《に志かわの食パン》

買:2020年 5月 29日

 銀座「に志かわ」相模大野店の食パンを手に入れました。予約なしで買えるようです。食べるのは2回目ですが、このサイトで取り上げるのは初めてです。
 1回目に食べたあと、影響されたことは、「水にこだわる」ことと「ミミまで柔らかい」ことです。それ以降、水はアルカリイオン水に替えたし、柔らかいパンを目指して焼成温度や時間を抑えて、何度も型崩れを起こしました。今回は、今までの自分の経験から、この高級食パンを自分なりに分析してみようと思います。
 まず、見た目から。2斤角型パンです。側面を見ると、4つのパン生地を丸めて作ったことがわかります。へそのようなへこみがないことから、きちんと整えて丸めたのだろうと思います。下がつぶれて、上がふくらんでいるのは、重力なので仕方ないのでしょう。この薄い焼き色は、きっと180℃以下ですね。外寸10×24×10、821gでした。


 まるごと2斤がカットされないままです。パン用のカットガイドがない家庭は、適当な幅に切るのでしょうね。パン切り包丁がスッと入っていく感触は独特のものがあり、気持ちがいいです。また調理用ゴム手袋をしていても感じる水分しっとり感は、このパン最大の特徴です。切れ端を入れて11枚カットで、1枚約72gでした。大きさに比べて重く感じます。
 貼付のパンフレットには、「アルカリイオン水」「小麦粉はカナダ産最高級品」「厳選したバターと生クリーム」「隠し味のはちみつ」とありますが、成分表がないので、あとは想像するしかありません。間違い、見当違いを恐れずに推測してみます。
 きめの細かさは、きめの細かい小麦粉ならではと、長時間過発酵させずに、細かな気泡にとどめた発酵だからだと思います。どんなパン酵母を使っているのか、気になります。でも、「天然酵母」等の記述は見当たりません。甘系パンだから、サフ金だったりして。
 小麦粉だけではない香りは、はちみつ由来なのか、まさか香料添加なのか? とにかく添加物表示がないので、疑ってしまいます。添加物疑惑はさらに膨らみ、このしっとり感の秘密に絡んできます。パン切り包丁にバター等の油分の汚れがつかないことに気がつきました。買った翌日だからパン生地が落ち着いたせいなのか、そもそもバターが少ないのか、油脂類と水との親和性がよいからなのか。きっと、後者だと思います。すると、かなりの乳化剤(水と油の親和性を良くするもの)使用なのではないでしょうか。


 パンフレット中の「おいしく食べる作法」の1番目に、「当店の食パンは、生で何も付けずにお召し上がりください。」とあります。その通りに食べると、本当においしい。パンフレットのキャッチコピーは、「絹のようにしっとりした耳 淡雪のようなくちどけのほんのり甘い食パンです。」とあります。その通りです。パンだけでいただく、よく味わうパン。ぜいたくで、このパンがうらやましいです。きめの細かい上質なカステラを食べているような食感。もちろん、カステラのようなとんでもない甘さではありませんが、あとで口に残るというか、記憶に残る甘さと感じました。ルヴァンリキッドが入っているようなかすかな酸味は全く感じませんでした。砂糖と塩の分量は知りたいです。結論として、添加物なしではできないパンなのではないでしょうか。その辺はパンフレットに書かれていないので。間違っていたら、ごめんなさい。
 この「高級食パン」1種類で勝負しているところと、「生食パン」をうたっていないところに潔い好感を持ちました。