18)南アルプス遠征:甲斐駒ヶ岳:8月8日、  2016年山の記録に戻る
 
 甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)は、南アルプス国立公園内の赤石山脈(南アルプス)北端の山梨県北杜市と長野県伊那市にまたがる標高2,967 mの山である。峻険な山容をもち、半ば独立峰のような姿勢で屹立する日本アルプス屈指の名峰で、日本百名山、新日本百名山、新・花の百名山、山梨百名山、日本百景に選定されている。「駒ヶ岳」の名を冠する独立した山は全国に18山あるが、その中ではこの甲斐駒ヶ岳が最高峰であり、木曽駒ヶ岳が2,956 mでこれに続く。ただし、富士山の火口を取り巻く火口縁(いわゆるお鉢めぐり)の南側には、駒ヶ岳もしくは浅間岳と呼ばれる小突起があり、その標高は3,715 mである。長野県側(特に甲斐駒ヶ岳と木曽駒ヶ岳に挟まれる伊那谷周辺)では、甲斐駒ヶ岳を東駒ヶ岳(ひがしこまがたけ)、木曽駒ヶ岳を西駒ヶ岳と呼ぶ。南アルプスの山々は、高い標高と大きな山容を持ってはいるが、全般になだらかな稜線を連ねており、鋭角的な姿をした山は多くない。しかも、仙丈ヶ岳など南アルプスの他の多くの山は、前山に阻まれて人里からは間近に見えないことも多い。これに対して、甲斐駒ケ岳は、山梨県側の山麓から一気に2,500 mほどの標高差をもって立ち上がっており、中央本線沿線からもその全貌が望まれる。さらに、水成岩の山が多い南アルプスの中で、例外的に火成岩である花崗岩から成るため、山肌が夏でも白く望まれることも、駒ヶ岳の個性を際立たせている。このため、甲斐駒ヶ岳は古くから多くの人々に名山として称えられ、詩歌に歌われてきた。作家の宇野浩二はこの山を「山の団十郎」と評し、江戸時代の僧侶海量は、「甲峡に連綿として丘壑(きゅうがく)重なる 雲間に独り秀づ鉄驪(てつり)の峰」とその姿を漢詩に歌っている。甲斐駒ヶ岳はまた、古くから信仰の対象ともなってきた。山梨県側の山麓の横手・竹宇両集落には駒ヶ岳神社が鎮座しており、そこから山頂にいたる黒戸尾根には現在も信仰にまつわる多くの石碑や石仏が残る。
登山ルートであるが、北沢峠からのルートは二つある。@稜線ルート:双児山と駒津峰を経由する尾根のルート。最後、六方石の先は、急な花崗岩の岩の稜線を直登する冬期ルートと、南側の斜面を周り込むトラバースルート(巻道)がある。トラバースルートの方が一般向きで、途中に摩利支天(まりしてん、2,820 m)への分岐があり、山頂直下で黒戸尾根からのルートに合流する。山頂には駒ヶ岳神社奥社があり、大きな花崗岩の岩が林立する。A仙水峠を経由するルート:仙水小屋と仙水峠を経由し南側から回りこみ、駒津峰で稜線ルートに合流する。仙水峠の下部には、岩がごろごろした岩塊斜面がある。仙水峠から駒津峰への登りは急峻で、下部は針葉樹林帯、上部は森林限界のハイマツ帯で高山植物が自生し、ライチョウの生息地にもなっている。また、鳳凰三山からの早川尾根のルートは、アサヨ峰と栗沢山を経て仙水峠で本ルートに合流する。(ウイキペディアより)
 今回は、3日間の白根三山の縦走の余勢をかって、甲斐駒ヶ岳に登った、2001年以来15年ぶり、素晴らしい眺望を満喫した。人出は最高、すれ違いにずいぶん時間を取られた。登りは双子山を経由し、下りは駒津峰から仙水峠に下りた。仙水峠ではアサヨ峰に登ったもう一人の同行者に出会い、北沢峠まで一緒した。仙水小屋で飲んだ水は最高だった。 

こもれび山荘(4:50発)−二合目(5:27)−不動岩−双児山(6:09〜6:16)−駒津峰(6:50〜7:00)−六方石−八合目−甲斐駒ヶ岳山頂(8:00〜8:35)−隣のピーク(8:38〜8:43)−八合目(9:14)−駒津峰(9:35〜9:46)−仙水峠(10:37〜10:43)−こもれび山荘(11:46) 
                 歩行時間:5時間32分 (行動時間 6時間56分)
          
 同行の2人はすでにアサヨ峰に向け出発している。私は、小屋の用意の朝食弁当に3時から用意の味噌汁を駆け込み出発する。小屋がお薦の仙水峠経由でなく、双児山のルートをたどることにした。針葉樹林帯のやや薄暗い中をつづら折りに進む。しばらくで傾斜が強くなる。先行する単独の2名を追い抜き進む。早朝とはいえ、汗が出る。見通しのきかない樹林帯を抜け、不動岩と呼ばれる岩場にさしかかる。この急な岩場を登りきれば素晴らしい眺望が待っている。さらに進めば双児山である。振り返れば、千丈ヶ岳、更に横には中央アルプスが続く。一方、アサヨ峰から白鳳三山の山並みが眺望できる。前にはどっしりと甲斐駒ヶ岳が迫ってくる。大きな岩場を下り、進んでいくと白鳳三山の横に富士山が姿を見せる。思った以上に下り、また登り返すと駒津峰だ。仙水峠からの登山客で賑やかである。ここから六方石までは狭い岩場の稜線で、思うように進めない。見通しは良く、眺望で気を紛らわす。壁の岩場で、団体客を振り抜け、やっと渋滞から解放される。六方石で直登の道を分け、右を巻くように進む。最後のがれきの道も厳しく、景色を振り返りながらあのつらい登りだ。駒津峰から1時間で山頂に着いた。遮るものがない素晴らしい眺望が開ける。仙丈ヶ岳から塩見岳に続く縦走路、北岳〜間ノ岳、白鳳三山〜アサヨ峰、八ヶ岳連峰、中央アルプス、北アルプス、隣の鋸岳の鋭鋒等々、見飽きることがない。肝心の富士山であるが、山頂に少し雲がかかりだす。2人が行ったアサヨ峰に望遠を向け山頂を眺めるが、人がいる尾かいないのかわからない。しばらくしてまた望遠で見るが変化はない。同じ時間帯に村上さんが山頂にいたことが後で分かったが、岩の陰に隠れていたのか確認できずに終わった。山頂で35分と長めの滞在の後、元来た道を戻り、隣のピークに立ち寄る。石碑群、駒嶽神社と書かれた石碑、大國主命の石柱ほかたくさんの石碑が立ち並ぶ。帰りは順調、30分ほどで八合目、更に20分で駒津峰に出る。ここからは、急坂を仙水峠に下る。思ったよりも長く、50分ほどかかった。時々見える栗沢山とアサヨ峰、何人かに道を譲ってもらう。峠でMさんに出会う。アサヨ峰から余裕ができ、こちら方向に変更したとのことであった。仙水峠は広範囲に渡って大きな岩塊で埋め尽くされている。氷河時代に形成された「岩塊斜面」で、岩石に入り込んだ水の凍結と融解で大量の巨礫を生み出したことが原因である。仙丈ヶ岳を背景に写真を撮り、大きな岩で歩きにくい岩場を通り、なだらかな道を進む。シラビソとコメツガの針葉樹林帯を進み、沢に下って行くと、仙水小屋に出る。小屋の人に断り、冷たい水を飲む。最高に美味しい水だった。多少のアップダウンを繰り返し、突堤を過ぎ、丸太橋を渡れば長衛小屋、テント群が現れる。ここから一歩きでこもれび山荘である。縦走を一緒したTさんは先に帰っており、小屋の前のベンチで休んでいた。小屋のお湯でポタージュを作り、3人そろって昼食にした。臨時のバスがあり、早めに仙流荘バス停に戻ることができた。帰りは高遠温泉に入り、そばを食べた後、車で滋賀県に戻った。天気に恵まれた南アルプス遠征であった。4日間、3つの百名山、1つの二百名山を登った。新たに農鳥岳を加え、238の三百名山を達成した。
富士山〜前方に白鳳3山〜アサヨ峰/栗沢岳〜後方に北岳/間ノ岳/農鳥岳の白根三山〜塩見岳から千丈岳のmなみアルプス縦走路

白鳳三山の後方に富士山 六方石〜駒津峰〜双児岳〜千丈ヶ岳、後方中央アルプス・御嶽山 山頂スナップ
村上さんのいるアサヨ峰山頂、どこに?甲斐駒山頂から 仙水峠の岩石群

山頂から八ヶ岳

コースMAP
(国土地理院の地図を引用) 
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作成日: 2015年8月25日