20)小金ヶ嶽725m、御嶽793m(三岳) 多紀連山:2018年6月9日関西百名山、2018年山の記録に戻る、関西百名山に戻る
 
小金ヶ嶽(こがねがたけ)は兵庫県篠山市にある標高725 mの山。主峰御嶽、西ヶ嶽の三山とともに多紀連山をなす。珪岩質の露岩が多く、頂上からは360度の視界が広がる。鎖場もあり多紀連山の中ではもっともアルペン的雰囲気が濃厚。野猿の群なども見られる。 古来より信仰の山で丹波修験道場の中心となっており、始まりは鎌倉時代から室町時代にかけてといわれる。主峰である御嶽の南側の大岳寺を始めとし、堂が数か所に建ち、小金ヶ嶽頂上には蔵王堂、その南側直下には福泉寺を始めとするいくつかの寺々、また里坊などもかつては存在したと伝えられる。古くは蔵王堂があったところから蔵王ヶ岳と呼ばれた。しかし、隆盛を誇った丹波修験道も室町時代の文明14年(1482年)に大和修験道との勢力争いに敗れ、寺々などことごとく焼失した。「東の覗き」「西の覗き」「不動岩」「愛染窟」などの修験道にちなむ地名が残されている。行は表・裏の二道に分かれており、表は金剛界廻りといい、筱見四十八滝から峰々を経て御嶽頂上の行者堂へ至る。裏は胎蔵界廻りといい、御嶽頂上から西に向かい、西ヶ嶽を経由し養福寺に入り滝の宮で水行をして終わる。 植生は麓から中腹辺りにかけては多くの丹波の山々同様、ヒノキ・スギなどの人工林からなるが、高度を上げるにつれ独自の植生をあらわし、ツツジ、シャクナゲ類が多生、イワカガミ、イワウチワ、オサシダなどの高山植物も自生する。
 御嶽(みたけ)は、兵庫県篠山市にある標高793mの山。篠山市の最高峰、多紀連山(解説を参照)の主峰である。三嶽(三岳)とも表記する
。兵庫50山の一つである。御嶽は小金ヶ嶽(726m)、西ヶ嶽(727m)の三山からなる多紀連山の最高峰である。石室のある東峰、三角点のあ
る西峰からなる。山頂からは素晴らしい展望が望め、秋にはしばしば雲海がみられる。多紀連山は鎌倉時代から室町時代にかけては、丹波
修験道場の中心地として栄え、御嶽はその中心であった。現在でも御嶽山頂から600m離れたところに当時の修験道の拠点であった大岳寺
の跡や、東の峰には役行者を祀った石室が残されている。最盛期には大岳寺のほか、数ヶ所に堂が建ち、東の小金ヶ嶽の頂上には蔵王堂
、その南側直下には福泉寺ほか数々の寺院群や里坊なども存在した。しかしながら、丹波修験道は1482年、大峰山に代表される大和修験
道との争いに敗れ、主峰御嶽の南側直下の大岳寺などは焼き払われた。毎年5月には山開きの行事が盛大に行われる。
 登山コースであるが、篠山口駅から神姫バスにて草山温泉方面行きのバスに乗り、栗柄口或いは栗柄奥から登るルートと、大たわ峠から
登る2ルートを中心として多くのルートがある。栗柄ルートは、 御嶽北側の栗柄(330m)から西ヶ嶽〜御嶽の中間の650mの前山をたどるルー
トが一般的。八柱神社横に案内板あり。登山道にある愛染窟は自然の岩穴で、修験道「胎蔵界」の行場の一つであり、女性杜氏の半生を描
いたNHK連続テレビ小説「甘辛しゃん」(1997年放映)のロケ地にもなった。暗い内部には役の行者にも見える愛染明王が祀られ、隠微な雰
囲気に満ちている。洞窟内の湧き水は諸病に効くといわれ、地元で崇められている。
@大たわルート 大たわ峠駐車場(512m)から標高差280mを登る、手軽なコース。
A藤岡ダムルート 御嶽南側の藤岡ダムから奥池、さらに西ヶ嶽を経由し御嶽に至るコース。山頂までの所要約2.5時間。
B黒岡川ルート 藤岡ダムルート同様、御嶽南側の篠山市丸山集落沿いの黒岡川を遡流し、西ヶ嶽との中間地点鞍部を経由するコース。
(ウイキペディアより)

2001年5月20日には、多紀連山の3山を縦走するコースを選び、小金ヶ岳(725m)〜三嶽(御嶽793m)〜西ヶ嶽(727m)と歩いた。また、2016年4月17日には筱見四十八滝を登り、縦走路を小金ヶ嶽から大タワにおりた。今回は、大タワ峠から、小金ヶ嶽、御嶽、それぞれを往復するコースを選んだ。梅雨の合間、午後には晴天になった。登山後は、北にある草山温泉郷にしき山荘の日帰り温泉を楽しんだ。

守山駅(5:36)〜尼崎(6:52、6:53乗り換え)〜新三田(7:36、7:50出発)〜大タワ(8:55、9:03出発)〜小金ヶ岳(10:05、10;20出発)−大タワ(11:20〜11:33)−御嶽(12:23〜13:23、昼食)−大タワ(14:01、14:55出発)〜草山温泉にしき山荘〜新三田(17:15、17:24乗車)〜守山(19:14)
バス15:42)
    歩行時間:3時間30分(山頂以外の休憩時間約15分含む)
 
 守山駅を出発、尼崎で宝塚線に乗り換える。新三田で少し遅れてきたTさんも含め、4人が大タワに向かう。予報に反し、曇り空、山も霞んで見える。1時間かかって両方の山の真ん中の峠、大タワに到着する。大きな駐車場とトイレがある。スギ林の中にはフォレストアドベンチャーがあり、ジップラインを楽しむことができる。同行のTさんが登山終了後、楽しむことになる。大タワから小金ヶ嶽への登りは初めてで今までの2回は下りばかりだった。スギ林のうっそうとした道を登る。歩きやすい道がしばらく続く。足元はほとんど草木はなく、切株のコケが目立つ程度の道を歩く。

スギ林を登り、一旦は下りになる。更に登り返し、階段状の道を歩く。足元にはエゴノキの散った花が随所で目立つ。歩きやすい道ではあるが、それもここまで、いよいよこれからが多紀アルプスの核心部、岩稜のアップダウンの登りがこれから始まる。これは小金ヶ嶽山頂まで続く。出発して30分もしないうちに本格的な岩場にさしかかる。早々にヤマツツジの赤い花が目につく、昨日の雨の後、赤さが際立つ。その後も、岩稜から鮮やかに浮きだっている。


足元に気をつけながら、クサリ場を何度か通り過ぎる。切り立った岩峰をやり過ごし進む。出発して45分ほど来た岩場でオトギリソウがあり、湿って黄色が引き立つ。
オトギリソウ

岩峰にヤマツツジが続く

サルトリイバラの実も目につく。岩稜の突き出たところからは、切り立った岩肌が迫力を感じることができる。
振り返ればガスかかりの中に御嶽の姿がかすむ。山頂は雲がかかり見えない。ヤマツツジに混じり、ピンクのモチツツジも綺麗だ。山頂に近ずくにつれ多くなる。アップダウンを繰り返し、その度に、岩やクサリを頼りにする。クサリ場を過ぎ、最後に木や岩につかまりながら急坂を登りきれば小金ヶ岳山頂である。山頂には、昔、蔵王堂があったためか、そこそこの広さである。方位盤が設置されている。ガスがはれず、展望は今市であるが、近場の山々や麓の集落は何とかし屋に入る。御嶽の姿も確認できる。
 小金ヶ岳山頂

山頂から、北と東方向が開けているが、遠くはガスで見えない。方位板で大江山や長老ヶ岳、縦走前方には、峠山や八ケ尾山の山々が記載されている。京都の愛宕山も視野に入るようだ。
15分ほど時間を取り、元来た道を下る。注意深く急な岩場を下る。前方が開けると、三嶽の風格ある姿と稜線の小金ヶ嶽西稜の荒々しい岩尾根帰りは、やはり見ごたえがある。ヤマツツジも色どりを添える。途中、岩峰突端によじ登り写真を撮ったりもした。結局、峠まで同じ時間がかかった。大タワで長めの休憩を入れる。その間、フォレストアドベンチャーの情報を仕入れる。杉林の中のフィールドアスレチックの施設を見学する。
 休憩後、御嶽へ向う。高度差280m、山頂付近までは一気の登りである。広葉樹の林は、最初は穏やかな登りが続く。ミヤコザサもある。結構明るい道で、アセビが目を引く。また、タケニグサがこれから背丈を伸ばすところだ。
タケニグサこれから2m以上になる

コンクリートと木で組み合わさった階段がずっと続く。傾斜はきつく、特に中間点は急である。急なところでは、クサリやロープが張られている。これを頼りに進む。
階段は次第に勾配を増す

登山道わきには、たくさんのウツギ(卯の花)、その中でたった1本、タニウツギ咲いている。最後に岩場にさしかかり、慎重に登る。時々、振り返ると今登ってきた小金ヶ嶽とその岩稜が見える。写真は下山時の晴れ渡った空を背景の写真である。
小金ヶ嶽とその先の縦走路



ここを過ぎると傾斜が緩くなり、リョウブの林が広がる。緑が美しい。こちらはエゴノキはまだ花をつけている。ほとんどは散っているが、山頂近くはたくさんの花をつけている。
エゴノキ
 先に進み、岩場から出ると、西ヶ嶽を見ることができる。ここまで来れば山頂はもう直ぐになる。岩を背に石室がある。ここのところで、御嶽への直登コースが合流する。石室には、開山されたとする役の行者が祀られている。この近くの岩場が眺望の好適地になる。南には北摂の山々、西に白髪岳を主にした山並み、北には丹後の山々が、そしてはるかに若狭の山々と若狭湾が眺められる。ここを過ぎ、木々のトンネルを抜けるとれば御嶽山頂である。標高793m、多紀連山の最高峰である。山頂には大きな方位盤が設置されているが、所々化粧板がはがれている。無線中継所もある。一等三角点、かっては眺望を誇った山も、植林で展望がきかない。
山頂で昼食にする。駅前でかった助六弁当にペットボトルのコーヒーを楽しむ。たっぷりの1時間、話も弾む。そのうち、空は晴れ渡り、青空が広がる。梅雨の合間とは言え、清々しい。少し風も吹いて快適である。記念写真と、付近のアセビ(種がたくさん)、の花などを撮影する。
御嶽山頂

山頂から先に進んだところから、先の縦走路が目に入る。西ヶ嶽への思いを断ち切り、大タワに戻る。Tさんが、最初の希望通り、ジップラインに挑戦する。カメラマンを押せつかり1時間弱を過ごす。この後は、予定通り草山温泉に立ち寄り汗を流す。気持ち良くなったところで新三田まで送ってもらい、帰宅した。

行程マップ

(国土地理院の地図より引用)

解説
多紀連山(たきれんざん)は、京都府から篠山市、丹波市にかけて高い岸壁状に連なる500m〜700mの山々の総称で、旧多紀郡にちなみ多紀
アルプスとも呼ばれる。主峰は御嶽(793m)で西ヶ嶽(727m)、小金ヶ嶽(725m)の3つの峰が中心となっている。主峰は御嶽(793m)を西ヶ嶽か
ら望む。愛染窟篠山盆地の北方に連なる標高600〜800mの連峰で多紀連山県立自然公園を形成する。古生層の岩質は珪岩である。南方に
緩やかに、北方に急峻な地形であり、水系としては日本海へ注ぐ由良川水系と瀬戸内海に注ぐ加古川水系とに分かれる中央分水嶺となって
いる。多紀連山では、鼓峠が最も標高の低い分水嶺である。植生が豊かであり、西紀町のシンボルでもあるシャクナゲやツツジが多く自生し、
オサシダ、イワカガミなど高山植物に分類される植物も多く見られる。麓の一部を除き自然林でありケヤキ、ナラ、カエデなど秋を彩る樹木が多
く紅葉も美しい。多紀連山も含め四方を山に囲まれた篠山盆地では秋頃からしばしば「丹波霧」と呼ばれる濃霧が発生し、朝には雲海が観察
できる。多紀連山は、平安時代末期から中世にかけて修験道行場として栄えたが、1482年(文明14年)に大峰山(大和修験道)の僧兵の来襲
により、寺院はことごとく焼失した。現在も、大岳寺(みたけじ)跡、福泉寺跡、水飲場などが見られる。また「東の覗き」「不動岩」「西の覗き」「愛
染窟」など、行場らしい地名も残る。現在は、県立自然公園に指定されており、山野草、高山植物、鳥獣なども多く見られ、登山道の整備も行
われている。春季にはヒカゲツツジ、シャクナゲなどが新緑の山々を彩り、秋季には雑木林が全山紅葉する。また、山頂からは神戸の六甲山
や淡路島までを遠望できる。
・御嶽(三嶽)(793m):主峰であり、古くは藍波ヶ峰(らんばがみね)と呼ばれ、頂上は東西2つの峰に分かれており、西側が最高峰で三角点が
あり、東側には石室がある。南側直下には修験道場の本山新金峰寺大伽藍大岳寺跡がある。さらにかつては数ヶ所の堂が建ち並んだという。
頂上からは360度の展望が開ける。現在でも毎年5月には山伏による山開きの行事が行われる。北には大江山、長老ヶ岳、東に京都の愛宕山
、大阪の生駒連峰、南には六甲山や播磨灘、西に但馬の栗など周辺の主要な峰が見渡せる。
・西ヶ嶽(727m):雄大な山形をしており、南側に多くの尾根を持ち、北面は山頂から絶壁となっており無数の岩場が点在する。岩場に咲くシャク
ナゲが美しい。崖が落ち込んでおり歩行には危険な箇所が少なからずある。雲海のかかる。
・小金ヶ嶽:3つの山の中では、最もアルペン的風貌を持ち、奇岩露出の印象的な山容。岩は荒い珪石質である。古くは蔵王堂があったところ
から蔵王ヶ岳と呼ばれることもある。視界は開け、展望も良いが足場は急峻な馬の背状になった箇所も多く、鎖場もあり危険も伴う。古くは蔵王
道があったことから、蔵王ヶ岳と呼ばれることもあり、修験道場の山である。頂上には蔵王堂をはじめ、南側直下に福泉寺をはじめとする寺々
、麓には里坊も存在した。
登山コースであるが、丹波地方の登山コースでは現在でも非常に人気が高い。登山の歴史は古く修験道場として鎌倉時代から室町時代には
修験者の入山が後を絶たず一体の山々には咆哮する法螺、錫杖、念誦の声葉遠く里にまで響き渡ったという。修験道としての行では、表裏の
2ルートに分かれており、表ルートは篠見四十八滝から峰峰を西進し御嶽の行者堂へ。これを金剛界廻りと称す。裏は御嶽頂上から西進し、西
ヶ嶽を通過し養福寺に下り、滝の宮で水行を行い終了する。これを胎蔵界廻りと称す。 (ウイキペディアより)

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作成日:2018年6月10日