27)八甲田山 1,584m : 2001年9月30日、 日本三百名山に戻る 八甲田山(はっこうださん)は、青森市の南側にそびえる複数火山の総称で日本百名山の一つ。「八甲田山」と名がついた単独峰は存在せず、18の成層火山や溶岩円頂丘で構成される火山群である。青森県のほぼ中央に位置し、東北日本の脊梁奥羽山脈の北端である。命名の由来について「新撰陸奥国志」によれば、八の(たくさんの)甲(たて)状の峰と山上に多くの田代(湿原)があるからという。現在の火山活動は穏やか。周辺は世界でも有数の豪雪地帯である。標高1,584mの大岳のほかに、田茂萢岳(たもやちだけ)、赤倉岳、小岳、高田大岳などの山々がほとんど同じ高さで並んでいる。ロープウェイは田茂萢岳に設置されており、冬はスキー、積雪期以外ならハイキング気分で山歩きが楽しめる。秋には全山紅葉し見事な錦秋模様となる上、登山道沿いにはコケモモやガンコウランがたくさん実をつけており、目と舌の両方を楽しませてくれる。また、冬季には東北地方でも有数の豪雪と強い季節風によりアオモリトドマツに見事な樹氷を楽しむことができる。加えて、山麓に散在する温泉群は、多様の泉質で味わい深い。北八甲田山系は比較的登山道が整備されている山が多いものの、南八甲田山系の登山道は意図的にぎりぎり人が利用できる程度の整備しか行われていない。そのため、南八甲田山系の山に無雪期に登るためには長時間の藪こぎや荒れた登山道の移動を強いられる。南八甲田山系の登山は夏期の登山よりも、山スキーを利用した積雪期の登山を行う人の方が多い。また、八甲田山には、名前の由来の通りにたくさんの高地湿地があるので有名である。八甲田山が他の高山に対して景観上の特異性を持っているのは、この湿原群に負うところが大きい。 歩行時間3時間11分 歩行距離:約9.3q 酸ヶ湯には大きな駐車場があり、東端の鳥居が登山口になる。しばらくは岩がごろごろした道で、すぐにダケカンバの樹林に入る。しばらく進むと南側の視界が開け、南八甲田方面が見渡せる。2013年に山スキーで訪れた横岳、その先の櫛ヶ峰上岳が見える。樹林帯がアオモリトドマツの樹林に変わり、赤茶けた土と大きな岩が露出した地獄湯の沢に出る。硫黄の臭いが鼻をつく。沢に沿って登り、沢を渡り高度を稼ぐ。振り返れば谷の先に岩木山が見える。登りきると、平坦な笹の原になる。澄んだ湧き水の流れる仙人岱湿原に入り、沢沿いの木道を進む。特徴的な山容の大岳が姿を現す。湿原はアオモリトドマツの樹林に囲まれ、その奥に仙人岱避難小屋が見えてくる。小岳と高田大岳への分岐を分け進む。小岳を見れば、アオモリトドマツとハイマツの森林限界が一目だ。夏であれば、大岳の登りに入る手前は、お花畑が広がっていることだろう。アオモリトドマツの樹林帯を抜けると視界が開ける。火山礫の急な斜面を登っていく。途中に鏡沼が水をたたえている。八甲田火山の旧噴火口のひとつである。サンショウウオも生息しているとか。丸木の階段がつけられた急な斜面を更に登り、小さな祠を過ぎるとすぐに大岳の山頂に着く。山頂は広い。土地柄、外国人の登山客が多く、半ズボン、半そでの夏姿の男性がいる。そのパワーには驚くばかりだ。山頂は、360度のパノラマを楽しむことができる。岩木山、南八甲田山、北側には前嶽の向こうに青森市街、陸奥湾、下北半島が一望できる。小岳、高田大岳の2つの山容も特徴的だ。眺望を十分に楽しんだ後、大岳避難小屋に向かう。紅葉とアオモリトドマツの緑のコントラストを眼下に見ながら20分で大岳避難小屋に到着する。避難小屋からは西に向かって下る。いよいよ紅葉の毛無岱が待っている。一旦、アオモリトドマツの樹林帯に入り、急な道を下っていくと一気に視界が開ける。上毛無岱と呼ばれる広大な湿原に入る。湿原に入ったところで、田茂萢湿原の散策ルートから分岐してきた道と合流する。田茂萢と毛無岱を結ぶトレッキングコースは毛無パラダイスラインと呼ばれている。湿原には池や沼が多くある。湿原越しに南八甲田連峰が見える。上毛無岱から樹林に入り、木製の長い階段に達する。ここからの下毛無岱の風景は圧巻である。ナナカマドの紅葉、カエデやブナの黄葉、草紅葉のオレンジ色、アオモリトドマツの深い緑、絶妙の色づけに思わず息をのむ。圧巻の景色を楽しみながらゆっくりと木の階段を下りる。、下毛無岱からは、赤倉岳、井戸岳、大岳が遠くに見える。湿原の木道は左にカーブし、ブナの樹林帯に入っていく。小さな沢を渡り、城ヶ倉温泉への分岐を分け、さらに湯坂を下り、酸ヶ湯温泉に戻った。勿論、温泉で汗を流した。その名の通り、酸性で皮膚がピリピリする。
(国土地理院より引用) 日本三百名山に戻る 作成日: 2015年5月30日 |