10)杣山(そまやま) 492m :2017年4月8日 2019年山の記録に戻る 杣山(そまやま)は福井県南条郡南越前町の中央部に聳える山塊である。別名は城山。杣山は南条山地に属しているが、単独で突出した位置にある山塊である。標高は492m。鎌倉時代には山頂に杣山城(注:下段に説明)が築かれ、越前国における重要な山城として歴史に刻まれた。名前の由来はかつて杣山城の修復の為杣人を募集したところ、山に杣人が溢れるほどになったという言い伝えに由来する。その名の通り、檜の立ち並ぶ登山道が印象的な山である。麓にキャンプ場が作られているが、それほど積極的にPRされているわけではない。むしろ山の歴史および、山に残された遺構や伝説の数々により登山客を集客している。主に新田義貞が敵軍に攻め込まれた際、その正室が身を隠したとされる姫穴や瓜生保が戦死した際、杣山城の女達が袿を掛けその身を投げたと言われる袿掛岩など様々な箇所が残されている。このような様々な遺構、伝説を残す杣山を県外から訪れる人も多い。 登山道は全部で4通りあり、難易度は大きく違う。東側の登山道が最も易しく、西側の登山道が最も厳しい。特に犬戻駒返し付近と姫穴の付近は狭路の岩場が続き、難所といえる区間である。しかし一般的な脚力を持つ人なら1時間半程で登頂できる山であり、初心者がチャレンジするにはうってつけの山といえるだろう。ただし標高の割に疲労がたまることは否めない登山であることには違いない。(ウイキペディアより) 登山道は南条側に3道、反対の南側に1つある。今回は北側、花ハス公園から出発、東登山道を登り、東御殿を経由し、山頂に達するにコースを選んだ。下山は、西御殿から殿池、穴姫の険しい道で居館跡に下山した。曇り空で見晴らしはなく、ガスがかかった状態ではあったが、イワウチワの大群落を始め、結構な数の花が見られた。もう一つの期待であったギフチョウは、天気悪のため残念ながらまたの機会になった。 守山駅(7:00)−取付道路ピックアップ(7:05)−花ハス公園P(杣山荘(9:25、9:35出発)−稜線・中小屋口下山の表示(10:25〜10:45)−犬戻駒返(11:10)−杣山山頂(11:20〜12:20)−西登山道分岐(12:35)−林道上の駐車場(12:47〜12:53)−文殊堂(13:10)−登山口(13:15)−林道‐花ハス公園P(杣山荘(13:40、13:50出発)−妙泰寺(14:00〜14:15)−敦賀さかな街〜8号線〜161号線〜琵琶湖大橋〜守山 時間4時間5分、 歩行時間: 3時間05分 休憩時間35分 歩行距離 4.5q 累積登高:467m 花ハス公園まで守山駅からおよそ120q、ナビの3時間30分予想から実績の2時間30分で到着する。161号線(8号線)から北国街道476号線に入り順調に走る。2017年の同じ日には福井のサクラはすでに散っていたが、今年は3月に入ってから結構寒い日があって、満開の時期に重なった。120qの道中、至る所でサクラを見ながらの移動になった。駐車場には何台かの車がすでに止まっている。準備を整え、公園のサクラを鑑賞した後、出発する。 杣山荘の裏手から、杉林の中を進む。2017年にはタチツボスミレやミヤマカタバミがたくさん咲いていたが、今日はあまり見られない。しばらくで、登りの道になり、落葉樹の中の明るい雰囲気になる。コンクリ―トで作られた丸太風の階段の道がずっと続く。直線の道で結構急な道である。花はやや遅で、クロモジの薄黄色の花もまだまだこれからの雰囲気である。ショウジョバカマと少ないながらイワウチワが現れる、肌寒かった天気も、青空に太陽の光があたり、次第に快適になる。風もなく絶好の登山日和である。タムシバの白い花が目につきだす。高度を上げ岩が多くなると、イワウチワが多くなる。。やがて苔むした岩が目立ちだし、その間にびっしりと咲いている。きれいななピンクに混じり、色あせたのも多い。気温が上がったり下がったりの陽気のせいだろう。少し時間を取って角度を変えて撮影する。前回ほどではないが、結構な群落を作っている。 イワウチワの群落 群落地を過ぎしばらくで、稜線上に出る。中小屋口下山の表示がある。出発して50分、階段がなくなりホッとする。この辺りは広尾一帯で日当たりもよい。いよいよお目当てのギフチョウが現れる。時々は止まってくれる。忙しく撮影する。同行者の2人も一緒になって知らせてくれる。足早にそっと近づきさっとシャッターを切る。右往左往といった感じで時間がっという間に過ぎる。お目当ての杣山型はやはりいなかった。後で写真を整理し、これとは違うが気になるギフチョウが見つかった。 イエローバンドらしき帯が… 東の方向に稜線が白い雪で覆われた山々が見える。青空に映える。山の名前は後程記載する。結構長く足止めし、いよいよ痩せ尾根になる。岩の間にはイワナシが蕾で見られる。今年は遅い。低山ではあるが、岩峰でなかなか迫力がある。日野山が目の前に見える。 日野山 タムシバとアブラチャンの対比もきれいだ。痩せ尾根の両方の斜面にもイワウチワが多い。南側の登山道分岐を過ぎるといよいよ岩場が続き、ハシゴ部分が現れる。狭いハシゴ2つを注意深く登る。しばらくで、犬戻駒返と表示された所を過ぎ、堀切り跡の表示は何回か出てくる。見晴らしの良いところからは、先ほどの山や一層引き立つ。 金草岳、冠山はその後方で見えない、 笹ヶ峰〜美濃股丸〜両白山地 ここを過ぎると、しばらくして急な階段を登った先が山頂である。比較的広い山頂で、たくさんの石碑がある。歴史を刻んだもののようだが、判読できない。山頂には2人の採取者がいる。目を引く仕掛けをして、チョウを待っている。杣山型が目的で、何度も捕獲しては、リリースしている。ずっと粘っているがだめらしい。あきらめ顔でまだ粘るとのことだった。これは良い機会とほかの種類の情報を聞くことができた。好印象の人だった。こんなこともあって、山頂での滞在は1時間、ゆっくりとすることができた。日光を避け、日陰で昼食にする。コーヒも楽しみ、同行者のお菓子も味わう。そのあとは、遠方の山々である。幸い地元の方がおられ、解説入りで説明してもらった。 教えてもらった人に別れを告げ、西方向に下山する。一番外回りの格好で周遊コースを取る。10分ほどで観音地蔵と桂掛岩が出てくる。道を離れ、南から西の風景を楽しむ。15分で西登山道と殿池方面の分岐に到着し、予定通り西登山道を下る。しばらくは比較的緩やかで、ギフチョウにも何匹かと出会う。サービスよく、すぐの足元に止まってくれる。ヤマザクラが1本存在感を示している。次第に急こう配になる。明るい尾根筋の道が続く。一旦、林道終点の駐車場・広場に出る。整備の方が作業を開始するところだった。少し間違って、右方向に下る。しばらくで、姫穴の道に合流し、キャンプ場へと出る道であったと気づき、引き返して、尾根筋を下る。コバノミツバツツジが美しく見える。文殊堂に出ればその先はすぐに登山口である。タチツボスミレ、ショウジョバカマが多い。中に、スミレサイシンもあるようだ。登山口は、居館跡で広い草地である。ヤマエンゴサクが密集して咲いている。動物避けの電線をまたぎ、山裾に沿った林道を歩いて公園に戻った。この間には林床にいろいろな花を見ることができる。 ミヤマカタバミ、ホクリクネコノメソウ、カタクリ、キクザキイチゲ、タチツボスミレ、などなど 花々
杣山城(そまやまじょう): |