5)鴻応山679m・湯谷ヶ岳 622m : 2019年2月24日 北摂の山、豊能富士  2019年山の記録に戻る
 鴻応山(こうのやま・こうおうさん)は大阪府豊能郡豊能町寺田と京都府亀岡市西別院町柚原との境にある山である。
山名は昔コウノトリが生息していたことに由来するという。鴻応山はその山容が、能勢町の歌垣山から見ると富士山の
ようでもあることから豊能富士の異名がついている。一方、亀岡市西別院町柚原の側からは本当に鴻の様な形をして
見えるという。はるかに阪神地方が見渡せる山頂付近にはリョウブ、ソヨゴ、クヌギ、コナラ、アセビ、ヒイラギ、ミツバツ
ツジ、チヂミザサ等が自生する。この山は、丹波高地や北摂山地にある他の山々と同様、準平原化した山脈が侵食さ
れて残った残丘が、再隆起して作り上げられたと考えられている。平安時代の、嘉祥3年、義顕上人が山麓を訪ねた時
、この山の頂上に紫雲がたなびく中をコウノトリが2羽、舞い降りたり舞い上がりしているのを不思議に思い、その山頂
に来てみれば2寸3分の仏が居られたという。そこで上人はこの仏を2尺3寸に等倍して薬師如来尊像を彫り、その体内
に仏を納めた。その様な事から、山名を「鴻山」と呼ぶようになり、その後「鴻応山」と呼ばれるようになったと言われて
いる。江戸時代には、堂島の米相場の状況を知らせる狼煙をあげた場所であるとされている。ところで、この山の麓、
豊能町寺田には青峰寺という嘉祥3年開基の古刹が存在するが、この寺の山号を「鴻応山」といい、山名と同じ文字が
用いられている。そのようなことから、この青峰寺の山号が山名の元となったという説もある
湯谷ヶ岳(ゆうやがだけ)は京都府亀岡市にある山。標高622.4mで亀岡自然100選に選ばれた山である。湯谷集落か
ら登山道があるが、交通機関の利用は不便である。(ウイキペディアより)

 守山駅(7:45)−高槻駅(8:26、8:27)−茨木駅(8:35、8:50 阪急バス)−西野BS(9:50、9:55出発)−寺田登山口(10:25)−牧登山口分岐表示(10:50)−稜線京都府表示(11:10)−鴻応山山頂(11:17〜11:57、昼食)−稜線京都府表示(12:05)−寺田集落方面分岐(12:25)−寺田集落中心部下山口(12:36)−落合橋(12:46)−峠(13:00)−分岐(13:13)−ローズタウン一角−ローズタウン登山口横の鉄塔(13:44)−祠・石燈籠(13:59)−湯谷ヶ岳山頂(14:07〜14:11)−大岩−登山口(14:25)−ローズタウン(14:35)−大円バス停(1505、15:16バス)ーJR茨木駅〜高槻駅−守山駅
    行動時間:5時間11分、休憩時間:約1時間 歩行距離:10q  累積登高:1357m

 茨木駅からの阪急バスは、土日と平日ダイヤが30分も違い、注意が必要である。バスは渋滞に遭うこともなく進む。途中の忍頂寺は有名なところで、付近からは竜王山への登山口もある。数原は絶好の棚田があり、秋の黄金の様子は格別とのことである。西野のバス停にはきっかり1時間で到着した。支度もそこそこに、バス道を戻り、すぐにある石燈籠の先の舗装道を左に登って行く。2月の下旬ではあるが、今年の暖冬を象徴するかのような。陽気である。のどかな里の雰囲気が漂っている。寺田公民館を目指し、緩やかな坂道を歩く。右方向に集落を回る格好で進めば、やがて右手に田圃が広がり、その先に、寺田集落が見渡せる。民家の中に如何にも公民館らしき建物が進む先に見える。公民館も真近になり、登山口へは畦を登れば近回りだが公民館でトイレが利用できるか確認のため立葉る。予想通り、施錠しており、建物には入れない。近回りの目印は、大きな屋敷のところで、大木が目印だ。豊能の名大木、カヤの木と表示がある。道路に張り出した枝がバッサリと切られ痛々しい。
豊能の名大木、カヤの木

 寺田公民館から鋭角に戻ろ格好で舗装道を下る。しばらくで登山口に着く。大きな釜がさかさまになっており、向かいの住人に聞くと、昔、寒天を溶かしていたとのことだった。すぐのトタン板にそって斜め右に登る。あたりの植林は、ヒ
ノキ林で、その中を登って行く。道は倒木があり、かなり荒れている。5分ほどすると、ササに覆われてくる。昨年より一層藪こぎになっている。5分強ほど歩けば、やがてササもなくなり、踏み跡もしっかりする。広葉樹林が右側で、落葉樹と緑の木の混在である。左手はヒノキ林が続く。登山口から25分で、牧登山口への分岐表示が出てくる。山頂の表示を除いて、唯一の案内である。国土地理院の表示の下の分岐と思われる。
牧登山口への分岐表示

下りには同じ道でなく、寺田集落の東側山麓に下る予定で、注意深く観察するが、しっかりとした踏み跡はない。やや小高くなった傍から、遠くにテープが確認されるが、踏み跡はない。とりあえずは山頂を目指し進む。倒木も結構あり、荒れた道が続く。牧登山口への上の分岐は表示がない。登山道にテープがいくつか張り付けてある支尾根のような所だと思われるが、実際のところは判別不能だ。先の表示から10分程度の距離である。このあたりを過ぎると、やや急勾配になり、山頂が近いことが感じられる。葉が落ちた明るい道を進む。東方向に愛宕山〜地蔵岳のおなじみの稜線が落葉の枝を通して見える。やがて稜線と思われるところに着き、左折する。ここでは京都府亀岡市の表示の看板である。
京都府と書いた看板、山頂まで一息

 稜線合流の右手は踏み跡らしきものがある稜線(尾根筋)だが、下まで通じているのかよくわからない。植林、広葉樹林の中を進み、しばらくで山頂に着く。鴻応山の表示と三角点がある。南西方向に視界があり、妙見山の山並みだろうか。山頂にも倒木があり、台風の影響が見て取れる。
山頂三角点、倒木で囲われている

西〜南西方向に視野が、妙見山か

 早めのお昼にする。日差しは温かく、落ち葉で覆われている。カップ麺にコーヒーでゆっくりとする。40分ほどの休憩を取る。下りは元来た道を戻る。ヒイラギの大きな木が目につく。小さな木も含め、ヒイラギが結構多い。山でヒイラギを目にすることが少ないので印象深い。快調な足取りで下ってゆく。さて、登りの際に注意していた、東の山麓への下りを探す。正直、これといった踏み跡が分からない。やや平坦な、支尾根がつきだしたような所の先にピンクのテープが確認された。国土地理院の地図には書いてある道かどうかわからないが、先にも赤いテープ(何れも随分前のものである)があり、その先に進むことにした。一旦は、やや下り加減に登ってきた道へ戻り、分かりやすい分岐になっているか確認しようとしたが、結局、道まで戻った先は、やや崖の上だった。先ほど、待機してくれていた同行者のところに戻り、テープを頼りに進む。やや谷のようになった岩混じりの道を進むと、竹林が現れ、お墓が出てくる。その右手をすそ野に沿って進む。すぐに竹林から、寺田集落の上の舗装道に出た。
竹林から、寺田集落の上の舗装道に出た

この道を左手に進み、見晴らしの良い所から落合橋を確認し、急な土手を本来の道に下った。右回りに落合橋に出る。ここで小休止を取る。振り返れば、寺田集落ののどかな風景が広がる。少し進んだ住宅の道傍には梅が咲きひと時ほっこりとする。ツバキも咲き加減、これから春を迎えるところだ。
梅の花越しに寺田集落を振り返る

落合橋から植林のうす暗い道を抜けると10分強で峠に着く。
峠、網フェンスに沿って山に入る

ここからが正念場である。国土地理院の地図では、峠から登山道があり、この道を進むと、湯谷ヶ岳の北を通る道になる。従って、途中で右折し、湯谷ヶ岳への稜線に登る道に出る必要がある。昨年は2手に分かれた右の道を登り、途中で踏み跡がなくなり、稜線を藪こぎしてローズタウンの一番上のところに出た。
 今回は、左手に進んだ。しかし、その道もやがて左手に下るようになる。山ナビでも離れていく方向だ。これではだめだと判断し、乏しいながらも踏み跡らしき道を進む。登り加減でやや安心して進むが、やがて踏み跡も分からなくなる。時には、白テープ、細い踏み跡らしきものなどがあり、都度、判断に困る。しばらく行きつ戻りつをしながら、山ナビ片手に、斜面を登って行く。昨年同様、ローズタウンの一番上のところに出た。住宅のコンクリート敷地と水はけ排水路が出てくる。今回は、ローズタウンの山側の荒れたところを進む。急な、倒木交じりの坂を登った先が、目印になる鉄塔だった。ここは、ローズタウンから湯谷ヶ岳への登り口のところになる。
ここからは、本来の道、一安心だと思ったのが甘かった。道は杉の倒木の連続、迂回できず、くぐったり、上を通過したりで荒れように驚く。やっとのことで、祠と石燈籠に出る。
石燈籠

ここから先は、更に倒木で悩まされる。折り重なるように続き、上を乗っかるような形で通過する。10分未満であるが、随分長く感じられる。

折り重なるように続くスギの倒木

 湯谷ヶ岳山頂にやっと到着する。スギ林の見通しのない山頂で、大きな倒木の影に三角点が隠れている。西方向に木々の間から鴻応山が何とか確認できる。
三角点と山頂表示、あたりを象徴するかのよう

山頂でゆっくり一休みと行きたいところだが、大円バス停の時間まで1時間ちょっと、早々に急坂を下る。山頂表示からすぐ南方向に巡視路を示す小さな表示が目印になる。前回は、直進ばかりだったが、今回は下の方で踏み跡らしき所を下り、やや右手に下る格好になる。しかし最後には行き止まりになり、左手に崖のっ所を進んで、尾根筋に出て、ここを下る。最後に自動車道を確認し、無事舗装道路に出た。ここまで15分程度、足早な下山になった。バス時間まで50分の余裕ができる。前回の経験があるとはゆえ、本当にわかりにくい山である。下りたところは田が広がり、雰囲気が良い。
 ここから、西方向に舗装道を登る。ローズタウン自治会の表示もあって、ここが東の端になるが、結構広い住宅開発地である。左手に鋭角で登りの舗装道を進む。一応、近回りになっている。その先でローズタウンのアンテナ(鉄塔)から湯谷ヶ岳の稜線が一望できる。 しばらくで、車道の本道に合流し、道なりに進めば良い。石の加工場を左手に田圃のある道を進む。右手の集落にあったミツマタは蕾の状態だった。
 大きな道に出れば、すぐ左手が大円のバス乗り場である。ベンチがあり、自動販売機が先に3つ置いてある。下山してからも急ぎ足だった。30分ほどの待ち時間を今日の反省にあてる。時間通りにバスが来て、15:16に乗車する。早い時間帯で茨木市内も混雑前、茨木駅に時間通りに到着した。快速電車もピッタリ、席も確保できた。同行のお二人は、ペースが速く、ややお疲れの様子だった。倒木で道をふさがれたり、踏み跡がなくなったりで、ついつい早足になってしまった。反省しきりである。穏やかな天気で、まずまずの面白い山行になった。


行程マップ

(国土地理院の地図を引用)

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作成日: 2019年2月28日