銀の道35  Tabara - Santa Marta de4 Tera  教会のツアー

5月31日
 前の晩、寝るときに誰かが「6:30オンライト」と言ってたとおり、6時半になったら全員が起床。外からオスピタレロもやって来て朝食の準備を始めてくれる。また全員でワイワイと朝飯タイム。朝から楽しい。(下の写真左:右端がビール腹のカルロスで反対側がウェールズ・ドラゴン))


 7時半に全員が揃って玄関前に並んで記念写真を撮ることになった。みんな自分のカメラを手渡しては撮ってもらっている。とても楽しく良いアルベルゲだった。
 オスピタレロが教えてくれた巡礼路へ復帰する道を全員で歩き始める。すぐビヤ樽腹のスペイン人カルロスが遅れ始めるが自分のペースで歩くのはとても大切だ。

 長い急な坂を越えた次の村Villanueva de las Perasにバルがあったので、みんなで休んでいく。朝飯を食べて幾らも経っていないのにもう軽食を食べている人もいる。私は朝からビールも何なんでコラカオを飲んでスタンプも押してもらう。イギリス組はカフェのお代わりをしたのでドイツ女性は一足先にスタートして行った。ほどなくカルロスが追いついてきて、このバルでゆっくり休むそうだ。

 私も一人でスタートする。遠くにドイツ女性が見えるが足が速く追いつくことはできない。ソロで歩く女性に軟弱なのは一人もいない。

 足がチリチリするので肉刺ができたのが分かった。早めの手当てが肝要なのでチェックしたら左の靴下に穴が空いた所に1cmの水泡ができていた。傷バンを貼ったら痛くなくなったので取りあえずこれでオッケーだ。

 靴下は5本指の上に厚手の2重履きにしている。私の場合こうするとほぼ肉刺はできないが今回は穴が空いてしまった所の段差で擦れてしまったようだ。穴が空いても5本指靴下はスペインでは手に入らないので捨てないで履き続けることにする。まだ2足の5本指を持っているが先は長い。

 サンタマルタ手前の公園で4人の巡礼が休んでいたので一言ことばを交わして通り過ぎる。そこからアルベルゲはすぐだった。教会前の広場から迷わず1時半に到着、今日も一番乗りだが、すぐ続々とやって来る。イギリス3人組とスイス人もやって来たが、ここには泊まらずに次を目指して行ってしまった。昨日のアルベルゲに泊まった7人の内、ここに泊まるのは私とカルロスだけだった。

 綺麗で近代的なアルベルゲだがオスピタレロは不在で好きなベッドを取っていい大好きなスタイルだった。公園で休んでいた先ほどの4人グループがやって来て、どうも私がいる部屋を自分たちだけで使いたいような雰囲気だ。部屋はどこでも良い私はベッドを譲って隣の部屋へ引っ越してあげる。でも6人部屋なので後から誰か入る可能性あるけどね。隣の部屋はまだ誰もいなかったが、朝少し話したことがある夫婦連れが入ってきた。この二人ともこのあと彼方此方で一緒になって仲良くなっていく。

 シャワー、洗濯してたらシエスタの時間が迫っていることに気づき急いで店を探すことにする。村の人に聞いてみてもすぐには見つからず焦る。結局、見つからなかったのでアルベルゲに戻るとキッチンに町の地図が貼ってあった。ふむふむ、Tienda(小さな店のこと)は私が行ったのと逆方向の少し分かりづらい所にあるようだ。ダメ元で行ってみる価値はある。もし閉まっていてもシエスタ明けの時間だけでも確認できればいいや。

 店は見つかったが、ここも看板などはなく普通の民家のようだった。やっぱり入り口は閉まっている。そしたら2階の窓から親父が声を掛けてきた。入り口はここじゃなくて横に回った所だそうだ。そこは扉が開いたので瓢箪からコマだった。何を買おうかなと見ていたら、表にライトバンでパン屋が配達にやってきたので直接買うことができる。大きい焼き立てバゲットが0.5ユーロとスペインのパンはとても安い。店に戻って1リットルビールにトマト、チーズ、オレンジ、チョコビスケットに野菜がサイコロ状になった大きな瓶詰めにスープの素2に卵3、りんごまで買ったので買い物金額の最長不倒距離12.52ユーロになった。明日は店がないところを30km以上歩くので食料を多めに買うぞ作戦は成功した。

 今日のご飯は色々な野菜が入ったビン詰めをスープに入れて、更に卵3個も入れたので中々豪華だ。腹一杯になっても食べ切れなかったので、明日の朝用に残りは取っておこう。

 キッチンの壁には地図のほかにWi-Fiの案内もあった。「ここにはないけど近くの役場のが使えるよ」とパスワードまで書かれていた。至れり尽くせり。役場隣の教会前には手ごろなベンチがあって、ほかの巡礼者もそこでWi-Fiを利用していた。まことに便利。Wi-Fi環境が遅れた日本も早くこうなって貰いたい。

 近くの教会は歴史があって有名な教会らしい。夕方から案内ツアーがあるそうなので参加してみることにする。時間になったらセニョーラがやって来て教会の扉の鍵を開けてくれた。ツアーは1ユーロで、この人はアルベルゲの管理人でもあった。宿代は5ユーロでスタンプも押してくれる。だが、ツアーはアルベルゲの全員が参加したのではないので、ツアーに来ない人はスタンプも貰えないし宿代も払えないのではと思った。ここのスタンプは希少価値がありそうなので貰えて良かった。


 ツアーはスペイン語なので説明は分からないが(英語でも分からないが)良いツアーだった。貴重な聖人の遺物や骨まで展示してあった。遺物はいいけど骨ってマジか!?スペインはキリスト教については日本とは比べようがないほど歴史があるので、こういう物が普通にあるのかも知れない。何しろキリスト十二使徒のひとりヤコブ(サンチャゴ)が直接布教にやって来た国なんだから。


銀の道36へつづく