13)多田ヶ岳 712m :2019年4月21日 2019年山の記録に戻る 多田ヶ岳(ただがだけ)は、福井県小浜市にある山である。標高712m。行基が修験のため開山したと伝わる。「若狭三山」と呼ばれる1つであり、青葉山、飯盛山そして今回の多田ヶ岳である。いずれも若狭湾に面して並んでいる。青葉山と並んで若狭富士と呼ばれている。多田ヶ岳は、小浜市南東に位置し一見独立した山に見える。山麓部や南側斜面ではかなり植林が進んでいる。地形が急峻な沢沿いには渓谷が多数あり、小規模な滝も点在している。多田川、遠敷川、南川等の水源であり、遠敷川の鵜の瀬もある。自然であるが、北側斜面尾根上の標高400m付近に、老齢巨木からなるアカマツ林が分布している。樹高は20m以上に達し、胸高直径が1m 近いものも見られる。他にヤマザクラ、タカノツメ、イヌシデ、ヤマモミジ、コシアブラ、エゴノキ、ネジキなどの落葉樹やヒサカキ、サカキ、アセビ、シロダモなどの常緑樹がある。北側の山麓に多田寺があり修験の山、信仰の山として栄えた。別名長尾山ともいう。小浜市の市民にとって、久須夜ヶ岳と並びなじみの深い山である。山麓には神社仏閣が多く、JR小浜線から華麗な勇姿な山容が望める。(ウイキペディアより) 登山道は小浜山の会で5通りが紹介されている。野代からの谷コースと多田からのコースが一般的で、後者は長い林道(舗装道)歩きがある。それに加えて、野代から尾根沿いの新ルート、東尾根コース(参考情報)と須縄コース(参考情報)の3つであるが、後者2つは参考程度で、経験者でないと無理なようである。尾根コースは、国土地理院の地図にも記載されている。 今回は、尾根コースを登り、谷コースを下山することにした。ピーク488mからは同じコースの往復である。紹介された尾根コースは、@林道の終点から右斜め前方向に登ってP488地点の手前で尾根に合流している(当初は谷の傍からスタート)。一方、A国土地理院には林道終点前のところから尾根に登っていくコースが紹介されている。さらに、小浜山の会で紹介された軌跡には、B林道終点からいったんは山腹を戻り方向に反時計回りに登っていく点線のコースが記載されている。コースの実績は2014年の踏破にもとずくものである。 今回登った経験から、@の説明のようにトライしたが、なるほど林道終点には多田ヶ岳の表示はあるが、踏み跡はほとんどなく、先に少し進んでもテープの表示は確認できなかった。次に、国土地理院のAコースの取り付きは確認できなかった。もともと、@で登ろうとしたため、ここからのスタートになった。山腹を尾根に向かって登ってみたところ、戻る格好で少しだけ踏み跡があるように見え、こちらを選んだが、結局道がはっきりしなくなった。同行者が、地理院に記載の道に向かって山腹を北方向に巻きながら登って行ったところ、少し谷のようになったところで、ロープが張られた登山道に行きつき、尾根コースをたどることができた。その後はロ−プも表示もありわかりやすかったが、次第にテープだけで、それも古く、わかりにくい道が続いた。踏み跡は落葉もありわかりにくかった。 ただ、このコースは、最初はコミツバツツジが多く、高度を上げればイワカガミの群落が続く花の多い道である。 守山駅(7:30)−367号線〜303号線〜27号線〜県道162号−妙楽寺駐車場(9:10、9:20出発)−林道分岐(9:46)−林道終点・尾根コース登山口(10:00)−尾根登山道に合流(10:40)−P488m(11:51〜12:00)−山腹の平坦な道−コル()−昼食場所(12:38〜13:18、昼食)−コル()−多田方面分岐(13:36)−多田ヶ岳山頂(14:00〜14:27)−多田方面分岐(14:41)−昼食場所(15:02)−P488(15:30〜15:46)−尾根道登山口への分岐(16:49)−妙楽寺駐車場(17:03、17:30出発)〜162号〜27号〜303号〜367号〜守山(18:35) 行動時間:7時間43分、 歩行距離 8.5q 累積登高:1881m 昨年計画したが、天気の関係でずいぶん遅れてしまった。久しぶりに4人がそろった。順次ピックアップし、上のルートで小浜の妙楽寺に到着する。途中、道の駅「」に立ち寄った。寺の隣に野球場があり、野球の練習で来た人の車が数台駐車していた。参拝用のトイレが利用できる。ゆっくりと準備し、出発する。 駐車場付近の撮影をするが、メディアが入っていないとでる。カーナビの音楽用に使っているHDCDを使うことで事なきを得た。小浜山の会の懇切な案内を見ながら舗装された林道を進む。ミツマタの満開の大木がフェンス越しに見える。林道にゲートがあり、ここから入る。林道の始まりである。道端には、マムシグサ(花はこれから)、サルトリイバラの黄色い花葉度を見ることができる。川沿いには桜があり、桜並木ではあるが、大きな杉も一緒にあり、桜並木の景観を半減している。しかしながら、花弁が散る今頃は林道上に花弁が敷き詰められ、それなりに良い雰囲気だ。じめじめした林道を25分ほど行くと、直進が谷筋の登山口で、左手に緩やかに登って行く林道分岐に出る。 直進が谷筋の道、左手に進めば尾根の道へ ここを15分ほど進めば林道が行き止まりになる。途中、国土地理院の地図には尾根筋の登山口が記載されているのだが、表示も、それを示すようなテープもなかった。もともと、林道終点からのスタートを考えていたのであまり気にならなかった。終点で、少し右に進むと多田ヶ岳の少しかけた表示があり、さらに緩やかに登ると第2表示がある。しかし、その先には何も確認できず、踏み跡もないことが分かり、右手に山肌を登る格好で尾根に合流することとする。倒木や低灌木が邪魔をするが、避けて通ることにあまり問題はない。しかし、急な勾配である。足元にはスミレが多い。コバノミツバツツジもきれいな色で咲いている。見ながら撮影しながらであるが、直線的には登りずらい。後続は、地図に出ている低い部分で合流するようで、見下ろすと私よりは左斜めに進んでいる。声をかけながら、斜面を登っていく。やがて少し谷のようになったところでロープの張られたところがあり、後続がそちらを確認し、私はやや下り加減でそちらに合流する。何とか、登山道に入ることができた。 林道終点の登り始め、表示はあるが、そのあとはテープが確認できず 迂回気味に登り、ロープを確認してほっとする 10:40頃 その後は、ロープの張られたところや表示が出てきて急な勾配とはいえ、ほっとする。気分的にも余裕が出て、足元のスミレ、コバノミツバツツジ、の撮影にも気合が入る。 コバノミツバツツジ イワカガミの群生が続く 常緑広葉樹、落葉広葉樹が入り混じり、杉の木も多い。やがてイワカガミの群生地が現れてくる。色鮮やかで、赤やピンクが映える。当初は尾根道ということではあるが、だだっ広い斜面の登りで、尾根筋を歩いているという感覚はないが、次第に狭まり岩の尾根筋になる。倒木もあり、気を付けながら岩の崖をよじ登る。踏み跡ははっきりしない。落葉があってなおさらだ。ほとんど同じような落葉で覆われた斜面をばかりで、時々出てくる古いテープだけが頼りになる。やがて視界が広がり、小浜の町や若狭湾の景色が眺望できる。40分かかって本道に合流、さらに急な尾根筋を1時間10分ほどかかってP488ポイントに到着する。ここでやっと谷コースからの道に合流する。少し前から松の大木が目立つ。 P488 下山時に撮影。左手に戻る方向で行けば谷筋道。直進が尾根筋 P488で時間は12;00になり食事の時間であるが、行程の半ば、もう少し先に進むことにする。ここから先に550mピークがあるが、登山道は左手に巻いた道があり、時折タムシバやヤマザクラの花も見える。スミレもある。道はいったん崩れているため、いったん急な坂を右手に登り迂回する。さらに下って、元の登山道に戻る。少し進んだ先がコル部分になる。ここから先に回り込んだところで右手に大きく曲がったところがちょうど良い昼食場所になった。アカマツの木も相変わらず多い。時間は12:40、40分の昼食時間を取る。大きなアリや、虫が多いが構わずに座り込む。おしゃべりをしながら、持ち寄りのおやつを分配、穏やかな時間が過ぎる。 昼食風景 左手に見える多田ヶ岳を見ながら大きく反時計回りにほぼ平坦な道を進む。 右手の山際には、シロバナニシキゴロモ、イワナシのきれいな花がみられる。左手の谷には、タムシバ、ヤマザクラも見られ、時々、多田ヶ岳が樹間より見える。 多田ヶ岳が樹間より見える。白い花はタムシバ 落葉樹林が多い明るい登山道だ。一部途中で、道が崩れ右手の急な斜面を迂回することになる。しばらくで急な下りになり、やがて本来の登山道に戻る。しばらく先はコルのようなところで、左手に落ち込んだ大きな谷を作っている。山腹を反時計回りに大きく回って行くt。谷にはヤマザクラも見えるが、マメザクラであろうか小さな花を付けた枝が目に付く。ここまで、国土地理院の地図では多田方面の下山道が記載されているが、そのような様子は全くない。緩やかな勾配の道で、マメザクラの撮影をする。登山道は山腹につけられているが、斜めに傾斜されており、同じ傾きでひざや腰に負荷がかかる。それも結構続くため、一緒に歩く同行者からも思わず口が出る。イカリソウが確認できる。つる性の木が多くなるころ、切られた先から樹液がポタポタと落ちていいる。その先にはアカダイダイの気味の悪い塊がまとわりついている。同行者が帰宅したその日のうちに樹液酵母のコロニーだと知らせてくれた。ずいぶん昔、酵母類の培養をした経験があるが、それを思い出した。動物はこれを口にするとか…。 樹液酵母のコロニー 下山時の谷筋の樹液酵母のコロニーはさらに大きい 目の前の多田ヶ岳ではあるがぐるりと回る方向で一向に本格的な登りにならない。多田への下山分岐(表示板)を過ぎてやっとジグザグの登りになる。 多田への分岐、国土地理院の地図に出ていたところよりまだ先である。部 急な勾配だが、つづら折りの道で、朝ほどのつらさはない。道にはムラサキのニシキゴロモやスミレ(タチツボスミレ、シハイスミレ)が多くみられる。あとわずかで山頂と元気づけ、最後の登りを頑張る。タムシバ、アセビの白い花がみられる山頂に到着する。さすがにここまでの登りで疲れもあったが、ほっとして若狭湾やの市街を眺める。西の方向には青葉山が頭を出している。 山頂からの小浜市内と若狭湾(北方向) 大岩横でスナップ写真、少し下ったところに行者姿の石像がある 南方向、駒ヶ岳〜百里が岳〜三国岳の高島トレイル 西方向に青葉山が頭を出す 山頂で30分ほど休み、疲れを和らげる。ヒオドシチョウとルリシジミが現れる。 帰りはP488までは同じ道を下る。負担がないだけやはり楽である。崩壊したところは登り返すが、さすがに体にこたえる。P488まで山頂から1時間ほど、まずまずのペースである。ここからは左にスギ林の中を下る。急なところもあり、ジグザグに下る。さらに、山腹を巻きながら谷筋に着く。谷筋は明るくなっている。渡渉もあるが、問題なく渡れる。ロープがあり、こちらの道は十分な配慮がされた整備の行き届いたコースである。岩はコケで覆われ、なかなかに雰囲気のある谷筋である。 小滝も見られ、随分趣の違った歩きを楽しめる。コルから分岐に出る道で見た樹液酵母のさらに大きなコロニーが見つかった。谷沿いを進み、谷筋登山口にでた。少し先は尾根筋登山口の林道分岐である。駐車場に戻り、後続の帰りを待って滋賀県に戻る。思ったよりも時間がかかり、当初予定の小浜のおさかなの買い物は省略した。道路は同じ道を戻り、帰りも桜を満喫しながら、予定よりも早く戻ることができた。 花
妙楽寺: 福井県小浜市野代にある高野山真言宗の寺院。山号は岩屋山。本尊は千手観音菩薩。養老3年(719年)行基が本尊を彫り、延暦16年797年空海が再興したと伝えられているが、羽賀寺の縁起により名田を寄進されてもいるので、建立の起源は定かでない。北陸観音霊場第3番札所。若狭観音霊場第19番札所。山門は1777年(安永6年)に再建されたもの。重要文化財本堂(附:厨子)[2]鎌倉時代初期の建立、厨子には永仁4年(1296年)と銘があり、若狭における最古の建造物である。桁行5間・梁行5間のほぼ正方形の寄棟造檜皮葺である。木造千手観音立像平安時代中期の作、檜の一木造。長く秘仏であったため、現在も金箔に覆われている。本面(正面の顔)の左右に両脇面を表し、頭上の21の小面と合わせて計24面を有する。千手観音像は42本の手で「千手」を代表させるのが一般的だが、本像は42本の大手の間に多数の小手を表した「真数千手」像の一例である。(以上、ウイキペディアより) 行程マップ(YAMAPより引用) (YAMAP&国土地理院の地図より引用) 2019年山の記録に戻る 作成日: 2019年4月23日 |