9)九州(市房山、阿蘇) : 2014年7月12日〜7月15日 2014年チョウのページに戻る、 日本でもっとも絶滅の危機にあり、九州熊本の2箇所のみといわれる生息地の一つ、市房山の山麓を訪れた。保護活動の主役である、九州大学の先生方、地元の推進役、ホテル経営の方の出会いと協力で念願のゴイシツバメシジミを観察することができた。ホテルの温泉にもタップリつかり、その後の阿蘇でのオオウラギンヒョウモンンも無事観察できた。梅雨の真っ最中、本当に幸運だった。 7月12日 横浜からのIさんと鹿児島空港で落ち合う。レンタカーの手続きを済ませ、市房観光ホテルに向かう。主人のNさんに案内をお願いした。予定通り、12:30分に着く。さっそく案内を頼み、近くの市房キャンプ場周辺に向かう。この時期は、下に下りてくる機会が多く、シシンランが咲き始める中旬以降は、木の先端で飛んでいてなかなか降りてこないとのこと。シシンランは寄生植物であるため、このようなことになる。時期的には、7月10日前後が良いそうだが、梅雨時のこと、なかなか難しい。今日も、曇り空、果たしてゴイシツバメシジミが観察できるか心配である。事務所付近や、施設近くの状況はここ数日確認できていないと。次にチョウの吸水する場所に移動する。このチョウは1973年に初めて確認された。それにかかわった九州大学の先生が先に来ておられ、つい今しがた吸水に訪れたゴイシツバメシジミを確認したとのこと。何とも運よく、絶好なチャンスに出会えた。曇り空では、吸水に夢中になり、1時間以上も離れないとか。実際この時も、1時間半にわたって観察できた。先生の手に乗ったり、工事用のダンプが来るたびに、捕獲、放蝶してもまた止まり動かないなどであった。私も許しを得て、そっと触った。何とも言えない貴重な体験だった。数々のショット、見るたびに思い出す。どうか無事に天然記念物であるこのチョウが生息を続けることを祈るばかりだ。 ゴイシツバメシジミ
7月13日 この日は、天気が悪く、時々小雨になる。10時から、昨日の先生の観察会に参加する。予定にはなかったが、天気も期待できず、変更する。シシンランの生育、確保がチョウの生息には欠かせない。地道な活動を長年にわたって続けてこられた関係者の活動状況を聞きいる。このような活動があってこそ、無事に生息できているのだ。最後に昼食を取って、2時間半の観察会が終了する。あいにくこの日はお目当てのチョウは出てくれなかった。午後からは、雨脚も強くなり、道の駅で買い物をする。有名なつり橋をあるが。断念する。ゆったりとお湯につかる。説明いただいた先生にお風呂で出会い、いろいろとお聞きした。本当に良い機会だった。
7月14日 朝食を済ませ、すぐに南阿蘇に向かう。オオウラギンヒョウモンの観察がこの日の目標だ。梅雨前線は、福岡あたり、曇り空との予報である。目的地は、俵山周辺である。10:30頃には到着する。高度は結構あり、あたりはガスに覆われている。とてもチョウが期待できない。以前に行った、高浜町の野草園に行くことに決めた。途中、町役場に立ち寄り、情報を入手する。回復傾向とはいえ、山沿いではすぐに晴れ間とはいかない。ガスはしつこいものだ。野草園では、ビジターセンターで情報入手(1昨年、オオルリシジミでも利用)、普通種とはいえ、何種類か観察できた。1時間程度時間を潰し、元の戻る。視界は良好になり、青空も垣間見える。チョウもぼつぼつ出だす。オオチャバネセセリが多い。30分程度粘っているとメスのオオウラギンヒョウモンが現れ、花にとまる。オスも現れ、目的達成、ほっとする。今日の宿は、南阿蘇村 ひなたである。 オオウラギンヒョウモン
最終日には、途中にある鹿児島県姶良郡湧水町木場の栗野岳山麓や名水百選にも選ばれている湧水町の湧水公園に立ち寄った。公園は綺麗な水で満たされ、ここでは久しぶりにシルビアシジミに出会った。文様を確認するまでヤマトシジミと思っていた。栗野岳は火山であり、霧島連山の噴火に先駆けて形成された火山だそうだ。時期的に合わなかった、目標のチョウは期待はずれであった。
ゴイシツバメシジミとオオウラギンヒョウモンの2大目標を達成できた今回の遠征は成功裏に終わることができた。ピーチ航空の利用でフライト代は安くあがった。宿も快適ですこぶる機嫌の旅だった。空港で、Iさんと別れ互いの満足感を分かちあった。 2014年チョウのページに戻る 作成日: 2014年7月26日 |