217)天城山 1406m: 1999年11月13日   日本三百名山に戻る
 天城山(あまぎさん)は、静岡県の伊豆半島中央部の東西に広がる山。天城山は連山の総称で、天城連山や天城山脈と称されることもある。日本百
名山の一つ。伊豆半島最高峰の万三郎岳(ばんざぶろうだけ 1,406m)、万二郎岳(ばんじろうだけ 1,299m)、遠笠山(とおがさやま 1,197m)等の山々か
ら構成される。東西の山稜部は富士箱根伊豆国立公園に指定されている。天城山は第四紀の成層火山。80万?20万年前の噴火で形成され、火山活
動を終え浸食が進み現在の形になった。かつての山頂は浸食が深い南側にあったと考えられている。遠笠山も含めて天城山とすることが多いが、火山
学上では伊豆東部火山群に属し、天城山が活動を終えてからできた火山地形である。また、万三郎岳の西に位置する皮子平火口がおよそ3200年前に
噴火し、北麓にかけてなだらかな斜面が形成されているが、これも伊豆東部火山群の活動に分類される。夏期には太平洋からの湿った風が、天城山に
あたることで上昇気流となり、雨雲に発達するため雨が多く、年間降水量が4,000mmを超えることもある。また、冬期には積雪することも珍しくない。
 歴史であるが、近世には徳川幕府の天領として天城山を韮山代官が管理してきた。山中のヒノキ・スギ・アカマツ・サワラ・クス・ケヤキ・カシ・モミ・ツガ
の9種は制木とされ(天城の九制木)、公用以外は伐採が禁じられていた。静岡県の安倍川上流の有東木地区よりワサビ栽培が伝えられ、茶、シイタケ
と並ぶ豆駿遠三国の主要な特産物として、江戸でも流通し17世紀後半代には年貢としても納入されていた。明治期には畳石栽培が生まれ、現在では一
大産地となり天城のワサビは最高級ブランドとなっている。また、これも明治期に天城湯ヶ島地区にてシイタケの栽培法が確立し、一帯では現在でもシ
イタケの栽培が盛んである。1907年(明治40年)、天城山の西側には下田街道が通り、天城峠は伊豆半島の交通の難所であったため、天城トンネルが
掘られた。後に川端康成などの有名な小説に登場したためにトンネルは観光スポットとなっている。1970年(昭和45年)には自動車時代に適応した新天
城トンネルが完成した。1955年(昭和30年)3月15日、富士箱根国立公園に、天城山を含む伊豆半島地域が編入され、現在の富士箱根伊豆国立公園に
名称が変更された。1957年(昭和32年)12月10日、学習院大学の男子学生である大久保武道と、同級生女子の愛新覚羅慧生の2名が、大久保の所持
していたピストルで頭部を撃ち抜いた状態の死体で発見された。女性が満州国皇帝の親族であることから、当時のマスコミ等で大きく報道された。この
事件を天城山心中という。1958年(昭和33年)9月27日、狩野川台風が伊豆半島を襲い、天城山に猛烈な豪雨をもたらし、多くのがけ崩れや狩野川の氾
濫を起こし多数の死者を出した。2012年(平成24年)5月3日、4時10分までの24時間に観測史上最大の649ミリの降水量を記録した。4月30日の降り始
めから5月3日11時までの総雨量は789.0ミリだった。
 山名の由来であるが、天城山は多雨地帯であり、「雨木」という語が由来であるとする説がある。また、 葉に多くの糖分が含まれているアマギアマチャ
(天城甘茶 学名: Hydrangea macrophylla var.amagiana)という、ヤマアジサイに近い種類の植物があり、日本国内にはこの葉を乾燥して甘茶をつくり薬
用や仏事に用いる風習が残る地方がある。そのアマギアマチャが伊豆の山地に多く自生しており、かつて天城山周辺の住民にも同様の風習があった
ために天城山の名になったのではないかという説もある。有名な大木であるが、麓の巨木として、@太郎杉:天城山中で最大のスギで、老木には珍しく
幼木をそのまま巨大にしたような整った樹型が特徴。推定樹齢400年、幹周約9.6m、静岡県指定の天然記念物、所在地 静岡県伊豆市湯ヶ島 、Aシラ
ヌタの大杉(不知沼の大杉):天城山の南麓にあるスギの大木で、太郎杉につぐ大杉として次郎杉とも呼ばれる。幹周約8.6m、東伊豆町指定の天然記
念物、所在地 静岡県賀茂郡東伊豆町大字奈良本 。Bお化け杉:シラヌタの大杉の近くにあり、異様なほどに多くの枝を持つスギの大木。千手観音杉と
も。幹周約5.4m、所在地 静岡県賀茂郡東伊豆町片瀬国有林。
 登山:天城山は著名な登山家である深田久弥に日本百名山の一座として選ばれ、登山シーズンには多くの登山客を集める。山稜は森林限界を超え
ていないため、登山道の大部分が広葉樹に覆われている。そのため、万二郎岳から馬の背に至る鞍部にある2箇所の岩場と、八丁池展望台、山体西
部の青スズ台で展望が開ける程度である。最高峰である万三郎岳においてもわずかに北方が望めるほど。登山道の脇にはブナ、ヒメシャラ、アセビ、シ
ャクナゲなどが特に目立ち、万二郎岳と万三郎岳の間の馬の背と呼ばれる尾根には、登山道がアセビの樹林の中を通るアセビのトンネルがある。万三
郎岳の東にはシャクナゲが群生している。なお、天城山は積雪があるため、冬期登山の場合はアイゼンが必要になることがある。主な登山路としては、
天城山の主稜を東西に歩く天城縦走路が山頂へ至る主なルートで、東は天城トンネル付近から入る複数の登山口と、西は天城高原ゴルフ場の横から
入る登山口が主に使われている。なお、天城峠の西からは伊豆山稜線歩道に繋がり、達磨山などの伊豆半島の西北部の山稜へ歩くこともできる。
(ウイキペディアより)

小田原〜熱海〜伊豆箱根鉄道〜伊東〜東海自動車バス〜天城高原ゴルフ場上バス停(10:10)−万二郎岳登山口(分岐)(10:25)−万二郎岳(11:05〜
11:10)−石楠立(11:33)−万三郎岳(11:53〜12:15、昼食)−紅葉−涸沢分岐(12:33)−紅葉−分岐(13:26)−天城高原ゴルフ場上バス停(13:40、
13:50、バス)〜伊東駅( 15:20鉄道)〜熱海(15:43)〜小田原〜丹沢山系大倉へ
           行動時間:3時間30分、歩行時間:3時間3分、休憩時間:27分

 小田原から乗り継ぎ、伊豆箱根鉄道で伊東駅に入る。伊豆半島の付け根である。バスで登山口にあたる天城高原ゴルフ場に向かう。天気に恵まれ、
富士山の眺望も期待される。バスが終点の天城高原ゴルフ場上バス停で下車する。少し戻り、案内板とトイレがあるところが登山口になる。登山道のは
じめは平坦な樹林帯のなかに道で、紅葉が綺麗だ。15分ほどで、万二郎岳〜万三郎岳の周回の合流点に着く。万二郎登山口で、左に入る。やがて涸
れ沢になった窪みを登る。その先、徐々に急登となる。ジグザグを繰り返しながら樹林帯を登りつめれば万二郎岳山頂に達する。山頂は狭く、展望もな
い。
万二郎岳は展望がない

5分ほど、とどまったのち 万三郎岳に向かって下りになる。数分で露岩帯に出て、展望が一気に開ける。これから向かう万三郎岳をはじめ、南伊豆の
海岸や富士山が展望できる。展望の少ないコースの中で、じっくりと味わう。
露岩でこのコース随一の展望

下り切った鞍部から次の1325mピークへの登りにかかる。アセビが多く、春先は小さな白い花で覆われることだろう。馬の背と呼ばれる部分である。アッ
プダウンが少しはあるが、先を進む。
途中の道 雪で覆われた富士山が見える

石楠立の鞍部から先は、アマギシャクナゲの群落に入る。この時期は、紅葉を楽しむしかない。やがて、ブナ林を登りきると万三郎岳山頂である。万二
郎岳から43分で着く。ちょうどお昼時間、昼食にする。山頂からはわずかに富士山が垣間見えるだけで展望は乏しい。
万三郎岳山頂
ここから先に縦走路は続くが、周回のコースに入る。急な坂を下る。春にはシャクナゲが咲く道である。紅葉を楽しみながら20分弱で涸沢分岐に着く。途
中、所々で中伊豆の山々や富士山が樹間から眺められる。涸沢分岐から地蔵堂の道を分け、斜面を下る。急な坂を下り、なだらかな斜面を歩き、さら
に左手の急な崖に気をつけながらすすむ。紅葉を楽しめる。先ほどの分岐まで50分強、最後の10分ほどは歩きやすいなだらかな下りになる。後は朝の
道で、15分で天城高原ゴルフ場上バス停に戻った。伊東駅から熱海に出て、更に小田原に出る。その後、明日の登山の起点、丹沢大倉へ向かった。
 
行程MAP(国土地理院の地図を引用) 


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作成日: 2017年10月31日