26)日本コバ(934m) 鈴鹿派生の山: 2016年10月30日(日)   2016年山の記録に戻る
 日本コバ(にほんコバ)は、滋賀県東近江市にある標高934.1mの山である。鈴鹿山系に属する。山頂部は平らで、永源寺ダムからは蒲鉾形に見え、どこが最高点かわからない。山名は日本がつく珍しい名前だが、特に特徴がない。山麓にある君ヶ畑の集落は惟喬親王を始祖とする木地師発祥の地である。山名の由来には諸説ある。日本一の木場(こば)が転じた説と登山途中に休憩所(コバ)を2回(2本)経ると山頂に至るとの説である。登山道はいくつかのルートがあるが、蓼畑・蛭谷・政所のルートが知られている。この辺りには杠葉尾キャンプ施設があり、夏はにぎわう。秋時は紅葉が素晴らしく、下山後に足を伸ばすと良い。杠葉尾谷、永源寺湖周辺は朱に染まる永源寺の紅葉はとくに有名だ。(ウイキペディアより)。東近江市によって、鈴鹿十座に選ばれている(後述)。

 2008年以来、8年ぶりの登山になる。前回は逆の政所から登ったが、登り口を見つけるのに苦労し、民家で聞いた。今回は一般的な通常の藤川谷コースから、政所へ下りるコースにした。山頂からは最近の『山と高原地図』霊仙・伊吹・藤原に出ている山頂から北西方向からの時計周りの周回コースを取って、政所コースに合流した。このコース、点線で記載されているだけあって、注意深くテープを確認しての歩きになった。Web検索が役に立った。
 
守山駅(8:30出発)〜英如来堂バス停奥の駐車場所(9:35、9:45出発)−藤川谷ルート登山口(9:46)−渡渉ポイント−ホオノキ、小さな渡渉を繰り返す〜本流渡渉ポイント(10:32)−9/18ポイント(10:51〜11:04、休憩)−岩場(11:36)−岩屋(11:41〜11:49)−政所コース分岐点(11:57)−山頂934m(12:30〜13:05、昼)−「日本コバあと1.0Km」地点(13:20)−松尾谷分岐(永源寺方向)・「日本コバあと2.5Km」地点(13:33)−ピーク「日本コバあと3.0Km」25の石柱(13:46)−880mピーク(14:06)−政所コース合流点(日本コバ表示あり)(14:10)−衣掛山(14:19〜14:32、休憩)- 箕川(大山川林道)分岐(14:35)〜ヒノキ林〜ツガ林〜スギ林−政所集落(15:27)−駐車場所(15:45、15:55出発)〜守山駅(17:13)
  行動時間6時間15分、歩行時間: 約4時間55分 

守山駅で大阪からの3人をピックアップする。如来堂バス停付近の川沿いに車が置けるスペースがある。登山口は石垣に階段があり、日本コバの表示がある。駐車場はその数十メートル奥の愛知川沿いである。石段を登ったところに、登山箱があり、届をしてから出発する。苔むした雰囲気ですぐにお宮さんが現れる。苔の緑が美しい。最初の渡渉地点に着く。結構な水流に加え、飛び飛びの石が苔で覆われ、すべすべと滑りやすい。気をつけて渡渉する。藤川谷ルートはこの後も渡渉が何度かある。谷を左手に沿って苔むしたあたりの中を進む。大きな切株が目立ち、いずれも苔むした様子である。谷間の巻道は狭くて滑りやすいところが出てくる。支谷を横切り進む。杉林が続き、結構岩が出ているが、いずれも苔がびっしりとついている。谷には小さいながら滝も見られる。登山道に目立つカツラ(?)の大木が存在感を示す。苔がタップリの岩が目立つ。幾番明るくなった岩の多いところで(山頂までの18ポイントの9ポイント目)長めの2回目の休憩を取る。杉の大木も所々に混ざっていて良い雰囲気の樹林帯が続く。その後も渡渉がある。次第に沢から遠ざかり、急な斜面を横切りながら進む。左の谷は急斜面で狭い道を慎重に進む。ここを過ぎると岩場に出る。石灰岩の岩場が10メートル以上も続き、ロープがある。ロープには掴まらず、四つん這いで気をつけて登る。ノコンギクが頑張って急坂に咲いている。岩場を登り切った所の左手に展望の良い平な場所が現れる。「奇人の窟」と呼ばれる岩屋である。入口は狭いが中は結構広い。しばらく中で見学する。石灰岩質なので、ミニ鍾乳石がある。ここ場所、全体の中で最も眺望の良い場所である、竜ヶ岳から静ヶ岳、更に北の鈴鹿の稜線が楽しめる。大きな岩からの眺望である。岩場に戻り、少し登ると岩屋と山頂方向を示す表示がある。岩場を登り切った後は緩やかな道で、びっしりと生えたアセビの中を進む。一旦下り、登り返したところが政所コース分岐点だ。左手の:山頂方向へ進む。平坦な道を進み、沢を渡渉する。あたりは雑木林で、紅葉にはまだだがなかなかに良い。途中、乾いたナメコを見つける。ナメコではないとかなんとか話しながら進み、小さな沢を渡って、登りにかかる。3人づれが下りてくる。ナメコが見つかって採ってきたとのことであった。ミズナラが多く、この後、懸命に探すが見つからなかった。再び渡渉し、谷の右岸沿いを登る。登り切ったところが862mピークとの鞍部になり、右に向きを変え、広葉樹林(大きな杉が混じる)の緩やかな斜面を登る。大木が多い。登りきると日本コバの山頂である。眺望は乏しく、北〜北東に少し展望がある。高室山、御池〜鈴ヶ岳であろうか。花芽がいっぱいついたアセビが多い。昼食タイムになる。しばらくすると来る道で抜きつ抜かれつのご夫婦がつく。落ち着いたところで、写真を撮り、Kさんが持参のレギュラーコーヒを賞味する。何とも美味しい。
 下山はどうするか、元の道にするか迷っていたところ、先の夫婦が14年版の山と高原地図を持っており、周回コースが点線で書いていた。念のため、ネットで調べた周回コースの詳細をプリントアウトしていた。それをもとに、周回コースに出発する。時間は十分、分からなければ引き返すということにした。 山頂のすぐ西を少し下ったところに「松尾谷経由国民宿舎」と書かれた案内板が無造作に地面に置いてある。写真のような歩きやすい尾根道を北西へ進む。日本コバにあと1q表示が出てくる。15分ほどになるが尾根が二股に分かれ、テープのある左の尾根を進む。
少々のアップダウンを繰り返す。テープを確認しながらの尾根歩きだ。踏み跡も確認できる。15分更に進み、登り詰めたところが、杉林の尾根になり、松尾谷分岐(永源寺方向)・「日本コバあと2.5Km」地点の表示に出会う。左右にテープが出ているが、永源寺方向とは反対の右尾根へ進む。広葉樹林の尾根である。テープを確認しながら道なりに緩やかに下り登りを繰り返すと、13分ほどでピークに達する。「日本コバあと3.0Km」の案内板と少し先に「25」と表示のあるコンクリート杭がある。900mピークで、ここが分岐になる。右の南東方向の尾根を下るが、曲がった松とさらにテープが目印になる。左側が杉林、右が広葉樹林でその境界をずっと進むことになる。山頂を右手にグルッとまわる格好である。880mピークへ少々登り、更に下り登りでまたピーク(880mピーク)に達する。Webで書いてあった通り、ブルーシートが落ちていた。ここからは杉林の中を下ると政所への下り道に合流する。日本コバの案内板が見え、そちら方向に行けばすぐに岩屋・政所コース分岐点て、朝、登ってきたところだ。勿論そちらには行かず、政所へ向かう。9分で「衣掛山」に着く。多少のピークではあるが、尾根道の通過点といったところだ。ここで休憩にし、リンゴをご馳走になる。長めの休みでホッとする。またすぐに分岐地点で、左は大山谷林道(箕川)である。直進する。コアジサイ、ヒノキ林、広葉樹林、特にモミの大木の多いことに目を奪われる。谷側は、紅葉が進み立ち止まって写真におさめる。残念だが名前がわからない。;山道は枯葉が敷き詰められ歩きやすい。かなりの急坂であるが、快調に進む。やがて雑木林から杉林に変わり、急な坂をジグザグに下ると政所町川西の集落に出る。案内板があって、県の天然記念物に指定されている「茶樹」園がある。樹齢300年を超えるとか。集落は、古い家や茅葺の家まであって、古さを感じる。集落を抜け、車道に出て藤川谷の駐車場所まで舗装道を歩く。帰り道の道端には、ノコンギクの白い花が目についた。愛知川沿いの紅葉はまだ先である。紅葉の最盛期まではまだ先だが、晴天の山行に満足して守山に戻った。道はそれほど込まなかった。11月のモミジの時期になれば、八日市〜永源寺は大混雑だろう。

登山口、すぐ先に登山箱が設置  最初の渡渉点、川幅は広い。注意深く 9/18ポイント苔がついた岩が多い広葉樹林帯
     
奇人の窟 中は以外に広い  岩屋からの西の展望(中央奥は竜ヶ岳〜静ヶ岳、さらに北)
政所コース分岐点 分岐点から沢に下りたあたりの紅葉  日本コバ山頂
 山頂から北方向の御池岳〜鈴ヶ岳(左のピーク)    
     

山頂周回コースのポイント
山頂から西に少し下ったところにある看板 その尾根筋 松尾谷分岐(永源寺方向)・「日本コバあと2.5Km」地点
     
 松尾谷分岐を右に・赤テープ  ピーク「日本コバあと3.0Km」25の石柱  25石柱の右の尾根に。曲がった松が目印
     
 その後、880mピークに向かう。左手植林、右広葉樹が続く道  政所コースの合流点。右の杉林を下りてくる。  
政所コース
     
 衣掛山  赤い紅葉に緑の葉脈  右手の谷方向に紅葉が続く
解説
1)鈴鹿セブンマウンテン:鈴鹿山脈の藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳の7山。
2)鈴鹿十座:東近江市が選んだ鈴鹿山脈の10山:御池岳、藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、イブネ、銚子ヶ口、日本コバ、天狗堂。
 東近江市の解説によれば、東近江市制10周年にあたり、鈴鹿山脈の素晴らしさと存在意義を広く周知し、山系から供給される豊かな森林資源や水資源を、次世代に継承するため、平成27年9月に、東近江市に鈴鹿の山峰から10座を認定した。選定は、知名度のある山峰だけではなく、琵琶湖へ流入する代表的な河川の愛知川の集水域の要を成し、古くから人々に親しまれてきた山峰を評価することにより、「東近江らしさ」が強調するものとして、山岳遭難対策協議会知識経験者、警察、消防、観光、地元代表などから組織した16人からなる「鈴鹿10座プロジェクト委員会」で選ばれたものである。(東近江市の説明より引用)

行程マップ
(国土地理院の地図より引用)

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作成日: 2016年10月31日