How to Camino de Santiago

●持ち物について
 何しろ軽くするのが最重要です。初めての巡礼だと何が必要で何が不要か良く分からないと思いますが、あると便利かも知れない程度なら持って行かなくても大丈夫です。途中で必要と思えばスペインでも色んなものを売ってますし。

私が過去にスペインで買い(貰い)足した物
 長ズボン、半ズボン、海パン、Tシャツ、長袖シャツ、
 帽子、金属スティック6本、靴下2、ナイフ3本、爪切り
 ボールペン、ナップザック、ウェストバッグ、石鹸数個
 歯ブラシ、痛み止め、ワセリン、靴の中敷き、カミソリ
 ボルタレン、ビーサン、傷バン

思い出してみると色々買ってますね。この通り、巡礼に必要な色んな物を手に入れることができます。

 ただ、5本指靴下は見たことないので予備を持って行くといいです。肉刺防止に力を発揮します。
 他のブログでも良く紹介されているSカンは初めの数回は持って行きました。確かにシャワー利用時には重宝することもありますが、なくても困らないことが分かってからは持たなくなりました。少しでも軽くしたいので。
 他のコマゴマとした物については他のページで何度も紹介しているので、そちらを見ていただければと。

●持って行くと便利と感じたもの
 古い軍手:毎年春先から出発するので、寒い時期だけ使いました。暖かくなったら廃棄(古いから惜しくない)
 同様の理由で長袖も2枚持って行きますが、一枚は暖かくなってきたら廃棄です(古いから惜しくない二度目)。でも、長袖フリースは必ず最後まで捨てません。スペインは7月でも朝方は寒くなりますし、帰りの飛行機も寒いので長袖は必携です。

 安全ピン:物干しにロープを使っている所が多いですが、洗濯バサミが不足した場合に使用したり、ザックに洗濯物を引っかける時に洗濯バサミより安全。肉刺をつぶす時にも使えます。

 予備の靴ひも:毎回1本だけ持参します。紐は靴に使うだけでなく、いろんな応用が効きます。

 ネットの袋:スーパーなどで野菜を入れてるアレです。中に石鹸を入れて置くと石鹸入れのジップロックにひっつかないし、チビた石鹸を複数入れて置くことができます。更に更に、アルベルゲでチビたのを拾ってネットに入れとくと石鹸が減りません!(万人にお勧めするものでありませんが)


●雨具
 3回の巡礼には安物のレインスーツを利用しました。雨が当たらなくても中は汗でびしょびしょです。4回目からはゴアテックスの上だけ奮発しました。やっぱりゴアテックスは蒸れないので良いです。高いけどお勧めです。先に書いたように、荷物は軽くするのが最重要課題なので、寒いときのジャンバー兼用です。雨が降っていなくても寒い時は毎日着ていました。ポンチョタイプも人気がありますが、私は防寒具と兼用なので必ずレインスーツです。

 ちなみに、下は雨具なしです。でも、2016年に大きいビニール袋の底を抜いたのを履くことを覚えたので、春の雨が多い時期だけは日本から大きなビニール袋の底を抜いたのを持参しました。腰回りが濡れると気持ちが悪いので、これは大助かりでした。これも時期が過ぎると廃棄します。


●スティック(杖)
 私は初回から2本スティックで歩きました。スティック様々です。脚力のある人なら不要かしれませんが、私の年齢では必需品でした。登り坂ではスティックで体を押し上げ、下り坂では膝を守るためにブレーキの役目をしました。調子が出ない日はスティックがあると体のバランスが取り易く、リズム良く歩けるので少しマシな気がしました。

 スペイン・ポルトガルでは犬の放し飼いは珍しくないので、棒を持っていると無いのとでは安心感に雲泥の差があります。
 2019年はスティックを途中で無くしてしまったので、丸腰で歩いている不安が付きまといました。犬に囲まれた時に威嚇できる物がないんですよ。長い木の棒を拾ってやっと安心して歩くことが出来ました(まるでドラクエ)。フランス人の道では沢山の巡礼が歩いているし、犬たちも巡礼に慣れているので差ほど脅威には当たりませんが、他の道では犬から身を守るために棒は必携です。実際、2018年にファティマを目指していた山道では数匹の犬に一日に3回も囲まれました。

 初代のスティックはSJPPで購入(2本で36ユーロ)。相場を知らなかったがこれは品物の割に高額だったのを後で知る。二代目は2018年に巡礼路にあった小さな店で2本で15ユーロ(次ぐ年になくす)。三代目(写真)は2019年に泊まったアルベルゲに沢山吊るしてあったものを交渉して頂ける。これが一番高級ぽかった。


●カメラ入れ
 私のバックパックの腰ベルトにはカメラを入れられる小物入れが付いていません。巡礼4回目まではバックパックのベルトに小さなカメラ入れを取り付けていました。写真を撮るのが好きなので、すぐ取り出せるように。雨の日は小さなレジ袋をカメラ入れに被せていましたが、雨で濡れるのが少し心配でした。実際、雨が掛かってレンズカバーがちゃんと開かなかったり多少の不具合も経験しました。


 2019年、北の道のアルベルゲ不用品コーナーでオンボロのウェストバッグがあったのでカメラ入れと交換しました。これが大ヒットでした。ウェストバッグなので小銭も入れられるし、何よりも雨の日はレインスーツの中にすっぽり入れられるのでした。これで雨の日にカメラを濡らす心配がなくなりました。


●水ボトル
 2回目までは現地で買ったペットボトルに水道水を入れて飲んでいました。歩いている間はあまり水を飲まないのですが、どうもそれが原因で足がツルことが時々ありました。2017年に銀の道を歩くことにして、そこは38kmの間、村も水もないそうなので大量の水を持ち歩かなくてはならないと考え、ハイドレーションシステムの水バッグを採用しました。2リットル入り、更に500mlのペットボトルがあれば十分と考えました。ハイドレだとバックパックを下さずに給水できるので、こまめに水を飲むようになったために、これ以降は足がツルことはなくなりました。ハイドレは長いチューブから水を飲むのが衛生に悪そうなので敬遠していましたが、意外な効能があったことに気づきました。それからは毎回持参するようになりました。

 毎回満タンにして歩くと重くなるので、その日の行程によってタンクの量を調節していました。私は15kmで500mlの水を飲むらしいので、それよりちょっとだけ大目に携行していました(20kmなら750ml、30kmなら1リットルとか)。欠点としてはタンクに水がどのくらい残っているのか確認が難しいところです。運悪く歩行途中で水が尽きると怖いので、ペットボトルにいつも二口ほどの水を入れていました。もしもの時の保険です。

 その飲み水ですが、日本は軟水、あっちは硬水と言うことでお腹が心配な人はお金を出して毎日水を買うようです。でも私は節約巡礼者なので水道水ばかり飲んでいました。最初こそ注意して少しずつ飲んでいましたが、まったく問題ないと分かりました。毎日水を1リットル買ったら私の場合90ユーロも余計に掛かってしまうんですよ。この差は大きいです。


●クレデンシャル
 2015年の最初の巡礼時には日本の「サンチャゴ巡礼友の会」から大枚千円も出して取り寄せました。次ぐ年からは毎回、和歌山県田辺市が発行している「共通巡礼手帳」にお世話になっています。これ無料なんですよ!!本当にありがたい。
 更に、サンチャゴと熊野古道の両方を歩いたことを証明できるとご覧のようなピンバッチ(二つの道の巡礼者)がサンチャゴ、熊野の両方で貰うことができます。サンチャゴではコンポステラのツーリストインフォメーション、熊野古道では田辺市の観光案内所と熊野古道館(たぶん)で貰うことができます。サンチャゴではピンバッチだけですが、熊野の方では和紙の巡礼証明書まで貰えます。これ、歩くたんびに貰えるらしいですよ!なので私は毎年貰えるようです。暫くコロナで駄目だけど。

 


●あると便利なアプリ
 フランス人の道なら無料のCaminoアプリがまだあると思います。これがあれば地図なしでも歩けるでしょう(もっとも、フランセスなら何も無くても歩けますが)。私も半分歩いたところで韓国人のおじさんに教わって入れてみました。結構使えるやつと思います。アプリストア内で検索すればいっぱい見つかります。

 翻訳アプリ:Google翻訳でWi-Fi環境なしで無料で使えるのがあります。言語も各種無料でダウンロードできます。私はスペイン・ポルトガル・フランス・英語を入れてあります。英語はそこそこの翻訳をしてくれますが、他は適当な気がしますが、ないよりずっとマシだと思います。

Maps.me:必携です。本体のMaps.meを入れてから希望地域の地図もダウンロードしておきます。驚くことに、ここから殆どのアルベルゲを探すことができます。左は私が見つけたアルベルゲの位置で、ご覧のようにピンを立ててコメントを加えることができます。右は超拡大した物で、San Roqueのアルベルゲと言うことが分かります。迷ったときにもGPSと連動しているので強い味方になるでしょう。勿論、みんな料です。


●地図・ガイド本
 ネットのamazonなどでは海外で発行されている各種Caminoのガイド本が買えます。でも、日本で発行されているのは殆どありません。フランス人の道なら「日本カミノデサンティアゴ協会」発行のガイド本がありますが、最新の情報を得るならネットです。私は色んな海外のサイトから情報を収集しますが、中でも「gronze」と言うサイトが一番有益な情報を発信してくれていると思います。フランス人の道はもとより、ありとあらゆるCamino情報を見ることができます。何しろ、歩きながら見ていると既に情報が更新されてたりするので、その情報の新しさが分かると言うものです。ただし、ものすごくマイナーな道はまだこれからのようですが、日本でも知られているCamino情報はバッチリです。全てスペイン語で書かれていますが、google様の翻訳を立ち上げておけば大雑把な意味は分かります。以下はgronzeのサイトから抜粋。



 gronzeには上図のように各種情報が満載されていて、各町村にはアルベルゲやオスタルはもとより、バルや店があるかの情報まで載っています。また、宿情報は地図で見ることもできるため、そこから得た情報を元に、先ほどのMapos.meの地図上に印を付けられます。これらの情報はばらばらに表示されるので、アルベルゲ情報やバル・店の有無が一目で見られるように自分専用の地図を作成して行くので、一日の行程は一目瞭然で見られます(下図)。特に便利なのは、泊まろうとしている村に店がない場合に、その手前の町で食料を仕入れて運べることです。
 高低差の少ない行程の場合は省エネのために高低表は省きます。私は毎回ここから情報を得て、A4用紙の裏表に数日分の行程を印刷して持ち歩き、過ぎたものから廃棄を繰り返して歩いています。gronze大助かりです。