
「魚-試作1」
20代の頃に中学1年生の美術の授業で「アルミ板打ち出し」による「魚の進化論 ~魚の過去、現在、未来~」をテーマに指導した題材の試作品です。
太古の魚の中には、外敵から身を守るため、鎧をまとった泳ぎの得意でない魚がいたり、現代でも深海には不思議な形態の魚がいるので、未来を考えたらもっと予想をはるかに超えるかも知れない、と想像力をかき立てました。
30数年経っていますが、アルミのさびは目立たないので、多少くすんではいても保存状態はいいです。
この試作品を含めて生徒作品を市内の野外作品展に群像として並べて展示したところ、教科書会社の目にとまり、当時の開隆堂の中学3年の美術科教科書に採用されました。その後すぐに教科書の改訂があったため、該当生徒が3年生のときには手元の教科書で自分の作品を見ることができました。
残念だったのは、1年生が制作したのに、3年の教科書の「卒業制作を作る」のページに載ったことと、「魚の進化論」と大層な題名をつけたのに、「魚の国」というメルヘンチックな題名にすり替えられていたこと、全体ではなく、部分だったことです。生徒作品と書かれていたのに、魚の群れの先頭に、まさか自分の試作品を遊び心でつけて、それが教科書に載ってしまうとは思ってもいませんでした。
現在その教科書は行方不明なので、知っているという希有な方がいましたら、教えてください。