69)那須岳(三本槍岳) 1917m: 2001年9月24日   日本三百名山に戻る

 那須岳(なすだけ)は、栃木県那須郡那須町にある茶臼岳の別称、または同県那須塩原市、那須郡那須町、福島県西白河郡西郷村にまたがる山の総称である。栃木県は『那須岳とは茶臼岳の別称』としているほか、日本百名山の著者である深田久弥は書中に『那須岳とは那須五岳の中枢を成す茶臼岳、朝日岳および三本槍岳のこと』と記している。説明には、那須連山の一部を成す茶臼岳、朝日岳、三本槍岳、さらには那須五岳や那須連山としている例もある。那須岳は、関東地方の北限、那須火山帯の南端に位置し、広い裾野を持つ成層火山で、噴火口は主峰茶臼岳の山頂部にあり、現在も蒸気と火山ガスを盛んに噴出している。朝日岳と三本槍岳はすでに噴火活動を終えている。標高が最も高い地点は三本槍岳(1,917m)で主峰茶臼岳の山頂より2m高い。茶臼岳と三本槍岳は山頂部が丸く、鋭鋒は朝日岳のみである。また、茶臼岳と朝日岳は山頂部が全体的に岩場であるが、三本槍岳は山頂部がほぼ土とザレで草木も生える。那須岳の主な峰(那須五岳)としては、@茶臼岳(栃木県那須郡那須町):標高1,915m。噴気あり。山頂部は非常に広く、噴火口に近い区域は硫黄の臭気が漂う。山頂部に緑は殆ど無い、A朝日岳(栃木県那須郡那須町):標高1,896m。最も峻険な山体を有する鋭鋒。山頂部狭い。山体は岩場やガレ場が多い。山頂部に緑は殆ど無い、B三本槍岳(栃木県那須塩原市、福島県西白河郡西郷村):標高1,917m。那須岳の最高峰。低木など緑も見られる。三本槍岳という勇壮な名称を冠するが、実際には山頂部は丸く狭い、である。現在、那須岳の活発な火山活動は、周辺にたくさんの温泉を噴出させている。有毒な火山ガスを出して近づく生き物を死に至らしめる場所もあり、とくに殺生石は有名で、周辺は公園化しており、駐車場も整備されている。ただし、殺生石の周りは危険につき立ち入り禁止である。
 登山であるが、マイカーの場合、国道4号または東北自動車道那須インターチェンジ利用で栃木県道17号那須高原線(那須街道、ボルケーノハイウェイ)に入り、那須湯本、那須高原、大丸温泉、そして那須ロープウェイの那須山麓駅を目指す。殺生石、弁天温泉、大丸温泉を通過してさらに登ると那須山麓駅に着く。茶臼岳を目指す場合、那須ロープウェイを利用すると、終点の那須山頂駅が茶臼岳9合目にあり山頂駅より茶臼岳山頂まで1時間弱で到達できる。那須山麓駅から栃木県道17号那須高原線(旧ボルケーノハイウェイ)をさらに上ると広い駐車場を有した那須岳登山口『峠の茶屋』(標高1,462m)に着く。東野バスの路線バス(那須塩原駅・黒磯駅 - 那須山麓駅間)利用の場合は那須山麓駅から徒歩で20分前後で到達できる。マイカーはこれより先には進めない。この駐車場から那須岳に続く登山道は、最初広葉樹が生え木製の階段と土、ところどころに岩の段差などがある道であるが、やがて岩と小石の道となり木々も少なくなって見晴らしが良くなる。坂もさほど急ではなく岩には要所要所にペインティングがあるので初心者や子供連れでも問題なく登れる。ただし大小岩石の道が続くので落石させないように注意して歩く必要はある。登山道の北側は急な谷であり、その向かい側には朝日岳の鋭鋒が見える。登り続けると茶臼岳から下りて来て朝日岳方面に向かう尾根道に合流し、『峰の茶屋』(標高1,678m)に着く。峰の茶屋は茶臼岳、朝日岳方面、三斗小屋温泉方面の各登山道の分岐点でもある。茶臼岳に向かうには、大小の岩石上を行く登山道を一気に頂上まで登って行く。ここも坂は急ということも無く、またルート上の岩に適切にペインティングがあり分かり易く、初心者や家族連れ向けの登山道である。茶臼岳の頂上は非常に広く、時期によっては噴煙を吹き火口近くは硫黄の臭いが強い。朝日岳に向かうには、峰の茶屋から道標に従って直進し、剣ヶ峰の肩をトラバースし途中鎖につかまって岩肌を直登し、朝日岳の肩に到達したら尾根上の分岐を南側に向かう。頂上は垂直に切り立った高い岩壁の上にあり狭い。木々は無く眺望は非常に良い。三本槍岳に向かうには、朝日岳の肩の尾根の分岐を北に進む。比較的なだらかな道を歩き、熊見曽根の分岐を巻いて清水平(小湿地)を経ると三本槍岳の頂上に着く。この登山道はところどころが土と小低木の生える道で、朝日岳や茶臼岳の荒々しい山肌とは対照的である。清水平には高山植物も生える。
 高山植物については、那須岳は2000mに満たない山であるが、涼冷かつ保水性は低いが日照がよい砂地土壌のため高山植物が豊富である。尾根筋にはハイマツが茂り秋にはリンドウの紫が目を引く。少し下るとあちこちにアズマシャクナゲの群落があり、那須温泉郷の周辺は各種のツツジが咲く。
(ウイキペディアより)
 
 登山行程
黒磯(7:15)〜 那須山麓ロープウェイ口(8:15)〜(ロープウエイ)〜山頂駅(8:20)−茶臼岳(8:50〜9:02、周回)−峰の茶屋(9:22)−朝日岳(9:50〜9:56)−清水平(10:17)−三本槍岳(10:45〜10:55)−北温泉分岐(11:06)−赤面分岐(11:16)〜中の大倉尾根〜北温泉−北温泉口(12:28、12:40バス)−黒磯(13:37)
               歩行時間:3時間35分(休憩時間33分含まず)

前日、月山の下山口の姥沢小屋を14:05発のバスで出発、JRを乗り継ぎで黒磯の駅には19:18着になってしまった。22日蔵王山、23日月山、今日24日は那須岳である。3日とも素晴らしい快晴に恵まれた。黒磯駅7:15分のバスで那須山麓ロープウェイ駅に到着する。山頂駅まで5分、素晴らしい眺望を楽しみながらあっという間に到着する。9合目にあたり、途中までは歩道が整備されている。最初は低木、草地の中を進むが、すぐに大小の岩がごろごろとした道となり、最後には岩の道をたどり鳥居、那須嶽神社祠、その後、山頂に着く。短時間、安全なコースで、家族連れも多く、老若、子供入り乱れての賑やかな山頂である。天気は快晴、これから向かう朝日岳の鋭鋒、三本槍岳も見事である。茶臼岳山頂からは富士山が見え感激する。結構離れており、富士山がこれほどよく見えるのも珍しいとのことだった。反時計回りに火口を巡る。蒸気、噴煙が立ち上げ活火山である。撮影を済ませ、北西に道を取る。火山傑の道を20分ほどで荼臼岳と剣ヶ峰との鞍部、峰ノ茶屋に着く。以前は飲み物などを売る茶屋があったが、いまは避難小屋が建っている。西の会津側から強風が吹いていることが多く、よい休憩場所になる。に広がる平坦地。以前は飲み物などを売る茶屋があったが、現在はそのあとにログ(ウス風の避難小屋が建っている。峰の茶屋から道標に従って直進、剣ヶ峰の肩をトラバースし、岩場の道、鎖場もあって、岩肌を直登し、朝日岳の肩に到達したら尾根上の分岐を朝日岳に進む。頂上は垂直に切り立った高い岩壁の上にあり狭い。木々は無く眺望は非常に良い。ここでも富士山が見え、展望は更によい。パノラマ写真を撮り小休止する。ここからの茶臼岳も見ごたえがある。朝日岳の肩の尾根の分岐に戻り、北に進む。熊見曽根へ登ってゆく。小ピークを越え熊見曽根の最高点で、三斗小屋温泉への下り道がある。さらに進むと、清水平(小湿地)に出る。夏であれば高山植物が見られるところだ。ここからは登りになり、ハイマツやシャクナゲの小灌木の道を進み、中の大倉尾根を分け、西に進めば三本槍岳の頂上に着く。朝日岳や茶臼岳の荒々しい山肌とは対照的な雰囲気だ。三本槍岳は、那須連峰の最高峰になる。1等三角点がある。旧藩の那須、黒羽、会津藩の境界にあたり、そこでそれぞれの槍を山頂に立てたことから、この山名が付けられた。お腹を満たし、先の分岐に戻り、中の大倉尾根を下る。赤面山への道を分け、ササの原、ブナ林と変わってゆく。中ノ大倉山で南方向に道を取り、毘沙門沢の流れを聞きながら山腹の登山道、林道を横断して急斜面をジグザグに下ると沢沿いを行き、北温泉に出る。この温泉、湯治場の雰囲気を残す一軒宿で湯量は豊富で、プールのような露天風呂が名物になっている。北
温泉をあとに駐車場に出たら車道を旭・北湯入ロバス停へ向かう。白戸川を渡り、那須高原有料道路に出て左手にバス停がある。
 3日間の遠征を無事終えた。3日とも快晴、素晴らしい山行だった。

茶臼岳から北方向  朝日岳 朝日岳山頂から
 
茶臼岳(朝日岳山頂から)  三本槍岳  
行程MAP

(国土地理院の地図を引用)
 

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作成日: 2015年12月12日