銀の道36 Santa Marta de Tera - Villar de Farfon 山の中の一軒家 6月1日 4月25日に日本を出発して、とうとう6月になった。だが日程的にはまだ半分も来てない。遊び放題。 5時半ころになったら同部屋の夫婦がゴソゴソと行動開始したようだ。暗い中でライトを頼りに準備を始めたので部屋の電気を点けてあげたら喜ばれる。ずいぶん早く出発するんだな。 私はアルベルゲで朝飯を食べて薄明るくなった7時頃に出るのが理想だ。キッチンで昨日のスープを暖め、パンとチーズにヨーグルト。仕上げはインスタントコーヒーでまったりする。カルロスも起きてきて近くで何か食べている。 ちょっぴり早めの6時45にスタートする。教会前の広場に出たら隣町の私営アルベルゲから出発したらしい巡礼が前を歩いている。それを見たら私が思ってたのより1本左の道が巡礼路なのに気付く。前に歩いてる人がいたので運がよかった。 この辺りの道標は、昨日ツアーで見学した教会にあるサンチャゴ像が描かれているものだった。やっぱり由緒ある教会だったらしい。 平らの道を歩き続け、遠くにカルロスが歩いているのが見えたところで靴紐を緩めてリンゴを食べることにする。 見事な運河沿いを歩いて、村の出口に差し掛かった所に矢印が見当たらない。こっちかなと想像で歩いていたら前方で農作業をしていた人が違う違うと手を大きく振って教えてくれる。ムチャグラシアス。 じゃぁこっちだと村の中に入っていく。確かにこっちには矢印があった。進んで行くと前を行くカルロスを発見。昨日のイタリアチーム4人と歩いていた。イタリアとスペインは自国の言葉同士で話ができるようだから超お得だ。関東と関西の人が話すようなものなんか? 5人が村はずれの教会で休んでいる所で追いつく。エネルギー補給にここでミニカステラを2個食べてみる。何しろ水と食料を切らさないのが大切だ。どちらか無くなったりすると悲しい目に遭うこと必至。少し重たい思いをしても持ち歩こう。 銀の道は赤土の乾いた道が延々と続くイメージだったので、メガネの上から掛けられる百均のサングラスを買ってきた。滅多に使わないのだが折角持ち歩いているので今日は付けてみた。少しだけ涼しく感じるのでちょっと便利かな。UVカットも付いてるのに百円。メガネ屋で安いメガネを買ったときはUV代プラスで千円も払ったぞ。 ずっと歩いて行くと遠くにダムが見えてきた。しかし道はダムの方には向かわずに山の中を大きくぐるぐる回っている。ダムを越えるのはブログで知っているので、どうやったらダムの上に行けるのか謎だったが、遠回りしながらもようやくダムの上に出られる。高いところから見渡すと中々良い眺めだ。二人の夫婦はここでゆっくり休むらしく座り込んでいる。 ダムの上にはVillar de Farfon村まで3.5kmの看板があった。アルベルゲまでもそんなに遠くない筈。まだ時間が早いしベッド数はたったの4ベッドなのでどうしようかなーと考えながら歩く。次にアルベルゲがあるのは6.1km先のVirgen de la Carbadellaでベッド数は28もある。 12時、Farfonのアルベルゲに到着。アルベルゲは、えーここー!?と言うほどの一風変わった建物だった。中に入っていくとウェールズ・ドラゴンらイギリス3人組とスイス人が休んでいた。オラーッ。イギリス人もスイス人もみんな挨拶はオラだ。 ここんちはドナティーボで接待してくれるようで、着くとすぐにコーラかジュースかと聞いてきた。ファンタオレンジを飲ませてもらい、1ユーロコインを貯金箱みたいのにコトンと入れる。スーパーなら半額だしバルなら1.5ユーロなので、1ユーロはあいだを取った妥当な額だろう。 昨日同室だった夫婦とカルロスもやって来たが、誰一人泊まろうとはしなかった。部屋を見せてもらったら平ベッドが2台で2段ベッドが1台。平ベッドなら泊まりたいな、今晩はここに決めたことを伝える。しかし、相当久し振りの客なのか水道の水は暫く茶色だった。水道管が錆付いているようだがずっと出し続けていれば飲めるようになると思われる。土間のキッチンには犬小屋があるし猫がテーブルの上で寛いでいても下ろそうともしない。それなのにダニ対策か、バックパックはベッドルームに持ち込まないでなんて言っている基準が分からん。ここ大丈夫か? カルロスはオーナーと難しそうな話を長いことしてから出発して行った。明日はAsturianosに泊まることにしてあるそうで、オーナーもそこはとても良いと言ってたので私もそこを目指そう。距離を調べたらここから山の中なのに31.9kmもある。だ、大丈夫かな。 日本から今年も非常食用にカロリーメイトを持ってきている。もう1ヶ月以上持ち歩いているので、今後も食べることは無さそうなので少しでも軽くするために食べてしまう。3年続けてカロリーメイトを持ってきたが、もう必要ないのが分かったので次回は持ってこない。 周りに何もない一軒屋なので、キッチンの棚には食材が沢山用意してあってドナティーボで自由に使っていいと説明される。だが、公営アルベルゲの食材は前に泊まった巡礼が余った食材を置いていったもので、それこそ自由に使っていいのだが、ここのは買って揃えてあるんだもんな。ドナティーボは良い様な悪いようなだ。値段を決めて売ってもらう方がずっといい。写真は右の明るくなっている扉がベッドルームで左の奥にはオーナーの住処があります。ここのキッチンの隅には犬小屋が。 結論としては外れのアルベルゲだった。でもWi-Fiがあるので1ポイントだけ挽回した。 銀の道37へつづく |