23)信州遠征2(車山1925m、天狗岳2646、鉢盛山2447m、チョウ撮影):8月19日〜8月21日、
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 ヒメシロチョウの撮影に合わせ、付近の三百名山を登った。、天狗岳と鉢盛山は初めてで、2山を追加した。車山はリフト利用で眺望を楽しんだ。当初、
天気が危ぶまれたが良い天気になった。
@2017年8月19日 チョウ撮影、車山(百名山)、ヒメシロチョウ、
A2017年8月20日 天狗岳 二百名山、 観察(ベニヒカゲ、アサギマダラ)
B2017年8月21日 鉢盛山 三百名山、キベリタテハ、シータテハ、エルタテハほか、 観察(アサギマダラ、ダイミョウセセリ)

@2017年8月19日 チョウ撮影(原村、小淵沢)、車山1925m(霧ヶ峰)百名山、ヒメシロチョウ
 自宅4;50〜名神高速道〜中央道〜恵那IC〜一般道〜瑞浪IC〜小淵沢IC〜小淵駅(10:25、11:30出発)〜小淵沢周辺〜原村〜車山(13:20〜15:20)〜
入笠山湿原YH(16:10着)

 早朝の4時50分、自宅を出発し、Yさんとの待ち合わせ、JR小淵駅に向かう。余裕の出発だったが、恵那ICと瑞浪ICの間が土砂崩れで不通になってお
り、一般道を利用する。ICを出るのも渋滞、その後の一般道も渋滞が続く。瑞浪ICからは、スピードアップし、約束の時間に15分ほどの遅れで到着した。
まずは、周辺のヒメシロチョウのポイントに行く。最近の山について話しながら車を走らせた。今回予定の小淵沢周辺や原村では、ヒメシロチョウの確た
る情報がなく不安であったが、これは杞憂に終わった。フジバカマで産卵する姿や、花で吸蜜する固体を難なく撮影できた。
ヒメシロチョウ
  

撮影が一段落し、霧ヶ峰の車山に行くことにした。その前に、花パークフィオーレ小淵沢の昆虫美術館を見学した。昆虫美術館の説明によれば、世界的
に有名なコレクターであった塚田悦造が30年にわたって収集した10,000ケースのコレクションの中から、蝶や蛾を中心に600〜700ケースを展示していると
のことである。世界最大級のトリバネチョウ類、オオゴンテングアゲハ、フクロウチョウなどの珍しいチョウをはじめ、八ヶ岳の周辺で見られる昆虫群、世
界の珍しいカブトムシ、クワガタなどの甲虫、カマキリ、トンボ、バッタなど約3,000〜3,500種、13,000〜15,000匹の昆虫が展示されていた。特に、アマゾン
に棲息するメネラウスモルフォチョウの100以上のケースの展示は目を見張るものだった。

花パークフィオーレ小淵沢の昆虫美術館

IC近くのほうとうレストランで昼食後、車山に向かった。天気は良好、山麓の雰囲気や、高原の景色を楽しみながらのドライブだった。車山は歩きをやめ、
リフト利用にした。次から次と観光客がリフトに乗車する。リフトの下や山頂付近には、花も残っていた。白樺湖越しの蓼科山、八ヶ岳の雄大な景色も楽し
むことができた。キタテハも見ることができた。
山頂  白樺湖越しの蓼科山、八ヶ岳

         
 マツムシソウ  ハクサンフウロ  イブキジャコウソウ  ウスユキソウ  ヤマハハコ
         
 ツリガネニンジン    キタテハ    

このあと、今日の宿泊先である入笠山湿原YHに向かった。このYH、ペンション風で快適、料理も美味しく、オーナーも親切である。他の泊り客との会話を
楽しむこともでき、充実の1日だった。夜は涼しく、気持ちよく眠ることができた。

A2017年8月20日 天狗岳(八ヶ岳) 二百名山 ベニヒカゲ、アサギマダラ、シータテハ、ルリビタキ幼鳥

 天狗岳(てんぐだけ)は、長野県茅野市にある八ヶ岳連峰の山である。八ヶ岳連峰は夏沢峠を境に南側を南八ヶ岳(狭義の八ヶ岳)、北側を北八ヶ岳と
呼ぶが、天狗岳はこの北八ヶ岳の最高峰である。山頂部は300mほどの間隔を置いて東西に分かれ、西天狗岳と東天狗岳と称する。標高が高いのは西
天狗岳で2,645.8mである。北八ヶ岳はなだらかな山容と深い針葉樹林、点在する湖などに特徴があるが、天狗岳はその中にあって唯一、南八ヶ岳に近い
険しい山容をしている。日本二百名山のひとつ。登山道であるが、西側は奥蓼科温泉郷の渋ノ湯から、および唐沢鉱泉から、東側は稲子湯から本沢温
泉を経由する登山道がある。また、八ヶ岳の主縦走路が東天狗岳の山頂を通っている。渋ノ湯からの登山道が主縦走路と合流する地点である中山峠の
すぐ西にある黒百合平に、黒百合ヒュッテがある。この黒百合平から山頂までは二本の登山道があるが、その西側の登山道を通ると、「天狗の奥庭」と
呼ばれる一帯を通過する。奇形の岩と丈の低い針葉樹、小さな池を配した天然の庭園のような一帯である。(ウイキペディアより)

 今回は、唐沢温泉からの周遊コースを取り、まず西天狗岳に向かい、東天狗岳から縦走コースを中山峠に向かう。峠から黒百合平にでて、唐沢温泉に
戻った。黒百合平には、縦走路を歩かず「天狗の奥庭」と呼ばれる一帯を歩くこーすも魅力的である。
 縦走路では、アサギマダラ、ベニヒカゲにも出会った。

入笠山湿原YH(6:30出発)〜唐沢鉱泉(7:20、7:30出発)−登山口(7:35)−枯尾ノ峰分岐(8:26)−第一展望台(9:12)−第二展望台(9:42〜9:48)−西天狗
(10:20〜10:30)−東天狗(10:45〜10:50)−中山峠(11:43)−黒百合平・黒百合ヒュッテ(11:48〜12:10、昼食)−唐沢鉱泉・渋の湯分岐(12:50)−唐沢鉱泉
(13:50)
           行動時間: 6時間20分 歩行距離 約6.48q 累積高度1455m

 YHを出発、唐沢鉱泉に向かう。三井の森からは、砂利道とあったが、広くて走りやすい道だった。日曜ということで駐車場は残り3台であった。唐沢鉱泉
は「日本秘湯を守る会」に加盟している温泉で、敷地内には二酸化炭素冷鉱泉の源泉がある。身支度を整え、出発する。標高1880mで、結構涼しい。西
尾根登山口からしゃくなげ橋を渡る。

唐沢鉱泉、登山用駐車場付近 西尾根登山口

西天狗までコースタイムは2時間35分、標高差は765mとある。歩きにくい苔むした、石混じりの針葉樹林帯の中を歩く。同じ雰囲気のつづら折りが尾根筋
まで続く。約50分、単調ではあるが、雰囲気は良い。
苔むした、石混じりの針葉樹林帯の道が続く

花はほとんどなく、濃い緑と、時折みられるキノコが印象である。岩や倒木にも苔がびっしりである。西尾根・枯尾ノ峰分岐点に到着する。ここからは尾根
歩きになるが、しばらくは同じ雰囲気である。


第1展望台までは45分、シラビソが混じった針葉樹林帯が続く。やがてハイマツが現れ、岩場で見通しが良くなれば第1展望台はすぐである。雲がかかり、
景色は期待できない。

第1展望台 その先の道

更に30分で第二展望台に到着する。雲の動きも早く、見通しは相変らずである。茅野市や、その奥に南アルプスが見えるところであるが残念である。足
元の崖や付近には花が多い。イブキジャコウソウ、イワギキョウ、タカネナデシコ、タカネヒゴタイ、ヒメコゴメグサなどなど、結構楽しめる。前方に見える斜
面は、天狗岳への最後の急斜面で、岩石帯の登りに、白字でマークがされている。

西天狗岳と白字でマークの岩石帯」

一旦は下り、登り返す。コバノイチヤクソウが何株か可憐に咲いている。登りにかかる。見た目より大きな岩の中を目印に沿って登ってゆく。岩石帯をや
っと過ぎると、右手下に根石山荘が見える。結構大きな小屋のようだ。緩やかになるとトウヤクリンドウが多く咲いている。

右手下に根石山荘

登り切った広いところが山頂である。曇り空であるが、時々雲が切れ、東天狗が見事な姿を見せる。
西天狗岳山頂  東天狗岳を見て

しばらく休憩し、東天狗岳に向かう。コル部分から西天狗岳を振り返る。
  
しばらくの登りで東天狗岳山頂に着く。南方向の縦走路の先には、南八ヶ岳の主稜線が望めるところであるが、今日は上部は雲がかかり、これ以上の天
気は期待できない。こちらもたくさんの登山客である。
 南方向の縦走路、先は雲がかっている
中山峠に向かって下山する。ミヤマダイコンソウ、シナノオトギリ、コウメバチ(ウメバチソウ?)等が咲いている。やがて大きな岩の結構歩きにくい稜線の
道が続く。稜線は崖になり、先に黒百合ヒュッテが見える。

稜線上で、ベニヒカゲとアサギマダラに出会うが、なかなか止まってくれない。鑑賞のみ。山頂から53分で中山峠、ここまで大きな岩を跨いだり、ぬかるん
だ道を苦労して歩いた。中山峠からは木道が続き、5分ほどで
黒百合ヒュッテに着く。たくさんの人がいて、何とかベンチを確保、お昼にする。持参の無糖
コーヒーで一息つく。シータテハのメスが吸蜜している。
中山峠  黒百合ヒュッテ

黒百合平から唐沢鉱泉までの道もまた苔むした上、岩の上を歩く登山道になる。濡れて滑りやすいうえ、長い長い道でストレスがかかる。渋の湯との分
岐まで40分、更に唐沢鉱泉まで1時間、疲れが倍増する道である。途中、ルリビタキの幼鳥の写真を撮ることができた。
渋の湯分岐  ルリビタキの幼鳥

下山は13時50分、コースタイム通りで、時間に制限があり、楽しみにしていた温泉はあきらめ、朝日村の野俣沢林間キャンプ場に向かう。三井の森に出
るまでに、ヒメシロチョウの姿が観察された。町に入ると、諏訪ICまではやや渋滞、その後は高速道利用で、何とか16:00までには手続きを終えた。キャン
プ場に入る前に、朝日村役場に立ち寄り、野俣沢林道の鍵と案内書、許可証を入手した。設営する前に今日の夕食の材料、明日の朝と昼の食料のた
めに町に戻った。このキャンプ場、オートサイトは結構大きく、シャワー設備もある。キャンプする家族も多く、賑わっていた。静かな夜といきたいところだ
ったが、沢の水音が思ったより大きかった。疲れのため、寝入りは早かった。夜中、目を覚ますと空には星が輝き、明日の鉢盛山が期待された。

行程マップ


B2017年8月21日 鉢盛山 三百名山、キベリタテハ、シータテハ、エルタテハアサギマダラ、ツグミ

 鉢盛山(はちもりやま)は、長野県西部の松本地域と木曽地域との境界にある標高2,447mの山。松本市、朝日村、木祖村にまたがる木曽川の源流部
の山。松本盆地南西部の山形村や、朝日村の住民にとってはシンボル的な存在となっていて、鉢に盛り付けをしたような丸いどっしりとした山容である。
松本盆地南部ではかつて、鉢盛山から北の山を西山と呼んだ。江戸時代には「八盛山」と呼ばれていた。雨乞いの信仰の山として、神事が1949年(昭和
24年)まで麓の村民らにより行われていた。麓の松本盆地には、「鉢盛山に雲がかると雨」という天気占いの言い伝えがある。春先には「鉢盛颪」とよば
れる地方風が塩尻市街地に向かって吹く。日本三百名山に選定されている。登山であるが、朝日村、旧安曇村(現松本市)、木祖村からの各登山道があ
る。山腹には林道があり、その途中に各登山口がある。山頂の南東1.9 kmには鉢盛林道の鉢盛峠がある。山頂からは北アルプスを望める。山頂には一
等三角点と電波反射板の施設が設置されている。山頂から東に約200 m の位置には、鉢盛山避難小屋のプレハブの避難小屋がある。山の上部は、シ
ラビソ、トウヒ、モミ、ツガなどの針葉樹林に覆われている。木祖村からの登山は林道黒川線の通行許可申請が必要。朝日村からの登山道も登る際は鉢
盛山林道の通行許可を村からもらう必要があるが、2006年(平成18年)の豪雨災害以来、通行不能となっており、被害が予想以上に酷いため復旧の見
通しがついていなかったが、近年、新道が開設され、2時間45分で山頂まで行けるようになっている。平成26年4月1日、国土地理院は日本の主な山岳標
高を記載した「日本の山岳標高一覧-1003山-」の標高値を改定し、鉢盛山の標高も1メートル高い『2,447m』になった。(ウイキペディアより)

野俣沢林間キャンプ場(5:20出発) -新登山口駐車場1720m(6:00、6:18出発)−登山口(6:21)−1.4q地点(7:16)−村界尾根2170m(7:22)−ハト峰分岐(
7:35〜7:40)−旧登山道口−鉢盛坂新道−槍見尾根−権現の庭(8:11)−権現坂−鉢盛山荘(8:14)−鉢盛山頂2447m(8:20〜8:33)−鉢盛坂新道(9:17)
−村界尾根分岐(9:36〜9:41)−新登山口(10:21)−駐車場(10:26、10:50出発)
    行動時間: 4時間、休憩時間:約30分 歩行距離 5.95q 高度差: 727m

5時に起床、テントを片付ける。夜露で濡れている。準備を整え、出発する。野俣沢林道は2q以上戻ったところが起点になる。2q先にのゲートがあり、
借りた鍵で開け、10qの長い砂利道を慎重に進む。岩、窪みが所々あり、車体の底が擦れる。広さはそこそこあり、危険はほとんど感じられない。40分
ほどで駐車場に着く。ここから先の林道は、先に進めない措置が取られている。谷底は深い。100mほど戻れば新登山口である。

 駐車場、我々の車のみ。下山時は3台に。


案内板   
 登山口(下山時撮影))

丸太の階段がスタートになる。カラマツ林の中の道で、山頂までクマザサが茂る。急な道で、しばらくで林が開け、松本平が見える展望場所に出る。山付
近は雲海で覆われている。幻想的な雰囲気である。道は急で、カラマツとクマザサの中をつづら折りに登る。やがて、広葉樹である、ダケカンバやナナカ
マドが混じりだす。道は急だが、昨日とは打って変わってふわふわと歩きやすい道である。高度を上げるにつれ、カラマツは少なくなり、ツガが多くなる。
汗も噴き出す。村界尾根には1時間後に到着する。波田と表示が出てくる。山頂まで2.2q地点だ。眺望が良く、谷向こうに市街地が広がる。しばらく休憩
後、600mほど進むとアキンド平・ハト峰分岐が出てくる。ここが旧登山口からの合流点あたりだろうか。よくわからない。村界尾根に出るとここから先は、
勾配も緩やかで、歩きも楽になる。
雲海の上に山々 アキンド平・ハト峰分岐
足元にはオサバグサの特徴的な葉が見られる。蝶ヶ岳の登りでも多く見た。やがて鉢盛坂新道と呼ばれる原生林に入る。左手から回り込み、結構急な
な勾配を登り切り、更に樹林帯を登ると、権現の庭と看板が出た湿地に出る。ワタスゲやエゾリンドウが咲いている。シラビソとトウヒの樹林が庭を形作っ
ている。
権現の庭

しばし見とれて進むと鉢盛山荘で、花が咲く道を100m登ると山頂表示のある山頂に着く。
山頂  記念写真

更に北側に100mほど進めば反射板があり、その先に穂高〜槍の北アルプス、中央アルプス、南アルプスが展開する。
穂高〜槍の北アルプス

山頂を含めた平らな山頂周辺には、ミヤマリンドウ、ヤナギラン、ミヤマアキノキリンソウ、
シナノオトギリ、キオンなどが華やかに咲いている。おやつとコ
ーヒーで一息ついたあと元来た道を戻った。村界尾根からの下りは登った時に感じたよりももっと急であった。クマササの茂る中を、たくさんのクロヒカゲ
やヒメキマダラヒカゲが飛び交っていた。これほどの数を見るのは初めてだった。下山した林道には、エルタテハ、シ−タテハ、キベリタテハも観察できた
。また、樹林帯では、ツグミの写真を撮ることができた。
チョウ
キベリタテハ 

         
 ウラナミシジミ  エルタテハ  シータテハ  ヒメキマダラヒカゲ  クロヒカゲ
         
 ワタスゲ  シナノオトギリ  ヤナギラン オヤマノリンドウ  ツルリンドウ
         
 フシグロセンノウ    キオンとミヤマアキノキリンソウ  クサボタン  キノコ

ツグミ

行程マップ
(国土地理院の地図を引用)
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作成日:2017年8月24日