銀の道3 Guillena - Castilblanco  泥どろどろ

4月29日
 Guillenaアルベルゲでの朝飯は昨日の残り。もう8時になるが誰も出発しない。雨だしショートコースなので皆ゆっくりしているようだ。それとも小雨になるのを待っているのか?
 アルベルゲを出たすぐ近くに屋根つきのバス停があって、昨日一緒に泊まったグループがかしましくしていた。どうやらバスでどっかに行くようだ。歩き巡礼とは違うのかも知れないな。

 町外れにあった商業団地の中に巡礼路は続いていて、そこから鉄柵をくぐって一段下がった谷へとカミーノは続いている。その谷を見下ろすと低いこともあってドロンドロンの凄い道が続いている。昨日の二の舞になりそうなので、遠回りになるけど今日は最初からカルテラ(舗装路)を歩こうと決める。タブレットの地図アプリで方向を確認し、商業団地の中を先へと進む。と、結局一周して元に戻ってしまった。丁度そこへスペインの3人グループがやってきた。道を指差し「凄そうだよ(と言った積もり)」と言ってみるも、返ってきた返事は「タンビエン(どこも同じ)」と意にかえせずに泥々の道へと入って行く。昨日みたいに一人じゃ嫌だけど、仲間がいるなら皆で右往左往するのもいいだろうと私も続くことにする。

 想像通りだったが違った所は泥だらけになりながらも行き止まりにはならなかった。水溜りはあっても行く手を阻まれるようなことはないから、これなら御の字。粘土質の泥なので、少し歩くと靴が重たくなって仕方がないのでスティックで叩き落しながら進む。泥々を過ぎたら今度は沢登りが始まるがドロドロより遥かにいい。


 延々とそんなのを続けて2時半くらいにはCastilBlancoのアルベルゲに到着。このころには雨も止んで太陽も顔を出すようになったので気分も晴れると言うものだ。昨日、隣のソファーで寝てたベンも無事に到着していた。ベンはバックパックでなく一輪車に荷物を積んで押している。そういうスタイルはたまに目にするが、メリット・デメリット共にありそうだ。

 昨日、私の後からやって来てベッドを交換したスペイン青年が、ユーはカミーノを来たのか?と聞くので、シー大変だったと伝えたら、青年はカルテラを選んだと、チョット恥ずかしそうだった。なーに恥ずかしがることはない。いい選択したと思うよ。

 どっかの青年が屋上でウクレレを弾き出した。青年青年と言ってるが、この辺りの銀の道に居るのは若くても40代。殆どは60がらまりの定年退職組なので居心地が良いです。このウクレレ青年とは数日後に再会するが、大変なことになっていた。その話はまた後日に。

 シャワー、洗濯して広い屋上の物干し場に広げておく。ドロドロの靴を何とかしたいなと眺めていたら、近くの人が靴用のブラシがあるよと教えてくれる。痒いところに手が届くとはこのことだ。ここのアルベルゲは良く分かってらっしゃる。水道の水を流しながら靴も綺麗にして合羽まで干すが、日差しが強くなってきたので今日中に乾いてくれる気がする。全員が靴を洗ったらしく、沢山の靴が並んで干されている。中には手帳やスタンプ帳まで広げて干しているいる人までいる。みんな昨日・今日の雨の道では同じように難儀していたのだ。

 この屋上はCastilblancoの町がぐるっと見渡せる高台にある。それで気がついたが、全ての家々がみんな白で統一されていた。それでブランコ(白)の名前が町に付いてたのか。良く日本の旅行ツアー会社の宣伝文句に「スペインの白い村ミハス」なんて有難そうに言ってるが、白い村なんて全然珍しくないんじゃ!と思った。

 アルベルゲの管理人はオスピタレロ(男の場合)と言います。その人に明日の様子を聞いてみたところ、28.8kmのあいだ、村もバルもないそうだ。地図で確認したときには小さな村がふたつあったようだが店はないそうだ。今日中に必ず食料を仕入れとく必要がある。明日は日曜なので尚更だ。昼飯を買いに行ったのと逆側の店まで行ってくる。今日食べる用には缶ビール2、生ハムを追加。明日の昼用にロールケーキとジュースを買ってみる。全部で5.5ユーロ。朝飯には前日の残りがあるので完璧だ。

 雑貨屋を出たところで見知った顔がやってきた。昨日のアルベルゲで一緒だった人だ。どっかでボカディージョ(スペインのサンドイッチ)を仕入れてきたらしい。みんな明日の食料を心配していてエライ。二人して変な英語で明日の行程についてお喋りする。

 座ってから立つと激痛が走った!!爆弾のある腰じゃなくて左側の尻部分だ。何だろう?これが今回の巡礼で一番の悩みの種の始まりだったが、まだ正体不明だ。

銀の道4につづく