76)皇海山 2144m: 2003年8月3日   日本三百名山に戻る

皇海山(すかいさん)は、栃木県日光市と群馬県沼田市との境界にある山である。標高2,144m。日本百名山の一つ。古い成層火山だが、全山樹林に覆われ、今日では火山らしい面影はない。東西に長い頂稜を持つが、北側は国境平付近まで標高差にして500m以上も切れ落ちている。現在、本山は『皇海山』と書いて『すかいさん』と読むが、江戸時代の正保年間の地図には『サク山』とあり、別名として『笄山』と書いて『こうがいさん』と読んでいたという。この別名『こうがいさん』が後に『皇開山』と当て字され、開が海に置き換えられ、皇の字がスメと読まれることから『すかいさん』と誤読されるようになったと云われている。登山ルートについては、栃木県側の銀山平から庚申山・鋸山をへて皇海山にいたる伝統的なルートと、群馬県側の不動沢からのルートがある。栃木県側の庚申山から鋸山までの尾根は鋸尾根と呼ばれ、11のピークがある。この尾根伝いに11のピークを登降するルートのほか、尾根の南側を巻くようにして六林班峠を経由して皇海山に至るルートもある。江戸時代には庚申山?鋸山?皇海山の尾根を行く「三山駆け」をする信仰登山が行われていた。庚申山頂への登り、鋸山の峰々の登降は梯子、鎖が数多く現れる険しい道のりであり、初心者には勧められない。なお、登山口の銀山平には温泉があり、宿泊や入浴が可能である。群馬県側の不動沢ルートは、自家用車を利用すれば比較的短時間で登頂することができる。
 今回の登山は、伝統的な庚申山〜鋸山〜皇海山の尾根歩きに挑戦した。前日は、早めに庚申小屋に入り、庚申山周辺を散策した後、鋸山から皇海山を踏破し、帰りは往復した。帰りは、鋸山から六林班峠に出て庚申山荘を経由、銀山平に向かった。

(ウイキペディアより)

@8月2日 庚申山お山巡り 庚申山荘泊
A8月3日 庚申山〜白山〜鋸山〜不動のコル〜皇海山〜鋸山〜女山〜六林班峠〜庚申山荘〜銀山平

@8月2日
京都(21:10)−高速夜行バス−桐生南口(6:30、7:43)〜わたらせ渓谷鐡道〜通洞駅(9:00)−足尾銅山観光(〜9:50)−銀山平分岐(10:14)−かじか荘
(11:17〜11:40、昼食)−一ノ鳥居(12:35)−七の滝往復−一ノ鳥居(12:41〜12:46)−庚申山荘(13:45〜14:00)〜お山巡り()〜庚申山荘(15:20、泊)
               歩行時間:5時間40分(休憩時間、30分含まず)

京都から夜行バスに乗り桐生に到着、わたらせ渓谷鐡道で通洞駅に出る。道中の車窓から見る風景は格別である。降り立ったところはかっての足尾銅山、復旧されつつとはいえ、木々も少なく異様な雰囲気を感る。銅山博物館があり、50分ほど足早に見る。料金もそこそこだが、日本の近代化に貢献したところといったところであろうか。舗装された道を、銀山平からかじか荘に向かう。早足で1時間25分、結構な歩きである。かじか荘には駐車場があり、普通はここまでくるまで入る。その先、ゲート前の駐車場スペースにも車が止まっている。舗装された林道は、しばらくで砂利道になる。天狗の投げ石を過ぎ、やっと目印の一ノ鳥居に着く。庚申川に沿って緩やかな坂を進む。広葉樹の森で緑が眩い。登山道はやがて沢から離れる。怖い伝説がある鏡岩をはじめ奇岩の間を抜け、ヒノキ樹林帯の石段を登り、猿田彦神社跡に到着する。お山巡りの看板があり、左、庚申山荘。右、お山巡りコースとある。
一旦はすぐの庚申山荘に向かう。町営で、炊事もできる立派な小屋である。荷物を置き、しばらく休んだ後、お山巡りにでる。猿田彦神社跡から再出発する。少し急なところを、梯子やくさりの道を歩く。倒木の枝や、幹につかまりながら橋まで下り、結構スリルのある吊橋を渡る。馬の背、鬼の耳こすり、天の浮橋、めがね岩はじめ、看板に出ていた岩の名や、名所めぐりを味わう。このような変化に富んだところは大好きである。ぐるりと一回りし、山荘に戻った。

猿田ひこ神社跡にあるお山巡りの案内。左、庚申山荘、右、お山巡りコースとある。
 
     
 沢沿いの道を行く  めがね岩  庚申山荘

A8月3日
庚申山荘(4:30)−庚申山(5:20〜5:25)−庚中山展望台−薬師岳(6:25〜6:30)−白山〜駒掛山に出るところでコースはずれだが、登り返し稜線に合流〜鋸岳(7:03〜7:13)−不動沢のコル−皇海山(8:17〜8:46)−鋸山(50分)−六林班峠(10:24)−(11:10〜11:20、昼)−庚申山荘(12:08〜12:20)−一ノ鳥居(12:59)−銀山平、かじか荘(13:40〜13:45)−14:25/足利市のTさんにピックアップしてもらい、足利市j駅まで送ってもらう。15:58着、16:04〜特急両毛号〜北千住17:13
               歩行時間:8時間30分(休憩時間、1時間24分含まず)

持参の食料を食べ、早朝に出発する。お天気は快晴、お山巡りで下りてきた同じ道がしばらく続く。岩壁にクサリ場や鉄梯子を登り、お山巡りの分岐から針葉樹林帯へ入る。急な坂を登り切り、しばらくで庚申山頂に着く。見晴らしはなく、すこし先の展望台でも休憩を取る。松木川の源流で、印象的な姿の皇海山が眺望できる。途中の鋸岳からの稜線も良い格好で見える。鋸山まで鋸十一峰と呼ばれる尾根筋で、いくつかの名のついた峰を越えてゆく。針葉樹林の尾恨道が続く。クマザサで足元がべとべとになる。薬師岳を過ぎるとクサリ場になる。日光白根山や袈裟丸連峰が眺望される。ガレ場でハシゴとクサリのあ世話になる。熊野岳、剣ノ山と名がついている。鋸岳には出発してから2時間30分余りを要する。少し長めの休みを取る。鋸山からは南東に日光白根山が見える。山頂からガレ場を下り、1901m峰を越えると不動沢のコルに出る。左の分岐は不動沢コースである。鞍部から原生林のなかの急な道を登る。信仰登山の歴史の象徴、青鋼の剣を過ぎ、皇海山に到着する。山頂には、二等三角点と渡良瀬川水源碑がある。針葉樹の静かな雰囲気が漂っている。木々の間から赤城山、男体山、燧ヶ岳、日光白根山、谷川連峰が確認できる。富士山も見ることができた。30分余りの間に、お腹に追加の朝食を入れ、ゆっくりとくつろぐ。ここでカメラの電池切れとなる。帰りは、鋸山まで戻る。皇海山と日光の山々もう一度振り返り、六林班峠に向かう。南方向にササ原の斜面を下る。次に、岩場を通過するとまたササの原になる。ササとダケカンバの尾根筋歩きも良いものである。ただ、胸まであるササに隠れて倒木があり注意が必要である。女山からダケカンパ林を抜けると六林班峠に着く。、ここから庚申山荘まで長い峠道を歩く。ダケカンバや
ブナの原生林の道になる。単調な中だが、緑もあり、付録にシカやサルに出会った。庚申山荘まで峠から1時間40分、銀山平までさらに1時間20分相当の頑張りになる。帰り道、足利市のTさんに声をかけてもらう。親切にも足利市駅まで送ってもらう。この車での1時間30分は話が弾み、私がチョウの写真を撮り始めるきっかけになった。それから12年余り、チョウの数は231種になった。 

庚申山山頂
鋸山から皇海山 一番右手に日光白根山

皇海山山頂 山並みが続く   

脚注
庚申山:
日光国立公園に属し、群馬県と栃木県の境、栃木県西部の足尾町にあり、日光火山群の西縁に位置する成層火山。 男体山と同じく勝道上人によって開山され、庚申信仰の山としてあがめられてきた。 また、特別天然記念物「コウシンソウ」の自生地としても知られている。
 1500m付近にある庚申山荘から上部は滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』でも有名な奇岩、怪石の間を縫うようにしてハシゴや鎖場の道が山頂へと導いてくれる。また山荘を起点にしたスリル満点のお山巡りのコースもある。 山頂は樹木に囲まれ展望はよくないが、5分ほど皇海山寄りの展望台まで足を延ばせば、皇海山、白根山、袈裟丸山などの大展望が楽しめる。
 登山は足尾町の銀山平から庚申川沿いに進み、庚申山荘経由で山頂まで約4時間。渡良瀬川の西岸に連なる足尾山地の一峰で、奇岩怪石が多く、国特別天然記念物のコウシンソウ(食虫植物)をはじめ多くの高山植物が生息する。日光山開山の祖、勝道上人によって開かれ、古くから信仰登山の山として知られる。猿田彦神社(庚申神社)があり庚申講の本山。滝澤馬琴『南総里見八犬伝』の猫退治の舞台となったことから有名となる。登山道口に国民宿舎かじか荘があり、シーズンにはここを拠点としてハイキング、登山、観光を楽しむ人も多い。(ウイキペディアより)

行程MAP



(国土地理院の地図を引用) 
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作成日: 2015年12月24日