)金山(丹波) 540m : 2018年3月11日  2018年山の記録に戻る 
 金山城は 織田信長の命を受け、丹波制圧にのりだした明智光秀によって築かれた城。天正4年から織田信長の
命によって明智光秀の丹波攻略が開始された。八上城主波多野秀治と黒井城主赤井直正が連携を分断するために
、両城の中間点に楔を打ち込む役目を負っていた。 天正7年に波多野氏が降伏し、その後丹波を平定した明智光
秀は黒井城に斎藤利三を、八上城には並河掃部を城代に配置したが、天正10年頃には戦略的に不要となった金山
城は廃城となったと考えられている。
主郭は山頂にあって石垣で固められ、南西側の石垣が残っている。 山頂付近はT字状になっており、南へ伸びた尾
根筋が馬場跡で南端に土塁があり、そこから下る園林寺の跡が残っている。山頂には、土塁や石垣の一部が残るだ
けだが、八上城と黒井城の跡を眺めることができる。また、民話として有名な「鬼の架け橋」「天岩」等の景勝があり、
ハイキングコースとして多くの人に楽しまれている。

自宅(7:31)−尼崎駅(8:30、8:50出発)−川西池田()−JR三田駅(9:15、9:30出発)−追入駐車場・追入神社そば(
10:14、10:20出発)−分岐(10:45〜10:50)−園林寺跡(11:00)−分岐(11:05)−山頂・本丸跡(11:10〜11:50、昼食)−
鬼の架け橋(11:55)−分岐(12:00)−園林寺跡(12:05)−大乗寺への林道分岐(12:10)−大乗寺(12:35〜12:40)−大
乗寺登山口−大乗寺入り口(13:00)−追手神社(13:05〜13:20)−大山宮(13:30〜13:40)−追入駐車場・追入神社そ
ば(13:59、14:05出発)−八上 高城山登山口(14:40〜14:45)−JR新三田(15:20,15:31 )〜尼崎〜守山駅
   行動時間:3時間40分 歩行時間2時間25分、休憩時間:1時間15分 歩行距離:6.01q 累積登高:378m
 
 待ち合わせのJR三田駅で6人が合流する。清水さんの車に乗り込む前に、駅前のコンビニでコーヒーを購入する。
40分強の車の移動で、登山口の追入地区、追入神社そばの駐車場に着く。6〜7台は駐車できるスペースがあるが、
登山客の車があり、1台が何とか駐車できた。

集落から見た金山

準備し、石燈籠のある階段も登る。ここが登山口になる。落葉した大木がどんと構えている。ケヤキの木だろうか。他
にも大木が多い。
植林された道を登ってゆく。里山の道といった雰囲気である。30分ほどで大乗寺への分岐(大乗寺
登山口)が出てくる。付近に大山荘と書かれた看板があり、大山一帯が見渡せる展望所がある。

麓の大山一帯が望める
更に10分ほどで、園林寺跡に出る。石積があり、結構広い建物があったと思わせる。尼寺ともあり、掲示もないことか
らよくわからなかった。
園林寺跡
しばらく進むと鬼の懸け橋と直接山頂への分岐に出る。広葉樹が多くなる。分岐からは一登りで山頂、本丸跡である。
結構広く、見晴らしも良い。すでに登山客が陣取っている。木の低いベンチが結構あって、腰かけてお昼を楽しむこと
ができる。
 

じっくりと景色に見入る。北に譲葉山その直ぐ横に遠く東床尾山や更に右に大江山、手前に黒井城や小さな多利富士
が、西方向に西ヶ嶽〜三嶽〜小金ヶ岳の多紀アルプスが一望できる。 

 山頂からの展望                   


黒井城

多利富士

中央のはさまれた山が多紀アルプス。三嶽他

昼食、皆からおやつを頂き、コーヒを楽しんだ後、鬼の架け橋へ向かう。5分ほど歩けば一気に視界が広がる。岩に挿
まれた、まさに架け橋を思わせる姿である。橋の先は崖っぷち、眺めも良い。恐る恐る岩の上に登り撮影をお願いす
る。
鬼の架け橋
この後、先の分岐に戻り、園林寺跡から大乗寺への林道分岐に出て、大乗寺に向かう。林道は、崩れた崖のようにな
っており、崩壊、植林の努力がなされているが、荒涼とした雰囲気である。
道にマメ科のジャケツイバラが出てくる。大
きくて、種が多い。つる性の落葉低木の植物で黄色の花が枝いっぱいに咲くそうである。この先、更にたくさんの群生
を見ることができる。枝の棘は、逆方向で、引っかかるとたいへんである。

マメ科のジャケツイバラ
 更にカラスザンショウが出てくる。アゲハチョウ科に属するカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、モンキアゲハ、ナミア
ゲハ、クロアゲハの食草になる。アルカロイドを含み僧である。更に下ると、テングチョウが姿を見せる。今年初めての
チョウの撮影である。今の時期、ヒオドシチョウもよく見られる。
テングチョウ
あれやこれやと話をしながら林道を下った先にフェンスがあり、ここが大乗寺である。分岐から25分である。弘法大師
の像が置かれている。少し下った先に立派な門があり、この付近に登山口がある。
大乗寺の門
水田脇にフキノトウが立ち、断ったうえで収穫する。結構な収穫になった。
いつもの登山では、ここで終了となるところであるが、今日は、これからが本番、山野草の花見学である。

付近で見られる山野草は、大山宮天然物保存会(パンフレットが追手神社にある)によれば以下の通り。質量ともに
十分で、目当ての観光客も多い。
キバナノアマナ、ユキワリイチゲ、ミヤマカタバミニリンソウ、アズマイチゲ、イチリンソウ、ヒロハノアマナ、セツブンソウ
、ギンラン、セリバオウレン、キクザキイチゲ、シュンラン、エビネ、カタバミ、イカリソウ
 案内の梅川さんの先導で、追手神社から大山宮一帯をゆっくりと見学した。

 ユキワリイチゲ
 
 アズマイチゲ
 
 キクザキイチゲ

 セツブンソウ
 
 セリバオウレン
 
 リュウキンカ


なお、追手神社のモミは日本一(樹齢700年、平成6年国の天然記念物)、樹齢350年の夫婦イチョウも見ごたえたっぷ
りである。

追手神社の大モミと夫婦イチョウ
山野草見学の後、JR新三田まで送ってもらい、JRを乗り継ぎ帰宅した。

行程マップ(清水氏より拝借)

(国土地理院の地図を引用)

鬼の架け橋::
鬼の架け橋とは、兵庫県丹波市と篠山市の市境金山山頂付近にある岩で、が橋梁状になっている。2つの大岩の
間に乗っかったような状態になっており、橋のような形をしている。古くから大江山の鬼が架けた橋であるという民話が
語り継がれ、この岩構造物の名前になった。実際は、15世紀中頃の地震で崩落した岩がこの形になったと考えられる
。周囲には、いくつもの巨岩が横たわり、岩の上から北〜西にかけ展望が開ている。丹波市の市街や周辺の山並、
鐘ケ坂峠などが望まれる。古くより奇勝として知られためか、文人が訪れている。歌川広重が描いた浮世絵「六十余
州名所図会 鐘坂」に描かれている。金山には、金山城があり、明智光秀が丹波に侵攻した際、篠山の波多野秀治が
本拠地とした八上城と丹波の赤井直正が本拠地とした黒井城の連携を断つため築いたとされる。今は遺構が残るの
みである。山頂からは八上城、黒井城を一望できる。

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作成日: 2018年3月13日