17)藤原岳 1144m三百名山 :2020年3月12日 2020山の記録に戻る2020年花・鳥・その他に戻る 
 藤原岳(ふじわらだけ)は鈴鹿国定公園の三重県いなべ市と滋賀県東近江市との境界にある山。標高1,144m。鈴鹿山脈の北部に位置し、日本三百名山及び関西百名山、花の百名山に選定されている。三重県側は太平洋セメント藤原鉱山となっており、石灰石が山容が変わるほど採掘されている。山頂は比較的平坦であり、山頂及びその北西にある標高1,171mの天狗岩は、展望地となっている。南には竜ヶ岳をはじめとする鈴鹿山脈の山々を望むことができる。また周辺はフクジュソウやセツブンソウなどの群生地で、花の百名山及び新・花の百名山に選定されている。特に、春先の花のシーズンに多くのハイカーが訪れる。藤原岳周辺は、伊勢湾に近いため、太平洋側の気候である。冬には、北西の季節風により、日本海から雪雲が流れ込み、山頂部は積雪する。登山コースであるが、三重県側のいなべ市には、表道と裏道の登山道があり、両道は八合目で合流する。三岐鉄道西藤原駅周辺、または聖宝寺が登山口となっている。滋賀県側から登られることは少ない。「鈴鹿セブンマウンテン」に選定されている。表道と裏道の登山道がよく利用されている。9合目のさらに上には、避難小屋があり、良い休憩場所になっている。 避難小屋から北側の縦走路の少し西にある天狗岩(標高1,171m)と藤原岳の両方に登る例もある。表道(大貝戸道)登山口には、いなべ市が整備した、休憩所と駐車場がある。休憩所にはトイレと休憩室と靴洗い場がある。裏道(聖宝寺道)登山口の少し上には、もみじで有名な聖宝寺があり、登山道の名称は、このお寺が由来となっている。豪雨により登山道が崩れ、一部に迂回路が設けられている。春先は、花の種類が多く、多くのハイカーで賑わっている。なお、裏道(聖宝寺道)は2011年(平成23年)11月現在通行止めになっている。通行再開は、2013年(平成25年)春頃の見込み。(ウイキペディアより)

縦走コース(北側):鞍掛峠から、近くの御池岳を経由して縦走する例がある。
縦走コース(南側):治田峠から、縦走する例がある。
上級者向けのバリエーションコースであるが、
@木和田尾(バリエションコース):送電線巡視路、
A丸尾(バリエションコース):寒川の小ピークを通る尾根道、
B西尾根(バリエションコース):孫太尾根(バリエションコース)、+ 大貝戸(下山)
C坂本谷道:土石流で登山道崩壊のため通行禁止、実質的廃道化。(ウイキペディアより)

2019年4月2日に訪問している。この時は避難小屋のある藤原山荘付近から山頂は雪で覆われ、フクジュソウも雪の下であった。この時は、前日の寒波で山は真冬に逆戻り、吹雪に見舞われ、深いところでは30cmを越す積雪だった。今年は暖冬で、フクジュソウの便りも早くからあり、3月12日の訪問になった。花が楽しめる孫太尾根に初挑戦した。登山口は墓地駐車場で、ウィークデイにもかかわらずたくさんの車だった。尾根筋歩きは眺望も楽しめ、フクジュソウ、セツブンソウ、ヒロハノアマナ他の花が楽しめた。下山は大貝戸に下り、一部鉄道も利用して、駐車場所に戻った。長い歩きになった。

自宅(6:10出発)〜8号線〜421号線石樽トンネル〜306号線〜孫太尾根登山口駐車場所(7:50、8:00出発)−丸山(9:25〜9:45)P834 (10:37)−多志田山965m(11:10〜11:17)−藤原岳山頂(12:00〜12:50、昼食)−藤原山荘避難小屋(13:12〜13:17)−周辺探索(10)−9合目(15:06〜15:10)−8合目合流ポイント(14:00)−大貝戸駐車場(14:55〜15:05、靴洗い)−西藤原駅(15:15、15:31電車)〜東藤原駅(15:44、歩き)−孫太尾根登山口駐車場所(16:25、16:35出発)〜自宅(18:05)

   行動時間:7時間15分、歩行距離:10.1q(東藤原駅から駐車場所まで含まず) 累積標高:1174m

自宅を出て、登山口にあたる墓地の駐車場所に向かう。確かな場所が分からず、神社で作業をする方に聞いたところ、5分ほど先の場所まで案内してくれた。集落の最も高い場所にあたる。駐車場所は、平日であるのにたくさんの車が一杯であった。駐車場の様子は、墓地の空き地や駐車場でありHPに出すことは憚られる。
 早々に準備をし、長い尾根筋歩きにかかる。肌寒さはそれほどでもなく、早々に汗ばむ。スギの植林帯の中の道を進む。駐車場で花の具合を聞くと、丸山では花盛りだという。期待に胸を膨らませ進む。次第に急こう配になり、やせ尾根ではロープが張ってある。日陰の樹林帯は次第に明るくなって、日当たりも良くなってくる。コショウノキ(カラスシキミ?)も咲いている。歩き出して30分ほどして、見通しが良くなり、左手にこれから先の山頂方向が見える。青空に映える。
孫太尾根から藤原岳

ここからは岩場の多い歩きになる。急な岩場歩きも強いられる。
急な岩場

岩の間からは、いろいろな花が見られるようになる。タチツボスミレ、ミヤマ(ハクサン)ハタザオ、ミヤマハコベ、ホソバノアマナ、ミスミソウ(スハマソウ?)名前が出てこない花など賑やかである。オニシバリ

花の写真を次々と撮影している間もなく、セツブンソウが見えだし、人の声が聞こえだすと丸山山頂である。この山頂は、セツブンソウの群落地である。さらに驚いたことにオモトが群生しているではないか。山でオモトを見るのは初めての体験である。人為的に植えたのだろうか、それにしても数が多い。山頂からは伊勢湾と市街が眺望でき、海面が輝いている。

丸山山頂

セツブンソウの群落

丸山山頂からのいなべ市、養老山系

結構な数の人がひたすら撮影に没頭している。週日ではあるが、好天でたくさんの登山客で賑わっている。休憩を兼ね、20分ほど撮影に忙しくする。ここからはまずP834 を目指す。緩やかな傾斜から、前方に岩場の尾根筋になる。登山道はそこを巻いた形であるが、花に出会えるのではないかと期待して、歩きにくい方を選ぶ。結局、残念ながら期待外れだった。登り切った先で、本道に入り、さらに進む。50分ほどかけ、P834に着くがそれとはわかりにくい。このあたり、コメツガと思われる木が、一面に覆ったところである。さらに進む。落葉広葉樹林帯で、明るく歩きやすい道が続く。山頂まではさらにもう一つのピークを経なければいけない。樹間から見える伊勢湾や、先のピークを見ながらさらに進む。P834から
30分さらに歩いたところが多志田山965mである。明るい山頂であるが、見晴らしはそれほどでもない。ここは、谷筋からの合流点で、治田峠への分岐点、ここから先が鈴鹿山系の縦走路になる。
多志田山、先には藤原岳

一旦は下るが、ここから急な登りになる。
藤原岳、見かけより急な坂

斜面は足を取られ、滑りやすい。出来るだけ右によればそれなりに岩も多く、足場が確保しやすい。一方で、この斜面はフクジュソウの花が楽しめるところで、楽しむためには滑りやすい斜面を選ぶ必要がある。踏み跡もなく、花を求めて適当に歩く必要がある。この時期は開花の本番ではなくやや早い印象である。ただし、ここにもセツブンソウがあって、同時に被写体になる。直登は難しく、ジグザグに足場を求めて登ってゆく。
セツブンソウとフクジュソウが寄り添って

一通り撮影をした後は歩きやすい岩場の多い、右に寄ってゆく。ここを過ぎると本格的な岩場の部分になる。展望も一気に広がり、今まで歩いてきた孫太尾根を見返すことができる。
歩いてきた孫太尾根

山頂は、岩場の先に待っておりさらに登り詰めれば平坦な部分に出る。先には、岩に上に山頂表示が確認できる。あちらこちらでお昼にしている登山客で賑わっている。
そこを通り過ぎ、やっとのことで山頂に到着する。出発して4時間、長い歩きになった。山頂からは素晴らしい眺望を満喫できる。北方向には天狗岩、その左手に霊仙山、山頂付近の広い平原、市街地と伊勢湾、南方向には鈴鹿の山並みがずっと続いている。写真をお願いし、山頂近くで腰を下ろす。この時間でも霧氷が残っている。次々と枝から離れていくが、それでも見ごたえがある。昼食時間はたっぷりと取った。付近も花を探した。
 

鈴鹿山系南の稜線が続く

天狗岩、その左手に霊仙山

山頂からは大貝戸に下るコースを取る。滑りやすい斜面を慎重に下り、アセビの中を進めば避難小屋の藤原山荘に着く。小屋の中に入ってみる。以前よりずいぶん手入れが行き届ききれいだ。しばらく時間を取る。トイレも立派になっている。
を少し休んだ後、天狗岩の方に向かう。通常の4月には登山道から離れた草原に、キバナノアマナ、アズマイチゲ、キクザキイチゲ、ミノコバイモが色どりを添えていたが、やはり時期が早いのか、全くそれらしい気配はなかった。

藤原山荘越しに藤原岳

しばらく探索したが、諦めて藤原山荘の横を通り、大貝戸に向かう。9合目付近や8合目までの道にはフクジュソウが多いところだが、蕾の状態であったり、これからなのか、少ない。ここ最近以前ほどの群落は見られない。9合目の日当たりの良いところでフクジュソウの写真といなげ市街地の様子をながめ、急な坂を先に進む。


8合目には、アセビの大木があって、赤系統や白、ピンクがかった白などが楽しめるところだったが、何とか赤の蕾が見られる程度で期待を裏切られた。ここからは分岐を大貝戸方面に取る。スギ林が続く道である。最後近くにはユズリハが多くなる。
スギ林を順調に下り、神武神社横に下山する。その先がビジターセンターで、トイレや靴の泥落とし場がある。泥を落とし、一息ついた後、西藤原駅に向かう。ローカル電車のこと、待ち時間が長ければ歩くつもりであったが、少しの待ち時間で出発する。料金は190円だった。
三岐鉄道西藤原駅
東藤原駅から、駐車場所まではかなりの距離で、駅員さんに大体のことを聞き、簡単な地図をもらって、地図ナビを頼りに歩く。約40分の舗装道歩きで戻ることができた。
経は、素晴らしい天気と、可憐な花に出会えた1日だった

花々
         
 ヒロハノアマナ  タチツボスミレ  コショウノキ(カラスシキミ)  オモト  ミスミソウ
         
 ミヤマハタザオ  セツブンソウ  ミヤマハコベ    フクジュソウ
         
 オニシバリ        


行程マップ

YAMAP利用で引用

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作成日: 2020年4月21日