再再コンポステラ
出発から56日目の7月6日(前回と同じ日付)。ポルト、カンパネラ駅。ビーゴ行きの電車は10分遅れでのんびりとホームに入ってきた。まぁ外国の列車はと言うより、時間に正確なのは日本の鉄道が突出して優秀なのかも知れない。スペインもポルトガルも時間にはアバウトだしフランスに至っては新幹線なのに20分前にならないとどのホームから出るのか発表されないと来てるのだから少し遅れるくらいはご愛敬というところだ。早速乗り込み、窓側で進行方向に向いた席をゲット。列車では後ろ向きの席はどうも気持ちが悪いのだ。でも、この席は陽が当たるのが分かったので反対側の日陰席へさっさと移動する。四人掛けに一人だけだから快適だ。ビーゴではホテルも決まってないし見るような所もまったく知らないので取り合えずビーゴに着いたらやるべきことを手帳に書き出してみる。
1、ビーゴに泊まらない場合も考慮して次のサンチャゴ行きの列車をまず確認。
(乗ろうとしたら10分前に出ていて次が3時間待ちだと洒落にならないから)
2、インフォメーションを見つけてビーゴのホテル情報を調べる。
(20ユーロなら宿泊し、30ユーロならサンチャゴへ行く)
3、駅からビーゴ空港行きのバスを確認する。ないようならタクシー乗り場を確認。
(2日後にエールフランスに乗るので)
12時、ビーゴ駅着。まず1、次のサンチャゴ行きを確認すると午後4時過ぎなので乗るとしても時間はいっぱいある。安いホテルを探そう。つぎは2、近くにインフォメーションがあるかと駅の売店で聞いてみるが言葉が通じないので要領を得ない。ガードマンがいたので、この人に聞いたらスペイン語しか話さないものの市内地図をくれてインフォメーションの場所を教えてくれる。だが駅からは大分離れたところにあるのでインフォメーションでホテルを探す作戦は諦める。ネットで探したホテルが近いところにあるようなので、歩きで探してみたが見つからないし面倒になってきたのでビーゴ泊は中止にしようかな。こっからサンチャゴへは鉄道なら1時間で、サンチャゴへ行けばお馴染みになったメノールのアルベルゲがあるし、あそこなら12ユーロと分かっているから列車の往復料金を入れてもまだ安く泊まることが出来るし、慣れているという気安さもある。2泊するので宿泊代が安いことは大きい。よっしゃ、サンチャゴへ戻ることに決定する。
早速、切符売り場に行き16:03のサンチャゴ行きを買おうとしたら、その前に15:10があるそうだ。列車番号で推測すると、その列車はサンチャゴ行きじゃなくて「A
coruna」行きらしい。タブレットの地図で確認したら、これはサンチャゴを通り越した先にある町と分かった。なるほどそれは都合がいい、親切な駅員さんありがとう。9.25ユーロ。まだ時間は大分あるので、駅前のバルで昼飯を食べよう。何軒か見て周り一番安いメニューを出している店に入りボカディージョとビールで5.5ユーロ。ここんちはメニューにサンドイッチしかないので軽食の店だったようだ。ビールにはタパス(小皿料理)が付いてきたのでちょっと嬉しい。ボカディージョにケチャップとマヨネーズが付いてきたのを初めて見たので折角だから両方試してみるとどちらも旨い。
やるべきことの3番目だが、バス乗り場は見つからないがタクシー乗り場は駅前に何台もタクシーが横付けしているのでここが既にタクシー乗り場のようだ。これでビーゴ空港に行くための道筋が確認できたので明後日の心配はなくなった。
今度の列車は30分前にやってきた。ビーゴが終点になっているので早めに到着するのだろう。チケットには座席番号が書いてあるので指定席のようだ。3号車の149席。乗り込むとエアコンが効いていて快適だ。スペインの鉄道は発車のアナウンスはないしベルも鳴らないので注意してないと知らない内に発車されてしまいそうだ。途中駅のアナウンスもないし、駅にも駅名は申し訳程度に1か所しか表示されてないし、そこには次の駅名なんて勿論ない。だから乗客は自分が降りる駅を注意してないと乗り越してしまうだろう。サンチャゴ駅は途中の通過駅なのでやっぱり注意が必要だ。つくづく日本の鉄道の親切なのが分かる。次の到着駅のアナウンスは勿論、出口はどっち側だとかドコそこへの乗り換えは何番線から何時何分が出るとか、忘れ物のことまで心配してくれる。スペシャルなのは上野から前橋行きに乗った時に前橋まで12km手前の高崎駅で10数分の停車時間があったとき「お急ぎのお客様は○番線から○時○分に小山行きが出発しますので、お乗り換えてください」なんてド親切なアナウンスがあったのには驚いた。おもてなしが流行語になっているが、日本はそんなのを殊更言わなくても元から立派なおもてなしの国なのだった。
ポルトガルの道を歩いている巡礼が見えないかなと窓の外をずっと見ているが、線路沿いは巡礼路にはなっていないようで一人もいなかった。ポンテベドラと言う駅からは私の隣にお兄ちゃんが座るようになって、チケットを前の座席に挟んだので横目で見たところ、私と同じサンチャゴで降りるらしい。お兄ちゃんが降りる素振りをしたら私も一緒に降りればいいので、こりゃ便利だ。そのサンチャゴ駅には4時半に到着。すぐ切符売り場に行って明後日のビーゴ行きチケットを購入する。これも紙に日時と行き先を書いたのを見せれば間違いなく買うことが出来る。注意するのは月日が日本とは逆の書き方をするところか。
タブレットのGPSを頼りに20分でメノールのアルベルゲに到着。2日後にアルベルゲから駅まで歩くのでしっかり所要時間を計っておいたが20分掛かった。メノールはいつもと同じ2泊分で24ユーロだ。「シングルルーム?」と聞いてきたけど、安さにつられてわざわざやって来たんだからとんでもない。受付のお姉さんは、前にも来たわよねと言ってくれた。そうです、これで3回目ですとは言わなかった。シャワーを浴びようとしたらタオルをポルトの宿に置き忘れたことに気づく。やっちゃったよ、ポルトの宿でタオルを乾かすのにベッドを上り下りする為のハシゴに掛けて置いたのを回収し忘れたのだった。タオルの他に豆絞りの手ぬぐいを持って来ていたので、これでもないよりはマシだ。
メノールの食堂では外で買ってきた食材で食事する人が多く、キッチンも良く使われている。作る料理はお国柄が出ていて面白い。子供の頭ほどもある巨大なピーマンが売られていて、どうやって食べるのか興味があったが、あるグループはナイフで細切りにしながらそのまま食べていた。夏休みに入ったのか、20名ほどの小学生を引率しているグループもいて沢山のボカディージョを作るのに大忙しだ。私が隅に座っていた長いテーブルと隣のテーブルを使い食事にするらしく、料理を並べ出したので別のテーブルに移ろうかと手真似で言ったら、あちらも手真似で「詰めるから大丈夫」と言ってるが、テーブルを移って上げたらお礼を言ってくれる。やっぱりこの方が良かったようだ。小学生の団体は高校生と違って可愛らしく、無邪気な様子は見ていて飽きない。食堂の隅には売店もあって、そこそこの規模だからここで食料を調達する人も沢山いるからちゃんと商売になっているようだ。でもやっぱり外で買うほうがずっと安いので、私は殆ど外まで買い出しに行くが。ここのキッチンを使ってやることと言えば、トマトを切ることとゆで卵、それにスープを作る位だったが便利に使わせてもらった。キッチンは節約する人の強い味方だ。写真のビールはずんぐりしていて中瓶に見えるだろうが1リットルの大ビンだ。パンはこのサイズでも百円もしなくて凄く安い。
出発から57日目の7月7日。6時半までぐっすり寝られて、カミノに来て一番良く寝られたんじゃないかな。メノールに泊まるのはこれで3回目(5泊目)だし、だだっ広い大部屋にシングルベッドなのでとても落ち着く。プライバシーがないので嫌だと言う人もいるそうだが、私は何てことない。今日は特に予定がないし、あるとしたらまたカテドラルに行って人間ウォッチングとミサに与るくらいだ。ゆっくり起きて食堂のある0階まで降りて行く。ここは3階だが、日本で言えば4階なので食堂までの行ったり来たりは結構面倒くさい。食堂入り口の大きなゴミ箱の上に見慣れたイーデンの赤い水筒を発見!滅多にないタイプなので間違いなくイーデンが忘れてった物だろう。夕方までここにあったら持ち帰ってメールで教えてやろう。イーデンが立ってからもう何日も経っていると言うのに良くずっとここにあったもんだ。
10時にカテドラル前の広場に行ってみる。もうすっかり見慣れた光景だが、明日はメノールから直接サンチャゴ駅に行くのでこれで見納めだ。ミサには1時間早めの11時に聖堂に入る。さすがに特等席はガラ空きだ。1番前は立ったり座ったりが不安なので2番目の席をゲットする。今は空いてるが時間近くなると必ず満席になってしまうのが分かっている。最後のミサなので待っているのも苦にならない。今日は司教さんから聖体拝領できたけど、ボタフメイロの儀式は無かったので残念。でももう2度見られたからいいや。最後なのでもう一度ヤコブの棺にお参りする。
少し離れた巡礼博物館と言うのに行ってみたが、今日は閉館だった残念。何か食べたいなぁと歩いていると、丁度そこに旨そうな手作りパン屋があったので白いクリームがたっぷり挟まったのと、チョコの甘そうなのを買って道端で食べる。すっごいボリュームで腹いっぱい。本当はスペイン最後なのでチュロスとホットチョコレートをもう一度食べたかったのだが、似ているのでこれでもいいや。
これでホントにさよならコンポステラ
出発から58日目の7月8日。今日はとうとうコンポステラ最後の日だ。何ちゃって、数日前にもそう思ってポルトを目指したんだっけ。今日は列車でビーゴに移動してパリ行きの飛行機に乗るので入念に立てておいた計画に基づいて行動を始める。エールフランスからネット上でチェックインが出来るとメールが入っていたが、ビーゴ空港では出来ないから空港で直接チェックインするように但し書きが付いている。なんだこれ?何はともあれちゃんと私の予約が生きているようなので安心する。
残りのユーロは約400あって、残り日数が9日なので一日40ユーロで収まるならOKだが、パリは物価が高いから、スペインのように一日20ユーロで賄うと言う訳には行かないだろう。カードで支払えるところはカードを使って、現金はなるべく温存する作戦にしよう。
9時15、サンチャゴ・デ・コンポステラ駅に向けて歩き出す。20分掛かる予想だったが今回は下り坂が多いので15分で到着。構内の列車表示板にはビーゴ行きはあるが何番ホームかはまだ発表されてないようだ。いつものことともう慣れた。1時間前になったら1番線と発表された、20分前のパリより優秀だ。スペインには改札がないけど1番なら改札の一番近くだ。
電車は5分遅れでやってきた、これもいつものパターンだ。スペインの国鉄マンは日本のJRじゃ勤まらないだろな。「5分遅れたって?少し遅れて着くのが礼儀じゃないか」と言い出しそうだ。列車には自転車がそのまま乗り込むことができるようだ。混んでていても関係ないのかな?
乗り込むと、殆ど全ての席は進行方向と逆向きのままになっている。乗客もそれが普通と思っているのか、席を回転させることもなしに多くの人が普通に逆向きに座っている。こんなところも日本はつくづく丁寧だ。前に日本のニュースで見たけど、列車が到着するとわずかな時間で列車内の清掃やイスの向きをテキパキこなす作業を外国からの視察団が見学していた。何を当たり前のことをと思っていたが、スペインの鉄道事情を見てやっぱり日本のサービスは特別で海外から視察が来るほどなのだと分かった。凄いぞ日本の鉄道マン。
いつものように何の前触れもなしに列車はスタートする。コンポステラ駅は途中駅なので、発車したらすぐ検札がやってくる。車掌さんはこの駅から乗り込んできた人をすべて把握してるようで大したもんだ。今回の列車は通路に下がっているモニターに、次の駅名に加え気温と時間まで表示されている。しかも車内放送でも次の停車駅をスペイン語と英語でも言っているので、またちょっと違う列車なのかな?前のときはまったく気が付かなかった。
ほぼ時間通りにビーゴ駅に到着。飛行機は夕方の6時発なので時間はたっぷりあるのだが、ビーゴの地理も見所も知らないのでさっさとタクシーで空港に行くことにする。タクシーはトヨタのプリウスだったので降りてから写真を撮っておく。すごくすっ飛ばす運ちゃんで、最高135kmも出していた。スピードメーターも撮っときゃ良かったな。スペインのタクシーは凄く安い情報だったけど、18ユーロだったから驚くほど安くはなかった。
ビーゴ空港は小ぶりで分かり易い。その代わり、売店もレストランも幾つもないので安いのを選ぶことができない。取り合えずパリ行きを祝ってビールを飲んでみる。肴はイーデンがくれてったチョコビスケットだ。甘いのは酒の肴にはしないのだが、これしかつまむ物がない。今日はあっという間に20ユーロを突破したし、まだこんなもんじゃ済まないだろう。一日の経費を20ユーロに設定してた頃が既に懐かしい。
とうとうやった
早すぎるのでチェックイン・カウンターに係員はまだ誰もいない。2つしかないレストランの安めの方で朝飯のようなものにしておく。ボカディージョとカフェコンレチェで7.35ユーロ。今までの倍でめちゃ高い。空港は何でも全て高く、免税店が安いなんてのは幻だ。ボカディージョは珍しく鳥のササミのカツが挟まっていて普段より倍の硬さだ。こいつをかじったら前歯の差し歯がポロッと欠けてしまった。あぁ〜、とうとうやってしまったよ。大ショック。スペインのパンは旨いけど目茶目茶硬いので注意していたのだが、とうとう恐れていたことをやってしまった。どうしようかな、前歯だし目立つしな。前歯なしのひょうきんスタイルで8日間の花のパリ観光も辛そうだ。ダメ元で靴の修理用に持って来ていた強力ボンドを薄く塗って貼り付けてみたら、なんとこれが具合が良さそうだ。もしかしたら日本まで持つかも知れないとヌカ喜びをする。
これで思い出したが、崩壊寸前だったエアーマックスだけど、苦肉の策の草履を切り取って穴を塞ぐ作戦は草履のウレタンが弱すぎて持たなかったが、接着剤が頑丈でウレタンは消滅してもボンドはそのまま残っている。それが分かったので接着剤を厚く塗り続ける作戦が功を奏して今に至っている。接着剤は自分の靴の為はもとより、何百人と出会う人の中には靴底がはげた人に出会うだろうと持参したのだが、結局自分のためになった。
16時からチェックインが始まったのでeチケットを持って行くと、パスポートだけでチェックイン完了。簡単すぎ。さすがにチェックインの担当は英語を話すが、その前に問い合わせに行ったエアーヨーロッパのカウンターの二人はスペイン語しか話さなかった。こんなところで仕事する人でも英語を話さない人がいるんだな。
セキュリティーも難なくすり抜けるが、前の女性はバッグの中を開けさせられてチェックされていた。私の方が伸び放題のヒゲ面がパスポートの写真と違ったり服装もビーサン、ジャージと怪しいと思うのだが、何も言われることはなかった。これはもしや私の内なる・・・以下省略。
搭乗17:30、座席は12Aだ。今まで乗った中で一番小さな飛行機だったけど、一応ジェット機だ。機内食には軽食のボカディージョ(これはエールフランスなのでサンドイッチか)が出て、かじったらさっきくっつけた歯がポロリと取れてしまったので、もう諦めることにする。でも、エールフランスの機内食で念願のワインが飲めたからいいや。実は2時間ほどのフライトなので軽食は出してくれるだろうがワインまでは期待していなかったのだ。ワインの旨い不味いじゃなく、エールフランスの機内でワインが飲みたかったのだ。
パリ到着
パリ到着。エールフランスの到着ターミナルは第2の予想だったが、飛行機が小さいからか一番隅っこの辺ぴなターミナルに着いてしまった。第2ターミナルの構内図とバスの発着場を印刷して持ってきたのだが、またまた予定と違う展開になってしまう。もうこんなことの連続。荷物受け取りでは早く出てきたためしが無いのだが、今回はまた桁違いに出てくるのが遅い。多くの人たちは自分のバッグをピックアップしてさっさとこの場を後にしていくが私のバックパックは一向に出てこないどころか、ついにラインは停止してしまった。ゲゲッだ。係員を捕まえて聞こうにも、ここには空港職員は一人もいない。成田なんかバゲッジクレームに二人も職員を配置してるのになぁ。でも、他にも数人が留まっているので自分ひとりだけじゃないからまだ良かったけど、ザックが行方不明になってしまったかと本気で心配してしまった。暫くしたら、さっきとは別のラインがゴトゴト動き出して自分のもやっと出てきたので一安心。まったく心配させやがって。
外に出たら空港を巡回しているらしいバスが止まっていたので「ターミナルツー?」とか言って乗り込む。ドゴール空港は物凄く広いのでターミナル間をバスで走ってもそこそこの時間が必要だがほどなくターミナル2に着く。ドゴール空港を学習しといたので、モンパルナス行きのバスが発着するという、ターミナルとターミナルを繋ぐ場所を探して行ってみると、そこは予想していた屋内ではなく、大きな青空バスターミナルだったので何が何だかチンプンカンプンだ。運良く日本人のグループがいたので、教えてもらおうと思ったらモンパルナスから空港にやって来たので分からないと言うが、近くの人がバスの荷物を積み降ろす係だから教わってみてはと言うので行ってみる。こっちの言えるフランス語はただ「モンパルナス?」だけだ。兄ちゃんは「このバスの次がモンパルナスだ」言ってるようだったが、結局このバスがモンパルナス行きだった。早速ドライバーにモンパルナス?と確認して乗り込む。フー、本当に疲れる。
バスは来る時に乗り込んだ第1ターミナルの見覚えのあるバス停にも寄った。一度だけだけど懐かしい感じがする。あー、行きはここから乗ったんだったなぁ。あの時は何もかも分からずに不安だらけだったが、あれから思えば今回はずっと楽だ。バスに乗れさえすれば、今晩からのホテルは一度泊まったことのあるドミトリーなので地図なしでも行くことが出来る。22時頃にモンパルナス駅に到着する。他にも数台、エールフランスのバスが止まっているので、ここがドゴール空港に出発する停留所にもなっているのかな?帰りもまたエールフランスのバスでドゴール空港に行くので、チェックチェック。大きな通りの遥かかなたにエッフェル塔が見えてシャカシャカとライトが点滅している。なんかテレビで見たことある光景だ。
日本人と一緒の宿に
ホテルは記憶より遠かったが、道は間違えることなくちゃんと到着することができる。入口で前に話したことのある受付のお兄ちゃんが立ち話をしていたのでボンジュと挨拶して覚えてるよと言ってみたが、お兄ちゃんは忘れてた。残念。でも、後になって「スペインに行くと言ってたよね」と言ってくれたので嬉しかった。8泊分をカードで支払い、合計182ユーロだった。前回は4階(日本の5階)だったけど、今回は3階なので上り下りがちょっと楽チンだ。部屋に入ったら女性が二人居て、一人は韓国だがもう一人は何と日本人だった。私と同じく、今日がチェックインでチェックアウトも私と同じ9日後だった。何たる寄ぐう、こりゃありがたい、部屋に戻って来さえすれば日本語で喋れるメリットは計り知れないだろう。ベッドは下段とも韓国女性が入っていたので日本人二人は上段だ。今日は遅いのでシャワーだけにして洗濯はしないでおいた。アルベルゲと違って洗濯物を干すスペースなんてなさそうだし、ちょっと様子見だ。下に下りていってハイネケン2ユーロを買って食堂で飲む。朝食無料サービスの残りか、パンが沢山残っていたので3つ食べて夕飯代わりにする。何もつけなくてもとても旨い。このホテルでは朝食に出したパンが余ると、こうやってずっと出しておいてくれるのか、なんて親切なんだろう。これまでの数日間はバスや電車を利用したりホテルも探したり不確定要素の苦労があったが、これからはもうそれらの心配は一切ない。明日からパリ8日間の観光スタートにワクワクする。
パリ観光スタートへ続く
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