18)穂高連峰縦走 3190m : 2007年10月6日〜10月7日 2007年山の記録に戻る
穂高連峰は、日本列島の中央部に連なる飛騨山脈で、北アルプスと呼ばれる山岳エリアの南部にある。主峰の奥穂高岳(標高3,190m)をはじめとして、涸沢岳(3,110m)、北穂高岳(3,106m)、前穂高岳(3,090m)、西穂高岳(2,909m)などからなっている。稜線は、長野県側である前穂高岳以外は、主に岐阜県と長野県の県境となっている。連峰の長野県側は上高地を経て松本へ、岐阜県側は白出沢、また西穂高からロープウェイを経て新穂高温泉へと至る。連峰は難易度の高い縦走路や登攀ルートを数多く抱え、迫力ある急峻な岩稜、稜線からの大パノラマ、また涸沢カールからのヨーロッパを思わせる壮大な眺めなどが、多くの登山者を魅了してきた。さらに、上高地から仰ぎ見る穂高連峰の日本屈指の景観も、全国から訪れる観光客に広く愛されています。また、穂高岳は、剣岳、谷川岳と共に日本三大岩場のひとつに数えられている。また、深田久弥の日本百名山のひとつとして最も人気のある山の一つである。
穂高連峰の魅力は、何と言っても圧倒的なスケールで立ちはだかる岩壁で、大キレットやジャンダルムなど、体力や技術を必要とするルートがほとんどなのにもかかわらず、非常に多くの登山者がその岩稜に魅力を感じて訪れている。
困難な道のりを経て目的の頂に立った時の達成感は何物にも代えがたい経験になる。そしてもうひとつの魅力は、その険しい岩の嶺々を舞台に自然が繰り広げる、四季の美しさである。
遅い雪解け、残雪の白と芽吹きの緑が美しい春、 雲湧き、高山植物が咲き乱れる夏、 澄んだ空、燃える紅葉、雲海の秋、そして厳しくも美しい雪と氷の世界、冬、
穂高連峰の魅力は一年を通じて尽きることはない。
今回は、日本で一番だとされている紅葉を求め、通常、縦走される涸沢スタートでなく、逆の前穂岳からの縦走にした。岳沢前穂へのきつい登りは、評判通りであった。両日とも晴天に恵まれ、素晴らしい山行になった。
@10月6日
自宅3:15−沢渡(7:20、バス7:30)−上高地(8:00、8:05出発)−岳沢ヒュッテ(9:38〜9:44)−紀美子平(11:24)−前穂岳(11:50〜12:05)−紀美子平(12:21〜12:41、昼食)−奥穂岳(13:50〜14:18)−穂高岳山荘(14:40) 歩行時間 5時間30分
何年か前は、北穂からアプローチし、天候のこともあって、縦走までには至らなかった。今回は、学生時代から40年ぶり、険しいとされる逆コースから臨んだ。登山者は、さすがに少なく、すれ違う人ばかりである。紅葉の時期、素晴らしい景観をたっぷり味わった2日間であった。
3時過ぎに自宅を出発、上高地へのバス停、沢渡には4時間余りで着いた。バスに乗り換え、上高地についたのは、8時ころであった。岳沢への登山口は、河童橋を渡り、表示に従い、梓川沿いを進む。上高地自然研究路を明神へ向かえば、道標が立っている。登り初めはしばらくは樹林帯の中で、
行く。明神岳横ののつづら折りの道を登ると、岩の間から冷気が吹き出すところに出る。中明神沢のガレ場を横切って登ると、岳沢のガレ場の横に出る。所々で紅葉が見られる。ガレ場沿いに登り、傾斜がきつくなって、ガレ場を横切ると、岳沢ヒュッテに出る。静かで眼下に上高地平が見え、西穂、奥穂、前穂に囲まれたところだ。ここからジグザグの重太郎新道になる。急な登りが続き、気が抜けない。途中、韓国からのツアー客に出会う。次第に視界も広がり、コブ尾根、奥穂南稜の岩壁が眺められる。梯子を登り、まばらになってきた樹林の中の急登を登り、ハイマツ帯が現れる。前穂高のピークが見え始め、展望は一気に開ける。眼下には上高地の緑の中に、ホテルの赤い屋根や大正池の青い色が見える。一枚岩に付けられた長い鎖を登れば紀美子平に出る。前穂高の頂上を目指す。糸己美子平に荷物をデポして頂上をピストンする。山頂からの眺めも素晴らしい。細長いピークには、北アルプスでも珍しい1等三角点が設置されている。奥穂周辺の支稜の荒々しさには圧倒される。紀美子平に戻り、昼食を取り、吊尾根に向かう。緩やかな登りのトラバースが続き、稜線に出れば吊尾根の鞍部に着く。緩やかに登りながら長い鎖場を過ぎれば、まもな奥穂の南峰に着く。奥穂高岳の頂上は目の前だ。上高地からの高度差1600mの登りもあとわずかである。奥穂岳の頂上には大きなケルンの上に祠があり、展望指示盤も置かれている。長い時間、山頂からの大パノラマを楽しんだ。山頂から小屋までは、22分、足元に気をつけながら下り、最後に梯子を降りたら小屋になる。その日の夕焼けは素晴らしく、感動した。
|
|
|
梓川から焼岳 |
岳沢へ向かう |
焼岳の奥に乗鞍岳 |
|
|
|
奥穂〜涸沢岳〜北穂、奥に槍ヶ岳(前穂山頂) |
前穂山頂、奥は大天井〜常念〜蝶ヶ岳 |
前穂高岳山頂 |
|
|
|
槍ヶ岳に続く東鎌尾根 |
針ノ木、鹿島槍、立山の山々(前穂山頂) |
北穂岳の奥に槍ヶ岳、右は餓鬼岳に続く表銀座(奥穂山頂) |
|
|
|
槍ヶ岳 (奥穂山頂) |
奥穂山頂より |
針ノ木、鹿島槍、立山の山々(奥穂山頂) |
|
モグラ |
A10月7日
穂高岳山荘(5:38)−涸沢岳(5:55〜6:05)−北穂高岳(7:15〜7:40)−涸沢小屋(9:05〜9:25)−横尾(11:30〜11:45、昼食)−徳沢(12:23)−明神(12:56)−上高地(13:28) 歩行時間 4時間10分
素晴らしい朝焼けを堪能し、出発する。ひと登りで涸沢岳に着く。何も妨げることのない大パノラマだ。朝焼けに輝く、山々はみごとだ。特に北の北穂高岳越しの槍ヶ岳は存在感十分だ。ひたすら、あ撮影に没頭する。涸沢岳から、北穂高に向かう。足元には十分な注意が必要だ、クサリ場有り、梯子有り、時には絶壁の岩壁を横ばいで進む。尾根の右には、涸沢の色とりどりのテントが目に入る。あたりのナナカマドの紅葉も目に入る。1時間10分で、北穂高岳に着く。小説の舞台となった山だ。ここからの眺めは更に素晴らしい。槍ヶ岳に続く切り立った稜線、さらに奥の山々、笠ヶ岳から双六岳に続く稜線、東には、大天井から常念の稜線、大パノラマだ。眼下には、紅葉と色とりどりのテント等々・・・・。十分に楽しんだ後は、南稜を下りる。岩とハイマツの中をゆっくり歩く。途中からは、紅葉が楽しめる。涸沢小屋で休憩し、目の前に広がる紅葉を目に焼き付ける。写真も大忙しだ。後ろ髪を引かれる思いで横尾に向かう。登山道の左右は、ナナカマドが赤く染まり、何度も振り返る。樹林帯に入り、涸沢から2時間で横尾に着く。ここで昼食にし、梓川沿いを、40分弱で徳沢、更に33分で上高地についた。紅葉の素晴らしさと、朝焼け、夕焼けを満喫した2日間の山旅だった。
|
前穂岳〜奥穂岳〜涸沢岳の縦走コース |
|
笠ヶ岳〜弓折岳〜双六岳〜西鎌尾根〜槍ヶ岳 |
|
|
|
夜明け |
笠ヶ岳〜弓折岳 |
奥穂岳〜前穂岳 |
|
|
|
前穂岳、後方は、 富士山と南アルプス |
朝焼けの 奥穂の向こうに槍ヶ岳 |
富士山と南アルプス稜線 |
|
|
|
前穂吊尾根と富士山と南アルプス |
北穂岳から槍ヶ岳 |
|
|
|
|
|
|
|
涸沢の紅葉と風景 |
2007年山の記録に戻る
作成日: 2014年10月27日 |