22)北陸遠征(籾糠山) 1744m :10月10日、 2016年山の記録に戻る、 籾糠山(もみぬかやま)は、岐阜県飛騨市と大野郡白川村にまたがる飛騨高地の標高1,744mの山。飛騨高地の主稜線上にあり、国道360号の天生峠(標高1,289 m)の南南西2.7 kmに位置する。天生峠は、映画化された『高野聖』(泉鏡花原作)の怪奇小説で知られるようになった。山頂の北西5kmの麓には、白川郷の萩町集落がある。1998年(平成10年)4月1日に、周辺の山域は岐阜県により天生県立自然公園に指定された。ぎふ百山のひとつである 。国道360号の天生峠から、山頂へは中部北陸自然歩道の登山道(遊歩道)が整備されている。ブナやオオシラビソなどの原生林や高層湿原(天生湿原、木平湿原、ミズバショウの群生地)を通るコースがある。ブナ、カツラ、サワグルミなどの原生林にはツキノワグマなどが生息する。山頂は鋭く尖った円錐形の小ピークで、狭い山頂には三等三角点(点名が「籾糠山」)が設置されている。山頂から南南東に御嶽山、東に飛騨山脈、北に飛騨北部の山並みを望むことができるが、白山は猿ヶ馬場山に隠れて見えない。神通川水系小鳥川の支流である金山谷の源流の山である。この金山谷では江戸時代初期から天生金山が開かれ、昭和初期まで金、銀、銅、亜鉛などが採掘されていた。山名の由来であるが、飛騨の匠(左甚五郎、鳥仏師の鞍作鳥など)が天生峠近くの山中で木の人形を作り、稲作を行わさせた時に精米した籾と糠が風で飛んで積み重なって山となった伝説に由来する。その後に木の人形が埋葬された山が、北側にある人形山であると伝えられている。(ウイキペディアより) ひらせ温泉キャンプ場(7:15発)−白川郷荻町(7:30)−天生峠(8:05、8:15出発)−天生湿原南口(8:45)−天生湿原木道東回り−天生湿原南分岐(8:55)―カラ谷分岐1360m(9:00)−ミズバショウ群生地(9:15)−籾糠分岐1620m(10:20〜10:25)−籾糠山山頂(10:50〜11:50)−籾糠分岐1620m(12:10)−木平分岐(12:20)−カラ谷登山道(カツラの巨木群、カツラ門:12:45、12:50)−カラ谷分岐1360m(13:00〜13:05)−天生湿原ゲート口(13:05〜13:15)−天生湿原木道西回り−天生湿原北分岐(13:20)−天生峠(13:40、14:05出発)−白川郷展望台城山(14:35〜14:40)− 白川郷荻町(14:50)−白川郷IC(15:15)−ひるがの高原SA(16:00)−養老SA(19:10)−自宅(20:10) 歩行時間:4時間10分 (行動時間 5時間25分) 歩行距離:9.85q、累積登高:1042m 5時30分前には起床した。テントではほとんど寒さはなかった。テントをたたみ車に積み込む。昨日の野菜の残り、果物、鍋で朝食を済ませる。後始末を済ませ出発は7:15になった。24q先の天生峠に向かう。途中の道はガスがかかり、上のほうでは視界が悪くなった。峠には大きな駐車場があり、登山口では自然保護員が陣取っている。ちょうど1時間の行程だった。身支度を済ませ、協力金500円を支払い、天生湿原の案内パンフを受け取り、緩やかな登山道を進む。入口は植物の持ち込みを防ぐ準備が怠りなくされていた。あたりはガスがかかり、肌寒い。足元に花はなく、赤い実がついた蔓状の植物が這っている。早々にキノコが出てくる。穏やかな登りを進む。紅葉にはまだのようである。左手の斜面に沿った形でさらに進み、沢に下り登り返してしばらくで天生湿原口に着く。ゲートを開け、左手の木道東回りを進む。湿原は、茶〜橙に枯れている。時折、ナナカマドの赤い葉や実が目を引く。緑のコケが鮮やかである。花の時期であればあれば、ニッコウキスゲ、ヒメシャクナゲ、ホロムイソウ、ミズバショウ、モウセンゴケ、リュウキンカ、ワタスゲが楽しめる。ガスがかかり、結構雰囲気が出ている。幻想的ですらある。西回りと合流し湿原はしばらくで終わる。湿地を抜け、渓流を抜けるとカラ谷分岐に着く。ブナ探勝路と書かれ、その下にミズバショウ群生地、ブナの巨木と書かれている。ブナ探勝路の方向に進む。枯れた沢を横切ると、ガスがかかった中にブナの巨木が立ち並ぶ、1人では抱えきれない見上げるような大木が林立する。そしてしばらくでミズバショウ群生地と書いた表示が出てくる分岐が出てくる。案内通り進み、3分ほどで湿原に着く。今の時期、枯草の何の変哲もない湿地である。看板に最盛期の花の写真が掲示されている。5月の雪解けの時期だそうだ。分岐に戻り本道に入る。相変わらず見上げる大木が続く。そのうち、トチノキの巨木が現れる。特徴的な葉っぱで、幹回りは一段と太い。ガスのかかった幻想的な気配である。しばらくで急な登りにでるが、道はすべて整備され、丸太で階段状になっている。登りきれば、大木や低木の樹林帯が続く。おなじみのナメコも出てくるが、多くは名前を知らない、初めて見るキノコが出てくる。籾糠分岐(1620m)に近ずくと針葉樹林帯に変わり始める、オオシラビソの原生林の始まりだ。5〜6分で分岐に出る。小休止をとる。このあたりから、ガスが薄くなり、空も明るく見える。オオシラビソの原生林は続く。しばらくは緩やかな道だが、急坂になる。緑のオオシラビソに白い幹のダケカンバが少し混じる。最後に急な坂が出てくる。山頂間近で木々の間から光が拡散する。霧が途切れ、日光が輝きを増し、梢から漏れ出ている。光芒という素晴らしい一瞬だった。しばらくシャッターを押し続ける。登り切った先が山頂になる。狭い空間で、山頂表示もこじんまりとしていて、撮影の邪魔になってしまう。山頂からの眺望は、南南東から北東にかけ展望が広がっている。その反対は猿ヶ馬場山がすぐ目の前に見え、白山は陰になっている。東方向は、一面の雲海でその上に山の上部が出ている。南南東から、御嶽山、次に乗鞍岳、さらに東にかけ、穂高連峰、笠ヶ岳、槍ヶ岳、薬師岳と北アルプスが続く。空は晴れ渡り、眺望を楽しむことができた。昼食、リンゴやブドウの果物、コーヒーを楽しみ、一時間ほどを過ごした。帰りは籾糠分岐まで30分、右手の木平方向に進む。急な坂の階段を下る。このあたり相変わらずガスがかかる。木々も巨木である。ブナが多い。下り切ったところで、カラ谷登山道と木平探勝路の木平分岐になるが、当初の予定の木平探勝路(ほぼ直進)を間違って、左手に曲り、カラ谷登山道にはいった。左手が沢筋で沿った形の下山道になる。沢沿いの道は、サワグルミが多く、こちらもずいぶんと大きな木である。数も多い。苔むした木々は相変わらずで、やがてカツラの巨木群に出る。この時期、色づき始めたカツラの葉の根本付近に分泌腺があり、ここから甘い香りの樹液が出る。あたりは甘い香りがたち込め、香りの道と呼ばれている。巨木で苔むし、かなりの古木である。しばらくでカツラ門に到着する。巨木5本が門のようにカツラの木が並んでいる。その間が門のようで以前はこの間を道が通っていたが、現在は森の保護のため、門をくぐり抜けることはできない保護観察員から先の甘い香りの話と、昔はカツラの木は普通の人は切ることができないやんごとなき木だったとの話を聞いた。別れを告げ、さらに先を進む。カツラの木はなおも続く。ブナの木も結構出てくる。紅葉にはまだまだ時間がかかりそうである。やがて、大きなカツラが現れると朝別れたカラ谷分岐に出る。ここからは同じ道を戻り、天生湿原口から、木道西回りを戻る。30分弱で、駐車場のある峠に戻った。駐車場脇にある靴の洗い場で泥を落とし、テントで出ていたお土産(物産)を購入した。白川郷に戻り、途中の城山から合掌造りを一望し、混雑した道をやっとのことでICに入り帰宅の途についた。途中、ひるがの高原SAで長い長い渋滞、その後は何とか進むことができた。不順な天気の続く10月の毎日であったが、遠征は幸いにも雨にあうこともなく、山頂では晴れ間が出てまずまずの恵まれた北陸遠征であった。
コースMAP(同行の清水さんより拝借) (国土地理院の地図を引用) 解説 天生湿原:山頂の北東2kmに雨水だけを水源とする高層湿原の天生湿原(あもうしつげん)がある。『天生の高層湿原植物群落』が、1967年(昭和42年)11月13日に岐阜県の天然記念物に指定された。湿原の周囲には木道による遊歩道が整備されていて、湿原中央部には匠屋敷跡の島地がある。天生湿原周辺では、以下の植物などが見られる。天生湿原の南西近くなどにもミズバショウの群生地がある。インタープリターによる自然解説ガイドが行われている。植物:キヌガサソウ、サンカヨウ、ニッコウキスゲ、ヒメシャクナゲ、ホロムイソウ、ミズバショウ、モウセンゴケ、リュウキンカ、ワタスゲ。 案内図より 2016年山の記録に戻る、 作成日: 2016年10月15日 |