
《パンドラの箱》
買:2019年 10月 19日
ネットでパンの本を探し回っているうちに、メゾンカイザーのレシピ本があることを知りました。今までメゾンカイザーのパンを食べて憧れ、レシピを想像してまねようとする過程を楽しんでいました。そんなずばりの答えをのぞいていいのか。ゲームで言うところの攻略本、古くは教科書のガイドブックを手に入れるような罪悪感。(どちらも買ったことはありませんが…)
結局誘惑に負け、ネットでポチッと押してしまいました。すると翌日すぐに届きました。
でも、それは自分にとってまさにパンドラの箱でした…。(パンだけに)

メゾンカイザーのパン95のレシピという触れ込み。しかも世界料理本大賞パン部門大賞受賞という恐れ多さ。「メゾンカイザーのパンが家庭で楽しめる本格派レシピ、決定版!」という帯、思わず「本当か?」と突っ込みたくなります。
税込み約3000円、厚さ2.5㎝の図鑑のような本を恐る恐る開けてみると…
まず目に飛び込んできたのは、聞いたことのないフランス語のパンの名前のオンパレード。そしてよく分からない用語の数々。レシピはしっかり書かれていて、工程写真を含めて800枚以上の写真で至れり尽くせりだけれど、どんなパンなのか、さっぱりわからない。どんな味なのか、伝わってこない。
日を重ねて読み込んでいって、断片的にわかってきた驚きの事実とは…
まず、すべてのレシピで「ルヴァンリキッド」という自家製の液体自然発酵種を使っていること。そして、それを作るのに4日もかかること。また補助的に使うイースト菌は生イーストであること。それらが関係して、レシピにより多少差はあるものの、一次発酵、二次発酵とも、かける時間は驚異の1時間半であること。
これはもう、お手上げ。やっぱりパンドラの箱でした。絵画も、プログラミングもそうだけど、パン作りの世界も、相当に奥が深いと、今更ながらに思い知らされました。
もうこれからはお気軽にパン作りができないなと思いつつも、日が経つにつれてやるだけはやってみようと思い直し、富澤商店のネット通販を検索しました。すると、生イーストなど、冷蔵物の送料は1000円近くかかることがわかり、また挫折しかけましたが、送料がもったいないのと、お店の人に生イーストの種類を聞いてみようと思い立ち、町田の富澤商店本店に行って買って来ることにしました。

買ってきたのが、ルヴァンリキッドに必要なライ麦全粒粉と、生イーストです。生イーストは生なだけに、消費期限が今月末でした。週末作りの身としては、あと2週間では1~2回くらいしか作れません。210円と安いとは言え、何ともったいない。
計画としては、10月22日の即位礼正殿の儀の日からルヴァンリキッドを作り始め、26日に時間をかけてパン作りをする予定です。ルヴァンリキッドが正しく作れるか、生イーストがコントロールできるのか、その結果として発酵がちゃんとできるのか、味はどうなるのか、そもそも食べられるのか…。
心配は尽きません。でも、パンドラの箱はすでに開けてしまいました。