03,Alquifeからグラナダまで 3月27日 今日はAlquifeの私営アルベルゲに泊まります 今日はドロタと二人で出発する。同じ足のろのアメリちゃんは腹具合が悪いので昨日の町に二泊するそうだ。一日ずれると再会は難しいだろな。天気の方は昨日より増しだが嫌な黒い雲が上空をただよっている。正面には雲の塊が居座っていて、あの中にシエラネバダ山脈があるのかな?あんな中を歩くことになったらタダでは済まないだろうな。くわばらくわばら 大きめな村が出てくると必ずバルに寄って栄養補給を兼ねて一休みします。メンバーの殆どが同じ事をするので再集合になります。食べるのはスペインオムレツかボカディージョ。今日はトマトとチーズが載ったボカディージョで栄養とカロリーたっぷりです。歩くためのエネルギーです。 次は丘の上に古城をいただいた大きな村が出てきましたが目的のAlquifeではありません。村の手前にはクリント・イーストウッドの像があって説明版もありました。マカロニウエスタンで一世を風靡した西部劇はこの辺で200本撮ったそうです。日本はマカロニウエスタンと言ってますが、スペインではスパゲッティウエスタンと言うそうです。来るまで知らなかった。 今日は私営アルベルゲ。広いキッチンもあるし、ベッドルームも私営だけに広くて豪華です。今晩もみんなでスーパーに買い出しに行って楽しい夕食を食べました。パスタ、野菜サラダ、パンにデザートはヨーグルト。1リットルビール2にワインまで買って一人5ユーロと言う驚異的な安さです。このアルベルゲは町からは離れているので買い物はオーナーさんが車で送迎してくれました。 食後にスペイン女性マイが音声翻訳を駆使して皆さんといっぱい話せて良かった。アメリはいないしドロタは別のオスタルに宿を取ったようで居ませんでした。代わりにリトアニアの夫婦が加わりました。料理が出来ない私はいつも食後の皿洗いを率先してやってますが、後半はスペイン親父の面倒見の良い方が替わってくれました。この人は本当に人の良さが顔にも表れていて好感が持てる(上の写真で給仕してる人)。 今日の歩数 29784歩 3月28日 いつものように夜中の途中から目が覚めて寝たり起きたりしているが7時頃起床。タブレットの充電が50%になってたので充電しておく。タブレットは生命線なので絶対にガス欠にしてはいけない。 スペイン親父二人が出発したので自分も出発。村の中で見失うが矢印も見失う。しかしタブレットのMaps.meに細かくカミーノを記しておいたので容易に復帰できる。スマホに便利なカミーノアプリを入れている人もいるけどWi-Fiを持ってない私の出来ることはWi-Fiがある内にネットに繋げておき、こうやって手間暇掛けて地図に印を付けることだけだ。努力の甲斐あって、こうして迷っても復帰できることがある。努力の9割は無駄になるが、1割でも有効になるならやっておくべきと決めている。 他のみんなより一足先に歩き出すと追いついてきたのは昨日から一緒になったラトビアの夫婦。初めて会うと少々ぎこちないけど2回目に会うと不思議と打ち解けられるのはカミーノのお約束。お互いのカメラで撮りっこしました。西欧人のベレー帽は似合っててかっこいいね。 写真に見えてるのは雪をいただいたシエラネバダ山脈。今日も絶好調で吹雪いているようです。この村の中を通過中、村のおばちゃんに話しかけられて歩きながらお喋りできました。スペイン語しか話せないのに良く外国人の私に話しかけてくる勇気は大したモンだと感心しました。 次の村にバルがあったので入っていくと、やっぱりみんなが休んでいた。ドロタとは昨日会わなかっただけなのにいきなりハグしてきた。その後すぐ出発していったがまだ数人がゆっくりしている。私はファンタオレンジを頼んだら2.20ユーロ(374円)も取られた。スーパーの何倍だ?まぁ考えたら日本の喫茶店でファンタ飲めばその位か。相変わらず円安なので日本円に換算すると精神安定上よろしくない。 写真好きのドロタにはすぐ追いつくことができたので前後して歩くことに。右足の豆は前に手当して貰っていたが、今度は左足に違和感があったので靴下を脱いで確認すると(見えないから手で触って)やっぱり水ぶくれになっていた。ドロタがやって来たので安全ピンを渡して刺してもらえた。消毒はできないけど傷絆創膏を貼っておけば大丈夫だろう。 ドロタと小休止して持っている行動食を互いにパクパクしていると、マイとシェーンもやってきた。歩く速度と時間は違えど、みんなが同じ道を歩いているのでしょっちゅう出会えるのが楽しい。 今日の行程はalquiefeからguadixへの22.5km。 山越えはあったけど、今回初めて高低差の少ない区間15kmほどを歩けました。今までで一番苦労が少なかったかな。 Guadixの町に入るとドロタがスマホで予約したオスタルを探してくれてるので後ろを着いていく。今日はアルベルゲのない町なのでオスタルのお世話になるしかない。このオスタルは常駐の管理人はいないので、ここでもドロタはスマホで電話してくれて少ししたら管理人がやって来た。受付して1部屋23ユーロは高いのか安いのか?チェックイン中にアメリが飛び出してきて騒いでいる!アメリは腹具合が良くなったのか、ここで追いついてきたようだ。相変わらず愛想の良い子で再会できたことにキャッキャしている。ジェスチャーで腹は治ったのかと尋ねたらOKとのこと。また一緒に旅ができそうだ。 さて、部屋の方だがビックリオスタルだった。一応エアコンがあるけどリモコンの電池が死んでるので電動歯ブラシの単3電池をいれて動かしてます。だが動かしても何もしてくれなくてピピピと音がうるさいだけなのでコンセントを引っこ抜いておく。洗面所にはトイパーなし、タオルなし、石けんなしの無し無しオスタルだった。オスタルでこんなの有り?アルメリアのネリーが予約してくれたオスタルだが、ネリーはこの状況を知ってるのかね?どの部屋も同じ状態だったらしく、ドロタは早速ホテルに移るそうだ。斜め前に立派なホテルがあって50ユーロとのこと。オスタルのお金は?と聞いたら捨てるそうだ。ドロタは昨日もアルベルゲじゃなくホテルに泊まってたし、お金のことは気にしないようだ。今晩の食事もホテルで食べるそうだ。リッチだねー。 この日のドロタのフェイスブックからオスタルの部分を紹介します。 「私のホステルは災害で、嫌悪で、恥ずかしい、火災の危険災害だったので、世界で最も悲しい部屋に座った後、道を降りて、まともなホテルの部屋を予約しました。 あなたが他の人と共有するなら、ラフなホステルは構わない。ソーシャルエリアさえなく、悲しい、冷たいボックスルームだけ」Google翻訳なので少々おかしな文になってますが酷い部屋だったのは伝わると思います。 取りあえず私は食料が買いたいと言うとアメリが連れてってくれることになった。すぐ側のDiaはセマナサンタで休みだけど、離れた所のスーパーはやってるそうだ。アメリ、知らない町なのに既に情報通だな。二人でスーパーの中を徘徊するが、アメリは何も買わなかった。本当に私のためだけにスーパーに行っただけだった。前から思ってたけど本当に良い子。 逆なのがこの無法者オスタル。gronzeでオスタルの口コミを見てみたらこんなのがありました「壁には『一度支払った宿泊代は返しません』と注意書きがあった意味が分かった云々」とのコメントが。やっぱりね、ずっとこんな商売やってたのか。一度泊まればリピートがない巡礼だから何やっても良いと思ってるらしい。アルメリアでこんな無法者オスタルを紹介予約してるネリーもビジネスでやってるんじゃないのかねと余計な詮索をしてしまった。 椅子もないのでベッドの上で一人宴会。 スペイン春巻きを初めて買ってみました。 調理パンは明日の朝ご飯です。 湿布が効かないので今晩は必殺ボルタレンを塗ってみる。 何とか効いてくれーっ! あんまりなオスタルなので、ベッドバグが怖いからシュラフで寝ることにする。 明日はLa Pezaへの22.2kmだけど大小の山越えが6-10個あるので早立ちが必要です。 今日の歩数 35236歩 3/29(金曜) 今日の宿Pezaアルベルゲにはwi-fiがありません。 忘れないようにメモを残してます。 途中で目覚めてしまったので睡眠導入剤を飲んだら朝までぐっすり寝られた。腰は痛むが昨日より増しなのでボルタレンと湿布が効いたかな? 朝飯に昨日買っておいた飲み物を飲んでみる。アメリが勧めてくれた物だが、どうやらヨーグルトじゃなくてプロテインだった。筋肉増加に良いらしいので、今度はこっちを探してみよう。 ドロタのフェイスブックを見たら昨晩セマナサンタの行事にみんな参加した楽しそうな写真が載っていた。8人のメンバーの内、いないのは私だけじゃないかよ、そんなのがあるとは知らなかったので失敗した。 guadixの史上最低の宿を後に玄関を出たところで衝撃がありました。 えっ何? 原因はすぐ分かりました。 玄関の自動ロックにバックパックの長いベルトが捕まったのです。 ベルトには先端に返しがあるのでうんともすんとも動かない。 さあ困った。 この極悪オスタルは無人が分かってるので人は当てに出来ません。 結局行き着いた答えはベルトを切っちまえでした。 長旅なのでナイフを持ってるんですよ。 シートベルトみたいな材質なベルトなのに簡単に切れてしまった。 7時から朝食が食べられると教わったバルに向かう途中のGS兼ティエンダが商売してたのでチョコパンと木の実を購入。バルには行かずにそのまま出発する。 また極悪オスタルの前を通りかかると3階のベランダからアメリが声を掛けてくれた。そうだアメリがいるんだったら大声出したらロックされたドアを開けてくれたか知れないなと思うが後の祭りだ。朝からやってるバルはアメリが教えてくれたものだったが、ティエンダがやってたのでこのまま出発すると伝える。 これが極悪オスタルのEl RETIRO もしGuadix行くことがあったら絶対に泊まらないでください。 今日はソロで出発したのでマイペースで歩けて快適です。暫く歩いた先に自然公園みたいなのがあって、散歩中の人がパラパラ居て軽装なので町が近いのが分かる。岩の隙間を抜けるとPurellenaの町に着いたので最初に出てきた通りのバルに寄ってファンタオレンジとパンコントマテ。仲間が来るのを待ちながらテラス席で食べる。私は起き抜けで歩き出したので、きっと全員が私の後を歩いているだろうと思って。 9:50、まずアメリとドロタがやって来た。スペイン親父のラファエルとロレンソは素通りしていったな。さすがスピードスターだ。次いで残りの三人も到着。みんな腹ごしらえをしている。食べ終わると順に出発し、我々足の鈍い4人組が最後に出発。アメリが復活したので4人組も復活しました。 やたらと岩山が多い地域で、家も岩を上手く利用している珍しい住居もあったので飽きない。ユニークな地域だが観光名所でもないらしく住民しか見あたらない。 後半、Pezaの町が近づいたのに冷たい雨に降られてしまう。まともな雨なので面倒がらずにリュックカバーと雨具を装着。La Pezaの町が近付いたら泥団子の道で難儀しました。舗装路を歩いてきたのに町の直前でこんな悪路を歩かせるなんて、ここの巡礼友の会はタチが悪いと思った。 町の入り口でずっと先行してたアメリがいたけど私を待ってた訳じゃないと言ってます?舗装道路の真ん中に水たまりが出来ていたので二人で泥だらけになった靴をバシャバシャと洗い、車がやって来るたびに端に避難。何度か繰り返したらまずまずになりました。まるで子供が水たまりで遊んでいるようだと二人で笑い合いました。 アメリが居たお陰で二人でアルベルゲを探すことができました。 アルベルゲは体育施設の裏で立派なものだった。玄関を入るとオスピタレロが待機していて、泥だらけの靴で入らないように世話を焼いてくれる。 食料を仕入れたくて店を探すが、時間的にだか元々無いのか見つけることが出来なかった。アメリがやってきてバルでボカディージョを作ってもらうそうなので自分も同じようにお願いする。待っている間にもう一人のオスピタレラ(女性ね)が一杯やりに来た。当然私のことも覚えているので何か言ってるが理解できない。 ここでもみんなで料理を作って一緒に食べることになっていた。それを知らずにボカディージョを買ってしまったので、これも皆で食べて欲しいとお願いしたが、それは貴方が明日食べるようにと言われてしまった。じゃぁそうするか。 昨晩は聖木曜日のイベントは見られなかったけど、今回は聖金曜日のイベントを見られたので写真と動画を撮りました。ミサの後は正装した楽団が編成されていて行進が始まった。セマナサンタの行進は今回二度も見られた。 アルベルゲにはラトビアの夫婦も到着して、夕飯は今回も皆で楽しく頂けました。 ベッドルームに戻るとマイが面白いことを言い出しました。「明日は厳しい行程になるのでタクシーを使いましょう。こういう巡礼もあることを知ってください」ですと?巡礼中は乗り物には乗らないのが信条だったが、まぁトシもトシだし拘らなくてもいいか。全員がタクシーに乗るならそれも良いだろうと考える。 今日の歩数 歩数計止め忘れたので不明 3/30(土) 今日はケンタール Peza のアルベルゲで簡単朝食を頂きました。朝から雨模様なので全員が雨支度しての出発。道も昨日の雨が祟ってぐちゃぐちゃで歩きづらいです。 いつもスマホの翻訳でたすけてくれるマイが、今日は全員がタクシーで移動してケンタのホテルに泊まると言ってましたが、実際は行程半分のコトンまでは全員が歩き、コトン~ケンタ間をタクシー利用するのは4人だけでした。私もその一人。でもホテルに泊まるのは8人のようです。良く理解してなかった。 今日も足の鈍い我々4人組が一番最後の組です。川底と森の中を歩く行程で、暫く歩いてから昨日のボカディージョを食べてると私だけ遅れてしまった。とことこ着いていくとアメリが「ミチッミチッ」と言いながら飛び出して来ました。どうやらメンバーの誰かがトイレタイムのようです。すぐ後ろ向きになって待つことしばし、もういいよと声が掛かりました。 川底で起伏の激しいルートにうんざりしてきたので、隣りに舗装路が出てきた所で崖をよじ登ることになりました。最年長の私は二本スティックを使い懸命に登っているとみんなが手を差し出してくれるが、そこまでじゃないのでフンガーッと気合いを入れて上がって行くとアメリがリスペクトユーと言ってくれました。え、こんなんで尊敬されるの?何だか照れくさいじゃないかよ。 本日の行程で一番綺麗で、しかも歩きやすい道が続いていました。こんな道を半日歩けたら素晴らしいなと思えるような道です。小さな小川もあるけど、まぁ何とか全員が濡れずに渡河成功。ここでアメリがピッピと言ってお尻をちょこんと出す可愛いパフォーマンス。藪の中に消えて行きました。わざわざ言わなくても良いのに相変わらずくったくの無い子だな。 下った村がコトンだった。小さな村だがちゃんとバルがあって賑わっているので不思議なようだ。どうやらここでタクシーを待つらしいのが分かった。すぐ来るのかと思ったが、かなりの時間をバルで待たされたが、タクシーとの待合い場所はバルから離れた所だったので移動。雨降りなので寒い中を外で延々と待たされる。ドロタがいきなり歌い踊り出したのは驚いた。いま気が付いたがドロタ・オドロイタ、似てるんだな。笑 やっとこさやって来たタクシーに乗ってケンタールホテルへ一直線。ホテル前に到着すると、ちょうどそこへスピードスターの二人も到着してきて何か言っている。スペイン語は分からなくても何を言ってるのかは大体想像着く。タクシー使ってずるいとか言ってるんだろう。はいはいズルですよ。 Quentar Hotel、4人部屋で一人15ユーロです。最後にチェックインした私はモタモタしていて全員が居なくなった所で部屋探し。運良く最初に尋ねた部屋が私が泊まれる部屋だったので3人が迎え入れてくれる。女性3人と同室ですが家族みたいなので快適です。アメリがバスルームにドライヤーを発見して大騒ぎしている。女性にとってドライヤーってそんなに価値がある物だったのか? 明日はグラナダなので近くのレストランに集合して前祝いみたいなことになりました。最初は四人だけだったのが、後から後からやって来るのは不思議なようだった。あのラトビアの夫婦までケンタールに到着してレストラン前を歩いてたので声を掛けると当然ながら参加してきました。写真、一番手前の女性がラトビアの奥さんで、旦那は写真を撮ってる人です。 更に驚くことが、、、スペイン人にグラナダで2泊したいので安いオスタルを知らないかとふれ回ってたら、マイが、自分の家に二泊していいよと提案してくれたので即決です。ビックリポンでしょう!?カミーノは苦労と驚きと感動の連続です。 さて我々の四人部屋に戻ると他の四人もやって来てベッドの端に腰掛けてお喋りを始めました。スペイン語は分からないので私に取ってはありがた迷惑ですが、そんな顔もできないので大人しく聞いています。スペイン親父二人はその後も二度もやって来たのでグアダルペがイライラしているのが分かった。最後に出て行ったその後に、いまいましそうな顔をして内カギをカチリとしたのが小気味良かった。笑 今日の歩数 57346歩(二日分) 3月31日 ケンタールホテルは朝食付きなので全員が同じテーブルに座って頂きました。ジュースや果物まであるので随分と増しな朝食です。ここはアルベルゲではないけれど、Peregrino(巡礼者)と書かれたボードがあるし、巡礼は特別値段で泊まらせてくれてるのか知れない。 本当はここに泊まるのじゃなくて、ネリーが予約したのは別の宿だったらしく、マイが「ネリーが怒っている」と耳打ちしてきた。それと、日数が短くて済むように宿の予約をしたとも言ってたそうだ。そんなこと言ってもねー、私のような年配者もいるんだからもっと緩い日程にして貰わないと困るのよ。それで私はへろへろの毎日を送らされていた訳か。 今日はグラナダ到着の日だけど早朝から雨が降っています。 同室の三人はバスで移動すると言うので、グラナダくらいは歩きで到達したいと思っても話に乗ります。まぁ腰に爆弾持っているので雨の中を歩いてこれ以上腰を悪くしたくないし調度いいかと納得する。 昨日のタクシーに続いてのスキップですが、今までのカミーノで初めての体験です。まぁ今回は予想以上にしんどいのでこれもアリかな。 ここまでの歩数 187386歩 前回との累計 336097歩 モサラベの道04へつづく |