28)高島トレイル(おにゅう峠〜ナベクボ峠)最高点803m:11月12日、紅葉、中央分水嶺 、2016年山の記録に戻る
 高島トレイル(たかしまとれいる)は、福井県境嶺南と滋賀県高島市の分水嶺に連なる尾根を結ぶ登山道である。福井県と滋賀県より直接山頂へ通じる登山道を始め尾根伝をトレイルランニングやトレッキングで縦走できる。範囲は、愛発越から三国岳まで高島トレイルの山々が含まれ、順に乗鞍岳、三国山、赤坂山、大谷山、大御影山、三重嶽、武奈ヶ嶽、二の谷山山頂の高島トレイルの標識、二の谷山、行者山、若狭駒ヶ岳、百里ヶ岳、三国岳となる。その間の高島トレイルの峠であるが、愛発越、黒河峠、粟柄越、抜土、近江坂、水坂峠、桜峠、搦谷越・小原越、横谷峠、駒ヶ越、池河内越、木地山峠、根来坂、おにゅう峠、ナベクボ峠、地蔵峠、岩谷峠と続く。(ウイキペディアより)
 一方、NPO法人高島トレイルクラブには、以下の説明記事が出ている。
 『マキノの愛発越(あらちごえ)から今津の山を経て、朽木の三国岳へ至る約80kmに及ぶ道は、水と緑、人のいきかう日本列島の日本海側と太平洋側を区切る中央分水嶺の中央部にあり、東西南北の気候や植生を合わせ持つ類い稀なエリアです。 トレイルを歩けば、あちこちから望むことができる琵琶湖と若狭湾は、このトレイルが中央分水嶺であることを教えてくれます。この高島トレイルは、藪に埋もれていた古道やかつて使われていた山道を活かしたもので、各地で地元の人がこつこつと整備してきた登山道を5町1村の合併とともにつなぎあわせて誕生しました。高島トレイルには、乗鞍岳、三国山・赤坂山、大谷山、大御影山、三重嶽、武奈ヶ嶽、二の谷山、行者山、駒ケ岳、百里ヶ岳、三国峠、三国岳といった山々があります。 環境の時代の原点というべき琵琶湖水源の森から中央分水嶺に立ち、こうした名山に登りながらトレイルを歩くのは楽しく、意義深いことです。 さあ私たちといっしょに、この夢のトレイルを歩いてみませんか。』。 このクラブでは、年間を通じてトレイルの企画があり、トレッキングを楽しむことができる。

今回は、紅葉の時期、まだ歩いていないおにゅう峠からナベクボ峠を歩いた。峠は雲海の絶好ポイントとして知られ、車が多かった。ナベクボ峠まで稜線歩き、結構なアップダウンもあり楽な歩きではなかった。随所で素晴らしい紅葉に出会い、落ち葉が敷き詰められた道はなかなかに良かった。
 
JR守山駅(6:55)−生杉(8:05、8:10)−おにゅう峠(8:25、8:30出発−697mピーク(8:58)−659mピーク(9:25)−オクスゲノ池(10:03)−ピーク803m分岐点(10:20)−ピーク803m(803mポイント)(10:25)−709mピーク(10:51) −ナベクボ峠620m(11:32〜12:16、昼食)−709mピーク(12:50)−ピーク803m分岐点(13:21オクスゲノ池−659mピーク(14:00)−697mピーク(14:32)−おにゅう峠15:06、15:20発)道の駅くつき新本陣()−守山
  行動時間;6時間36分   歩行時間:約     、歩行距離;11.66q  累計高度差:   

 
駅に4人が集合し、登山口のおにゅう峠に向かう。行きは葛川梅の木から783号線に入り、針畑・生杉を目指す。久多出合町分岐までの川沿いは紅葉が素晴らしく、車を止め、撮影に来ている人がいる。分岐からの狭い道を進み、針畑郷山村交流館「山帰来」の駐車場にあるトイレを借り、小入谷の林道をおにゅう峠に向かう。舗装され、そこそこ広い道だが、撮影が済んで帰る車とすれ違う。峠前から車が駐車し、風景写真に多くの人がいる。峠に来る前に結構な数の車とすれ違ったが、予定通りの時間でおにゅう峠に着く。峠には幸いスペースがあり、すんなりと駐車できた。身支度をして、8:30に出発する。今日のコースは峠が820mで一番高く、ナベクボ峠が620mで最も低い。途中の最高点は803mで、何回かのアップダウンがある。少し登った草地からは、福井県側、滋賀県側が眺められる。
おにゅう峠、福井県側を見下ろす。

雲があり、太陽が隠れ少し肌寒い出発となった。葉の散った広葉樹林帯を抜けると、アセビのある地面がむき出しの道になり、眺めも結構良くなる。やがて、歩きにくい急坂が始まる。下まで行くと右手に紅葉が見られる。スギ林との境を進む格好で登りが始まる。最初のピーク697mに30分弱で着く。それを過ぎると紅葉の雑木林で足元はびっしりと枯葉で覆われ、サクサクといい足音がする。
  
697mピーク付近の紅葉

登りにかかるとイワカガミがびっしりとしている群落地である。左手は植林が続く。登り切った597mピークは比較的広い場所になっており、そのまま先に進む。緩やかなアップダウンが続く。イワカガミの群生地を過ぎ、広い登りの斜面ではキノコが多い。倒れた木が苔むしており、やや湿った雰囲気である。岩のある急な岩の横を登りきると、斜面の下には紅葉の広葉樹が広がり、一面の落ち葉の中に小さな池がある。オクスゲノ池と呼ばれる。このあたり、屈指の撮影ポイントだ。池を反時計回りに進む。青空が広がり、光が差し込み紅葉が一段と冴える。  
ここから坂が始まる。15分強でピーク803mの分岐に着く。ナベクボ峠ー根来坂の表示、その対面にも白い板に同じ文字がかかれる。ピーク803mに向かう。分岐から3〜4分程度、左手はヒノキ林、右手は広葉樹林で急に下っている。
ピーク803への分岐  803mピークはこの先

ピークからは、北北西に百里ヶ岳、南東方向に比良山系が望める。しばらく休憩を取り、唯一の記念写真を撮る。足元から下りにかけてイワカガミがびっしりで、赤褐色の元気のいい色だ。稜線上にあるブナはほとんどが枯葉となって落ちていて、明るい雰囲気であるが、紅葉はすでに過ぎ楽しめなかった。

ピーク803m(803mポイント) 斜面のイワカガミ

分岐に戻り、木の根と歩きにくい小石交じりの広い下りにかかる。709mへの登りにかかるまでの2番目に長い下りになる。稜線は何度も何度もアップダウンがあり、結構急な斜面もあるが、あまり長くなく、すぐに水平になったり、しばらくで下りになるなど結構足の負担から解放されるため、それほどの負担にならない。むしろおにゅう峠への帰りが辛い。709m地点は開けていて、紅葉に包まれている。

709mピーク付近の眺望 

下りにかかりまた登り、ナベクボ峠までの間にさらに少し登る。このあたりの最後の登り下りは紅葉に包まれ、日差しで一際冴える。赤、黄、橙、色とりどりの紅葉は想像以上だった。

   ナベクボ峠に下る前のピーク付近

下りきったナベクボ峠はスギ林の光の当たらないところだった。昼食時間になるが、ここでは寒く、少し三国峠のほうに登った明るい場所に移動し、昼食とする。45分弱の休憩となる。カップ麺にバナナと復職を取り、更に登ったあたりの紅葉が綺麗であるので一人で様子を見に行く。
ナベクボ峠  昼食のさらに上の紅葉

昼食付近の紅葉

 写真を撮るうち、3人のグループに出会う。バーナーで食事ごしらえの最中だった。あずま屋から三国峠に登り、ナベクボ峠に下り、若走路谷を生杉方向に下りる周回コースをとるということだった。詳しく聞いて、その時はいいコースだと思ったのだったが、帰宅してから古い記録を見たところ、2002年5月6日に同じコースを歩いていることが分かった。ナベクボ峠まで来てしまっているのでこちらは三国峠から岩谷峠までの南下が未踏部分で残るだけになる。昼食場所に戻り、3人と合流し、峠から同じ道をおにゅう峠に戻った。空は雲一つない晴天で、紅葉はますます冴えわたる。片道5,8q以上のアップダウンがいくつもある結構ハードな道のり、景色をタップリ楽しみながらの復路になった。ピークや見晴らしの良い稜線ではカメラを構え、話に花を咲かせながらの歩きだった。


最後の長い登りを終え、滋賀県側(南東方向)の比良山の眺めの絶好地点で小休止した。稜線では、南方向を望めば雲一つない青空に、蛇谷ヶ峰〜釣瓶山〜武奈ヶ岳、その右に蓬莱山の山容が望めた。
蛇谷ヶ峰〜=釣瓶岳〜武奈ヶ嶽、その右奥に蓬莱山の山々
 
峠には、ツアーの大きなバスがついており、立派なカメラを持った観光客で一杯だった。帰り支度をして、小入谷の林道を下った。途中、道の駅くつき新本陣によりお土産と高島トレイル詳細マップを購入した。紅葉と晴天に恵まれた素晴らしい山行だった。

 キノコ
 たたくと上から煙が    
枯葉を除くと紫色のキノコ

行程マップ(栢さんより拝借)

(国土地理院の地図を引用)

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作成日: 2016年11月14日