27)子ノ泊山 (南紀遠征) 907m : 2018年8月10日  2018年山の記録に戻る
 子ノ泊山(ねのとまりやま)は、三重県の南部、熊野川河口に近い東側にある山である。蔵光山山系の最高峰にあたり、付近の谷である立間戸谷には滝が多く、断崖が随所に見られる。蔵光山(ぞうこうさん)は、普通は子ノ泊山と呼ばれている。蔵光山の蔵光は平家の落ち武者、赤井蔵光が落ち延びて山中に住み着いたのが由来とされ、岩屋に寝泊りしたから、子ノ泊山といわれるようになった。登山口の表示に詳しく書かれている。登山口は、紀宝町にあり、山の東側と西側(西側の登山口は熊野市紀和町)、更に南側にあり、関西百名山には、南の浅里登山口から登り、東の立間戸谷に下るルートが説明されている。台風の影響で浅里登山口からの道は崩壊し、登山をしないように注意されている。その後しばらくは桐原・浅里林道の浅里からのアプローチが通行止めで、上桐原からのみ登山口に行くことができたが、最近になって林道は通じた。
 今回は、昼頃に登山口に着くことから最も利用されていて、時間もかからない桐原登山口からの往復にした。登山は、7月15日の乗鞍岳以来の久しぶりとなったが、当初は、北アの霞沢岳の予定であった。11日の天気が思わしくなく、急遽、南紀の山2山、子ノ泊山・烏帽子岳に変更した。

自宅−守山駅(8:20、ピックアップ)〜新名神(亀山JCT〜伊勢自動車道勢和多気JCT 〜紀勢自動車道尾鷲北IC〜熊野尾鷲道)〜42号線〜62号線〜141号線〜35号線(上桐原)〜桐原浅里林道−桐原登山口(11:50、12:10出発)−尾根合流点(12:25)−沢(13:03)−子ノ泊山山頂(13:23〜13:50)−尾根筋合流点(14:30)−桐原登山口(14:43、14:55出発)〜飛竜ノ滝キャンプ場(15:20〜15:40)〜熊野速玉神社(16:20〜16:40)〜小口自然の家(17:25)
    行動時間 2時間38分 歩行時間:2時間5分

 守山駅でピックアップ、栗東ICから新名神を利用し、上のルートで登山口のある紀宝町に向かう。関西百名山の一つであるが、本には浅里登山口からのコースが紹介されているが、数年前の台風で荒廃し、避けるようにとの注意が町役場から出ている。今回利用する、桐原浅里林道も最近になって浅里からも入れるようになったそうだ。登山コースの説明は、紀宝町のHPからダウンロードできる他、登山口にも準備されている。
 途中の休憩を含め、3時間30分で登山口に到着する。私はお弁当を食べたのち出発する。
 駐車場は10台くらい
 この鉄梯子からスタート
 
鉄梯子を登って大きな岩が露出した急な坂を注意深く登る。一帯はスギ林と雑木林で、スギ林は所々でヒノキが混じるが山頂近くまで続く。この急坂は15分ほどで、尾根に着く。桐原尾根登山口からのルートの合流点である。
 杉林の中の尾根道への合流点、

 所々、広葉樹も混じる。一旦は緩やかだが、その後は長い急な登りが続く。所によってロープが張られている。8月のこと、登りだしてすぐに汗が滝のように出る。上着もズボンも汗でびしょぬれ状態になる。暑さのため、小休止を取り、水分を補給する。途中、アサギマダラがひらひらと飛んでいる。飛んでいる姿の撮影は、やっと個体が確認できる程度だった。一旦登り切ると山頂近くの尾根に小さな沢が出てくる。
 岩の上を沢が下って行く

 ここを横切り、更に急な坂を20分ほど登っていく。ロープが張られたところもあって、これにつかまる。最後にひと踏ん張りで山頂に着く。暑さの中だが眺めはまずまずである。東に熊野灘が見え、西には大塔山系や果無山脈、北には大峰・大台や熊野の山並みが、南方向は木々が大きくなって視界が遮られている。
  山頂
 東〜東南、熊野灘
  西の大塔山系や果無山脈

 山頂で長めの休みをとる。アカガシが結構多い山で、山頂付近にも大きな木がある。今の時期、アカガシと言えば、キリシマミドリシジミだなと思っていたところ、ミドリシジミ類であろうか、ミドリに輝くシジミチョウが山頂をかすめる。ルリシジミとは違う。8月だからキリシマミドリかと、後を追うが、見失ってしまった。休みを十分取り、汗も引いたところで、元来た道を引き返す。下りは53分、汗和相変わらずで、服もびっしょりと濡れ、滴り落ちる。桐原登山口に戻り、上の服を着替え、林道を浅里方向に進む。同じくらいの距離はあろうか、気をつけながら車を進める。飛竜の滝(キャンプ場もある)に立ち寄り、更に、せっかくここまで来たいうことで、熊野速玉神社に行くことにした。
 浅里飛竜の滝 

 熊野速玉神社

その後は、宿泊する小口小口自然の家に向かった。道は快適、熊野川のゆったりとした流れは格別の景色だった。宿は、熊野本宮大社と熊野那智大社を結ぶ熊野古道の要所、小雲取越と大雲取越えの中間点で、世界遺産に登録されてからは外人の泊り客がメインになっているとか。この日も10人以上が宿泊していた。
山間の地とはいえ、和歌山のこと、冷房をつけたままの夜になった。

行程MAP

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作成日:2018年8月16日