7)鴻応山679m・湯谷ヶ岳 622m : 2018年3月23日 北摂の山、豊能富士  2018年山の記録に戻る
 鴻応山(こうのやま・こうおうさん)は大阪府豊能郡豊能町寺田と京都府亀岡市西別院町柚原との境にある山である。
山名は昔コウノトリが生息していたことに由来するという。鴻応山はその山容が、能勢町の歌垣山から見ると富士山の
ようでもあることから豊能富士の異名がついている。一方、亀岡市西別院町柚原の側からは本当に鴻の様な形をして
見えるという。はるかに阪神地方が見渡せる山頂付近にはリョウブ、ソヨゴ、クヌギ、コナラ、アセビ、ヒイラギ、ミツバツ
ツジ、チヂミザサ等が自生する。この山は、丹波高地や北摂山地にある他の山々と同様、準平原化した山脈が侵食さ
れて残った残丘が、再隆起して作り上げられたと考えられている。平安時代の、嘉祥3年、義顕上人が山麓を訪ねた時
、この山の頂上に紫雲がたなびく中をコウノトリが2羽、舞い降りたり舞い上がりしているのを不思議に思い、その山頂
に来てみれば2寸3分の仏が居られたという。そこで上人はこの仏を2尺3寸に等倍して薬師如来尊像を彫り、その体内
に仏を納めた。その様な事から、山名を「鴻山」と呼ぶようになり、その後「鴻応山」と呼ばれるようになったと言われて
いる。江戸時代には、堂島の米相場の状況を知らせる狼煙をあげた場所であるとされている。ところで、この山の麓、
豊能町寺田には青峰寺という嘉祥3年開基の古刹が存在するが、この寺の山号を「鴻応山」といい、山名と同じ文字が
用いられている。そのようなことから、この青峰寺の山号が山名の元となったという説もある
湯谷ヶ岳(ゆうやがだけ)は京都府亀岡市にある山。標高622.4mで亀岡自然100選に選ばれた山である。湯谷集落か
ら登山道があるが、交通機関の利用は不便である。(ウイキペディアより)

 守山駅(8:28)−高槻駅(8:12、8:12)−茨木駅(8:21、10:01阪急バス)−西野BS(11:05)−寺田登山口(11:36)−牧登
山口分岐表示(11:55)−鴻応山山頂(12:15〜12:50、昼食)−牧登山口分岐表示(13:07)−寺田登山口分岐(13:12、左
分岐のテープに注意)−寺田登山口(13:19)−寺田公民館(13:23)−落合橋(13:27)−峠(13:36)−旧大堂区周辺(
20分ロス)−峠(13:57)−稜線手前(14:08)−ローズタウン一角(14:20)−ローズタウン登山口(14:30)−祠・石燈籠(
14:39)−湯谷ヶ岳山頂(14:44〜14:49)−下山部分探索(14:50、15:05下山開始)−大岩(15:16)−登山口(15:20)−ロー
ズタウン(15:30)−大円バス停(15:58、16:25バス)ーJR茨木駅
〜高槻駅−守山駅
             行動時間:4時間53分、休憩時間:約1時間 

 当初8:50分の忍頂寺経由、余野行き阪急バスを考えていた。JR茨木には早目につき、時刻を確認したところ、8:50は
土日ダイヤ、平日は8:20で、バスはすでに出発していた。枚方からのTさんを待ち、10:01発まで時間を潰すことにした。
駅前周辺には適当なコーヒー屋さんもなく、仕方なく、コンビニでコーヒを頼み一角で1時間待つことになった。
 バスは快調で途中の数原で時間調整で5分強停車する。すぐ近くに神明神社のスギとその下に又地蔵があるのだが
さすがにこちらはあきらめる。数原は絶好の棚田があり、秋の黄金の様子は格別とのことだった。西野のバス停には
11:00を過ぎた。こんな時間からの出発は最近ではあまり経験がない。バス道を戻る格好で、すぐにある石燈籠の先の
舗装道を左に登って行く。
石燈籠の先の舗装道を左折

 のどかな雰囲気が漂っている。寺田公民館を目指し、緩やかな坂道を歩く。自動車がひっきりなく通る。右方向に集
落を迂回する格好で進めば、やがて右手に田圃が広がってくる。その先に、寺田集落があり、民家の中に如何にも公
民館らしき建物が道路の先に見える。畦にはフキノトウがたくさん生えているが、花芽になっていたり、ややトウが立っ
た様子で残念である。民家は立派な構えになっている。
中心部のへこんだあたりが公民館

 出発して30分で寺田公民館に着く。看板があり、2階建ての建物である。Webでは公民館の前のT字路と書いてある
が、正確には、その手前の鋭角に出ている舗装道を下る格好で進む。紛らわしい記載である。
寺田公民館から振りかえってみた道(右手)をすすむ

 急な坂の上に家屋が立ている。自動車を掃除していた女性に、近くにあるはずの登山口を聞くが知らないとのこと。
知られていないのか、全く関心がないのかと驚きながら先を進むと、Webに出ていた登山口に着く。
登山口、道は釜のところのトタンにそって斜め右に登る
 
 当初、直進したがすぐに行き止まり、右の果樹のあるところを突き切って登山道に合流した。このあたりの植林は、ヒ
ノキ林で、その中を登って行く。踏み跡はしっかりとしていいるが、倒木があり、かなり荒れている。5〜6分すると、笹に
覆われてくる。この時期にはそれほどでもないが、生い茂ると藪こぎになりそうだ。5分くらい歩けば、やがてササもなく
なり、踏み跡がしっかりする。広葉樹林が右側で、落葉樹と緑の木の混在である。左手はヒノキ林が続く。登山口から
20分で、牧登山口への分岐表示が出てくる。山頂の表示を除いて、唯一の案内である。国土地理院の表示の下の分
岐と思われる。牧登山口への上の分岐は表示がない。テープがいくつか張り付けてある支尾根のような所だと思われ
るが、実際のところはわからない。先の表示から10分もかからない距離にある。このあたりを過ぎると、やや急勾配に
なり、山頂が近いことが感じられる。葉が落ちた明るい道を進む。東方向に愛宕山〜地蔵岳のおなじみの稜線が落葉
の枝を通して見える。やがて稜線と思われるところに着き、左折する。ここでは京都府亀岡市の表示の看板である。
京都府と書いた看板、山頂まで一息

 稜線合流の右手は踏み跡らしきものがある稜線(尾根筋)だが、下まで通じているのかよくわからない。今回のコース
ではここを下るメリットはない。しばらくで山頂に着く。鴻応山の表示と三角点がある。北東方向にのみ視界があるが、
落葉した樹木越しで、新緑以降は展望は期待できない。
山頂

 お昼は、少し下ったところの日のよく当たるところに決める。落ち葉でびっしり覆われている。コーヒーを分け合って
35分ほどの休憩を取る。下りは元来た道を戻る。やや雲があった空もすっかり晴れあがり、清々しい。ヒイラギの大き
な木が目につく。小さな木もあって、ヒイラギが結構多い。この後の湯谷ヶ岳もそうだったが、このあたり、ヒイラギが多
いようだ。山でヒイラギを目にすることが少ないので印象深かった。
ヒイラギが多い
 快調な足取りで下ってゆく。登りで表示が出ていた牧登山口への分岐から5分ほど下る。そのまま直進をしそうになる
ところだが、左に曲がる格好で、先にテープがある。先を行くTさんを呼び止め、左手を進む。実はこちらが登ってきた
道だった。
下ってくると右方向が直進になって、左を見落とす

 当初、国土地理院の左折し、寺田集落への道だと思っていたがそうではなかった。結局、注意して下ってきたがその
道は確認できずに終わった。里山は難しい。ササの道を通り抜け、実質、1時間強の歩きで戻った。ここから公民館に
戻る。途中、下の道から短縮できることが分かった。公民館の前を通り、更にすぐの分岐をメインの右手に下ってゆく。
フキノトウが相変わらず目につく。落合橋を通る。民家の庭先にはクロッカスが咲き、ツバキも美しい。梅の花も満開で
ある。落合橋から10分弱で峠に着く。

峠、Tさんが立ったところから山に入る

 フェンスで囲ったところは田があり、農作業の人がいた。国土地理院の地図では、峠から登山道があり、この道を進
むと、湯谷ヶ岳の北を通る道になる。従って、途中で右折し、湯谷ヶ岳への稜線に登る道に出る必要があると思われる
。ただ、事前のWeb下調べでは、峠から下ったすぐ先に旧大堂地区の表示があり、そこから住宅の中から山手への道
が通じているとあった。その記述に従った。行けども行けども(下り)そのような看板はなく、結構下った先の木工所で道
を聞いた。勿論登山口に関する情報は得られなかったが、探している看板は少し下がった池のそばにあるとのことであ
った。これはダメだということで舗装道を峠まで戻った。この間、20分のロスになった。峠で、農作業の方に確認すると、
昔、峠からの細い道を山頂まで登ったとのことであった。道が分からなくなっているかもしれないとのことだったが、踏み
跡を頼りに山に入る。フェンスの横の道ではない、直進の道を取った。多少は荒れているが踏み跡を頼りに進む。どこ
かで右の稜線に入る道が出てくるのを確認しながら進む。6分ほどで、2手に別れる。左は、少し下り道になり、広いほう
の登りになった方を選ぶ。
右手の登りを選んだが、やがて踏み跡がなくなる

 しっかりした踏み跡が、稜線近くになりなくなってしまう。先は(南方向)はスギ植林が待ち構えている。国土地理院の
地図を見て、東方向に踏み跡のない林の中を木をかき分け進む。
稜線をかき分けて

 幸い、込み合ってなく、何とか歩ける。稜線は結構広く、先で南方向にも広がっている。東方向を取るように林の中を
確認しながら(調整)進むと、右手に住宅のコンクリート敷地と水はけ排水路が出てくる。
ローズタウンの上部一角に出る
 ローズタウンの上部に出てホッとする。住宅を右手にしながら先に直進出来そうであるが、ローズタウンからも湯谷ヶ
岳への登山口があるような記載になっており、情報入手する目的で、一旦、タウン内に出る。出た先の4軒ほどを訪ね
たが、全くの不在、仕方なく、上に向かって、大きく左手に迂回する格好で進む。電波塔かアンテナか、鴻応山の途中
で見たシンボルが確認できる。幸い、畑作業中の住人がおり、登山口を知ることができた。細い、分かりにくいところだ
った。
先のアンテナの下が登山口
中央の木の間に細い道があり、登山口
 
 中に入ると踏み跡もしっかりとあり、先に進むと白いテープが出てくる。振り返るとテープが後方からおり、その先に、
こちらの稜線に登りきる登山道があると思われる。踏み跡がしっかりしているか、実際に分かりやすいかは全く分から
ない。落葉樹林帯からスギ林になり、ローズタウン登山口から10分で祠と石燈籠のあるポイントに着く。祠の前の石燈
籠から下山できそうな雰囲気であるが、急な崖になっている。

前に燈籠

 更に5分で湯谷ヶ岳山頂に到着する。スギ林の見通しのない山頂で、西方向に木々の間から鴻応山が確認できる。
スギ林越し鴻応山

山頂で一休み

 撮影をして。おやつを食べる。国土地理院や、先に紹介したWebでは少し戻った先で下山道が記載されている。
Webの記載もそれを参考にしたと思われるが、実際の行程はテープが示す直進する格好で、福泉寺に下っているよう
だ。この記録、ややこしい道中記であり、先のテープの先はテープがない。下山口を探して戻るが結局、祠まで戻るが
確認できない。また山頂に戻る格好で、崖に近い道を取りながら結局山頂まで戻った。少し時間を使うことになったが、
山頂から直接支尾根になった急坂を下る踏み跡を見つけた。
山頂から南方向の急な支尾根に踏み跡(下山)

 急坂をしばらく進むとテープを確認、その先で「火の用心」との赤い表示が出てくる。巡視路と思われるが、急坂を一
気に下る。下部で、大きな岩に遭遇、ゆく手を阻まれる。右か左か迷ってしますが、どちらも崖で困ってしまう。結局。大
きな岩で挟まった狭い間を通り抜けると進むことができた。
この間を下った。振り返って
 
 しばらく行ったその先で、舗装道を確認できた。直進は崖で、左手にとって何とか道に出た。右手に行っても良く、右
手が本来の登山口のようである。
崖を左手に下った先の舗装道

 それにしてもわかりにくい山である。下りたところは田が広がり、雰囲気が良い。
下山したあたりの風景

 ここから、西方向に舗装道を登る。ローズタウン自治会の表示もあって、結構広い住宅開発地である。住宅で作業中
の人に聞き、左手に鋭角で登りの舗装道を進む。一応、近回りになっている。その先でローズタウンのアンテナから湯
谷ヶ岳の稜線が一望できる。
最左が登山口のアンテナ、最右が湯谷ヶ岳

 しばらくで、車道の本道が合流し、道なりに進めば良い。石の加工場を左手に田圃のある道を進む。右手の集落に
は、スイセンやミツマタが咲いている。
 

 大きな道に出れば、すぐ左手が大円のバス乗り場である。ベンチがあり、自動販売機が3つ置いてある。休業中のコ
ーヒ店(4月から再開か、店先は小奇麗とはいいがたい)もある。私はコーヒー、同行者はビールを選ぶ。30分ほどの時
間待ちになった。先に進み、数原で棚田をとるのも良い選択かもしれないが、黄金の実りの秋の時期だろう。

Tさん推薦の数原の棚田、バスの中から

帰りは平日のことで、茨木駅付近で渋滞に遭ったが、今日1日は面白い山行になった。


行程マップ

(国土地理院の地図を引用)

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作成日: 2018年3月25日