39)イブネ1160m・クラシ1145m・チョウシ1123m: 2019年9月10日 2019年山の記録に戻る | ||||||||||
苔の絨毯でしられるイブネ、鈴鹿十座に数えられる。岩ヶ谷林道起点からイブネ山頂まで登り4時間30分、躊躇するところであるが、期待を裏切らない素晴らしい体験ができる。フジキリ谷の巨木、稜線からの眺望、山頂部分の緑の絨毯は素晴らしいものだった。杉峠の頭付近からは水谷岳への分岐があり、1080mピークまで寄り道した。付近はシャクナゲで覆われ、5月の花のシーズンが想像される。 自宅(6:15)−甲津畑君ヶ谷林道起点道沿い駐車(7:50、7:56出発)−杉谷善住坊のかくれ岩− 桜地蔵尊(8:24)−橋(8:33)−ツルベ谷出合(大峠分岐)(8:47)−蓮如上人旧跡(8:52)−一反ぼうそう(9:31)−杉峠(9:55)−杉峠の頭(10:07)−佐目峠(10:17)−ブネ山頂(10:30)−イブネ北端−クラシ山頂(10;47)−チョウシ山頂(11:01〜11:07)−イブネ山頂(11:25)− 佐目峠−水谷岳分岐(11:40)−P1084 (1151〜11:54)−水谷岳分岐(12:06)− 杉峠ノ頭−杉峠(12:18〜12:36、昼食)−蓮如上人旧跡(13:16)−ツルベ谷出合・大峠分岐(13:28)− 桜地蔵尊−隠れ岩見学(13:59〜14:04)−君ヶ谷林道起点道沿い駐車(14:18、14:30出発)−守山自宅 行動時間: 6時間22分 、歩行距離 19.3km 累積登高 1198m 週日ゆえ、自宅を早めに出発するも8号線や近江八幡で渋滞に遭い、結局、1時間30分以上も掛ってしまった。ナビの示すままに進んだが、甲津畑は集落内の細い道に誘導され、冷や汗で通り抜けた。集落に入る前に一番左の道を選択していれば、難なく林道に入ることができただろう。421号線からのアプローチであれば、この道順が指示されただろう。君ヶ谷林道は崩壊の後、一般車は起点で進入禁止になっている。歩いた感じでは、そこそこ奥まで車で行けそうである。通った後も見受けられた。監視用に使っているのだろう。 君ヶ谷林道登山口 スギ林の中の舗装された林道が始まる。しばらく行くと、額崩れのあったところに出る。すでに修復はされているが、危なっかしいままである。広葉樹林帯、植林帯の道を進む。林道で勾配もなく、ドンドン進む。左手には深い谷になった染川である。1級河川の上流側である。杉谷善住坊のかくれ岩、桜地蔵尊を過ぎる。しばらくで橋を渡り対岸に出る。山道の本格的な道にある。山すそを歩き、小さな谷を渡る。丸太の橋が架かっており、古くなったところは注意を要する。出発して50分くらいで杉峠80分の表示が出てくる。道は大きな岩や石がごろごろしており歩きにくい。樹林帯の中に、ツルベ谷出合(大峠分岐)の表示が出て、右の谷に進んでいる。ここを過ぎれば、蓮如上人旧跡に着く。一夜泊りの小屋でトタン葺きである。雨露がしのげる程度のものである。付近には、カワチブシ()の群落がある。群落はこれから先、時々見られる。その先に、石碑と蓮如上人のイヌシデの大木が存在感を示す。 石碑と蓮如上人のイヌシデの大木 イヌシデの並木は少し先だが、このあたりからしばらくは大木が目立つようになる。この谷筋は、フジキリ谷と呼ばれ、千種街道の巨木並木として知られている。ミズナラ、オオモミジであろうかモミジの葉の大木も見られる。カワチブシにまじり、アケボノソウも今が花時である。マツカゼソウは蕾が多い。谷は深く、一部滝になったところも見所である。大きな岩が目を引く。岩や樹木は苔で覆われ、雰囲気が良い。一反ぼうそうを過ぎ、もうひと頑張りで杉峠である。枯れた杉の木が象徴的に残っている。前面に、御在所岳が見られる。雨乞岳へは右手に急な登りが待っている。 杉峠 ここからは樹林帯を一旦抜け、日差しの中を進む。アセビの低木が多く、草地や禿げあがった道であるが、それほど長くない。ゴマナも多く、白い花を楽しむことができる。登り切った先は広葉樹林帯でブナが多い。ミズナラもあって、陰になって涼しい。杉峠の頭を過ぎ、水谷岳と記載した分岐を分け先に進む。下った先が佐目峠だが、大きな岩の間に峠表示が挟まっている。東雨乞岳から雨乞岳の山容、鎌ヶ岳から先の稜線、国見岳〜御在所岳が眺望できる。 佐目峠、東雨乞岳〜雨乞岳 アセビと苔、シダの中を進む。山上は台地になっていて、苔が増えだす。シダ類もあり、緑の絨毯の中にいる。山頂は広大な台地の木がポツンと立ったところで、イブネと書いた表示が複数掛っている。日差しも強く、写真を撮った後、先に進む。 イブネ山頂 踏み跡は続いており、苔の緑の絨毯の中を進む。絨毯越しに見る、国見岳〜御在所岳、鎌ヶ岳〜南の鈴鹿山系の山並みは見ごたえがある。 緑の絨毯越しに国見岳〜御在所岳、鎌ヶ岳〜南の稜線 踏み跡は2手に別れ、まずクラシ山頂の向かう。このあたりの苔は一層素晴らしい。平坦で、歩きは快適である。細い稜線を詰めた先がクラシ山頂で、樹木の中で見通しはない。 一番先がクラシ、奥には左から御池岳〜藤原岳、さらに稜線が続く 樹木といってもシャクナゲで春にはきれいな花が見られるだろう。足元には、イワカガミと思われる群落も見られる。 すぐに元来た道を引き返し、先の分岐を尾根筋が右手に伸びている銚子ヶ口への道を選ぶ。北方向にこの尾根筋の先に御池岳〜霊仙山、その奥に伊吹山が見られる。絨毯越しの景色は素晴らしい。 左手の禿げた部分がチョウシ、右手に伸びる稜線は銚子ヶ口への山並み 緑の絨毯が続く 目標のチョウシ山頂は、地肌があらわになったこんもりとしたところですぐに判別がつく。尾根筋を道なりに西北西に進む。木々が混雑したところが銚子ヶ口への稜線の分岐で、直進的に地肌が見えたところに行きつけばここがチョウシ山頂である。分岐からすぐである。南方向は素晴らしい眺望で、平坦な山上台地が緑の絨毯の上に見える。北方向は何とか御池岳や霊仙山が見える。 チョウシ山頂 ここからイブネに戻るには、来た道を戻っても良いが、直線的に谷を越えて進むこともできそうだ。下りはシダで覆われているが、歩くにはそう支障がなさそうで、その先は地肌が見えて、特に問題はなさそうである。ショートカットを選び、シダの中を下る。少々足に引っ掛るが、すぐに小さな沢の谷に下る。登りのとっかかりが背丈以上で、急なところがあり、登りやすい場所を見つけて沢を越す。一跨ぎである。ここからもしばらくはシダの中を歩くが、すぐに歩きやすい砂地に出る。先方を確認しながら歩くことができ、初めてでもそれほど心配する必要はない。その後は砂地を尾根筋にめがけて歩いてゆく。 上の方は一面の苔の絨毯で、下から見上げて圧倒される。振り返れば、先のチョウシの奥に、銚子ヶ口への稜線、その奥に、御池岳〜霊仙山、さらに伊吹山が見られる。素晴らしいパノラマである。 振り返れば、先のチョウシの奥に、銚子ヶ口への稜線 さらに奥には御池岳〜霊仙山、さらに伊吹山が見られる イブネの稜線に向かって進む 絨毯が続く 同上 苔を別け、饅頭のようになったアセビの間をさらに進めば、稜線上の道に合流する。眺めを楽しみながらイブネ山頂に戻った。ここから先は元来た道になる。太陽の位置も違い、帰りにも撮影を続ける。多少余裕もあり、時々見られるチョウの写真を撮る。佐目峠を過ぎ、杉峠の頭の手前の水谷岳分岐からP1084に立ち寄ることとした。往復30分程度である。踏み跡は何とかわかる範囲であるが、ピークを確認しながら尾根筋を歩けば問題はない。このピーク、全体がシャクナゲでで覆われ、その数に驚いた。5月連休の花の時期にぜひ来てみたい。 P1084はシャクナゲで覆われている 立ち寄りに少し時間を取った後、登山口に戻った。杉谷善住坊のかくれ岩にも寄ったが、特に何もない。全コース19q以上、6時間以上の行動だった。 帰りは時間も早く、1時間10分程度で自宅に戻った。急な思い付きの登山だったが、緑の絨毯に圧倒された素晴らしい山行だった。 出会った花
コースマップ (Google Earthより引用) (いずれも国土地理院の地図から引用) 2019年山の記録に戻る 作成日:2019年8月20日 |