22)信州遠征(蝶ヶ岳2677m〜常念岳2857m縦走、チョウ撮影):7月3日〜7月6日、 2017年山の記録に戻る 、チョウのページに戻る
 北アルプス登山に合わせ、松本市と安曇野市周辺でチョウ撮影の機会を持った。当初、天気が危ぶまれたが良い天気になった。
@2017年8月3日 チョウ撮影(松本市周辺、奈川、安曇野市周辺、穂高有明)
  ゴマシジミ(新)、クロツバメシジミ(新)、アカセセリ、ミヤマシジミ、ヒメシジミ、アサマイチモンジ、ウラギンヒョウモン、ジャノメチョウ
A2017年8月4日〜8月6日 蝶ヶ岳〜常念岳縦走
 ミヤマモンキチョウ、ベニヒカゲ、エルタテハ、
 

@2017年8月3日 チョウ撮影(松本市周辺、奈川、安曇野市周辺、穂高有明)
 自宅4;20〜名神高速道〜中央道〜19号〜26号〜奈川ポイント(9:40〜11:50)〜松本周辺(13:20〜14:20)〜安曇野市周辺穂高有明(15:00〜15:30)〜あ
ずみの公園15:45〜16:50)〜安曇野パストラルYH(泊)

 早朝の4時20分、自宅を出発し、松本市奈川に向かう。ゴマシジミのポイントで、地域として保護されている。採取禁止で撮影には申し分ない。ここはあ
るきっかけから知り合った方に教えてもらったポイントである。撮影記録はネット検索でたくさん出てくる。小牧JCTから中央道に入る。北へ向かうにつれ、
空模様は曇りから、雨がちらつき出す。中津川ICから19号線に出て北上する。事情で古いフィルダーに車を変えたのだが、エンジントラブルランプの点灯
に加え、ナビが完全に使えなくなった。あらぬ場所、あらぬ方向に進んでしまう。ランプ点灯は前にもあり、検査で問題ないとのことだったが、長い時間の
点灯は不安で仕方がない。藪原から26号線に入るころにはすっかり雨になる。9時前である。途中の駐車エリアでしばらく時間稼ぎをし、奈川への到着を
遅らせる。松本は9;00以降、曇りになり、回復予報が出ている。これに期待する。車の方も、点灯がなくなり、これ以降、悩まされることはなかった。境峠
を越え、松本市に入ると急に空が明るくなる。雨もなくなり、曇り空、一部青い空が覗いている。奈川の学校近くの道の駅で確認するが、親切にもすぐの
所まで車で先導してくれる。後は地図を頼りの探索である。始めは曇り空とはいえ、時折パラパラと雨になるが、撮影にはあまり支障がない。心配をした
が、すぐにそれとわかるシジミチョウが現れる。ワレモコウにも止まってくれ、早い時間で撮影がうまくいく。余裕も出て、あたり周辺をくまなく歩く。撮影者
は友人通しと思われる2人のみ。毎年1度は訪れるとのことであった。以外にもアカセセリが多い。ヒメシジミ、アサマイチモンジも現れる。たくさんのジャノ
メチョウ、ありきたりのルリシジミ、ウラギンヒョウモンもいて結構種類も多く、期待以上であった。

ゴマシジミ
  

アカセセリ
  

ヒメシジミ



         
 アサマイチモンジ  ルリシジミ  ウラギンヒョウモン  ウラギンヒョウモン  ジャノメチョウ

奈川で成果大、クロツバメシジミのポイントに向かう。こちらも教えてもらった場所になるが、ナビのない車で、想像以上に難儀をした。コンビニで長野県
の地図を買い、信号名を確認しながらの運転になった。最初のポイントでは、堤防上の道路に車を止め、買ったお弁当を食べながらの撮影になった。ツ
メレンゲが多く、新鮮な個体を難なく撮影することができた。これ以外には、コミスジ、ミスジチョウ、などが加わった。太陽がジリジリと照り付ける天気にな
り予報は良いほうに外れた。

クロツバメシジミ
  

  
ミヤマシジミ
    

次のポイントでは、田舎道を走り、土手沿いに着いた。河原まではとても行く気になれず、土手をしばらく歩いてみた。ツバメシジミ、ルリシジミ、ヤマトシジ
ミに混じってミヤマセセリがいるではないか。こんなところにと思いながらしばらくは観察に熱中した。クロツバメシジミには出会えなかった。
次のポイントでのミヤマシジミ

蝶ヶ岳2677m〜常念岳2857m縦走
A2017年8月4日〜8月6日 蝶ヶ岳〜常念岳縦走 ミヤマモンキチョウ、ベニヒカゲ、エルタテハ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ
 蝶ヶ岳(ちょうがたけ)は、飛騨山脈(北アルプス)にある標高2,677mの山。常念山脈の稜線上、常念岳の南にあり、山体すべてが長野県に属する。中
部山岳国立公園内にある。蝶槍の南に三等三角点(標高2,664.32m、点名は蝶ヶ岳)があり、長塀ノ頭が最高点(標高2,677m)である。1990年(平成2年)
頃に、蝶ヶ岳の山頂は前者から後者と解釈するように変わったとされている。 山体はなだらかで、蝶ヶ池、妖精ノ池などの湖沼が点在する。稜線は、二
重稜線となっている。この二重稜線が積雪に大きく関与するため、高山植物の分布に影響を与えている。山頂付近は、森林限界のハイマツ帯で、ライチ
ョウの生息地となっている。雪形と山名の由来は、1640年代(正保)の絵図に蝶ヶ岳の山名の表記があった。 5月下旬から6月上旬頃に、蝶ヶ岳山直下
南側の稜線付近に白い羽根のチョウの雪形が現れる。安曇野(安曇野市豊科付近)から見えるこの雪形を農耕の目安としていた。山名の由来はこの雪
形に由来している。また5月下旬頃に、蝶ヶ岳の三角点の付近の稜線付近に「黒い蝶」の雪形が見られる。山岳写真家の田淵行男は『山の紋章・雪形』
で、この白い蝶をミヤマモンキチョウに例えた。登山ルートは、各方面からの登山道が整備されていて、東側の三股からの蝶ヶ岳新道が、最短ルートであ
る。山の上部の登山道周辺では、オオサクラソウ、クルマユリ、キヌガサソウ、シナノキンバイ、チングルマなどの高山植物が見られる。山頂付近の稜線
や常念岳の北側の常念乗越付近などでは、ミヤマモンキチョウ、ベニヒカゲなどの高山蝶が飛び交っている 。
 常念岳(じょうねんだけ)は、飛騨山脈(北アルプス)南部の常念山脈にある標高2,857 mの山である。山体すべてが長野県に属し、松本市と安曇野市に
またがる。常念山脈の主峰。日本百名山のひとつ。安曇野からは全容が望め、ピラミッド型のその端正な山容は一目瞭然ですぐ見つけられる。常念岳
のこの印象的な形状は東に隣接する前常念岳の峰が重なって見える安曇野市豊科以南から眺める場合で、安曇野市穂高以北になるとそれぞれの峰が
独立して見えるためまた印象が違って見える。なお、安曇野から眺められる北アルプスは、常念山脈が主役で、穂高岳、槍ヶ岳といった山々は、常念岳
、蝶ヶ岳、大滝山といった前衛の常念山脈に隠れ、場所によってその間から顔を出す程度である。安曇野のシンボルであり、長野県立こども病院のマー
クにも使われている。常念岳の北側の山体は花崗岩質からなり、南側の不変成古生層と大きく異なる境界となっている。東側の山腹には常念岳断層が
確認されている。高山帯の山頂部には花崗岩の岩塊が積み重なっている。常念坊と山名の由来は、残雪部前常念岳の中央に、黒い姿のとっくりを手に
した坊さんの雪形の常念坊が見られる。古くは乗鞍岳と呼ばれていた。常念岳の由来は、昔、毎年暮れに不思議な常念坊という山姥が酒屋に酒を買い
に来たからという説や、坂上田村麻呂がこの地に遠征した際に、重臣である常念坊がこの山へ逃げ込んだとされることから付けられたという説など、いく
つかの説がある。春に前常念岳の東北東の雪の斜面に、とっくりを手にした坊さんの黒い姿の常念坊の雪形が見られ、安曇野に田植えの時期を知らせ
る雪形とされている。安曇野名誉市民の山岳写真家の田淵行男が、『山の紋章 雪形』の著書でこの雪形を紹介している。動植物であるが、標高約
2,400 mの上部は、森林限界を越える高山帯でライチョウの生息地となっている。山腹にはホシガラス、メボソムシクイの鳥類やツキノワグマ、カモシカ、
キツネ、ニホンザルなどの哺乳類が生息していて、近代登山史以前から猟師の狩猟場となっていた。常念乗越など周辺の山域は、ミヤマモンキチョウや
タカネヒカゲなどの高山蝶が生息し、田淵行男が100回以上常念岳に登り、高山蝶の研究を行った。当時9種類を確認し、タカネヒカゲは長野県の天然記
念物に指定されている。ハイマツ帯にはアオノツガザクラ、イワギキョウ、クロマメノキ、コマクサ、チングルマ、ハイマツ、ミヤマキンポウゲなどの高山植
物が自生している。登山ルートであるが、山小屋開きと共に残雪期の春山登山シーズンが始まる。安曇野側及び上高地側からのルート及び常念山脈の
稜線上に登山道が開設されている。東の安曇野側にからは、中房登山口、一ノ沢登山口、三股登山口などが利用されている。安曇野の麓の中学生が
夏休みに、一ノ沢の登山口から常念小屋に一泊して学校登山を行っている例がある。西側からは、上高地奥の徳沢や横尾などの登山口などが利用され
ている。また他に大滝山を経由する中村新道や槍ヶ岳方面から大天井岳を経由した常念山脈の縦走路が利用される場合もある。山頂の岩場には、祠と
方位図が設置されていて、360度の展望が得られる。かつて槍沢の一ノ俣谷出合には一ノ俣小屋があり、そこから一ノ俣に沿って常念乗越に至る上級者
向けの谷コースがあったが、現在は廃道化している。 1919年の常念坊乗越小屋開業当時は、上高地から槍ヶ岳へのルートはまだ整備されておらず、「
有明 - 中房温泉 - 大天井岳 - 常念乗越 - 一ノ俣谷 - 槍沢 - 槍ヶ岳」のルートが利用されていたが、その後小林喜作が整備した表銀座の喜作新道が
メインのルートとなった。
・中房登山口 中房温泉 - 合戦小屋 - 燕山荘 - 蛙岩 - 切通岩 - 大天井岳 - 東大天井岳 - 横通岳 - 常念小屋 - 常念岳
・一ノ沢登山口 ヒエ平 - 王滝ベンチ - 胸突八丁 - 常念小屋 - 常念岳
・三股登山口三股 - 前常念岳(一等三角点と石室) - 常念小屋 - 常念岳 (2014年現在前常念岳から常念小屋への道は通行止め、前常念岳から常念
岳へ直接向かう道がある)
・三股 - 本沢吊橋 - 力水 - まめうち平 - 蝶ヶ岳 - 蝶ヶ岳ヒュッテ - 蝶槍 - 常念岳
・横尾登山口:上高地 - 徳沢 - 横尾 - 蝶槍 - 常念岳
・徳沢登山口:上高地 - 徳沢 - 長塀山 - 蝶ヶ岳 - 蝶ヶ岳ヒュッテ- 蝶槍 - 常念岳
 (ウイキペディアより)

 今回の当初の計画では、三股 - 本沢吊橋 - 力水 - まめうち平 - 蝶ヶ岳 - 蝶ヶ岳ヒュッテ(泊) - 蝶槍 - 常念岳−横通岳−東天井ー大天井(泊)−燕
岳−合戦小屋−中房温泉、2泊3日の予定だったが、大天井まではややきついと感じたため、常念小屋で急遽泊り、一ノ沢へ下山した。縦走路では、結
構な数のミヤマモンキチョウに出会った。他には、ベニヒカゲ、エルタテハが観察できた。タカネヒカゲは確認できなかった。 

8月4日
豊科駅(10:40JR着、10:45タクシー出発)−三股林道ゲート1280m(11:15、11:25出発)−三股登山口登山届(11:40)−本沢吊橋− 力水1480m(12:05〜
12:10)−1700mポイント(12:55〜13:00)− まめうち平1910m(13:45)−蝶沢(14:32)− 2110mポイント(14:45〜14:50)−2270m(15:40〜15:45)−第2ベンチ
2350m(15:50)−最終ベンチ5.5q(1647)−2570m(17:00〜17:05)−蝶ヶ岳ヒュッテ2660m(17:40)(泊)−蝶ヶ岳往復
           行動時間: 6時間16分 歩行距離 6.48q 累積高度1455m
 大阪から来る2人と豊科駅で待ち合わせ、タクシーにて登山口の三股に向かう。天気は1週間前の予報から好転し、期待が膨らむ。谷沿いの道を進む
。ゲートから15分ほどで登山口に着く。登山届を提出し、出発する。
登山口

沢沿いで涼しい。長い吊り橋を渡るとやがて、力水と表示されたところに出る。口いっぱいに含む。しばらく行くと木の階段が見える。何かしきりに動く。階
段の間から出した顔はオゴジョ出会った。動きが早く、うまく焦点が定まらなかった。登りきるとゴジラの木がある。うまく名をつけたものだ。目と牙 の部分
には石がはめてある。
 力水 ゴジラの木

登山口から1時間強歩いたところで腰を下ろす。ササが生い茂っているが。ゴイシシジミがちらちらと飛んでいる、時折止まる。同じような針葉樹林帯の中
を進む。出発して2時間20分、2.5qのところにあるまめうち平に到着する。シダ類の中にコブミノカヤタケが特徴的な形で出ている。さらにこのあたり、ギ
ンリョウソウが多い。ヤマブキショウマも時々見られる。


先を進む。2000m地点、登山口から3.3q、2時間50分が経過、まだ3.1qも残っている。これからが厳しい。変わり映えのしない中を進むのは何とも疲れ
る。まだまだ工程の半分、やたら汗が出る。更に25分、蝶沢である。4q歩いた。腰を下ろし、しっかりと水分を補給する。
蝶沢

最終ベンチが16:47、ガスがかかり遠くは見えない。蝶ヶ岳ヒュッテまで残り900m、やっと1qを切った。疲れた体にはここからが結構長い。樹林帯の中で
見通しもなく、岩混じりの道が続く。足元のハクサンフウロに慰められる。大滝山分岐に到着。時間は17:20、久しぶりの遅い時間帯での行動である。
大滝山分岐、あたりはガスが出て見通しがきかない
ガスが一層ひどくなる。クルマユリ、エゾシオガマが加わる。左右は草が迫ってくる。ここを抜けるとやっとハイマツ帯になり、いよいよヒュッテが近いことが
分かる。ガスのかかった先に小屋が見える。小屋周辺にはテントが張られ、その奥に、蝶ヶ岳が見える。ガスもやや収まり、明日の天気に期待する。宿
泊手続きを済ませ、山頂を往復した。足元にはイワツメクサが咲いている。
蝶ヶ岳ヒュッテ

与えられた部屋は、割り当ての部分にもう一人が入らず、比較的ゆったりとすることができた。恐らく我々が最終の到着グループだったのだろう。夕食も
最終組、慌ただしい1日だった。眠剤をのみ、消灯と同時に寝入ってしまった。

8月5日
ご来光、蝶ヶ岳2677m往復〜t蝶ヶ岳ヒュッテ(6:40出発) - 蝶槍2660m(7:30〜7:35)−2462m休憩(8:05〜8:10)−2592mピーク(8:40〜8:45)−2480m(
9:20〜9:30)−2610m地点(10:45〜11:15、軽めの昼食)−常念岳2857m(11:55〜13:05)−常念乗越、常念小屋(14:10)
 歩行時間: 5時間50分、休憩時間1時間40分 歩行距離 5.95q 累積高度708m

身4時には騒々しくなる。5時が日の出、ご来光だ。準備を整え外に出る。思ったほど寒さはなく、昨日と同じ服装(夜、水洗いで干していたシャツは乾燥)
うろつく。
ご来光

朝日に染まる槍ヶ岳〜穂高連峰を撮ろうと動き出す。空が白んできて、来光になる。あちらこちらと写真に忙しい。富士山〜南アも赤い空にシルエットで
浮かぶ。
穂高連峰〜槍ヶ岳  富士山〜南ア 

穂高連峰  槍ヶ岳 

何枚も何枚も、パノラマ写真も数を重ねる。
眺望(御嶽〜焼岳〜穂高連峰〜槍ヶ岳〜東尾根〜奥に鷲羽・水晶の裏銀座〜大天井岳・表銀座〜縦走路の先に常念岳)


この後、蝶ヶ岳山頂に向かう。記念撮影とパノラマ写真を撮り、これから向かう常念岳への稜線に見入る。
蝶ヶ岳山頂
蝶ヶ岳からの眺望(穂高連峰〜槍ヶ岳〜東尾根〜奥に鷲羽・水晶の裏銀座〜大天井岳・表銀座〜蝶ヶ岳ヒュッテの奥に常念岳)


コマクサ越しに山々を入れる。輸送ヘリも何度も近寄ってくる。大勢が写真を撮る。
コマクサ

ヘリが何度も  朝日に輝く雲海

朝食のあと、やや遅い、6:40に小屋を出発する。左手に槍ヶ岳〜穂高連峰、右手後方は、富士山、南アルプス、東に浅間山、八ヶ岳が良く見える。ずっと
眺望を楽しみながらの縦走である。ハイマツの穏やかな道が続く。花は少ない。やや遅いミヤマダイコンソウ位である。50分ほどで蝶槍2660mに着く。そ
の名の通り、鋭鋒で、すこぶる眺望が良い。朝焼けとは違った展望がひらける。槍ヶ岳、穂高連峰がぐっと迫ってくる。迫力である。足元にはイワギキョウ
も見られる。まだまだ花は少ない。
  
        縦走路途中で記念写真                        蝶槍山頂から

ここからは急な下りである。岩峰から樹林帯の中を下る。次第に下草が増え、花も目立つ。イブキトラノオ、タカネグンナイフウロ、マルバダケブキなどが
おおい。下りから登り返すと青空に蝶槍が堂々たる姿を見せる。一旦は花の咲く草の道を登り返し、また急な坂を下る。花が多く、薄ピンクのテガタチドリ
、マルバダケブキの群落も目を奪われる。下った先には小さな池がある。上から見ると青い池だったが、下ってみると青空が反射していたのだった、ここ
から2592mピークへはこの縦走路随一の花園が続く。ハクサンフウロ、オタカラコウの群落、マルバダケブキ、シロバナニガナ、雲海を背景のイブキトラノ
オ、見返せば蝶槍である。ベニヒカゲが舞っている。遠くで止まるがなかなか近くには寄ってこない。ピーク手前には、ニッコウキスゲが広がる。2592mピ
ークには出発して2時間であった。

 見返せば蝶槍 2592mピーク 

お花畑  お花畑(オタカラコウ)

少し先を進むと、常念岳、さらに先の大天井岳への道が見られる。
  

これからかなりの下りになる。樹林帯を進み慎重に下る。この後、岩場が多くなりアップダウンが続く。ピークから45分が過ぎ、最低部分へ着くと、花が咲
き、アキノキリンソウやハクサンフウロ、などにミヤマモンキチョウが吸蜜している。時間は9:30頃、いい時間帯になった。少し崖を下った先、足元に気をつ
けながら何枚も写真を撮る。こんなところで帳に出会えるとは考えてもいなかった。オスやメスがそれぞれ吸蜜で次から次へと花を訪れている。 

  

 

大きな岩を歩き、いよいよ常念岳への登りにかかるが、稜線に出たあたりで、軽めの昼食をとる。高度は2610m、250mくらいの見上げる岩峰の常念岳が
待ち構えている。コーヒを楽しみホッとするとともに体力を持ち直す。
 常念岳が大きくそびえている

私は、山頂でのチョウ撮影を目指し、2人に断わって先を進む。山頂を目指す厳しい登りが続く。この登りは、40分弱の登りであったが、5グループほどを
次々に抜き去った。上昇雲で穂高〜槍の稜線も遮られているが、常念山頂は大丈夫だった。山頂で2人と合流する、45分間の間、あちらこちらとチョウを
探す。ミヤマモンキも現れ、止まってくれるが撮影には至らない。ヒメキマダラヒカゲか、それともタカネヒカゲ(期待しすぎで??)か、薄茶のチョウがかす
める。結局、イワギキョウやその他の花は撮影できたが、山頂でのミヤマモンキは空振りだった。2人が山頂に到着、記念写真を撮る。更に25分を山頂で
過ごす。山頂直下の崖にはチングルマの群生がある。
 常念岳山頂で

私が山頂に立ったころには展望できた槍ヶ岳〜穂高連峰の稜線もすっかりガスがかかってしまった。この後、常念小屋に向かう。行けども行けども小屋
が見えない。ゴロゴロとした歩きにくい道を慎重に下る。遠くの見晴らしはガスがかかり、十分ではない。途中、イワヒバリとエルタテハの写真を撮ることが
できた。
 エルタテハ  イワヒバリ

小屋が見えだしたのは、随分と下ってからになってしまった。山頂から小屋への下山は1時間5分であった。2010年8月に下った時は35分であった。登りは
47分、7年前は随分元気だった。それにしても小屋までは長い下りに感じた。時間は14時をまわり、大天井小屋への縦走を諦め、常念小屋での宿泊、翌
日は一ノ沢への下山に切り替えた。ガスをましになり、夕日、槍ヶ岳の稜線、常念岳の威容、横通岳から東天井岳等を楽しむことができた。小屋は
16:30から19:00まで、6回の夕食、400名くらいはいただろうか。身動きできぬ夜は何とも辛かった。食事は思いのほか立派だった、ご飯、みそ汁をお代わ
りした。

8月6日
常念小屋周辺でチョウ撮影(7:00〜8:00)−常念小屋(8:05出発)−第二ベンチ500m地点−第一ベンチ800m地点(8:25)−最後の水場1q地点(8:30)〜お
花畑〜笠原沢出合(9:20)−大滝小屋から3.6q(9:50、2人と合流、10:05)−古池(10:31)−山の神(10:36)−一ノ沢(10:40、10:50タクシー)−穂高駐車場(
11:20、11:25出発)−温泉ほりでいゆ(11:40〜12:50)−安曇野IC(13:05)−米原IC(17:10)−米原駅(17:20)
           歩行時間: 2時間10分、休憩時間:25分 歩行距離 5.77q 累積高度1162m

動きができない狭い布団の中で1夜を過ごした。眠ったのか眠れてないのか、長い夜だった。夜には星空がなくご来光は無理だろうと思っていたが、それ
なりに楽しむことができた。また、常念小屋越しには槍ヶ岳の姿が昨日に引き続き見ることができた。
日の出

   
     常念岳(朝日に染まる)                     常念小屋越しに槍ヶ岳              横通岳〜東天井岳し山尾 
この後は下山するのみ、食事も騒々しさを過ぎてからにする。私は、ミヤマモンキチョウの撮影で出発を遅らせる。前日は到着が14時過ぎとそれほど遅
い時間ではなかったが、ガスがかかり、チョウは現れなかった。幸い今日の朝は日が照り、期待できる。昨日あたりをつけていたあたりを探す。メスと思
われるやや白っぽいチョウと黄色のチョウが付近を舞う。しばらく追っかけを続ける。やっとのことで白っぽいチョウが近場で止まり、吸蜜してくれる。コマ
クサは見られるが、こちらには止まってくれなかった。まずまずの写真である。

ミヤマモンキチョウ

    背景に溶け込んで

目標を達成しホッとするうちにあたり一帯は次第にガスがかかり回復の見込みがなさそうになる。これ以上の粘りは無理と判断して、1時間遅れで2人を
追う。一ノ沢への道は、2010年以来になるが、ベニヒカゲやクモマベニヒカゲが期待できる。下山する人たちはほとんどが出発した。第二ベンチ、第一ベ
ンチと過ぎ沢筋のあと、水場からはお花畑になる。
第一ベンチ
右が崖になった狭い道ではあるが、特に危険ではない。それまで、ウサギギク、エゾシオガマが見られた。オニシモツケの白い花、鮮やかなシモツケソウ
群落、コキンレイカの黄色い花、ソバナ、クガイソウ、イブキトラノオ、水が出ているところにはキバナノコマノツメの群落、オニシモツケ、マルバダケブキ等
が次々と現れる。ベニヒカゲもあちらこちらで舞っている。花に目を奪われているうちに、やがて、小屋から2.2qの笠原沢出合に出る。大きな沢で、クロヒ
カゲが飛んでいる。ヒメキマダラヒカゲもこれまでに出てきた。

ここからは、花も少なくなり、樹林帯を一気に大滝まで下る。ここまでたくさんのグループを追い越した。大滝では、先の2人が大休止中だった。出発しよう
として、リュックの整理中だったが、
コーヒーをお願いし、今しばし休憩後、一緒に一の沢を目指す。
大滝
あと、2.1qの頑張りである。沢沿いの道を結構早い足取りで進む。ヤマトリカブト、タマガワホトトギス、センジュガンビ、コバノイチヤクソウを見て、古池、
山の神を過ぎる。ここからはすぐに一ノ沢である。
一ノ沢、駐車場は1q先だ
予約のタクシ−には40分以上あったが、同じ会社がやっているとのことで追他グループから乗せてくれる。一旦は、穂高駅そばの無料駐車場に出て、折
り返し温泉ほりでいゆで汗を流す。お腹に入れ、お土産を買い、安曇野ICから帰宅の途についた。2人は米原駅で下車した。、その後はスイスイと自宅ま
で帰ることができた。天気に恵まれた縦走を無事終えた。


その他のチョウたち
  
ゴイシシジミ             ベニヒカゲ      ヤマキマダラヒカゲ   

山で出会った花々
         
 ミヤマキンポウゲ  コイワカガミ  ヤマブキショウマ    ハクサンフウロ
         
 キバナノコマノツメ  クルマユリ  エゾシオガマ イワツメグサ  ギンリョウソウ
         
 ウサギギク  タカネグンナイフウロ  マルバダケブキ  オタカラコウ  ニッコウキスゲ
         
   イワギキョウ  テガタチドリ  コマクサ  チングルマ
         
 ホンシャクナゲ  ミヤマコゴメグサ    イブキトラノオ  キンロバイ
         
 タカネスミレ  オニシモツケ  シモツケソウ    コキンレイカ
       
 コバノイチヤクソウ  タマガワホトトギス  センジュガンビ  シロバナニガナ  イタドリ
         
 クガイソウ        

コースマップ(清水氏より拝借)
 
(国土地理院より引用)

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作成日: 2017年8月10日