銀の道4 Castilblanco - Almaden de la Plata いてて 4月30日 Castilblancoのアルベルゲを7時半に出発する。今日は少し長い行程なので、ほとんどの人たちは出発した後だ。延々と気持ちのいい舗装路を歩き続けると、二人の巡礼が何やら柵越しに見ているので私も覗いて見ると、大きくて灰色の豚がぶーぶー鳴いている。見たこともない色だったので、これが有名なイベリコ豚かとすぐ分かった。もっと希少な存在かと思ってたけど割と簡単に見られるんだな。 水を飲むために3分ほど腰を下ろして立ち上がろうとしたらまた激痛が! なんなんだよこれ。いつもの腰痛とは違うのは分かるが、こんなの初めてだ。それでも腰痛の時と同じように足を引きずりながらソロリソロリと歩いていくと5分位で痛みは治まるので腰痛よりマシな気がする。腰痛は歩くことによって背骨から飛び出した神経が上手く納まり痛みが引く感じだが、今度のは歩くことによって骨盤に大腿骨が上手くはまるような感じだ。座って立ち上がるときに痛くなるのが分かったので、これより後は座らないことにする。 足の肉刺が痛くなってきたので、早めにカットバンを貼ることにしたが、座るとまた痛いので立ったまま工夫しながら貼り、さて歩き出そうとしたらまた激痛が。うーむ、座らなくても腰に負担が掛かると痛くなるようだ。足を引きずりながらそろそろと歩き出すと、後ろからやってきたベンがその様子を心配して「メディスンがあるよ」とザックから何か出そうとするが、ボルタレンがあるから大丈夫、少しの間ゆっくり歩くと痛くなくなるんだと伝える。 やがて舗装路は終わり、鉄製の門扉を開けて田舎道へと入っていく。土の道は足に優しい。草原に入った処でベンとスペイン青年は軽食にするようだが、座ることが出来ない私は先に行くよと二人を後に歩き続ける。 沼みたいな所にでると道に面白いものが現れた。これ何だか分かりますか?ほかの巡礼路でも登場したが、これは水が増水したときに人がポンポンと渡る簡易橋です。今日は大した水量じゃないので水の上を歩いても少し靴が濡れるくらいで済むが、雨の時なんかは大いに助かるものと思われる。 今日のラスボス登場。最後の凄い上りが見えてきた。冗談みたいな登り坂で木々の間から先を行く巡礼者がポツポツと見えている。みんなここにやって来る迄にくたばりかけてるので、この急坂でトドメを刺されそうだ。実際、この坂の途中で亡くなった人の墓標があった。カミーノには時々巡礼者の墓標があって、私はそこでは必ず立ち止まって写真を撮ることにしている。見ず知らずのその人にちょっとだけ思いを馳せることが供養になる気がして。 頂上には小さな展望台があって先発した巡礼が集まっている。皆さん急坂を這い上がってほっと一息というところだろう。 眼下には今晩の宿があるアルマデンが見えていた。ここも白い町だった。結局、白ペンキが一番安いから(想像です)白にするのかな?何はともあれ28.8kmを1回座っただけで歩ききったので疲れた。町が見えてホッとした。 スペイン語を話す夫婦のあとに付いてアルベルゲ探し。2軒はフルだったが3軒目は希望の公営だったので願ったり叶ったりだ。しかもベッドルームはガラガラ。先に訪ねた2軒が満杯だったので一瞬焦ったが、私営がフルで逆に良かった。私営は公営の倍の料金だから。でも予想に反してここの公営は10ユーロもした。じゃぁ私営は幾らなんだ? この夫婦は旦那がホセでスペイン人、私と同い年。奥さんはジヌでフランス人だった。この夫婦ともこのあと何回も同じアルベルゲになって、とても仲良くなる。 すぐシャワーと洗濯してスーパー探し。途中でアルベルゲを探していたベンに場所を教えてあげる。 店は日曜なのでどこも全滅。仕方ないからバルで定食を食べることにするか。道端で少年がチラシ片手に客引きをしていて、見ると休めの8ユーロなので即決。1皿目にはサラダ。健康のために野菜はなるべく摂るようにしている。2皿目はトルティージャを注文したが、トルティージャをパエージャと勘違いしてしまったので、ご飯が食べられると喜んでいたが出てきたのは焼餅のトルティージャだったのでがっくし。ワインもフルボトルとは行かないまでもデカンタだろうと思っていたらグラスだったので、これもがっくし。8ユーロだからこんなもんなんか。ワイン一杯じゃぁなとビールを追加したので合計10ユーロ。スーパーなら1リットルビールが1ユーロで飲めるけど店飲みだとグラス1杯が2ユーロ・・・。がっくし。 デザートにはリンゴが丸ごと出てきたので、明日の食料が確保できてないからこれは明日用に取っておこう。付け合わせの赤たまねぎが辛すぎたので、アルベルゲの自販機でコーラを飲む。まだ舌先が辛いのでキッチンに備えてあった砂糖をもらってレンジでチンして砂糖湯を3杯飲む。変なことしてるなー。 銀の道5へつづく |