《おかべやの定番》

買:2020年 4月 11日

 新型コロナウィルス対策としての緊急事態宣言が出されてから最初の土曜日となる4月11日(土)夕方に、車の冬タイヤから夏タイヤへのタイヤ交換のため、ディーラーに向かいました。前から予約を入れていたとは言え、不要不急の外出自粛が呼びかけられているので、出かけることに多少気が引けていました。さぞかしディーラーは閑散としているだろうと思いきや、今まで見たこともない込みようでした。店内に用意されている6組ほどのテーブルセットは全部埋まり、中には小学校低学年らしき子供2人連れの家族も2組ありました。ファミリー向けのディーラーではなく、車好きが集まる多少敷居の高さがあり、今まで小学生の家族連れはめったに見たことがなかったので、驚きました。家族連れの1組はマスクさえ付けていません。従業員を含めると20人くらいになる「3つの密」のが心配になってきました。そこでタイヤ交換完了までの1時間、店内で待たずに30分程の散歩をすることにしました。
 とは言うものの、あまり土地鑑のない場所と、かと言って「○○珈琲」で時間をつぶすのも今となってはウィルス感染の危険が伴うので、目的地を考えました。ディーラーまで来る途中に、「天然酵母のパン」という看板を見かけたので、そこへ向かうことにしました。道中4月も中旬に向かう頃とは思えない風の冷たさでした。でも、あっという間にお店に着き、外からガラス越しに店内をのぞくと、店内に他のお客はなく、ご高齢の女性が店番をしていました。ごくごく小さな売り場スペースでした。お店の名前は「おかべや天然パン工房」です。社長は不在とのことでしたが、もともと豆腐屋がはじめたパン屋で、売れ筋が「おからの甘食」と聞きました。なるほど甘食は売り切れだったので、手にしたのは、あと2つ残っていた食パンです。他にもいろいろありましたが、明日の食事に食パンを買うつもりでいたので、それにしか目が行きませんでした。それに、北海道小麦100%、天然酵母と言われたら、プレーンな食パンを味わいたいものです。



 家に帰ってからよく見ると、ただの食パンではなく、「豆乳食パン」でした。どうりで430円もした訳だと納得しました。マーガリン、ショートニング不使用はともかくとして、バターも使っていませんでした。これで豆乳と砂糖を抜いたら、フランスパンになってしまいます。


 では、イギリス食パンのような味かというと、さすがに国産小麦ですから、全く違いました。ほのかに上品な甘みを感じました。はちみつ等の隠し味がないわけで、するとこの味は、国産小麦と豆乳のハーモニーから生まれたものなんだと確信しました。あちこちに卸しているとは言っていましたが、割とご近所にそんな名店があることを知りませんでした。すばらしい。
 上下がよく焼けていて、サイドは白くて柔らかでした。何度で焼いているのか、何の小麦か、何の天然酵母か、今度社長さんがいる時に聞いてみたいと思います。