16)箕作山374m〜太郎坊山350m :2020年2月5日 2021年山の記録に戻る2021年チョウのページ
 箕作山(みつくりやま)は東近江市と安土町にまたがる瓦屋寺山系の山である。国道8号線を隔て、北西に観音寺山がある。観音寺山に観音寺城跡、箕作山にはその支城である箕作城跡がある。六角・織田の戦乱の時代の注目すべき場所だった。箕作山の頂上は2カ所有り、北側のピークに箕作城址があり、北側のピークは清水山(324.7m)、あるいはまた千草獄とも呼ばれている。一般に地図では箕作山の表示は南側になっているが、この山域全体をさして箕作山と呼ばれている。南側には箕作山(372m)をはじめ太郎坊山(赤神山)355m、小脇山(373.4m)、岩戸山(325m)、太郎坊宮、瓦屋寺、十三仏、延命公園などがあり登山道も整っている。
太郎坊山(赤神山)の中腹には厄除けで有名な太郎坊宮がある。太郎坊というのは神社を守護している天狗の名前である。標高350mの太郎坊山(赤神山)の中腹にあり、”太郎坊さん”の名で親しまれている。約1400年前に創始されたと言い伝えられ、勝運・厄除・開運・商売繁盛に御利益があり、天照皇大神の第一皇子神、正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)を祀っていると滋賀県観光情報に記載がある。太郎坊宮の本殿前下には夫婦岩といわれる大岩があり 左右にわかれたその両岩の狭い通路を通り、お詣りをする。
一応、低山ながらも、縦走コースのごとき様相である。途中の小脇山城址は、近江地方にある石垣を用いた城跡の一つで、この山城も高所にありながらも相当多くの石垣が使用されいる。地上に露出している部分はあまり多くはないが、山上郭群の随所に石垣跡や石列を見ること事が出来る。六角氏の家臣、三井氏の居城と伝わっているが詳細は不明である。
登山口にある、十三仏は、飛鳥時代、聖徳太子が金色の光を発する不思議な岩を見つけ、仏のお導きと思い仏像を彫ろうとしたが、道具を持っていなかったため、自分の爪で刻んだ、という言い伝えがある。現在、仏さまを刻んだ岩の前にはお堂が建ち、外から見ることはできない。毎年4月には千日会が盛大に行われる。

新西国八十八ヶ所巡りから始まる岩戸山、山城跡の小脇山、最高峰の箕作山、苔の庭と古刹の瓦屋禅寺、最後に太郎坊さんと、見所の多い歩きを楽しんだ。各山頂からの湖南平野や湖南の山々、鈴鹿の山などの眺望も素晴らしかった。最後の赤神山の岩場も迫力満点だった。4月の陽気を満喫した里山歩きだった。

十三仏参道口駐車場(9:40、9:50出発)−兜岩・十三仏(10:23〜10;28)−岩戸山(十三仏山(10:31)−小脇山(小脇山城跡)(10:47〜10:52)−箕作山(11:14〜11:20)−太郎坊山分岐(11:25)−瓦屋禅寺分岐(11:28)−瓦屋禅寺(11:40〜11:50)−分岐(12:56)−太郎坊山分岐(13:02)−太郎坊山(12:06)−突端部分(岩場)(12:13)−太郎坊山(12:18〜12:53、昼食) − 太郎坊宮(13:08〜13:13)−下の舗装道(13:30)−十三仏参道口駐車場(14:00)
   行動時間;4時間10分    歩行距離:6.3q     累積登高:474m  

登山口に向かう。十三仏登山口には東屋があり、トイレも利用できる。ここから登りが始まる。竹林の中からスタートを切る。新西国八十八ヶ所巡りのたくさんの石仏に見守られながら岩戸山を目指す。岩戸山山頂まで行くと八十八ヶ所めぐりが終了するといった具合だ。御利益のほどはどうだろう。石仏は見ごたえはある。

弘法大師とお地蔵

岩戸山直下にお堂があり、ここからは琵琶湖が一望できる。
兜岩・十三仏と神社がある

ここからすぐに、岩屋山山頂である。山頂からは比良山、比叡山、琵琶湖方面が眺望できる。岩の上から眺望を楽しんだ後、小脇山に向かう。
雪野山〜鏡山(奥)〜瓶割山

木々が多い中の道だが、落葉で両側の展望も少しは楽しめる。小脇山城の石垣跡、笹の道、つぼみの膨らんだアセビなどなかなかの稜線だ。小脇山はかなり広い場所で、眺望もある。谷を隔てて、太郎山の盤座(岩場)が望める。周辺案内図が山頂にある
太郎坊山の盤座

ここから、一旦は下りそのあと、小さなアップダウンを繰り返す。ほぼ同じような雰囲気の道だ。イワカガミの小群落もある。最後に登り切ったところが箕作山山頂である。最高であるが、ここには三角点がない。

箕作山からきぬがさ山

一旦に下り、太郎坊へ右手に折れる。すぐに瓦屋禅寺禅寺の分岐になる。モミジと庭園のコケが有名で、こちらに進む。表示は400m、下った先は開け、金色の観音様が現れる。その前の展望台からは八日市市の奥に、綿向山、鈴鹿山系の山が一望できる。このあと本殿に向かう。あいにく屋根の吹き替えか工事中で古刹の雰囲気は台無しだった。周辺を探索し、元の分岐に戻った。
庭のコケ
太郎坊山(赤神山)方面に向かう。行きついた先が崖の上で見晴らしは抜群である。盤座を背景に写真を撮る。太郎坊山も、八日市の町と鈴鹿(綿向山ほか)の好展望所で、見晴らしは最高だ。少し出っ張った絶壁の先まで往復する。絶壁の岩の上で母親に連れられた子供二人が足をぶらぶらしながら座っているのには驚いた。早々に引き上げ、磐座のところで昼食にする。いつも通りのおにぎり、スープ、いちごジャムパン、最後にコーヒーとなる。
4月下旬の陽気でゆったり気分は最高潮だった。
絶壁から綿向山、雨乞山

絶壁から太郎坊山を振りかえる

後は、太郎坊宮に立ち寄った。日曜日とあって、参拝者は多くびっくりした。最後に鳥居の石段を下り、集落の中を駐車地まで戻った。
 駐車場まで戻る道すがら、モンキチョウをみた。この時期に見るのは初めてだった。4月の陽気が続いたせいだろうか。また溜池ではコスズガモらしき鳥を見かけた。

コスズガモ
      
コースマップ(YAMAPより引用)

(国土地理院の地図を引用)

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作成日: 2021年2月24日