17)北アルプス(餓鬼岳2647m、有明山2268m) : 2014年10月9日〜10月11日 2014年山の記録に戻る、2014年チョウに戻る 有明山は、飛騨山脈(北アルプス)にある2,268 mの山である。山体すべてが長野県に属する。独特の台形の形が富士山に似ており、有明富士(信濃富士・安曇富士)とも呼ばれる。森林限界帯が無く、冬も雪に覆われることが少なく、北アルプスの景観を邪魔しているとも言われることもある。市街地からはすぐに目を引く存在になっている。山頂部は、北岳・中岳・南岳の3つのピークはある。最高点の北峰は、二等三角点が設置されている。山岳信仰の山であり、山麓に有明山神社が置かれている。山頂には有明山神社の奥宮がある。日本二百名山。 餓鬼岳も、飛騨山脈にある2,647mの山である。山体すべてが長野県に属し、中部山岳国立公園内にあり、日本二百名山に選定されている。高瀬川の支流の源流の花崗岩質の山である。北西約5.1kmの位置に高瀬ダムがあり、北約4.8kmの位置には七倉ダムがある。山頂には三等三角点がある。山頂周辺は森林限界のハイマツ帯で、その砂礫部に高山植物のコマクサの群生地がある。山頂直下約100m南には、昔ながらの山小屋である餓鬼岳小屋がある。山名の由来は安曇野から見上げる岩壁がそばだっているので、「崖(がけ)岳」が転訛したとする説もある。2009年7月18日には、麓のエリアにオオルリシジミの放し飼いをしている、国営アルプスあづみの公園が開園している。 @有明山2268m : 2014年10月9日 A白沢登山口〜餓鬼岳〜剣ズリ〜東沢岳乗越〜中房温泉 : 2014年10月10日〜10月11日 今回の餓鬼岳は中房温泉からの往復を2010年に経験済みだ。山の仲間と一緒に、白沢登山口を出発して、東岳乗越から、中房温泉に下りるコースとした。餓鬼岳までの長い道のりは、歩くには十分すぎるほどで、変化に満ちたものだった。山頂からの針ノ木岳、立山、剱岳など素晴らしい眺望、目も覚めるような夕焼け、変化にとんだ岩峰の縦走路など、願ってもない経験だった。前日の9日には、中房温泉に入り、有明山を登った。こちらも急坂の連続で、登り応えのある山だった。往復登山後は、車を残し、バスで穂高駅に出て、北大町で合流した。11日の下山後は止めておいた車で、安曇野ICから戻った。 @有明山2268m : 2014年10月9日 中房温泉(6:50、6:57出発)−この間30分ほどで、間違って登山道を離れ、稜線を目指す−稜線(9:47〜9:52)右方向へ−2283mピーク(10:18)−中房温泉からの稜線コル(10:35)−有明山北峰(11:03〜11:18、昼食)−中峰(11:23)−南峰(11:32)−北峰(11:44〜12:00)−稜線コル(12:17)−3段の滝(寄り道10分)−中房温泉14:10 歩行時間 7時間13分 (休憩時間含む。登りは道を間違ったため参考記録)、下り:2時間17分 夜、地元を出発、梓川SA で仮眠、4時前にはスマートICを出て、更に安曇野の道の駅で仮眠する。お腹を満たし、6時には中房温泉に向かう。 1370m地点から標高差1270m、往復約6q。標準タイム、登り4時間で急登がある。駐車場奥の有明中房登山口を出発する。すぐにたる沢の滝で、水音が響く。急登して有明荘からの道と合流する。かなり急坂、木の根を踏み、ロープにつかまりながら登る。最初の木の階段を登り、直進する。どうやらこのあたりで、右に行くところを、そのまま進み、道を間違ったみたいだ。しばらくして、道が細くなり、踏み跡も貧弱だ。所々で古い赤テープがあり、そんなものかと先を進む。後で分かったことだが、正規のルートはピンクの新しいテープ場各所にあって、見損じたようだ。間違うときはこんなものだろう。時には、藪こぎ、急峻な岩をよじ登りながら、稜線を目指す。樹間に垣間見える表銀座の稜線を確認、コンパスを頼りに、急騰すること2時間30分ほどで、稜線出でる。踏み跡もない稜線を右に進み、30分弱で、本来のコルから左の2283mピークに出る。ここから、急な道なき道を進み、中房温泉からの登山道に合流できた。ここまで出発から、3時間40分、1時間は余計にかかっやだろうか。ホッとしたのは言うまでもない。ひと登りで山頂に着く。山頂からは、北に餓鬼岳、蓮華岳〜針ノ木岳の稜線、北東に焼岳〜妙高山が見える。有明山山頂、北峰の祠で昼食を取り、中峰、南峰を駆け足で往復する。しばらく休憩し、本来の道を下山する。随所にピンクの目印がある。急坂、岩場、クサリ場、梯子など気を抜けない。帰りには、3段の滝により、2時間10分で中房温泉に到着した。 チョウは、山頂で見たエルタテハ、登山口のゴイシシジミとスジグロシロチョウだった。 下山後は、車を置き、バスで穂高駅に出て、信濃大町で乗り換え、北大町のホテルに入った。途中、穂高駅で明日と明後日の食料、今日の夕食を仕入れた。天気は快晴、良いスタートだった。
A白沢登山口〜餓鬼岳〜剣ズリ〜東岳乗越〜中房温泉 : 2014年10月10日〜10月11日 10月10日 林道終点(6:55)−白沢登山口(7:04)−紅葉ノ滝(8:05〜810)−魚止ノ滝(840〜8:55)−最終水場(9:26〜9:32)−大凪山(11:45〜11:50)−大休止(12:00〜12:20、昼食)−2100m地点(13:12)−百曲り口(14:06)−餓鬼岳小屋15:20(宿泊手続き)−餓鬼岳往復 歩行時間8時間25分 (休憩時間含む)、歩行距離 13.9q時間 、累積登高:2237m 北大町のホテルをタクシーで林道終点まで行く。身支度を整え、出発する。10分弱で登山口の白沢登山口に着く。白沢砂防堤から登山道に入る。始めはしばらく林道を行くが、標高差約1700mを登ることになる。沢沿いを行く。紅葉が始まり、沢が美しい。沢を渡ったり梯子を登ったりしながら進む。白沢登山口から1時間10分で紅葉ノ滝に着く。写真を撮りながらの歩きで、ややゆっくりペースだ。針金や梯子など頼りの急な登りを経て魚止ノ滝、最終水場を通過する。紅葉もあり綺麗だが、登りはつらい。カラマツ、針葉樹林の中を進む。足元には、ゴゼンタチバナの赤い実が目を引く。急登ののち大凪山に着く。ここがというような所で、ピークでもなければ見通しもない。ここからは、なだらかな尾根となり、ホッとする。しばらくして、適当な場所を見つけ、昼食とする。一旦は下り、巻くようにして進めが、餓鬼岳への最後の急坂、百曲がりに着く。ジグザグを登り切り、水平にしばらく進み、少し登ると餓鬼岳小屋に着く。宿泊の手続きを済ませ、まず、山頂へ行く。数分で着く。山頂は花崗岩の露岩と風化砂礫で、祠がある。森林限界をわずかに抜け出してハイマツと夏にはコマクサが楽しめる。線条構造土の縞模様も目につく。山頂からの眺めは抜群である。裏銀座、表銀座、南方向には槍ヶ岳や穂高岳、北方向には針ノ木岳、剱岳、立山方面が迫力満点の山容を見せていました。富士もうっすらと、北信の戸隠山 高妻山、妙高山〜火打山、雨飾山も見え、浅間山も存在感がある。 夕食は5時からで、炊き込みご飯とおでんが美味しかった。夕食後の夕焼けが素晴らしく、寒さも何のその、長いこと粘った。烏帽子岳に続く裏銀座をシルエットに真っ赤に染まった空は格別の風景でした。8時には消灯、疲れたせいか眠りは早かったが、夜中に目が覚めてしまった。 常念岳〜大天井岳〜燕岳、上に槍ヶ岳、大きな山影が中沢岳と稜線
烏帽子岳稜線、立山〜剱岳、針ノ木岳〜蓮華岳、鹿島槍ヶ岳〜五竜方面
左より、常念岳〜大天井岳〜燕岳の表銀座稜線、その上に槍ヶ岳、大きな山影が縦走路の中沢岳、すぐ右手奥が笠ヶ岳〜双六岳〜三俣蓮華岳〜鷲羽岳〜野口五郎岳の裏銀座の稜線
10月11日 餓鬼岳小屋5:40−餓鬼岳(5:50〜6;15)−餓鬼岳小屋(6:20)−剣ズリ−岩峰群2644m(7:40〜7:45)−2508mピーク(8:50〜9:00)−東沢岳分岐(10:20〜10:25)−東沢岳乗越(10:47〜10:57)−西大洞沢出合(11:40〜12:15 )−大高巻き(13:00〜13:10)−中房温泉(14:05) 温泉入浴 15:10出発 歩行時間7時間45分 (休憩時間含む)、歩行距離 10.2q時間 、累積下降:1841m 準備の朝食を取り、餓鬼岳に登る。日の出方向は雲がかかり、朝日に染まる剱岳〜立山は期待外れだったが、そのほかは雲もなく、大パノラマだ。空は朝焼けで染まり、まずまずであった。小屋に戻り、岩稜の道を進む。クロマメノキが紅葉し、カラマツの黄葉も目に留まる。北に続く、岩の峰も登山欲をそそる。餓鬼岳を背にしながらの稜線歩き、剣ズリが近づいて梯子や桟道が出てくると眼下に高瀬湖、対岸には裏銀座の山々がどっかりと居座る。雄大な眺望を楽しむ。槍ヶ岳はすぐに見えなくなり、岩塊の重なる歩きにくい箇所が次々と現れる。両手で支え、慎重に進む。思ったより時間がかかる。眺望は素晴らしい。2時間ほどで、巻くように森林帯に入り、登りかえすこと2回、4時間で東沢岳直下に着く。笹の道を下り、東沢岳乗越で休憩をとる。滑りやすい急坂を下り、西洞沢出合に出たところで昼食にする。コーヒも楽しみホッとする。これからは、沢を慎重に何度か渡り、アップダウンを繰り返しながら中房温泉についた。東沢岳乗越から3時間余り、温泉にゆっくりとつかった。帰りは、豊科駅に1人を送り、帰路についた。 3日間とも快晴に恵まれたすばやしい山行だった。岩稜、沢渡り、急坂、スリル満点の道と、素晴らしい夕焼けと眺望をタップリと味わった。 チョウは、西洞沢沿いにみたヒオドシチョウとスジグロシロチョウだった。
![]() 2014年山の記録に戻る 2014年チョウに戻る 作成日: 2014年10月14日 |