18)御嶽山・経ヶ岳(伊那)  : 2013年11月1日〜11月2日        2013年山の記録に戻る       
@御嶽山 3067m :  2013年11月1日
 標高3,000mを超える山としては、日本国内で最も西に位置する。日本には同名の山(御嶽山・御岳山)が多数あり、その最高峰である。山頂には一等三角点(3,063.4m、点名「御岳山」)と御嶽神社奥社がある。
 御嶽山は山岳信仰の山である。通常は富士山、白山、立山で日本三霊山と言われているが、このうちの白山又は立山を御嶽山と入れ替えて三霊山とする説もある。日本の山岳信仰史において、富士山(富士講)と並び講社として庶民の信仰を集めた霊山である。教派神道の一つ御嶽教の信仰の対象とされている。最高点の剣ヶ峰には大己貴尊とえびす様を祀った御嶽神社奥社がある。鎌倉時代御嶽山一帯は修験者の行場であったが、その後衰退していった。民謡の木曽節では『木曽の御嶽夏でも寒い袷やりたや足袋添えて』、伊那節では『わしが心と御嶽山の胸の氷は 胸の氷はいつとける』と歌われている。

自宅(3:30)→(170km)→中津川IC→(約100km)→田の原駐車場(7:13出発)→7合目→8合目(8:32〜8:37)→9合目(9:08)−王滝山頂(9:23、5)→御嶽山頂(9:48〜10:15)→二ノ池小屋(10:41、6)→玉滝山頂(11:10〜11:28、昼食)→8合目(12:08、3)→駐車場(12:42)
  歩行時間:5時間29分 (休憩時間を含む)

田の原からの登山は11月5日が最終となっている。天気予報を見て、晴天の11月1〜2日に急遽出発した。紅葉も理由のひとつだ。3:30に自宅を出る。中津川ICの手前のSAで少し休み、登山口までの長い道を行く。早朝で、道はスイスイだが、ICから100kmはある。7:30、4時間かかって田の原登山口に着く。何台かの車とバイクが駐車していた。準備をして、出発する。足元は、寒さで霜柱が立っている。緩やかな道を進む。次第に、岩まじりの坂に変わる。9合目付近から、何日か前の雪に変わる。寒さで堅くなっている。玉滝山頂辺りからは、数cmの積雪で、表面が溶けては凍結を繰り返し、氷の状態になっている。王滝山頂で、小休止を取り、慎重に山頂に行く。左手の斜面からは、白い噴煙で、気のせいか硫黄くさい。駐車場から2時間30分強、山頂に出る。少々風もあって肌寒いが、その眺望に目を奪われる。右手の南に、伊那山、東に中央アルプス、その後方に南アルプス。山並みの中に、富士山が顔をのぞかせている。北東に、八ヶ岳、北には乗鞍岳、その後方に山頂が真っ白な北アルプスが望める。大パノラマである。少しおやつを食べ、二ノ池に向かう。階段ですべり、その後もつるつるする為、アイゼンを着ける。それにしても氷の道だ。二ノ池、一ノ池は勿論凍り付いている。大きな岩が上に乗っかっている。ここからの剣ヶ峰はなかなかに素晴らしい。小屋まで行き、御岳ロープウエイの道を分け、王滝山頂に戻る。お昼を食べ、注意深く下山した。快晴の中の眺望は素晴らしいものだった。
 帰り道、スキー場を過ぎる辺りからは、紅葉が素晴らしく、何度も車を止めながら撮影した。カラマツとカエデの黄葉は見事だった。道の駅で少し買い物をして、明日の経ヶ岳登山の登山口、伊那に向かった。
 

山頂からのパノラマ合成写真(北〜東〜南)右手のうっすらと顔を出した山は伊那山

 
     
 田の原登山口から御嶽山  霜柱  8合目付近から雲海の上の中央アルプス
     
王滝頂上から剣ガ峰へ   山頂から、二ノ池越しに乗鞍岳、奥に北アルプスの眺望  山頂スナップ写真
     
乗鞍岳〜北アルプス(乗鞍の右後方が槍ヶ岳) 山頂から  後方が八ヶ岳(前方は経ヶ岳)山頂から  前方が中央アルプス、後方に南アルプス(山頂から)
     
 中央アルプスの奥に南アルプス、更に奥に富士山 凍りつた二ノ池から山頂剣ヶ峰  左手に噴煙が見える 

林道の紅葉(カラマツ)

     
     
     


A経ヶ岳 (伊那) 三百名山 2296.3m : 2013年11月2日  
 経ヶ岳は、中央アルプスの中の最北端に位置する。木曽山脈が南の権兵衛峠(標高1,523m)の鞍部で分断され、独立峰のような山容をしている。山頂には2等三角点があり、背の高いシラビソなどの針葉樹林に覆われている。登山道は4合目で、南箕輪村の林道大泉線の大泉所ダムからのルートと伊那市の仲仙寺から登るルートが合流する。5合目からは、クマザサとカラマツの樹林帯となっている。山麓の伊那市には、羽広自然遊歩道と経ヶ岳自然植物園がある。三百名山とはいえ、全国的な知名度はなく、登山客も少なく静かに登山が出来る。毎年5月に、南箕輪村の南箕輪中学校の学校登山が行われている。「経ヶ岳」という名前は全国に数多くあるが、その名の通り、かつては山岳信仰の対象となっていた。

林道大泉線駐車場(7:13出発)→2合目(7:35)→4合目合流点(8:04、5)→6合目(8:50、5)→7合目(9:10)→8合目望郷の碑(8:45〜8:55)→9合目(10:10)−経ヶ岳山頂(10:31〜10:53、昼食)→8合目望郷の碑(11:26)→7合目(11:51
、5)→5合目(12:23)→4合目(12:41)→林道大泉線駐車場(13:17)
 歩行時間:6時間3分(休憩時間含む)約14km

前日の夕方、宿に入った。ゆっくりと休み、7時前に宿を出た。大泉線に入り、数分で車が数台止まれる空き地に着く。経ヶ岳の表示がある。車止めのクサリを跨ぎ、杉林の中の緩やかな道を進む。分岐点では、表示があり、間違えることはない。47分で合流点の4合目に着く。途中、結構な坂になっている。また、台風の影響か、松が道をふさいでいる箇所がいくつかあった。道は紅葉で美しい。5合目からは、クマザサとカラマツが目立つ。カラマツの黄葉の下を進む。視界はないが、気持ちが良い。6合目前からは、尾根づたいになる。展望はあまり効かず、7〜8合目でやっと遠くが視野に入る。7合目あたりから傾斜が急になり、やっとのことで8合目に着く。ここで展望が一気に開ける。眼前の左奥に経ヶ岳の山頂が見える。8合目には南箕輪中学校の競歩登山を記念して建てられた「望郷の碑」がある。その名の通り、西に中央アルプス、南に南アルプス、東に八ヶ岳連峰を雲海の中に望むことができる。8合目の近辺は、日当たりが良いため、夏は高山植物も多いとか。ここから、一度下って登り返す。またクマザサが深くなり、一部、道が見えなくなる。石仏のある9合目を過ぎて、やっと頂上に到着する。展望はないが、長い登山で、ほっとする。帰りは元来た道を紅葉を楽しみながら、写真を撮りながらの道中になる。若い4人ずれ、夫婦ずれ、中年のひとり登山、何人かとすれ違いながら挨拶を交わす。帰りは余裕があり、カラマツの色づいた梢を楽しみながらの下山であった。
 花は、ツルリンドウとホタルブクロをそれぞれ見ることができた。遅いと思うがよく咲いていたものだ。
 この後、すぐ近くのはびろ温泉、みはらしの湯にゆっくりつかり、隣のみはらしのファームでたっぷりと買い物をした。これから先。伊那ICまで、4.6kmを加え、守山まで270kmを帰った。

     
 5合目〜6合目の黄葉  5〜6合目の紅葉  7合目付近から8合目を見る
     
 8合目望郷の碑から東の八ヶ岳連峰 8合目望郷の碑。左手にやっと山頂が見える。右ピークは9合目   8合目望郷の碑から西の中央アルプス
     
 9合目の登り坂から  山頂、シラビソに囲まれて 下る頃には白い雲が 
     
6合目付近 6合目を過ぎたあたり  同左 
     
  ツルリンドウ  ホタルブクロ(3〜4合目) 

林道大泉線、登山口からのコース記録

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                                                  作成日2013年11月12日