112)苗場山 m: 2002年8月16日〜8月17日   日本三百名山に戻る
 苗場山(なえばさん)は新潟県南部、長野県北東部の県境に位置する標高2,145mの成層火山。山頂から南西方向に緩やかに傾斜し、山頂から北に向かう稜線の西側は侵食カルデラである。山頂南西側の平坦面には湿地が形成され、小さな池塘が点在する。山頂の池塘にはミヤマホタルイやヤチスゲが苗のように繁って苗代田のような外観を呈していることから、山名を「苗場山」としたとの説がある。ほか、古くは地震のことを「ナイ」と云い、古人は地震がこの山から起こると想像したための付名との説もある。古くから稲作の守り神としての信仰を集め、山頂には伊米神社が祀られている。日本百名山の一つで上信越高原国立公園に属する。東側の山麓はスキーリゾートエリアとしても知られる。苗場山麓のスキー場としてはかぐらスキー場 (田代・かぐら・みつまた)があり(苗場スキー場は写真のように苗場山の山麓には位置しない)、上越国境地域のスキー場では滑走可能になる時期が早いことで有名。西側の山麓、中津川に沿った峡谷には秘境・秋山郷がある。山頂付近の南西麓には湿地帯が広がっている。環境省の日本の重要湿地500では第1基準で高層湿原および雪田草原に指定されているが、選定理由として挙げられている植生は『ヌマガヤ群落、イワイチョウ-ショウジョウスゲ群落、ヤチスゲ群落、ミヤマホタルイ群落など』となっている。この山頂部湿地帯は高層湿原および雪田草原と類される一方で、植生は貧養ではあるものの、先出のとおりカヤツリグサ科の多年草が主体で、ほかナエバキスミレ、トキソウなど、日当たりの良い原野や湿地に生える草本が繁茂しており、また泥炭層も0.3-1.0m程度と云われているなど薄く、湿原部分は高層化の途上にある中層湿原、あるいは湿原ではない原野や単なる湿地が主体と云える。
 登山コースであるが、東麓側からは、@祓川コース:かぐらスキー場から神楽ヶ峰を越えて山頂に至る4時間のコース。A昌次新道コース:苗場スキー場付近から清津川をさかのぼり、秘湯・赤湯温泉を経て昌次新道を登り山頂に至る、のコースがある。西麓側からは、B小赤沢コース:秘境・秋山郷からのメインルート。約3時間、C小松原コース:距離は長いが、美しい池塘群が広がる小松原湿原を楽しめる、のコースがある。(ウイキペディアより)

 今回は、かぐらスキー場(和田小屋)から神楽ヶ峰を越えて山頂に至り、山頂にて1泊後、小赤沢へ下山するコースを取った。
8月16日
越後湯沢(5:40)−(タクシー)−和田小屋(8:00〜8:05)−下ノ芝(9:13〜9:23)−上ノ芝(10:18〜10:28)−神楽ヶ峰(11:07)−お花畑・雷清水(11:16〜11:26)−山頂(12:06)−苗場山頂ヒュッテ〜湿原・池塘めぐり〜苗場山頂ヒュッテ泊
8月17日
 苗場山頂ヒュッテ(6:15)−小赤沢コース−駐車場(9:05〜9:15)−林道歩き〜途中で車に拾ってもらいバス停まで送ってもらう。小赤沢バス停(10:47)〜津南乗り換え(11:50、11:53)〜越後湯沢(12:45)
               歩行時間:1日目3時間30分(休憩30分含まず)、2日目 3時間5分(休憩30分含まず)

第一日
 越後湯沢駅からタクシーを利用し、スキー場内にある和田小屋まで行く。この和田小屋は、祓川登山ルートの5合目に位置し、ベースキャンプ的な存在地して、苗場山登山は勿論、渓流釣り、星空観察、バードウオッチングなどとして利用されていある。通常では、1qほど手前の町営駐車場に車を止めての登山になる。小屋のそばの湿原を通り、正面リフトの右方から樹林帯に入る。ごろごろした大きな石が多く歩きにくい。6合目の表示を過ぎ、やがて湿原の下ノ芝に着く。ベンチがあって、見晴らしが良い。さらに進み、リフトの下り口に出る。スキー場の上部とあって、見晴らしは一段と良い。やや遅いお花畑の中の木道を進み、中ノ芝から上ノ芝に到着し、10分の休憩でのどを潤す。小松原湿原への分岐を分けるとすぐに8合目の神楽ケ峰に到着する。前方に苗場山がそびえ、展望はすこぶる良い。鞍部に向かって少し下った途中に、雷清水があり喉を潤す。時期なれば、高山植物が一杯のところだ。鞍部に下りきり、最後の急坂になる。雲尾坂をつづら折りに登りきると、眼前に湿原が広がる。山頂の範囲内だ。しらびそ林と草原の中にたくさんの池塘が点在する。木道が敷かれ、遠くの連なっている山々を見ながら進む。さながら天上の楽園といった風情だ。木道を緩やかに登っていく。小さな祠があり、一等三角点の山頂に到着する。少し進んだところに苗場山頂ヒュッテがある。受付を済ませ、一息ついた後、池塘と湿原散策に出かける。山頂部分は広大で、たくさんの池塘が点在し、どこまでも続いている。ワタスゲもまだ残っており彩りを添えている。はるかに続く、湿原の奥には山々が連なり、その雄大さにうっとりとする。したから雲が沸き上がり、その上に山が連なっている。素晴らしい景観だ。十分楽しんだ後、小屋に戻り、明日の朝日を期待する。

第二日
朝早く起床、ご来光を見るため外に出る。あたりは次第に明るくなりだす。東の方向の空が赤く輝きだす。何枚か写真におさめる。赤い空に、山々のシルエットが浮かび申し分ない。ご来光の後、食事前に再度辺りを散策した。湿原の先には、白砂山へ続く尾根、志賀高原の山々、谷川連峰が見渡せる。タップリとと堪能した後、小屋に戻り、朝食を取る。お盆休みにしては4割程度の宿泊者客だ。その分、ゆったりと寝られたのだが、意外だった。6時15分に山小屋を後にした。今日はさらに天気も良くなり、緑に映える湿原の木道をゆったりと進む。赤湯温泉への道を分け、あちらこちらで撮影をして進む。 赤倉山への道をわけ、平太郎尾根を分け、小赤沢コースをたどる。途中、坪場を過ぎると湿原がなくなりだし、眺望ともお別れだ。ササ原になり、急な下りになる。8合目からは数か所の短いクサリ場もある。足元に気をつけながら高度を下げる。急坂は6合目まで続く。4合目ではすぐのところに水場がある。崩壊地、巨木の杉が目立つ。小赤沢からの林道にあたれば3合目で、しばらくでまた樹林に入る。広葉樹の木々が目立ち、緑が豊かである。カイノリ沢を渡り、沢沿いを下ると諏訪神社のある1合目に到着する。苗場山登山口の表示が立つ。車道を歩き、途中、親切な方に声をかけられ、小赤沢のバス停まで送ってもらった。津南で乗り換え、越後湯沢駅に戻った。今回の遠征はこれが最終で、越後駒ヶ岳、巻機山、苗場山と長い歩きの遠征だった。
苗場山頂ヒュッテ 苗場山山頂 湿原をバックに
ご来光 湿原の池塘  なだらかな湿原地帯

行程MAP

(国土地理院の地図を引用)
 
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作成日: 2015年11月25日