15)奥秩父の山々/金峰山、乾徳山、国師ヶ岳2013年10月13日〜10月14日 2013年度山の記録に戻る
 8月の予定が、10月に実現した。秋の行楽ベストシーズン、たくさんの人で賑わった。富士山の眺めもまた格別だった。11日Kさんと連絡を取り、12日の夜行バスを予約、帰りの夜行バスは何回かのトライの後、キャンセルが出てタイミングよく確保できた。
乾徳山と国師ヶ岳は、初めてで、三百名山の追加になった。先の三ツ峠山とあわせ、228山達成したが、最近はペースダウンだ。金峰山は随分前に登ったが、今回の大弛峠から4時間半程度で往復できることは知らなかった。

@乾徳山 2031m 二百名山 2013年10月13日
 山梨市の案内よれば、乾徳山は奥秩父の山域の一つで、夢想国師がこの山で修業し悟りを開いたと伝えられている。乾徳山恵林寺は開祖の夢想国師が「乾徳」は「君主の示す徳」、また峡東地区の北西「乾」の方角であることから名付けられたと言われている。山には国師が座禅をしたといわれる座禅石や髪剃岩、天狗岩などの奇石があり、山頂付近は結構険しい岩場となっている。
 標高、2031m、山頂直下の高さ20mの垂直に切り立った鎖場など 岩登り が楽しめる山として人気の山である。山梨百名山にも指定されている。

乾徳山登山道駐車場(8:05出発)→錦晶水(9:30)→国師ヶ原(9:40、10)→月見岩→扇平→乾徳山山頂(11:14〜11:48、昼食)→高原ヒュッテ(13:10、10)→国師ヶ原(13:27)→乾徳山登山道駐車場(14:30)

前日の12日、京都八条口23:03 近鉄バスに乗車する。3列座席、久しぶりの夜行バスだった。窮屈ではあったが、結構眠れた。甲府駅には6:50に到着、すぐにKさんの車が迎えに来てくれた。コンビニで昼食と飲み物、おやつを買い、徳和の林道横の駐車スペースには、8時前に着いた。杉林の中を登っていくとすぐに銀晶水に着く。尾根筋をジグザグに登り、カラマツ林が現れる。少し黄色くなってきている。二度林道を横切る。最初は石がごろごろして、歩きづらい。金晶水とあるが、とても呑む気にならない。ここからしばらくで国師ヶ原に出る。このあたりはシラカバとカラマツの明るい高原だ。視界が広がり、前方に岩肌を見せた乾徳山の姿が見える。少し登り、ススキ越しに後方の富士山を眺望する。写真を撮り、さらにススキの中を登っていく。月見岩を通り、扇平で小休止を取る。ここからは、岩登りになる。山頂直下の最後は、クサリとハシゴで楽しいひと時だ。岩越しに富士山が目に入る。山頂は、思ったより狭く、岩がごつごつして収まりが悪い。明日に行く、金峰山の特徴ある岩(五丈岩)が眺望できる。南アルプスの山々、富士山など360度のパノラマが楽しめる。昼食の間も、たくさんの登山客で賑やかだ。下山は、山頂を通り抜け、高原ヒュッテ周りのコースにした。元来た道は交通整理が必要な状態だった。しばしの眺望の後、視界のない急坂を下り、1時間20分でヒュッテに着く。避難小屋だが荒れ果ててとても泊まる気にはならない。しばし休み、すぐの国師ヶ原の合流点に出て、同じ道を戻った。
 登山後は、地元の日帰り温泉、みとみ村笛吹きの湯でゆっくりと汗を流す。ここで、明日の登山口大弛峠が夜のうちに一杯になり、林道脇の駐車、場合によっては数百mも下ることになると聞いた。予定を変更し、夜と昼の食料、その他をスーパーマーケットで仕入れ、その足で峠に向かう。1時間強の林道、2000以上の峠に18:00頃に着いた。早々にテントを張り、食事をする。北から高気圧が張り出し冷え込んだ上、2000m、地面についた背中が思いのほか辛かった。それでも、2:00まではぐっすりと寝た。その頃から車が次々と到着、人声も響き渡り、うとうととなった。
山頂のパノラマ(右手手前には金峰山と五丈岩、後方は南アルプス全景〜富士山)

 
     
国師ヶ原からの乾徳山。岩稜が見える 扇平へのススキの原から富士山を眺望  最後の登りの岩尾根の紅葉越しに
     
山頂直下の岩の壁を直進  山頂の眺望、南アルプスが全貌、右が甲斐駒 山頂の眺望、富士山 
     
左手山頂越しの富士山     

A国師ヶ岳 (2592m) 金峰山(2599m)   : 2013年10月14日
 国師ヶ岳は奥秩父山系の主脈にある山の一つで、三百名山や山梨百名山に選ばれている。山頂には一等三角点が設置されている。標高2592メートル。山名は恵林(えりん)寺を創立した夢窓(むそう)国師に由来する。偉業に対して地元民が付けたといわれている
 金峰山は長野県と山梨県の県境に位置し、山頂には金峰山信仰のご神体、金峰山のシンボルとされる大岩「五丈岩」がある。日本百名山に数えられ、奥秩父山群の王者と言われている。呼称について、山梨県側では「きんぷさん」と呼ばれ、川上村では「きんぽうさん」とそれぞれ呼ばれている。山頂部は広く360度の展望が素晴らしい。西には美麗な八ヶ岳を望み、見回すと、南アルプス、日本一の富士山、奥秩父山系が展望できる。

@)国師ヶ岳 2592m
大弛峠駐車場2360m(6:30出発)→北奥千丈岳分岐(7:15)→国師ヶ岳(7:20、10)→北奥千丈岳(7:40〜7:48)→夢の庭園→大弛峠駐車場(8:25)

朝、5:40に起床、駐車場は満杯だ。道路脇にも車が並び始めた。パンをかじり、6:30に峠を出発する。針葉樹林の中、ゆっくりと登る。たくさんのシャクナゲの木が目立つ。前国師の山頂を過ぎ、右手に奥秩父一の高度を持つ北奥千丈岳を分け、少しで山頂に着いた。帰りは、奥秩父一の北奥千丈岳に立ち寄る。ここからは、金峰山、南アルプスの全容が見渡せる絶好の場所だ。さらに夢の庭園に迂回し、8:25には峠に戻った。しばし休憩した。
この山は、富士山の写真を撮るのに絶好だとか。朝、3時に峠を出て、ご来光を撮るのだそうだ。前日の13日には40名ほどの愛好家が山頂に集合したらしい。満員状態だったそうで、手軽にアプローチできるのがポイントになっている。
北奥千丈ヶ岳からの眺望(朝日岳〜金峰山、左に五丈岩、右奥が八方岳、左奥南アルプス全貌))

 
   
大弛峠  国師ヶ岳山頂   山頂スナップ
     
南アルプスの眺望  朝日岳〜金峰山、奥は八ヶ岳 (北奥千丈ヶ岳より) 夢の庭園から朝日岳〜金峰山、左手に五丈岩

A)金峰山 2599m
大弛峠駐車場(8:30出発)→朝日岳(9:25〜9:30)→金峰山(10:33〜11:15)→朝日岳2579m(12:20〜12:30)→大弛峠駐車場(13:25)

5分休憩の後、峠を8:30出発する。比較的歩き易い樹林帯の中を行く。日のでは5:30くらいだが、薄暗く、寒さもこたえる。モミ、ツガのハヤシの中、緩やかな登り下りを繰り返して25分ほど行くと朝日峠に着く。石が積み上げられている。朝日岳へは、一部岩場のある、急な道を通ることになる。見晴らしもあり、甲武信ヶ岳が雲海の上に突き出ている。1時間ほどで朝日岳に着く。少し進んだガレ場のところからは、金峰山と五丈岩が存在感を示している。ガレ場を注意深く下り、縞枯れの樹林帯、さらに鉄山を巻いて進む。森林限界を越すと、アルペンムードの漂うハイマツ帯の稜線に出る。進むこと20分弱、山頂に着く。三角点の標高は2595mで、山頂は三角点のすぐ隣にある岩で2599m。三角点わきに日本百名山と山梨百名山の標柱があり、奥秩父連峰随一といわれる景観は素晴らしい。南に富士山、南アルプス、西に北・中央アルプス、八ヶ岳、瑞牆山、北に上越の山々、小川山、東には奥秩父の山々を望むことができる。
朝早くには、雲海で、一時、金峰山もガスに覆われたが、山頂に着くころには晴れわたり、視界が開けた。山頂では、ゆっくりと時間を取り眺望を楽しんだ後、元来た道を戻った。人出は多く、会う人と挨拶を交わしながらの山旅だった。峠からは、甲府駅までKさんに送ってもらい、城、武田神社を見学、近くの温泉銭湯で超長い時間を過ごした。夕食は、ほうとうの特別版を賞味し、22:10の夜行バスで京都に向かった。
楽しい山行き、Kさんの運転ご苦労様でした。

金峰山からのパノラマ:五丈岩〜瑞牆山のコースと特徴ある岩峰(歪んでます)

 
     
朝日岳付近から金峰山  朝日岳、後方は甲武信ヶ岳(山頂への途中から)   山頂直前のスナップ
     
山頂の岩より、朝日岳〜後方のは甲武信ヶ岳  山頂スナップ  五丈岩、富士山は薄っすらと雲海の上に
     
峠からの帰り道の黄葉  同、紅葉  林道の紅葉 
     
カラマツが黄色く色づき出した   カラマツが黄色く色づき出した  

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