57)日本コバ(934m) 鈴鹿派生の山: 2019年12月14日(土) 2019年山の記録に戻る 日本コバ(にほんコバ)は、滋賀県東近江市にある標高934.1mの山である。鈴鹿山系に属する。山頂部は平らで、永源寺ダムからは蒲鉾形に見え、どこが最高点かわからない。山名は日本がつく珍しい名前だが、特に特徴がない。山麓にある君ヶ畑の集落は惟喬親王を始祖とする木地師発祥の地である。山名の由来には諸説ある。日本一の木場(こば)が転じた説と登山途中に休憩所(コバ)を2回(2本)経ると山頂に至るとの説である。登山道はいくつかのルートがあるが、蓼畑・蛭谷・政所のルートが知られている。この辺りには杠葉尾キャンプ施設があり、夏はにぎわう。秋時は紅葉が素晴らしく、下山後に足を伸ばすと良い。杠葉尾谷、永源寺湖周辺は朱に染まる。永源寺の紅葉はとくに有名だ。(ウイキペディアより)。東近江市によって、鈴鹿十座に選ばれている(後述)。 今回の周回コースは、2016年10月以来、2度目のコースになる。全体としても同じコースを歩いた。一般的な通常の藤川谷コースから、山頂に出て、その後は周回コースを選び、政所へ下りるコースに合流して戻った。山頂から北西方向からの時計周りの周回コースは、表示もあって、各所でピンクのテープがつけられ迷うことは全くなくなった。 自宅(8:10出発)〜奥永源寺渓流の里〜英如来堂バス停奥の駐車場所(9:00、9:08出発)−藤川谷ルート登山口(9:10)−渡渉ポイント(9:17)−ホオノキ、小さな渡渉を繰り返す〜本流渡渉ポイント−9/18ポイント(10:51〜11:04、休憩)−岩場(11:36)−岩屋(10:30〜10:35)−政所コース分岐点(10:46)−山頂934m(11:13〜11:55、昼)〜周回コース〜松尾谷分岐(永源寺方向)・「日本コバあと2.5Km」地点(12:18)−衣掛山880mピーク(12:30)−政所コース合流点(日本コバ表示あり)(13:00)−衣掛山870m(13:09)- 箕川(大山川林道)分岐(13:17)〜ヒノキ林〜ツガ林〜スギ林−政所集落(14:22)−駐車場所(14:40、14:50出発)〜奥永源寺渓流の里〜自宅 行動時間5時間32分、歩行距離:10.6q 自宅を出発、途中で奥永源寺渓流の里により用を済ませ、如来堂バス停付近の川沿いに車をとめる。すでに1台が駐車していた。登山口は少し戻った石垣に階段があり、日本コバの表示がある。石段を登ったところに、登山箱も置かれている。苔むした雰囲気だ。すぐにお宮さんが現れる。苔の緑が美しい。最初の渡渉地点に着く。結構な水流に加え、置かれた丸太の橋も、すべすべと滑りやすい。気をつけて渡渉する。藤川谷ルートはこの後も渡渉が何度かある。谷を左手に沿って苔むしたあたりの中を進む。大きな切株が目立ち、いずれも苔むした様子である。 岩に苔がつきいt、雰囲気が良い 谷間の巻道は狭くて滑りやすいところが出てくる。支谷を横切り進む。杉林が続き、結構岩が出ているが、いずれも苔がびっしりとついている。谷には小さいながら滝も見られる。登山道に目立つカツラの大木が存在感を示す。苔がタップリの岩が目立つ。その後、豹の穴表示があって、斜面に道が付けられている。ここを素通りし、明るくなった岩の多いところで休憩を取る。 杉の大木も所々に混ざっていて良い雰囲気の樹林帯が続く。その後も渡渉がある。次第に沢から遠ざかり、急な斜面を横切りながら進む。左の谷は急斜面で狭い道を慎重に進む。ここを過ぎると岩場に出る。石灰岩の岩場が10メートル以上も続き、ロープがある。気を付けて登る。岩場を登り切った所の左手に展望の良い平な場所が現れる。「奇人の窟」と呼ばれる岩屋である。入口は狭いが中は結構広い。中を見学する。石灰岩質なので、ミニ鍾乳石がある。この切り立った場所は、全コースの中で最も眺望の良い場所である。竜ヶ岳から静ヶ岳、更に北の鈴鹿の稜線が楽しめる。大きな岩に乗り、やや曇り空の眺望を楽しむ。岩場に戻り、少し登ると岩屋と山頂方向を示す表示がある。岩場を登り切った後は緩やかな道で、びっしりとアセビがある。一旦下り、登り返したところが政所コースとの分岐点になる。 政所コースとの分岐点 左手の:山頂方向へ進む。平坦な道を進み、その後やや下りになって、小さな沢を渡渉する。あたりは雑木林で、紅葉の時期には良い場所になる。以前はナメコが見つかった場所であるが、今年はどことも不作のようだ。小さな沢を渡って、登りにかかる。ミズナラが多く、少しでもナメコがないかと探すが無駄だった。再び渡渉し、谷の右岸沿いを登る。登り切ったところが862mピークとの鞍部になり、右に向きを変え、広葉樹林に大きな杉が混じる緩やかな斜面を登る。大木が多い。登りきると日本コバの山頂である。眺望は乏しく、北〜北東に少し展望がある。高室山、御池〜鈴ヶ岳であろうか。一人いた登山客は間もなく下山した。ここもアセビが多く、花弁がたくさんついている。写真を撮って、昼食にする。山頂の登りころからガスが出て、いやな雰囲気で雨になるかと心配したが、昼食の時間中に回復、青空が広がった。11:10過ぎの山頂で、少し早めの昼食になったが時間も充分で少し長めの休憩になった。カップ麺、コーヒで温まった。 山頂 今回は、予定通り、周回コースを取った。山頂へのすれ違いで3人連れの登山客がいたが、周回コースだったとのことで意を強くしていた。山頂からは、周回コースとの表示板があり、新しいピンクのテープに誘導される格好で進んだ。結果的には、周回コースはピンクのテープで分かりやすく整備されていた。尾根道を北西へ進む。日本コバにあと1q表示が出てくる。15分ほどになるが尾根が二股に分かれ、テープのある左の尾根を進む。少々のアップダウンを繰り返す。テープを確認しながらの尾根歩きが続く。登り詰めたところが、杉林の尾根になり、松尾谷分岐(永源寺方向)・「日本コバあと2.5Km」地点の表示に出会う。何の心配もなく進むことができつ。踏み跡も随分はっきりとしていた。ここを、右手に曲がり、ピンクのテープて導かれて進む。広葉樹林の尾根である。テープを確認しながら道なりに緩やかに下り登りを繰り返すと、13分ほどでピークに達する。「日本コバあと3.0Km」の案内板と少し先に「25」と表示のあるコンクリート杭がある。900mピークで、ここが分岐になる。右の南東方向の尾根を下るが、曲がった松とさらにテープが目印になる。左側が杉林、右が広葉樹林でその境界をずっと進むことになる。山頂を右手にグルッとまわる格好である。 周回コースの風景 途中、衣掛山の表示が複数回出てきた。政所コースにある衣掛山と思っていたが、周回コースにも衣掛山があって、こちらは880mと表示され、後から出てくる衣掛山より10m高かった。 周回コースの衣掛山880m 写真に撮り、さらに少々登り、更に下り登りでまたピーク(880mピーク)に達する。前回のように、ブルーシートが落ちていた。ここからは杉林の中を下ると政所への下り道に合流する。日本コバの案内板が見え、そちら方向に行けばすぐに岩屋・政所コース分岐点て、朝、登ってきたところだ。 周回コース終点、政所コースの合流点 政所へ向かう。10分も歩かないうちに、「衣掛山」870mに着く。多少のピークではあるが、尾根道の通過点といったところだ。すぐに分岐地点で、左は大山谷林道(箕川)である。直進する。コアジサイ、ヒノキ林、広葉樹林、特にモミの大木の多いことに目を奪われる。;山道は枯葉が敷き詰められ歩きやすい。かなりの急坂であるが、快調に進む。やがて雑木林から杉林に変わり、急な坂をジグザグに下ると政所町川西の集落に出る。案内板があって、県の天然記念物に指定されている「茶樹」園がある。樹齢300年を超えるとか。集落は、古い家や茅葺の家まであって、古さを感じる。集落を抜け、車道に出て藤川谷の駐車場所まで舗装道を歩く。愛知川沿いの紅葉はたいへんきれいだが、今は落葉している。駐車場所に戻り、帰りにも道の駅に立ち寄って、鈴鹿十座の資料を仕入れた。帰りの道も順調だった。 解説 1)鈴鹿セブンマウンテン:鈴鹿山脈の藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、鎌ヶ岳、入道ヶ岳の7山。 2)鈴鹿十座:東近江市が選んだ鈴鹿山脈の10山:御池岳、藤原岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳、イブネ、銚子ヶ口、日本コバ、天狗堂。 東近江市の解説によれば、東近江市制10周年にあたり、鈴鹿山脈の素晴らしさと存在意義を広く周知し、山系から供給される豊かな森林資源や水資源を、次世代に継承するため、平成27年9月に、東近江市に鈴鹿の山峰から10座を認定した。選定は、知名度のある山峰だけではなく、琵琶湖へ流入する代表的な河川の愛知川の集水域の要を成し、古くから人々に親しまれてきた山峰を評価することにより、「東近江らしさ」が強調するものとして、山岳遭難対策協議会知識経験者、警察、消防、観光、地元代表などから組織した16人からなる「鈴鹿10座プロジェクト委員会」で選ばれたものである。(東近江市の説明より引用) 行程マップ (国土地理院の地図より引用) 2019年山の記録に戻る 作成日: 2019年12月22日 |