34)高島トレイル(近江坂分岐〜抜土) : 2018年10月25日 2018年山の記録に戻る、2018年花・鳥・その他に戻る 大御影山(おおみかげやま)は、滋賀県高島市と福井県三方郡美浜町との境にある標高950mの山。滋賀県側からは、エドヒガンで有名な酒波寺の林道を通り、ビラデスト今津に入る。ここが登山口になる。駐車場のすぐ下には平池があって、5月下旬から6月上旬にカキツバタの写真を撮りに愛好家が集まる。一方、福井県側は、嶺南地方の最高峰になるが、国土地理院の地図には三等三角点のみが記載されている。この山は全長50q以上の高島トレイルの山の1つになっている。登山ルートは、@ビラデスト今津から近江坂経由、A大日尾根からのコース、B河内谷林道の本谷橋付近からのコース、C福井県側の能登又谷からのコースがある。よく利用されているのは、@のコースで、山頂までは7q以上だが、春はシャクナゲをはじめとした花々が見られ、人気のコースとなっている。山頂の西に大きな反射板があり、その先の大きな岩の上からは日本海が望める。 ここ2〜3年、高島トレイルの未踏部分を集中的に歩いた。今回は唯一残っていた、抜土から近江坂に至る部分を踏破し、やっとのことで縦走路の完全踏破を達成した。未踏部分は、今年の台風の影響で、大木が根こそぎ倒れ道をふさいでいたり、枝が登山道に散らばり、荒れたコースになっていた。このコース、歩く人も少ないのだろう、踏み跡も鮮明でなく楽しく歩く雰囲気ではなかった。そんな歩きであったが、ホンシャクナゲの狂い咲、秋の深まりとともに進む紅葉が印象的だった。 自宅(6:50)−ビラデスト今津(8:25、8:35出発)−大御影山登山口(8:44)−渓流−近江坂・バイパス分岐(8:53)−近江坂−合流点(9:09)−シャクナゲ群生地(9:27〜9:40)〜滝谷山分岐(9:43)〜シャクナゲ群生地−展望場所(10:06〜10:15)−粟柄河内谷林道出合(10:20)−県境尾根抜土・大谷山トレイル分岐(10:34)−抜土(11:20)−トレイル登り口(11:23、登山道確認)−粟柄河内谷林道(11:25〜12:15、シカ遭遇)−粟柄河内谷林道出合(12:15〜12:35、昼食)−滝谷山分岐(12:58)−池− 近江坂・バイパス分岐(13:28)−尾根筋道−合流点(13:44)−渓流−大御影山登山口(13:52)−ビラデスト今津(14:00、14:15出発) 行動時間:5時間25分、歩行時間: 歩行距離約13km、累積登高約1000m 10月14日の帰り道、高島で100分の渋滞に遭い、ここの通過は週日にすることだと思い知った。紅葉にはやや早いが、唯一未踏として残っている抜土〜近江坂大御影山分岐を歩いた。 週日で、通勤時間帯、休みのように快速とはいかなかったが、まずまずの時間で進み、箱館山スキー場とビラデスト今津の看板で161号線を離れ、左折後、さらに進んだ酒波寺の表示を見て右折する。道なりに進み、酒波林道のスタートとなる酒波寺横を通り過ぎる。休みでないため、入口ゲートは無人、環境協力金300円/1人は、駐車場横の森のやかたで支払った。登山客のいない中、単独でスタートする。平池方面に下る。ススキ越の平池も風情たっぷりで、カキツバタのころにはない落ち着いた雰囲気が感じられる。舗装道を離れ、右手にしばらく進むと大御影山登山口の表示がある。標柱に書かれた「古道近江坂」は、高島市今津町と福井県若狭町を結ぶ峠道である。スギ林の中の緩やかな登りを行くと、渓流に出る。春に見たサンインシロカネソウが咲いていたあたりは、シダがいっぱいに生えている。来年の開花が心配になる。 流れのある沢を渡り、スギ林から離れる。つづら折りの切り通しの道である。春先はオオイワワカガミの撮影で忙しかった、モクモクと歩くのみである。しばらくでバイパス分岐に出る。古道(近江坂)を右手に分け、バイパスを進む。コアジサイの枝が成長し、道が狭まっている。バイパスを歩くこと16分で合流する。ここからは琵琶湖が眺望できる。見晴らしの場所だ。この時期、花はなく時間はかからない。海津大崎の右手に竹生島が見える。青空が綺麗だ。 近江坂をさらに進む。ここからは少し紅葉が楽しめる。ブナの木もやや黄色くなり始めているが、台風21号の影響だろうか、葉の散った木も多い。やがてスギ林になり、下りになる。下った先は小さな池がある。春先にはアカハラが見られたが、落ち葉で静かになっている。蒐場は変わらずである。 登り返して進むと10分ほどでシャクナゲ群生地にでる。春先、素晴らしい花が咲き乱れていた。群生地はしばらく続く。次に、ブナ林に変わる。青空を背景に少しばかり変わり始めた色使いが綺麗だ。740mピークを過ぎ、浦谷山分岐にでる。来年にはこちらに回ってみたい。 稜線上の道からは北東方向に高島トレイルが時々見られる。また、ホンシャクナゲの群生地になる。ここまで、狂い咲はないかとあたりを見まわしながら来たが、願いが聞こえたのか、一枝だけ数輪の花が開花していた。ピンクが中々に綺麗だ。シャッターを数回押す。 ![]() 780mピークを過ぎ、緑がまだまだ美しいイワウチワの密度が増し、しばらく続く。登り切った先から結構急な坂を曲がりながら下ってゆくと林道出合に出る。前方のブナ林もなかなかきれいに見える ![]() 林道出合までスタートしてから1時間45分、結構早いペースできた。林道出合は紅葉が綺麗で、しばらく足を止める。 ![]() ![]() 春先には多くの花が楽しめる所だ。少し時間を使った後、抜土・大谷山分岐に向かう。ブナ林で、紅葉が始まった。明るい日差しに映える。15分もかからないうちに分岐に出る。右折ししばらくは勾配のない道だが、すぐに下りの坂にかかる。黄色の樹間から、大御影山への稜線、その先に山頂が少しばかり眺められる。足元にはイワウチワがびっしりと生えている。景色の良いのもしばらく、道は次第に荒れてくる。台風の影響か、枝が散乱、更に大木が倒れている。歩く人が少ないのか、踏み跡も不鮮明になり、テープを確認しながら下ってゆく。 くぼんだ道はかっての登山道だろうか、それに沿った形で、右や左側にテープが続く。ブナ林ばかりのところから、スギが見られるようになったところでは、数本の大木が根こそぎ倒れ、何とか避けて通るが、折れた枝も多く、結構つらい下りになる。 ![]() 道は不鮮明、踏み跡が分からなくなるところもあり、2度ほど登り返す。概ね尾根を下るが、一部、広くなり分かれているような所もあって、気を使う。やがて、左に谷に向かって下り、時計回りに右に下った先で谷が現れる。ここをしばらく行き、更に直進したところ、踏み後も、テープもなくなった。戻るような格好で南方向に行くと、林道が現れた。適当に林道に出た。 出たところは、抜土と大御影山への登山口の間だった。とりあえず、抜土に行き、昨年の秋に大谷山から下ってきたポイントで繋がった。 この後、表示に従い、2〜3分進んだ先に登山口表示を確認し、どこで間違ったか確認のため、樹林帯に入った。草地に隠れんばかりの細い道の先には倒木があって、道をふさぎ、その先が、谷筋で写真を撮ったところだった。なるほど分かりにくいテープに加え、道がなくなっていたはずだと納得した。 この後は、先の粟柄河内谷林道に戻り、出合まで行くことになる。所々で紅葉が綺麗になる。道すがら、ツルリンドウの実、トリカブトの花も見られた。 ![]() ![]() その先でシカに遭遇、シカはあっという間に姿を消した。林道の中ほどまでくると、道は水で削られ、石や岩でゴロゴロ、とても道とは言えない状態のところが出てきた。抜土は、高度500m、出合は700m、200mの勾配の林道が続く。結局、予想以上の50分かかって林道出合に戻った。 ![]() 時間は12時15分、ちょど良いお昼になった。空き地にはシカのフンがたくさんあり、その横での食事になった。冷え込みがあり、用意したカップ麺は美味しかった。1人では、時間が持たず、早々に出発する。ここからは同じ道を戻る。 帰りは大谷山〜赤坂山、更に先には乗鞍岳の高島トレイルの山々を見ながらの歩きになった。シャクナゲの花付きの具合から、来年は裏年になるのではと危惧された。 ![]() 前方(三国岳〜赤石山〜大谷山)、後方(乗鞍岳がある高島トレイル最北端稜線) 旧近江坂とバイパス分岐では、下りは尾根筋の旧近江坂をとおる。こちらは、サルトリイバラが伸びすぎ、風で散った枝、ときには倒木と、邪魔が入る。朝方にはやや霞んでいた視界も晴れ、高島から今津の市街、琵琶湖が綺麗に見える。 ![]() 戻りは快調、林道出合から、1時間25分で駐車場に戻った。コース中、誰にも会うことがなかった。車の帰りは、極めて快調に車を走らせることができた。高島方面は、週日に限る。 今回で、念願の高島トレイルの全縦走路の踏破が達成できた。めでたしめでたし。 行程MAP ![]() ![]() 2018年山の記録に戻る、2018年花・鳥・その他に戻る 作成日:2018年10月27日 |