17)能郷白山(1617m)   : 2013年10月30日          2013年山の記録に戻る           
 
加賀白山を開いた泰澄上人が、加賀白山の山頂から見渡した時にこの山が目に留まり白山権現の分祀を思いつき、開山し祠を祀ったと伝えられている。養老2年という古さだ。信仰の山である。山頂に能郷白山神社奥宮の祠があり、白山信仰の山である。能郷谷の麓(能郷)には、能楽堂のある白山神社(白山権現里宮)がある。毎年4月13日の例祭で能郷の能・狂言が奉納されている。周辺は豪雪地帯であり、奥美濃の最高峰であるこの山は、濃尾平野から望む一番遅くまで雪を抱いた山である。深田久弥は日本百名山選定の際に荒島岳と能郷白山との二つから前者を選んだ。後者のこの山は、深田クラブにより日本二百名山に選定されている。ぎふ百山のひとつに選定されている。別名が、白山、能郷山、権現山と呼ばれる。かつては山全体がブナやミズナラなどの自然林で覆われていたが、戦後能郷谷一帯でほとんどが伐採された。
山頂には一等三角点があり、クマザサが生い茂っている。山の上部にはニッコウキスゲなどの花が多い山である。周辺では、イワウチワ、オオバキスミレ、カタクリ、キクザキイチゲ、キジムシロ、コバイケイソウ、ザゼンソウ、サラサドウダン、サンカヨウ、シモツケソウ、ツクバネソウ、ニッコウキスゲ、ヒメイチゲ、ムラサキヤシオツツジなどの多くの花々が見られる。
今回は、国道157号の岐阜県と福井県との県境である温見峠から、稜線伝いに登る最短のルートを選んだ。

菩提寺SA(7:35出発)→温見峠(11:03 出発)→能郷白山山頂(12:40)→祠(11:45〜13:05、昼食)→山頂(13:10、5)→温見峠(14:13)
 全長2.4km*2 所要時間3時間10分(休憩時間含む)

本当に久しぶりに大阪のTさんと山行きが実現した。紅葉目当ての訪問だ。菩提寺SAにてピックアップしてもらう。週日とあって、何時もの駐車場所は空いていた。養老JCTから枝分かれし、岐阜西ICでおりる。21号線、23号線、157号線と進む。根尾谷断層を過ぎ、薄墨サクラの里と書いた表示で、道の駅に寄る。道路事情を確認し、ここから長い細い道が始まる。工事中のため、ダンプや資材運搬用のトラックと鉢合わせし、何度か後退してやり過ごす。高度を上げるにつれ、紅葉が目立ち始める。途中、せき止めのところで景観に出会い、写真を撮る。大分の白水ダムのミニ版、迫力や感動は遠く及ばないそうだがポイントのひとつだ。峠付近では紅葉が冴えわたる。車を何度か止めて、二人で撮影する。
 3時間30分かかり、峠に着いた。狭いながら、国道、舗装や整備状況は立派なものだ。すぐに身支度をして登りだす。急な登りの連続だ。思ったよりも時間がかかる。下りには要注意だ。クマザサが現れ、勾配が緩やかになる約半分の1.2km表示の手前から高原歩きの雰囲気になる。ガスがかかり始め、遠くは見通せなくなる。風もあり、肌寒い。出発して、1時間35分程度で山頂に着く。見通し悪く、200m先の祠までいく。能郷の集落からのルートが見える。白山は残念ながら見えなかった。スープで体を温め、ひと時を過ごす。帰りに山頂で写真を取り、折から雨に見舞われ、急ぎで下山する。一時の時雨であったが、下山までには止んで、明るくなった。帰りの道でも再度紅葉の写真に忙しかった。

     
 急坂からの眺め  峠からの急坂  日差しが漏れて
     
 日差しのスポットで映える  クマザサの登山道から  経ヶ岳の表示のない山頂
     
 山頂過ぎて祠(右手)に向かう    

157号線 温見峠への道中写真(根尾村を過ぎて)

     
     
     
     
 堰き止めからの白い流れ  同左  

157号線の道中、根尾村を通る。薄墨桜のタテ看板が目に留まる。この中心部に、エドヒガンザクラの巨木がある。作家、宇野千代が保護を要請し、瀕死の老樹(樹齢1500年余り)が甦った。満開時の様は感動ものであると書いている。薄墨桜の名は、花は白く、散り際には淡い墨色を帯びることから由来する。ここの桜は天然記念物である。
また、更に進み、ダム風の堰き止めがある。白い泡を立てながら流れる様は見ごたえがある。写真を掲載した。このあたりではまだ紅葉には早く、時期が来れば、彩を添えるだろう。

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                                        作成日2013年11月5日