16)那須ヶ原山 800m :2017年6月10日 2017年山の記録に戻る
 那須ヶ原山は鈴鹿山系の南部にあり、高畑山と油日岳のほぼ中間に位置する。北部の山に比べ、南部の山は目立たない山が多く、高度も比較的
低い縦走路ではあるが、急なアップダウンがあって歩き応えは十分である。古くから甲賀地域の信仰の山とされ、山頂には那須ヶ原神社が祀られてい
る。コースは、参詣橋からの周回コースだった。梅雨入り宣言が出されたばかりであったが、晴天に恵まれた。関西は30℃を越す夏日であったが、縦走
路は樹林帯の中で、風も吹き涼しかった。当初は坂下峠から高畑山を往復予定であったが、時間の関係もあり次回以降の持ち越しになった。

道の駅あいの土山(9:20、9:30出発)−山小屋駐車場(9:50、10:00出発)−参詣橋−一合目登山口(9:50、10:00)−二合目・黒部滝−三合目−五合目(
10:40〜10:45)−那須ヶ原山山頂(11:15〜11:35)−三ツ頭山(11:45)−P774(12:00)− 唐木山(12:40〜13:15)−坂下峠(13:45〜13:50)−林道(舗装部
分)(14:00)−山小屋駐車場(14:35、14:45 出発)−土山コンビニ(15:05、15:15出発)−守山駅 
           歩行時間:3時間45分  休憩時間:50分 、歩行距離:7.1km、累計登高:721m

 道の駅あいの土山で待ち合わせる。地元産の野菜が売られていた。それぞれが、トマト、セロリ、ニンニクなどを買ってから出発する。国道1号線から129号線に入り、大原貯水池のそばを通り、その先にある参詣橋を目指す。最後のところで、スギ林の山麓が崩れていて工事中だった。慎重に通過する。参詣橋に出て、左手に道を進み、直ぐの山小屋の前の広場に車を止める。1台すでに停まっていた。

早々に支度をして参詣橋まで戻る。通行止めのロープを上げ、林道を進む。左手の川は大水で浸食され、川底には、大きな岩や根が露出した木々が残った状態で痛々しい姿をしている。右手の道路脇には、コアジサイが咲いている。葉にはとまったトンボを見つけ、早々に写真に撮る。

 辺りは全てヒノキ林である。15分ほど進んだところが林道終点で、登山コースの案内板が置かれ、一合目の標識が立っている。階段状に整備された登山道(昔の表参道)が始まる。トタン葺きの小屋が二合目にあり、黒部滝がある。

荒れた状態の登山口(左手に1合目表示あり)黒部滝

沢を渡り、右手に急な坂を登って行く。全てヒノキ林で、しばらく歩くと下草もなくなってしまう。合目表示は、一合目ごとに表示があり、三合目だと3つ花が書き入れてある。つづら折りの石畳の道もあって、参道だった様子がうかがえる。前方に明るく開けたところが見え、動物よけに設置された金網の扉が出てくる。ここを通過したところが 五合目だった。しばらく行くと右手の低木にキイチゴが見つかる。何本かあり。足をとめ、口にほおばる。甘酸っぱい味が口に広がる。結構水っぽさもあり、暑い中でホッとする。


もう少し進めば北方向に綿向山〜雨乞山〜鎌ヶ岳が一望される。



見晴らしの良いところで、大原貯水池(大原ダム)も見下ろすことが出来き、先には田園風景が広がっている。足元にはタツナミソウの可憐な花が咲いている。
大原ダムタツナミソウ

ここからの合目表示はすぐになる。やがて樹林帯に入る。ササとヒノキ林の道である。しばらくで九合目、更に櫟野(いちの)砂防ダムへの分岐が出てくる。階段状の登山道を登ると避難小屋に出て、その上が那須ヶ原山山頂である。山頂は結構広く、丸太のベンチも設置されている。ベニドウダンが鮮やかに咲き、ヒノキの枝の先にサトキマダラセセリがとまった。山頂で、リンゴをご馳走になり、小休止する。
那須ヶ原山

少し先に進むと縦走路に合流する。しばらく行くと、スミナガシと思われるチョウが枝の先にとまるが直ぐに飛び立ち、しっかりと撮影できなかった。テングチョウ、ルリシジミも出てきてチョウも結構見ることができる。稜線はしばらくは歩きやすい道だったが、樹林の中で展望はきかない。前方が開けたところに来ると溝干山とその奥に高畑山が確認できた。一旦下って鞍部から枝に手を添え登った先が三ツ頭山山頂(774m)だった。山頂表示がなければ見過ごしてしまうような小さなピークだった。三ツ頭山と書かれたプレートが1枚、木につけられているだけだった。しばらく行くと、これから向かう北方向が良く見え、唐木山までの稜線と、その先に溝干山、高畑山が見える。

そして唐木山からはガレ場を避け、巻き道を下る。急なうえに滑りやすく注意が必要である。急な岩の崖そばをロープを頼りにわずかなに足がおけるような所を通る。そして稜線に登りきる。本来の稜線は大きな岩に挟まれた下りとなっていた。ここからしばらく行くと大きな岩に着く。岩場から振り返ると奥の那須ヶ原山から手前の唐木山まで歩いてきた稜線が一望できる。稜線からは時々三重側の山々や市街が見渡せる。伊勢湾は霞んで良く見えない。


溝干山や高畑山がすぐ前に見える。溝干山はガレた山肌が痛々しい。結構急な登りとなっている。ここから溝干山との鞍部である坂下峠に下る。手をつき、しっかりとした枝に手を添えながら滑りやすい急坂をしばらく下れば峠に着く。当初予定の高畑山までは行きが50分、帰りが40分である。せめて溝干山まで行くかどうかと迷った末、そのまま駐車場まで戻ることにする。坂下峠から少しの間は両側の山肌が崩れ落ち、更にその先は大きく崩れ落ちている。崩壊したところでなく、左手の山腹に道が通じている。ここを過ぎるとお歩きやすい林道となり、20分ほどで舗装なれた道になる。ここから更に40分で駐車場所である。道にはウツギも多く、白い花が枝いっぱいに咲いている。キイチゴがあり、時々口に入れる。朝方あった1台の車はすでになく、帰り支度をして出発した。道の駅の先にあるコンビニでコーヒやアイスクリームで一休憩をし、大阪からの車と別れた。


行程図

(国土地理院より引用)

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作成日: 2017年6月13日