焦る。何気にどっかに置いてしまうと記憶に残らないので簡単に行方不明になる。探していたらリビングスペースの低い机の上にスーパーのレジ袋と一緒にあるのを発見する。あぶないあぶない、これを無くしたらホームページが作れなくなってしまう。良く持ち歩いているノートなのでもっと慎重に扱わないといけないな。今回は特に、明日のバスチケットがノートに挟んであるので尚更だ。 ここのお上さんは良い人なのだが、今日は交替でつるぴか君が管理人のようだ。こいつが何故か愛想が悪い。でも若い女性にはとても親切に振舞っているのが分かるのでアジア人蔑視でもしているのか?その割りに、お上さんと一緒に3人で顔を合わせた時だけ満面の笑顔で挨拶した。でもその一回切りであとは同じつんけんしている。その態度から、こいつは旦那じゃなくて従業員だなと想像した。お上さんは感じがいいが、このつるぴか禿丸君がいるんじゃ次ぎはここには泊まりたくないなと思った。 今年は日程調整のためにムシア、フィステラで3泊ずつしたが、こういうのも有りだと思った。のんびりし過ぎの感もあるが、賑やかなサンチャゴやマドリッドに余計に泊まるのより気分が好い気がする。明日は9時45のバスに乗ってサンチャゴへ戻る。今日の様子からみると昨年みたいに乗り切れないほど混むことはないだろう。 フィステラの道10へつづく |