4)雌阿寒岳 1,499m : 2004年9月20日、 日本三百名山に戻る
 雌阿寒岳は、阿寒の活火山で標高1,499m。古くはアイヌ語でマチネシリ。玄武岩からデイサイト(SiO2 50 - 70%)の成層火山群、1000 - 2500年前には、阿寒富士火山体が形成。日本百名山に選定されている。釧路市と足寄町に跨っているだけではなく、振興局も跨いでそびえている。国土地理院による正式名称は雌阿寒岳だが、深田久弥の百名山をはじめ一般に阿寒岳というと、この雌阿寒岳を指すことが多い。
 阿寒の名を冠する山は他に二座あり、雌阿寒岳の近くに阿寒富士(1,476m)、少し離れて雄阿寒岳(1,371m)がある。何れも火山である。雄阿寒岳と阿寒富士は今のところ静かだが、雌阿寒岳は現在もさかんに活動している。登山家の深田久弥が訪れた1959年や、最近では1998年に小規模な噴火を起こし、周辺では降灰が観測され、登山の禁止と解除が繰り返されている。2006年3月21日に小規模噴火を起こした。
 登山道はオンネトー湖畔からのものと雌阿寒温泉からのもの、他に阿寒湖畔からのものなど数本があるが雌阿寒温泉とオンネトーからのものがよく利用される。両コースの場合、山頂までは夏場の標準的な登山の場合で3時間程度。標高差は約800m程度。北海道の山の中でも比較的登山道の整備もよく、コースからの眺望も良好で家族連れや初心者にも上りやすい山である。ただし活火山のため登山が制限される場合があるのと夏場でも悪天候に注意は必要である。亡した小学生を悼む石碑が建っている三百名山の本には雄阿寒岳が紹介されているが、山歩きの楽しさや景色は雌阿寒岳の方が優れている。(ウイキペディアより)
 今回は、北海道遠征(十勝岳、斜里岳、羅臼岳)の2番目の山として登った。阿寒温泉野中温泉別館に泊り、その横が登り口になっている。温泉も風情があり、宿泊場所としては大変良かった。コースは最も一般的で、温泉横から登り、往復した。下山後は泊まった温泉で入浴し、オンネトー湖畔を見学した。山頂からの斜里岳、羅臼岳の眺望は素晴らしく、気持ちの良い楽しい1日だった。

8:28 野中温泉登山口(7:40)− 8合目(8:55)−雌阿寒岳山頂(9:15〜9:25)−阿寒富士登山口(9:41)−阿寒富士山頂(10:03〜10:13)−雌阿寒岳(10:45〜10:50)−登山口(12:00)

木でできた硫黄泉の朝ぶろに入り(常識は、登山前に入浴することはやりません)、横の登山口を出発する。すぐに急登が始まる。歩きにくい木の根が出た道を登る。エゾマツの林の中、10分程度で1合目の標識にであう。この先も標識が設置されている。1合目あたり10分のペースだった。3合目まで来ると明るくなり、樹林越しに雌阿寒岳が見られる。4合目を過ぎるとハイマツ帯になり、視界がひらけ、素晴らしい展望が得られる。振り返ればオンネトー越しに雄阿寒岳が映っている。5合目を過ぎハイマツと火山礫が混在する。6合目くらいからは火山礫の道をジグザグに登るようになり、やがて火口壁が見え、1時間15分で8合目に到着する。火山独特の景色が広がる。火口壁の縁が9合目で、火口を回り、頂上を目指す。メアカンフスマが有名だが、遠くに花の時期はすんでいる。よく見れば、一輪咲いてくれている。火口をのぞくと赤沼と噴気孔が目に入る。山頂に到着する。360度の大パノラマ、阿寒湖、その奥に雄阿寒岳、さらに奥にはこれから行く斜里岳と羅臼岳が見える。何とも素晴らしい圧巻の景色だ。オンネトーコースを取り、阿寒富士を目指す。火口には青沼、正面には阿寒冨士の秀麗な姿が印象的だ。火口の南側で火口壁から下る。山頂から阿寒富士登山口(オントネー分岐)まで16分、ガラガラした火山礫の道を22分で山頂に着く。ここからの眺めも負けず劣らず素晴らしいものだ。雌阿寒岳も一味違った山容を見せる。同じくらいの数の写真を撮り元来た道を引き返す。雌阿寒岳で小休止、ここから一気に野中温泉に下りた。宿泊したおかげでチェックアウト後も無料で温泉に入ることができた。ゆっくりと汗を流し、この後、周辺を見物し、宿泊地の川湯温泉に向かった。

     
 火口湖の赤沼と山頂  山頂にて  火口越しに阿寒湖、雄阿寒岳、後方に斜里岳、知床連山
     
 山頂火口の青沼  青沼越しに阿寒富士  阿寒富士山頂から雌阿寒岳
     
 オンネトーから雌阿寒岳と阿寒富士    
行程マップ
(国土地理院の地図を引用)
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作成日: 2015年6月13日