15)東北の山(姫神山1124m、秋田駒ケ岳1637m、和賀岳1440m、焼石岳1548m、栗駒山1627m) 三百名山: 2007年7月28日〜8月1日 2007年山の記録に戻る 東北の3百名山、6山を訪れた。姫神山をスタートに、秋田駒ヶ岳〜乳頭山、和賀岳、焼石山、栗駒山である。連日の山行であり、少々疲れたが、いずれも有名な花の山であり、たっぷりと楽しんだ。秋田駒ヶ岳〜乳頭山は特に素晴らしかった。姫神山ではウラキンシジミに出会った。
A秋田駒ヶ岳1637m〜乳頭山1478m 3百名山 :2007年7月29日 花の山 秋田駒ヶ岳は、秋田県仙北市と岩手県岩手郡雫石町に跨る活火山である。十和田八幡平国立公園の南端。標高1,637m。全国に数多い駒ヶ岳のなかで最も高山植物の豊富な山として知られる。気象庁が「噴火警戒レベル」を導入している全国25火山の一つである。 駒ヶ岳は、十和田八幡平国立公園の南端にある秋田県第一の高峰である(最高地点は鳥海山山腹)。本峰の男岳(1,623m)や火口丘の女岳(1,512m)、寄生火山の男女岳(1,637m)からなり、各地の駒ヶ岳と区別するために秋田駒ヶ岳と呼ばれている。近隣では愛称をこめた短縮形で「秋田駒(あきたこま)」とも呼ばれる。昔は女人禁制の信仰の山であった。火口丘の女岳は1970年(昭和45年)9月噴火し、山頂西部に溶岩流を堆積させた。乳頭山(岩手県側では烏帽子岳と呼称)からは山頂が広い湿原となっている小白森と大白森を経て八幡平へつながっている。尾根が登山道となっており、間には避難小屋も整備されているので縦走に便利である。秋田駒ヶ岳から乳頭山への縦走路から外れたところには千沼ヶ原と呼ばれる大きな湿原があり、秋田駒ヶ岳山頂と比べて訪れるものも少なく、静かなたたずまいを見せる。 標高が低いため正確な意味では高山帯を持たないが、頂上効果によって広大な偽高山帯が発達している。現在も活発な活火山であり、頂上部の地形が絶えず変形し攪乱を受けることも、偽高山帯が維持される要因となっている。山頂一帯に咲くヒナザクラやタカネスミレ、コマクサ、エゾツツジなどの数百種類の高山植物群は、1926年(大正15年)2月、秋田駒ヶ岳高山植物帯として国の天然記念物に指定された 水沼温泉口(5:50)−バス−八合目登山口(6:35)−阿弥陀池(7:23)−男岳(7:36〜7:41)−阿弥陀池小屋(7:57)−秋田駒ヶ岳(男女岳)(8:07〜8:15)−阿弥陀池小屋(8:24)−横岳(8:55〜9:00)−焼森−湯森山(10:00)−笊森山(11:03〜11:17、昼食)−千沼が原(11:34、周辺散策25分所要)−乳頭山(12:32〜12:45)−男湯温泉(13:50)−温泉口(14:10)〜バス〜 歩行時間 6時間50分 歩行距離:17.5km
前日の水沢温泉のホタルの名所で見た、ヒメボタル、ヘイケボタル、ゲンジボタルは圧巻だった。
秋田駒ヶ岳は6〜10月の土日祝は、8合目駐車場までの道路にマイカー規制がされており、田沢湖高原のアルパこまくさから羽後交通のシャトルバスを利用する。まずは、阿弥陀池に向かい登りはじめる。登山道には、ヤマハハコや が目に留まる。視界が開け始めると、右手に田沢湖が見える。平坦な道になると片倉岳展望台に着く。荷葉山の奥に森吉山が展望できる広場だ。緩やかな勾配のお花畑を進み、外輪山の横岳と男女岳の間に開けた火口原の阿弥陀池西畔分岐に出る男岳を往復する。山頂から阿弥陀池の様子は、緑が鮮やかで素晴らしい。チングルマの大群落も目に入る。池を右に周り、阿弥陀池小屋に出る。あたりは、ヒナザクラの白い花でいっぱいだ。こやてま麻生赤でせうはん二しなんじょheitannna 阿弥陀池に着くと、まずは、男岳を往復する。素晴らしい眺望に恵まれる。阿弥陀池の奥に乳頭山が望まれる。遠くは残念ながら雲に覆われているが、緑が素晴らしい。池の淵を進み、阿弥陀池避難小屋に着く。左に男岳、右に男女岳が位置する。ここから、同じように男女岳を往復する。記念撮影を済ませ、しばし景色に見とれる。阿弥陀池小屋に戻り、ヒナザクラの咲く群生地を見学する。次は、乳頭山方面へと歩くことにする。たまずは横岳の尾根に登る。阿弥陀池と男女岳がきれいだ。女岳や小岳も見えていて、面白い地形でしばし見とれる。下って登ったら焼森。ここは火山礫でできているピークで、展望はすこぶる良好。コマクサも多い。目指す湯森山と笊森山が見えているが、距離はありそうだ。焼森からは歩きにくい道となる。遠くから見ていた尾根は、歩いてみると両側が笹に覆われた道が続く。笊森山と乳頭山の間は展望もあり、変化がある。。途中見えた千沼ヶ原は、池塘が点在する。予定通り立ち寄る。ワタスゲ、トキソウ、ヒナザクラ、目を楽しませてくれる。千沼が原は、背の低い大シラビソに囲まれた湿原で小さな沼が点在し、美しい。木道を湿原の際まで行き戻ってから、木道に座り辺りを眺めながら休憩する。クジャクチョウがとまってくれた。 休憩後、分岐に戻り、乳頭山を目指しての登りになる。道は、ハクサンシャジンが多く、、なだらかな斜面が乳頭山まで続く。最後の登りで乳頭山の山頂に到着する。頂上には誰もいない。後は男湯温泉に下るのみ。しばらくして、やや急な林間の下りが続く。温泉に到着、登山口に出て、バス利用で水沼温泉のアルパこまくさに戻った。この後、次の和賀岳に向かった。
花々
行程マップ(秋田駒ヶ岳〜乳頭山) B和賀岳1440m 3百名山 :2007年7月30日 曇りのち晴れ 和賀岳は和賀山塊の主峰で、標高は1440m。登山ルートは、秋田県側大仙市を発ち、真木渓谷から薬師岳・小杉山を経由するか、岩手県沢内村から和賀川源流を横断するかの2つが知られているが、いずれも長時間を要するロングトレイルとなる。薬師岳から主稜線を北上するルートは、夏季には高山植物が見事な花畑をなす。薬師岳から和賀岳にかけての主稜線上は風衝草原といわれ、風当たりを遮るものがないため風当たりが強く、冬季には季節風や積雪の影響をじかに受けることになる。そうした地形のために樹木の成長が阻まれ、高山帯性の植物相が見られるようになった。最盛期の7月にはニッコウキスゲ、トウゲブキ、イブキトラノオ、ハクサンフウロ、タテヤマウツボグサ、ミネウスユキソウなどの高山植物に彩られる。和賀岳は旧い民俗名によれば、阿弥陀岳とも呼ばれており、山岳信仰の山であったと推定されている。今日ではその痕跡は、わずかに山頂の小祠の存在に見出されるのみである。 奥羽山荘5:30−薬師岳トイレ・休憩所(6:05、6:10出発)−甘露水(370m)登山口(6:18)−ブナ台(620m)−滝倉水場(800m)6:48−倉方(990m)7:27−薬師岳分岐(1170m)−薬師岳(1218m)(8:06〜8:11)−稜線お花畑−薬師平(1180)8:25−小杉山(1229m)8:45−小鷲倉(1354m)−和賀岳(1440m)(9:53〜10:20)−小杉山(11:05)−薬師平(11:30)−薬師岳(11:45〜11:55)−滝倉(13:03)−甘露水登山口(13:28)−薬師岳トイレ・休憩所(13:35) 所要時間 6時間36分、 歩行距離: 17.6q 宿泊は、太田町の奥羽山荘で、夏は登山、グラウンド・ゴルフ、冬は車で5分のスキー場があり、アウトドアの拠点として最適とある。早朝ゆえ、当然、朝食は宿ではとれない。車で30分強、立派な小屋のある薬師岳トイレ・休憩所の駐車場に着く。 登山口の甘露水までは8分程度。ブナ台から倉方までは美しいブナ林が続く。滝倉の水は、冷たく水量も豊富で名水の誉れが高い。水場から急な登りとなるが、すぐに避難小屋跡に着く。水場が近くにあり、キャンプには良い場所である。つづら折りの道を登ると倉方の尾根に出る。。倉方から尾根道を真っ直ぐに登ると、痩せた急な岩場になる。展望が開ける場所であるが、あいにくの曇りで遠くまでは見通せない。薬師岳分岐を目指し、さらに進む。ニッコウキスゲの咲くお花畑を登り、薬師岳に着く。和賀川の源流が望めるところである。小さな神社には、薬師如来が祀られている。薬師岳は、全国にある同名の山同様、薬師信仰に由来している。薬師岳からは、左手に小鷲倉、右手に和賀岳を望むことができる。薬師平には、下って行くことになるが、ニッコウキスゲがたくさんある。進むにつれ、目の前にお花畑が広がる。花の種類も多く、なかなかのお花畑である。白から淡紅色のイブキトラノオ、奥にはニッコウキスゲの大群落。やがて薬師平と小さな沼に出る。ひとしきり眺めた後、。小杉山に向かう。小杉山では、白岩岳コースが合流する。小杉山から和賀岳までは、まだ1時間以上かかる。 草原風の道を行く。両側には、ハクサンフウロ、イブキトラノオ、ニッコウキスゲ(特に多い)、目を楽しませながらの登りである。和賀岳の頂上は、広く、緩やかなドーム状で、お花畑に覆われている。トウゲブキが一面咲き乱れている。青空であればとつくづく思う。 和賀山塊の主峰である和賀岳は、四季折々に山の恵みをもたらしてくれる神の山とある。信仰の山らしく、草原の中央に石の祠がある。しばらく休憩し、元来た道を引き返す。天気はだんだんと快方に向かい、気持ちも晴れやかになる。予定よりも早く、13:35には駐車場に着いた。この後は、焼石岳に向かう。焼石林道で、チョウ撮影をした。
和賀岳コース:薬師岳・ブナ林コース(赤字)から和賀岳尾根コース(ミドリ) C焼石岳1548m 3百名山 :2007年7月31日 曇り一時小雨 焼石岳は、岩手県南西部、奥州市と和賀郡西和賀町の境にある火山である。標高1548メートルで、奥羽山脈中部に属し、牛形山、駒ヶ岳などからなる焼石連峰の主峰で、栗駒国定公園の一部になる。日本二百名山の一つである。山体が輝石安山岩などから構成され、山頂周辺に焼けたような石が見られることが名称の由来とされている。ブナの原生林に覆われ、山腹には小沼が多く分布しミズバショウや高山植物も豊富である。東麓の尿前川の渓谷は無数の滝をつくり、とくに紅葉期は美しい。月山、八甲田山とともに残雪の多い山で、登山路は北東麓の夏油温泉からのコースが変化に富んでいる。頂上からの展望は雄大で八幡平、岩手山、早池峰山、鳥海山、月山および飯豊山など東北の主な山々が遠望できる。標高と比較して高山植物が豊富である。中腹にある中沼と上沼は雪解けから盛夏まで高密度に湿性植物が咲く。山頂直下の姥石平は6月上旬から晩夏まで広大なお花畑を展開する。焼石沼周辺のミヤマキンポウゲのお花畑や、焼石沼上部のお花畑も優れている。東北地方トップクラスの花の山である。山頂には一等三角点が設置されている。(ウイキペデイアから)。登山道は、奥州市水沢区方面から石淵ダムへ入り、中沼登山口から、中沼、上沼を経て山頂に至るコース、夏油温泉から経塚山1,373m、金明水を経由するルート、西和賀町湯田からのルート、大森山トンネルからのルートがある。秋田県東成瀬村の三合目登山口からのルートは、最短ルートとなっている。この遠征は、秋田にこだわり、東成瀬村からの最短コースとなった。 3合目登山口(7:00、7:07出発)−大森沢4合目(7:17)−釈迦懺悔・5合目(7:37)−与治兵衛・6合目()7:55−柳瀞・7合目−焼石沼・8合目(9:12〜9:17)−焼石神社・9合目(9:50)−焼石岳(10:23〜10:38、昼食)−姥石平分岐(10:50〜10:55)−東焼石岳(11:10〜11:15)−焼石神社・9合目(12:09)−焼石沼(8合目12:38)−柳瀞・7合目(12:59)−与治兵衛(13:17)−登山口(14:12) 歩行時間:6時間40分 歩行距離: 約14.5km 標高差 :855m このコース、8合目から9合目の花々、焼石神社横の湿原のヒナザクラやミズバショウが特に素晴らしかった。秋田県境の大森山トンネルを抜けて下っていくと国道の右手に焼石岳東成瀬登山口入り口の大きな案内標識がある。国道397号から登山口に続く林道を3qほど走り登山口に着く。3合目登山口から杉混じりの雑木林を登って行くと、間もなく県境の大森山トンネル登山口から登ってくるコースとの分岐である。道は南斜面をトラバースし、ブナが混じるようになる。小さな枯れ沢は、4合目大森沢である。この辺りからはブナ林の気持ちのよい道が続く。曇り空で残念だ。釈迦ざんげには30分ほどで着く。 胆沢川の右岸に着く。ここからは胆沢川支流の徒渉点まで右岸沿いの道を登って行く、川原にはリュウキンカが咲いている。徒渉点に着き、支流を渡る。与治兵衛・6合目である。支流の水量は少なく飛び石に足を掛けて渡れる。ここからは胆沢川の左岸沿いに登って行く。川べりには所々残雪が残っている。道は次第に胆沢川から離れ、尾根へと続く。左手には、三界山が見える。 なだらかな尾根の道を進み、7合目柳瀞に着いた。小さな湿原がありミズバショウが咲いている。左手に三界山、正面方向に南本内岳がうっすらと見える。登山道は林が続く尾根の道になっていく。ブナの森を進む。林間を抜ける。 大きく三界山が見えるようになる。このあたり、焼石岳も見えるはずだがガスの中で残念だ。道脇にはリュウキンカなど花が多くなってくる。胆沢川の流れが次第に近づき、あたりは湿地帯に変化する。焼石沼分岐に出る。分岐から8合目の焼石沼まですぐである。リュウキンカ、ミズバショウが咲き、尾根に着くとミヤマキンバイの群落が広がっている。道は次第に急斜面になるが、足元も花で快適な気分だ。9合目の焼石神社に到着する。ヒナザクラ、ミズバショウの群落が広がっている。広い湿地帯で、手前がヒナザクラ、後ろにミズバショウが続く。分岐があり、右が焼石岳、左は姥石平から東焼石岳へ向かう道である。まずは、焼石岳山頂に向かう。しばらくは大岩がゴロゴロした道である。岩場を過ぎ、急斜面を登りきって山頂に到着する。 9合目から30分で山頂だ。写真の通り、遠くは見えない。今まで、だれひとり出会わない。早い昼食にする。宿で作ってもらったお昼である。復路は、姥石平から東焼石岳へ向かう。姥石平は、花でいっぱいの湿原である。ハクサンイチゲの大きな群落がある。更に東焼石岳に向かう。曇り空、回復の気配はないが、結構明るくなってきた。予報よりも、回復が遅れている。水滴のついた花もなかなか良いものだ。視界は相変わらず良くならない。東焼石岳で一休みし、ぐるりとまわるようにして、焼石神社の戻る。ここからは、同じ道を戻る。天気もいく分か回復し、写真撮影に忙しい。帰りに。自然観察員の方に出会い、少し話し込んだ。14:12に駐車場に戻る。この後、周辺を探索した。チョウにも出会えたが 今日も同じ民宿に泊まる。お土産や生活品を売っており、稲庭うどんも全国に発送している。老夫婦2人住まい、息子さん家族が近くで済んでいるそうだが、和気あいあいとした雰囲気で、泊まっていてもその雰囲気を感じることができた。次の日は、栗駒山まで行くことになる。
チョウ
D栗駒山 1627m 3百名山 :2007年8月18日 快晴 栗駒山は、宮城県、秋田県、岩手県の三県にまたがる山である。山頂部は宮城県と岩手県の境界になっており、二百名山の一つで、花百名山でもある。安山岩でできた成層火山で活火山に指定されている。標高は1,627mで、最近では1944年11月20日に、小規模な水蒸気噴火を起こし昭和湖を形成した。初夏の山頂西側に馬の雪形が現れることから山名がついた。また、別名を須川岳・酢川岳・大日岳・駒ヶ岳などとも呼ばれる。 栗駒山は奥羽山脈に属し、焼石岳や神室山とともに栗駒国定公園、「栗駒山・栃ヶ森周辺森林生態系保護地域」として指定されている。山頂へは1時間半程度で登れるコースから、原生林を5時間以上もかけて登頂するコースまで、変化に富んだ登山コースが10本以上ある。2008年の岩手・宮城内陸地震により、大規模な地滑りが起きた。宮城県側の周辺には須川、駒ノ湯、温湯、湯ノ倉、湯浜等の温泉が点在するが、地震による影響で休業や廃業に追い込まれる被害を受けた。また、登山道も地震の影響を受けており、裏掛(新湯)コースなど崩落のため通行禁止となっている箇所もある。 今回は、最も親しまれている須川温泉から登った。山は人で一杯でにぎわっていた。天気も、昨日とはうって変わり快晴に恵まれた。鳥海山、昨日の焼石山系が秀麗な山容を見せた。コバルトブルーの昭和湖も印象的だった。 須川温泉(8:55出発)−賽の河原分岐(9:15)−名残ヶ原(9:20)−昭和湖(9:38〜9:43)−尾根分岐(10:15)−栗駒山山頂(10:38〜11:02、昼食)−昭和湖(11:42)−分岐(11:58)−賽の河原−須川温泉駐車場(12:27) 歩行時間 3時間3分 同じ東成瀬村にあり、宿からは30分程度である。
コース概略図(須川コース、名残ヶ原経由) 東成瀬村のガイドより 2007年山の記録に戻る 作成日: 2014年11月7日 |