37)土倉岳1049m : 2019年9月10日 2019年山の記録に戻る | |||||||||||||||||||||||||
土倉岳(はぜくらだけ)は1049mの山である。御池岳から派生する山の尾根筋にあるかのようなたたずまいである。1000mを越すものの、地味な山である。鈴鹿10座の御池岳をT字尾根コースで歩いた際に、その途中立ち寄るのが普通だ。とはいえ、滋賀の1000m以上の山を踏破するとなれば避けては通れない山である。8月の御池岳で、山頂から南に出た展望場所からは、竜ヶ岳〜静ヶ岳の前方に低く構える土倉岳が気になっていた。今回、機会を得た。残暑厳しい中であったが、山上のテーブルランドはマツカゼソウで覆われ、涼しい風が吹いて快適だった。このコースを辿っての御池岳は距離が長く、鞍掛峠からのコースが一般的だ。しかしながら尾根筋にはイワカガミの大群落、シャクナゲは考えていたよりも多く、花の時期にもう一度来てみたいと思った。 御池岳には鞍掛峠から 守山駅前集合(7:00、7:05出発)−君ヶ畑小又谷駐車場(9:05、9:20)−T字尾根登山口(9:34)−T字尾根 P878(10:24)−T字尾根P918(分岐点)10:55−T字尾根967mポイント(11:21)−コル(11:25)−テーブルランド(山上平口)(11:59)−昼食場所(12:10〜12:49)−土倉岳分岐点(12:54)−東ボタンブチ付近(13:03)−土倉岳分岐点・下降点(13:11)15:32−コル(13:21)−土倉岳(13:25〜13:30)−942mピークまき道(13:55)−869mピーク(14:05) −ノタノ坂(14:23)−茨川分岐(14:30)−谷出合い(14:40)−君ヶ畑小又谷駐車場(15:00、15:20出発) 奥永源寺道の駅〜守山駅 行動時間: 約4時間31分 、歩行距離 8.4km 累積登高 749m 守山駅で2名と合流し、君ヶ畑の駐車場に向かう。近江八幡市と多賀IC付近で通勤する人たちの車が込み合い、週末とは違って結構時間がかかってしまう。307号を離れてからは快調で進む。途中、奥永源寺道の駅に立ち寄る。9時前とはいえ、建物はすべて閉まり、案内所も中には入れない(実はお休み)。トイレを借りて、少し戻って政所を通り、君ヶ畑小又谷駐車場に到着する。大きな駐車場が2か所あり、木陰に駐車する。車は我々の1台のみで、登山中、下山まで、誰にも会わなかった。準備を整え出発する。ここが既に500m以上で暑さはずいぶんましである。舗装道をT字尾根登山口まで歩く。ミズ、ミズヒキ、ゲンノショウコが見られる。登山口にはしっかりとした表示があって、いきなり急登が始まる。 T字尾根登山口 ヒノキの樹林帯の中で日陰ではあるが汗が噴き出る。ここ数日は真夏日に戻り、今日はとりわけ暑い予報である。ゆっくりと高度を上げる。根が張り出した登山道である。時々は平坦な部分もあって、ほっとする。30分ほどで、谷向の天狗堂からサンヤリに続く稜線が望める。足元にはヤマジノホトトギスが1輪咲いている。花の少ない時期だけに写真に収める。それから10分ほどで、尾根筋に達し、しばらくでP878ポイントに到着する。ここからしばらくは緩やかな道で広葉樹林が続き、ブナ林が広がる。足元にはイワカガミと思われる群落がびっしりと敷き詰められている。東近江市の説明書によれば、イワカガミやイワウチワが見られるとあるが、花のあとの花芯からイワカガミが多いと思った。花の時期に確認したい。 気持ちの良い歩きやすい尾根筋をゆっくり進む。ヤマジノホトトギスがまた見られると、しばらくでP918 に着く。ここは素通りし、先に進む。足元には相変わらず、イワカガミが続くが、時々、葉の様子が違った群落がみられる。イワウチワ(変種のトクワカソウ)だろうか。P918 から15分あまり進むと、尾根筋はやせ尾根になる。場所によっては馬の背である。やがてシャクナゲの続くやせ尾根になる。 シャクナゲの続くやせ尾根 所々、木々がなくなり、日当たりが良くなる。花の付きも多い。尾根筋から左手にボタンブチから御池岳方向の崖が一望できる。その上が草原で平らだとは想像できない光景だ。 キノコも色々見られる。尾根も落ち着いてきて、ヒノキが多くなるとP967に着く。ヒノキの中で見通しは悪い。しばらく進むとコルに着く。ここから30分がテーブルランドへの急な道だ。ボタンブチから御池岳は目の前に迫力ある崖を見せる。ブナ、オオイタヤメイゲツの多い中を進む。イワカガミも多い。最後の登りでは、バイケイソウもあるらしいが、踏み跡らしき部分があまりはっきりせず、どこからでも登れる様子である。山ナビのルートを保持して最後の急坂を頑張る。カエデの木々が多い。やっとのことで、山上の草原に出た。青空と白い雲を背景に草原が広がる。左手はボタンブチに繋がる石灰岩があり、右手の東は草原が広がる。所々、岩が露出し、典型的なカレンフェルトの地形である。 山上に出れば草原が広がる。テーブルランド 眼前には、天狗堂からサンヤリの稜線が続く ボタンブチまで行こうかと思ったがすぐに元に戻り、土倉岳の下りに近い方向に進む。時間は12:00を過ぎ、お昼である。草原のふちに沿って進むと下から涼しい風が吹いてくる。木陰を見つけ陣取る。まず、持参のフルーツの冷凍した缶詰を開ける。シャーベット状になっておいしい。冷たいコーヒ−を飲みながら、お昼にする。まわりはマツカゼソウがびっしりと生えている。ミツバチが飛びかっている。涼しい風の中で、40分近く時間を取る。 昼食場所からマツカゼソウ越しにテーブルランド その後は、歩いたとと思われる草地の中を適当に表示を目当てに進む。土倉岳への分岐点で、まだ行ったことがない東ボタンブチまで行くことにした。鈴鹿の南方向は十分見ることはできたが、北方向が見たくなった。こちらは一人で行くことになり、急ぎ足になった。途中、咲き始めたトリカブト(カワチブシ?)、時期外れの黄色いヘビイチゴ、甲虫のキラキラと光る翅の部分が集まった部分などを見ながら進む。 甲虫の死骸がいっぱい 最初見えた小高い丘がその場所だと思ったが、その先はいったん下り登り返すことになった。行き当たりの東ボタンブチ付近からは、霊仙山〜伊吹山が広がった。 東ボタンブチ付近から霊仙山〜伊吹山 北方向の眺めをざっと見た後。待っている2人を気にしながら早々に戻った。草原の風景はなかなかに素晴らしいものだった。 スギゴケもびっしり 木陰で待ってくれていた2人に合流し、土倉岳への急坂を一気に下った。 下り表示から南の鈴鹿山系(直下が土倉岳、左手は静ヶ岳〜竜ヶ岳、奥はその先の稜線) コルに出ると、ボタンブチの崖が迫っていた。 コルからの眺め 山頂へは数分で着いた。山頂は残念ながら眺望がなく、写真を撮ったあと尾根筋を下った。 土倉岳山頂 緩やかな歩きやすい道で、足元はイワカガミの群落が続く。時々、下ったポイントを振り返りながら進んだ。こちらは、広葉樹林帯からスギ林に変わった。スギ林、ヒノキ林と続く。100mの高度差を25分かけ、東南から南南西に進む。気持ちの良い歩きやすい尾根筋である。さらに東南方向、南方向と、どんどんと進む。ヒノキ、スギの植林が多い。つ土倉岳からP869まで35分、さらにノタノ53分である。この間、ヒカゲノカズラが絨毯のようになったところを通り、東南方向に静ヶ岳〜竜ヶ岳の稜線が真近に展望できるところを通過する。 茨川分岐を過ぎると、結構急な谷筋になり、台風の影響か、倒木があり、荒れた雰囲気を感じるが、そう長くはない。10分ほどで下った先が谷の出会いになり、網目の橋がかかっている。ここからの眺めはなかなかに良い。 橋からの谷 この後は、渓流沿いの道をどんどんと進む。元の林道であるが、通行止めで湿った道である。谷出合いから駐車場までさらに20分をかけ歩く。最後に、川の流れが舗装した道を横切る部分を渡りきり、駐車場に戻った。付近では、ゴマナの白い花が目を引いた。 帰りは道の駅に立ち寄ったが、お休みでお土産は買えなかった。帰りは車も順調に進むことができた。 出会った花
コースマップ (Google Earthより引用) (いずれも国土地理院の地図から引用) 2019年山の記録に戻る 作成日:2019年8月20日 |